集中治療室に明石は運び込まれる。体内に侵入した深海細胞を除去するためだ。
神通たちは入渠ドッグへと運ばれ、そのまま回復を待つ予定だった。しかし富村提督から高速修復剤の使用が命じられ、すぐにドッグを出ることになる。傷は治ったが、精神的な疲労は抜けきっていない。
だが、ドッグに入らなくて良かったかもしれない。
疲れた体だ、すぐに寝てしまう。そうなれば確実にあの夢を見る。夜中の海で煌々と燃える炎を。
それを生み出した、私の姿を。
執務室に集まっていたのは、提督と神通、スネークに伊58の四人。
やはり槍先に上がったのは不死のレ級――謎の忍者は、
「ばらばらにしても行動し続けるレ級か、恐ろしいな」
「だが仕留め方はあるようだ、例の忍者は、アレを完全に無力化していた」
忍者とレ級が、グルでなければの話だが、とスネークは付け足す。
倒し方は未だに分からないが、不死身でないと分かっただけ、精神的にはだいぶマシだ。更にスネークは、手土産を持っていた。
「あのドサクサに紛れて、遺体をレイに回収させた」
「遺体? 待つでち、深海凄艦は死んだら消滅する生物じゃないの」
「ああ、だが消滅せずに残っていた」
体を欠損しても動き回り、死んでも消滅しない。
深海凄艦どころか、生物の法則に歯向かっている。どんな遺伝子構造をしているのだと、神通は震えた。
その遺体に関しては、G.Wと北方棲姫が共同で調べている。深海凄艦に関しては、人間よりも詳しい。人間の研究者を関わらせないのは、スネーク、北方棲姫ともども、人間を信用し切っていない証拠だ。
それに加え、同じく化け物じみたハリアーと交戦したことも伝える。
高速で飛翔するミサイルは撃ち落とし、砲撃はバレルロールで躱していく。伊58の水上戦闘機がなければ、恐らくヘリごと叩き落とされていた。
「ミサイルを、機銃で撃ち落としたのかい」
「間違いありません」
「艦娘の兵装なのに?」
「汚染されていたからだな」
提督の言葉に、神通はハッとした。
艦娘や深海凄艦に、既存の兵器は通じない。それはこの戦争の大前提だ、勿論運用する兵器も同じく、通常兵器は通じない。
唯一の例外が、深海の力に汚染された兵器だ。スネークが拾ったライフルも汚染されていた、だから攻撃が通じたのだ。
だが謎が増える、汚染する力を持つのは、陸上型深海凄艦だけだ。汚染された兵器が流通していないのは、それを生産できる陸上型が貴重だからだ。
今神通たちに立ち塞がっているのは、軽巡棲姫と戦艦棲姫。どちらも水上型だ、陸上型深海凄艦は見ていない。
「思えば、ソロモン諸島にも基地型はいなかった」
スネークは以前、汚染された局地戦闘機雷電を乗りこなしていた。その時も基地型は見なかったという。
「軽巡棲姫と戦艦棲姫の後ろに、別の基地型がいる、ということでちか」
「白鯨も含めたら四隻、いくらなんでも無茶です」
「四隻だけなら良いが」
彼女が考えていたのは、とんでもなくかつ信じがたい懸念事項だった。
「私は背後に合衆国がいると考えている」
「まさか」
あれは人類の敵だ、深海凄艦というだけで、そうなるのだ。
慕われていた神通が豹変する、人類を滅ぼそうとする。それは深海凄艦なのだ。滅ぼす対象の人類と手を組むなど。
「ではハリアーや最新鋭のサーマル・ゴーグルはどうやって調達した」
「それは……」
「ありえない、アメリカと日本はいまだに同盟国だ、そんなことが露見すれば、国際問題どころの騒ぎではない」
神通も提督の答えを信じることにした。
「いや、多分その通りでち」
その希望は、伊58があっけなく粉砕した。
彼女がおもむろに取り出したのは、一枚の写真だった。水上戦闘機からとった写真だが、凄まじい霧でぼやけている。辛うじて写っていたのが大発と、人型の生物だと分かる。島にいた深海凄艦が脱出する瞬間が撮影されていた。
