「ど、ど、ど、どうしようかしら」
私とした事が物凄くテンパっている。いつになく早い鼓動、紅潮した私の顔。そして、この胸の締め付け。これらが示し得る感情はもう一つしかなく、余計に私の鼓動は加速していく。
「…あう」
もう、頭から煙が出てしまいそうだった。
「由比ヶ浜さん…」
彼女が愛おしくて愛おしくて、この場にいない事すら惜しまれる程、私は嬉しかった。今すぐにでも返事がしたかったけれど、もう12時を過ぎた時間だ。流石にこの時間に電話をする事は躊躇われたので明日伝える事にしよう、そう考えてベッドに潜り込む。
「……どうしましょう、寝られないわ」
目を瞑れば夕方の部室の光景が繰り広げられ、気になって眠るどころの騒ぎでは無くなっていく。…ああ、私はこんなにも由比ヶ浜さんの事を想っていたのね。
「…好きよ、由比ヶ浜さん」
そう呟くと今までの鼓動が嘘のように落ち着いていく。…これは安心から来るものだ。焦りや不安はいつの間にか吹き飛び、心地よい眠気がやってくる。
「おやすみなさい、由比ヶ浜さん…」
「__い、おい。雪ノ下。…どうかしたか?」
「…いえ、少し気が散っていました。大丈夫です」
今まで一度も授業内容が頭に入ってこなかった事なんて無かった。けれど今日は碌に授業を聞いていない。…返事をするだけなのだけれど、昨日の夜に吹き飛ばした筈の焦りや不安が再び私に襲いかかってくる。やはり当日になると緊張するもののようね。
「そうか…気を付けるんだぞ」
「はい」
よし、少し切り替えて授業に集中するわ。……どうしましょう、由比ヶ浜さんの事が頭からこびり付いて離れないわ。
6時間目が終わり、放課後を報せるチャイムが鳴る。私は足早に教室を後にし、部室の鍵を受け取りに職員室へと向かう。
「相変わらず鍵を取りに来るのが早いな、雪ノ下」
「…部長の務めですから」
鍵を取ったと同時に平塚先生と
「ふむ、どこか嬉しそうだが何かあったのかね?」
「…いえ、先生に話す程の事ではありません。お先に失礼します」
「ふむ、まぁ頑張りたまえ」
そうやって再び足早に職員室を後にする。…平塚先生には一体どこまでお見通しなのだろう。少し怖いわ。
「や、やっはろー!」
「こここ、こんにちは、由比ヶ、浜さん」
…これでは比企谷くんを馬鹿には出来ないわね。それにしても心臓の音が煩いのだけれど由比ヶ浜さんに聞こえていないかしら…?
「き、今日もいい天気だね!」
そこまで緊張されると逆に受け手側は冷静になるのよね…。ありがとう、由比ヶ浜さん。
「そ、そうね。…それで、昨日の事、なのだけれど」
「ゆきのん…」
「わ、私も由比ヶ浜さんの事が__
ガララ
「うっす……。……うっす」
ガララ ピシャッ
「「…」」
…あの男に説教をするという用事が出来たわね。
今回はゆきのん視点で書いてみました。
上手くかけているかは微妙ですが…。
需要は少しはあるようなので細々とやっていきます。
文字数は増えない!(・Д・)