「これは神通たちがいた場所の、真反対から取った写真でち」
「真反対、じゃあ乗っているのは陸上型の深海凄艦ですか」
「いや待て、複数人乗っている。陸上型がそんな簡単に、何人も集まらない」
嫌な予感が過るが、神通はそれでも冷静に考える。
普通の深海凄艦は大発に乗らない、自力で受ける。乗るのは自力で受けない陸上型だけ――しかしこの複数人が全て陸上型とは考えられない。積載量の問題もある。
「水に浮けず、大発に乗らないといけない、陸上型以外の人型生物。そんなの人間以外に、誰がいるでち?」
嘘だ、心がそう叫ぶ。
しかし考えても考えても、それ以外に合理的な答えは浮かばない。現実は非常だった、ハリアーの存在も踏まえると、軽巡棲姫に合衆国が協力してたとしたか思えない。
「馬鹿なことを言わないでくれ、あくまで予想じゃないか」
「ならその写真を解析してみよう、今やっている木曽の写真の解析が終われば、答えはおのずと見えてくる」
「……好きにしてくれ、だが忘れないでほしい、優先すべきは敵に核を奪われないことだと」
「私は日本がどうなろうが、関係ないがな」
そう言いスネークは執務室の外へ出る。この場の空気に耐えられず、神通も彼女を追い駆けた。同じ様に伊58もスネークの後ろを歩く。
画像解析をしているスネークの艤装は、ドッグに置いてある。落ち着いて目の当たりにすると、凄まじい占有率だ。その傍には青葉がいて、写真の解析作業をしていた。
「青葉、追加の解析だ」
「え、まあ良いですけど」
青葉は今スネークの艤装――正確には内部のコンピューターだ――を借りて、画像解析をしている。取材や撮影を趣味にしている内に、身に付けた技術らしい。
「でも多分、これ艦娘ですね」
「本当ですか」
「覚悟は決めといた方が良いかもしれません」
同じ艦娘と殺し合う覚悟を決める、決めないといけない。今の仲間を取るか、それとも別の誰かを取るか。天秤に掛けなければいけない、正直そんな戦いはしたくない。誰だって同じだろう。
「本当に、最悪の戦場でち」
憎しみに満ちた顔で、伊58が写真を睨み付ける。
彼女は単冠湾がこうなった理由である、ブラック泊地の頃から巻き込まれている。そんな運営を強いた前任がいなくなったら、今度は仲間殺しだ。
「最悪なら、逃げればいい。いっそ死ぬ選択肢もある。我々は鉄の塊ではなく、生き方を選べる生き物だ」
スネークの言う通りかもしれない、どうしても嫌なら、そういう選択もあり得る。
「ありえないでち」
けど伊58の言う通り、それはあり得ないのだ。
自分一人で逃げ出して、仲間姉妹を見捨てるなど考えたくもない。それはもはや味方を沈めようとする軽巡棲姫以下の卑怯者だ。
「ブラック鎮守府を強制するような、国家でもか?」
「元の提督だって、意図してやったわけじゃない筈。国のため、国民を守るために必死だっただけだと思う」
「……だとしたらブラック運営は濡れ衣になるな」
国とは何だろうか、国を守ることは国民を護ることにはなる。
しかしそれは、艦娘や提督等が代わりに犠牲になることを意味する。軍人とはそういう存在だが、ここまで彼女たちを蔑ろにする世界に、護るだけの価値があるのか。
私は、何の為に。
*
どの道解析にはもう少し時間が掛かる、神通は別の場所で時間を潰すことにした。
目が覚めた明石の見舞いに訪れたのは、気持ちを紛らわす意味も多分に含まれている。もっともそれもまた失敗だったと、すぐに気づくのだが。
「明石さん、起きてますか」
返事はない、寝ているのか。いや、そうではない。
開いた窓から差し込む光が、明石をぼんやりと浮かび上がらせ、翻るカーテンが、彼女をベールのように被う。
真っ白な長袖の片方も、カーテンみたいに風ではためいていた。中に何にもないように。
「神通か」
「川路さん、明石さんは」
「一命は取り止めた、汚染らしきものも見当たらない。彼女が今こうなっているのは、受けたショックによるPTSDだ」
明石の左手は、やはり助からなかったのだ。
汚染を除去するにしても、汚染は左手どころか腕全体に広がっていた。もう左手そのものを切除するしか、方法はなかった。
しかしそれでも、手遅れだった。明石の腕は何度入渠しても、もう治らない。
「義手はもう依頼してある、じきに届く」
「そうですか、ありがとうございます」
「彼女はこの棄てられた泊地で、工作艦としての役割を全うした。情報も漏らさなかった。敬意をしめすべきだ」
その結果がこれなら、なんと救いのないことだろうか。
川路なりの慰めは、空虚に心の中を彷徨う。あの時気づいていれば、今更しても仕方のない後悔が、消えることはない。
「……ひ、と、が」
唐突に、虚空を見つめる明石が言葉を発した。
「どうしたんですか、何か思い出したんですか」
「……私の、腕を取ったの、は、
「明石さん?」
「嫌だ……取らないで、止めて、止めて! 私の手が!!」
「神通、ありがとう、あとは私に任せるんだ」
また錯乱しだした明石を置き、神通は医務室から追い出された。その間際、川路の応援が聞こえた。
「二水戦の役割を果たせ!」
二水戦、私が私である為の誇り。
今の私に相応しいのだろうか。疑問でしかない、仲間もろくに護れず、下手すれば守るべき仲間と戦っている私に。
外の風に当たり、気分が少しだけ晴れる。
冷静になった頭で、ふと思った。
そういえば川路は、よく『二水戦』と言ってくるなと。
「おー、二水戦さまだ」
これは違う、川路ではない。
埠頭の先で寝っ転がっていたのは、姉の川内だった。隣には那珂もいた、神通は何となく、二人の真ん中に座り込む。
「どうしたんですか、こんなところで」
「休憩、まだ昼だし」
今の泊地は、事実上活動停止状態にある。
あれほど頻繁に来ていた襲撃部隊は、ピタリと止まってしまった。スネークや提督は、北方棲姫から領土を奪った戦艦棲姫が、忍者にやられたからではないか、と推測していた。
「いやー、夜が待ち遠しいねえ」
「姉さんは、恐くないんですか?」
「何が? 夜?」
「惚けないでください、敵が同じ艦娘かもしれないのは、知っていますよね」
「神通は恐いの?」
姉の言葉に、神通は自覚した。軽巡棲姫を嫌悪する理由、同じ艦娘と戦いたくない理由。それは同じところにあると。
「……那珂は、見てますよね」
「あの夜?」
「ええ、8月24日の、あの時を、私はまだ引き摺っています」
「美保関沖事件、ですか」
後ろから聞こえた声に、神通は振り返る。
そこにはいろいろな機械を持った青葉がいた。丁度解析が終わり、スネークたちに報告に行く途中だったらしい。
何故彼女が――と思うが、青葉は加古や古鷹と同じ第六戦隊。そうでなくてもこの時代は、ネットで何でも検索できてしまう。
「加古に神通のことを報告したら、多分それだって言ってたんです」
「加古さんが……」
「『蕨』、ですよね」
1927年、島根県美保関沖で行われた夜間無灯火演習。
神通、那珂、加古、古鷹はそれぞれ第二水雷戦隊、第五戦隊旗艦として参加。しかしその最中、軽巡『神通』は駆逐艦『蕨』と衝突。神通は艦首を喪失し大破。『蕨』はそのまま――多数の犠牲者と共に轟沈したのである。
「私は、アーセナルみたいになりたかった」
ぽつり、と神通が言葉を漏らす。
「何があっても、仲間を護れる彼女に憧れた。あの子を沈めてしまったからこそ」
本物のスネークと会った今、『レイテの英雄』と本当は違っていると理解している。それでもあの時抱いた憧れは本物だった。
「そうなれなかったら、あの子が沈んだ意味がなくなる。私は……本当に私が許せなくなるから」
艦の時から今に至るまで、自分を許したことは一度もない。
それは、これからも変わらない。許されないことをしてしまったのだから。この罪を背負って戦い続けること。二度と同じ過ちを繰り返さぬよう、命を賭して仲間を護ること。
そうあるべきだと、決意した。
意志は人の体と心を得て、より強くなった。その理想を――噂の上では――体現していたアーセナルギアに憧れたのは、当然のことだった。
「……でも、私がその為に沈めてたのは、他ならない仲間だった」
「全員が全員、深海凄艦になるわけでは――」
神通を慰めようとした青葉は、途中で口を閉ざした。D事案の可能性がある、ただそれだけで十分だと察したのだ。
「それに、今私たちの敵に回っているのは、アメリカの艦娘かもしれない」
それもまだ可能性の話だが、これも神通を怯えさせるのには十分だった。
「艦娘と深海凄艦を行ったり来たりして、同じ艦娘で沈め合って」
「神通……」
「あの時と何も変わってない、なら私達は、どうして生まれ変わったんですか」
川内も那珂も青葉も、一言も発しなかった。
神通の言ったことは、残酷だが紛れもない現実だったのだ。D事案による転生、国家の都合で仲間殺しをさせられる艦娘。
D事案を『生まれ変わり』とみるか、『死』とみるか。ただ同じ艦娘というだけで、仲間になるのか。そういった疑問はあるが、壮絶な過去をもつ神通からすれば、とうてい割り切れるものではない。
「なのに、あいつは」
だからこそ、軽巡棲姫はもっとも許せない存在だった。
「同じ悩みも、罪も知っている。同じ『神通』なんだから抱えていないわけがない」
認めたくもないが、実力的にも私より上だ。
「それなのにあいつは、那珂を沈めようとした。仲間殺しを、またやろうとした。自分の意志で!」
「軽巡棲姫を見て、いつも暴走するのは、それが理由?」
「……そうだと思います」
認められるはずがない、認めてはいけない。あれが神通だと。かつて神通だった事実でさえ、認めたくもない。
やるべきことは分かっているのだ、あの堕ちた神通を止めること。それが自分の役割、例え軽巡棲姫が何を知ったせいで堕ちたのかなど、関係ない。
例えその過程にあるのが仲間殺しであろうと、進まねばならないのだ。この告白は、自分の成すべきことを再確認する意味もあった。
長い沈黙が続いた。
小さなすすり泣きは、いったい誰のものなのか。
「やることが分かっているなら、あたしからどうこうする気はない」
涙が止んだ時、日が沈みかけた時。
川内が、地平線を指さした。
「だけど、夜から逃げちゃ駄目」
「逃げる?」
「
既に太陽は沈み、暗闇が海を覆いつくしていた。
「それに夜は、そこまで恐いモノじゃないよ」
「何も見えない、敵も味方も分からないあの闇が、ですか」
「だからこそ、見えないからこそ、見えるものがある。神通にとって本当に大切なのは、きっとそれだ」
川内の問いかけは、謎掛けのようだった。
しかし話を誤魔化しているようにも、茶化しているようにも聞こえない。心から心配した故の謎掛けではないか、神通は直感的にそう思った。
*
木曽の写真に写っていた艦娘は、やはり米国の艦娘だった。
そして伊58の撮影した揚陸艇に乗っていたのも、やはり人間だった。それはつまり、これまでの妨害が合衆国の謀略だったことを意味する。
更にこの写真は、もう一つの事実を暴きたてる。
「揚陸艇に乗っていた人間の内何名かが、単冠湾の配属データ内に存在した」
「アメリカ人が、日本の泊地で働いていたの?」
伊58の問いに、スネークが頷く。
彼等が配属されていたのは数週間前、つまり単冠湾がブラック運営をしていた頃と一致する。しかも配属されていた情報は、完全に抹消されていた。
「痕跡も消されていた、G.Wにサルベージさせなければ気づかなかった。此処で働いていた時の戸籍や個人情報は、全て偽装だ」
「何故そんなことを」
「分からないか、合衆国は、核の捜索を妨害したいんだぞ」
明石を誘拐し人質にしたのは、時間稼ぎが目的だった。
日本が手こずっている間に、軽巡棲姫たちはアリューシャンに隠された核を発見する。北方棲姫が捕獲できない場合のサブプランとして、左手を切った理由は分からないが。
「まさか?」
「証拠も見つかった、こいつらは単冠湾泊地を『ブラック化』させるために送り込まれた工作員だ」
本来非効率だから起きないブラック運営が起きたのは、意図的なものだったからだ。
運び込まれる物資の制限や、泊地近海への深海凄艦を追い込み。CIAのリストにも彼等は存在していた。
全て核を奪わせない、その為だけに。
その為だけに、深海凄艦とさえ手を組んだ。
そして時間を稼いだ合衆国は、遂にアリューシャン方面に部隊を展開。深海凄艦と連合を組み、核の捜索に入る――可能性が高い。
「しかし不思議だ」
「何がですか?」
「ブラック鎮守府が内通者によって引き起こされたことを、本当に今の今まで知らなかったのか?」
一度ブラック鎮守府が発覚した後、内部調査が行われた。その時合衆国がやった工作の記録が見つからなかったのか。そこまで調査員が無能ということはあるまい。
最初の時点で、騒動の裏に米国がいたのは分かっていたことになる。
「お前、最初から知ってたな?」
遥か遠い場所を見つめながら、提督は歯を食い縛っていた。スネークはその態度を肯定と捉え、深くため息をついた。
「アメリカにも深海凄艦にも核は渡せない、しかし同盟国相手との戦いに、躊躇する連中もいる。だから敢えて教えなかった。そんなところだろ?」
「必要の原則は、軍事行動における基本だと思わないかい?」
「言い訳はたくさんだ、核の発見には協力するが……私を都合よく利用することの意味は、分かってもらうからな?」
この調子だと、最初から核の存在も掴んでいたかもしれない。
仲間のため、二水戦の誇りのためとはいえ、結果的に富村提督や政府の利益になるのだろう。心の奥底に、小さな棘が刺さり、抜けてくれない。
〈どうかしましたか神通さん〉
〈いえ、この時代だと、精神的に負傷した艦娘はどうなるのかと思いまして〉
〈あーそうですよね、青葉たちの時代にはまだ発展してませんでしからねえ〉
〈どうなんでしょうか、明石さんが心配で〉
〈大丈夫でしょう、今の時代は艦娘専門の精神科がありますから〉
〈艦娘、専門?〉
〈だって艦娘の精神構造は、人間と大きく違うじゃないですか〉
〈遺伝子上は殆ど差異がないと聞きましたが〉
〈でも最初から人格が出来上がっていて、記憶もあるんですよ、どうやったって人間とは違ってきます〉
〈だから人間とは区別した専門の分野になるんですね〉
〈それだけではありません、解体された艦娘も一定期間入院することになっています〉
〈入院? 心の病になっていなくてもですか〉
〈ええ、生まれてから戦うことが必然だからでしょう、昔……と言っても15年前ですが、その頃は使えなくなると解体し、世間に放り投げることが当たり前でした〉
〈嫌な予感しかしないのですが〉
〈正解ですよ、戦いしか知らない私達は世間に馴染めず、PMSCsに入るか軍に復帰する……ぐらいならマシで、酷いと犯罪行為に手を染めてしまうことが多かったんです〉
〈そこまで……〉
〈ある程度深海凄艦と戦えるようになってからやっと法整備が進み、こういった退役艦の支援やブラック鎮守府の禁止法が整備されたんですよ。だから明石さんも、きっと回復します〉
〈そうですよね、私もそう思います〉