ジャングルの木々は生い茂り、光を遮っている。自然の豊かさを享受すると言うが、自然は本来、恐ろしいものだ。道もなく、光もない。危険な生物はそこかしこに潜んでいる。人の手の入っていない原生林は、余りにも厳しい。
ましてや、その中に軍艦が乗り込もうなど、無茶が過ぎる。だが、人の体は自然に適用しようと躍起になり、足掻いている。しかし、あくまでも軍艦だ。人と機械の区別は、とっくに曖昧になっている。
朝日の光が、彼女を照らす。光の中に、小さな影を見つけた。影は一直線に落下し、ジャングルへ消える。見間違え出なければ、あれはスネークだ。
軍艦が、ヘリからジャングルへと侵入する。
また、時代が変わりつつある。ガングートは、空を見上げた。
時間は、スネークが検査を終えた直後まで遡る。
モセス基地の最深部、REX格納庫として使用される可能性もあった棟の指令室に、スネークとガングートはいた。二人の会話を、G.Wも聞いている。
「スネークには、これからソ連に行ってもらう」
「ソ連? また急な話だな」
「G.Wにも認めて貰っている。時間がなくてな、勝手に進ませて貰った」
「理由があれば別に構わないさ」
ガングートに全幅の信頼を置いている訳ではない。しかし、G.Wが裏切りやスパイを見逃すことはない。AIに感情はなく、冷たい理屈があるだけ。後ろめたい理由があったとしても、結果的に不利益にはならない。私に死なれれば、G.Wも色々困ることになる。
〈先んじてソ連に侵入していた青葉から、有益な情報が齎された。メタルギア・イクチオスの生産工場を、彼女は突き止めた〉
「本当か」
素直に驚いた。いくら才能があり、ガングートが仕込んだといえ、此処まで短期間で突き止めることができるとは。上手く行き過ぎて、怪しくもある。情報を手に入れるように、誘導した可能性もある。
〈罠の可能性も考慮している。だが、どちらだったとしても、我々はそこに行かなくてはならない〉
「
「イクチオスの生産工場の特定と、破壊工作……忘れてはいない」
アフリカのガルエードにあったのは、あくまでイクチオスの
片方の情報は、実質ヴァイパーから齎されたものだ。それがより、罠の可能性を低くした。ヴァイパーは愛国者達と敵対していた。あの男は、独自の意志で動いていた感覚がある。ガルエードの情報は、愛国者達が想定していなかったものかもしれなかった。
現に、託されたものもある。これはG.Wにしか明かしていない。スネークたちが警戒しているのは内通者の存在だ。これまでも何度か、スパイを思わせることが起きている。それがハッキリするまでは、二人だけで隠すことになっている。
〈ソ連へ行く理由は他にもある。下手を撃てば、第三次世界大戦が起きる危険性があるのだ〉
「なんだと?」
〈メタルギア・イクチオスが、各地で深刻なテロ被害を齎しているのは言うまでもない〉
深海海月姫が轟沈したことによって、制御下に置かれていた深海凄艦は一斉に暴走を始めた。これにより、深海凄艦を戦力化していた国家は致命的な打撃を受ける。放っておいても、数年以内に壊滅するだろう。
だが、そんなことは、テロの被害国家の知った事ではない。一度受けた痛みは消えず、傷は治らない。時間と共に膿んでいき、更に腐敗は進む。深海凄艦と第三各国への報復心は、強まる一方だ。当然、ソ連も例外ではなかった。
「イクチオス開発に関わっていたのはソ連全体ではなく、GRUの一派だと聞いているが」
〈関係ない、他所から見ればソ連はソ連だ。生産工場までソ連領内にあると知られれば、もう言い逃れはできない。ソ連を潰すために、各国はこぞって行動を始めるだろう〉
世界中で起きたテロ。その手引きをしていたのが、ソ連だと知られれば。
勿論、やったのは一部の勢力だ。しかし、世論はそんなところまで考慮してくれない。ソ連自体が、深海凄艦との距離が近いのも不味い。
まず間違いなく、ソ連は深海凄艦に与するテロ国家となる。全面戦争が始まる。核の撃ち合いさえ想定できる。艦娘は殺せなくても、暮らす人間は殺せるのだから。護る対象をなくした艦娘を蹂躙するのは、簡単だ。勿論、アメリカや日本が、残っていればだが。
「その前に工場を破壊する、そういうことか?」
〈そうだ。他国の諜報機関も気づき始めている。この情報を大々的に流し、全面戦争を起こそうと目論む強硬派が動きはじめている〉
「何の得があるんだ」
「簡単だ、共産勢力を根絶やしにできるチャンスだからだ。アフリカや中南米への影響力は、深海凄艦により弱まっている。ここで世論を味方にできれば、力の根幹を失ったソ連は消える。共産勢力が滅ぶことを望む人々は大勢いる」
かつて、戦艦水鬼が言ったように、世界は一応平和となっている。深海凄艦のおかげで、人類同士で争う余力がなくなっている。だが、余力がないだけ。敵である事実は変わらない。握手をしながら、背中で銃を隠し持つ関係になっただけだ。
「だからこそ私たちに工場破壊の依頼が来た。あちらからの依頼だからな。
特殊作戦機を使い、内部工作で空けられた警戒網の穴から、HARO降下で突入する。しかし、空から行けるのは行きだけ。帰りは徒歩なり陸路なりで、国境を越える。スネークの身体能力なら、60マイル程度は踏破できる。
〈これを機に全面戦争を始めようとする強硬派は、ソ連内部にもいる。国内外の過激派を抑え込めるのは、もって四日間だ〉
スネークイーター作戦でさえ、一週間の猶予はあったのだ。だが、期間内に任務を遂行する以外の道はない。流れに流されて、また、全面戦争の重荷を背負わされるとは。スネークは乾いた笑いをするしかなかった。
*
着陸した地点から、スネークは北上していく。ジャングルの中を進むのは、今までのスニーキングとは訳が違った。まず、敵兵がいない場所がある。だが、罠がある可能性が潜む。危険な野生動物がいる。猛獣だけでなく、強力な毒蛇にも注意しなくてはならない。四六時中警戒することはできない。集中が途切れ、その時致命的なミスを犯すかもしれない。
ツェリノヤルスク一帯は、全て『敵』のテリトリーだ。敵兵がいないことは絶対にない。だが、どこから現れるのは分からない。草を掻き分ける音、土を踏み締める音は、消そうと思っても消せない。
集中すべき時と、そうで無い時を見極め、進むしかない。だが、いきなりやれと言われてできれば苦労はない。地面を這う蛇や突然飛び立った鳥にさえ、驚いてしまう。スニーキングは環境を味方にしなくてはならないが、ジャングルは天敵のようなものだった。
ぬかるんだ地面に何度か足を取られながら、つぶさに周囲を観察する。せめてもの幸いか、周囲の地形は全てデータ化されていた。スネークイーター作戦当時の地形データが、G.Wに保管されていたのだ。
〈着地地点から北上したところに、廃屋がある。そこで彼女が待っている。まずは、彼女と合流しろ。それと、当時の地形データを過信してはならない〉
G.Wの警告は覚えていた。
だが、まさかここまで変わっているとは、思いたくなかった。北上する為の通路は、一本のつり橋で繋がっていた。下は数百メートルはある崖だ。ルートを一本に縛ることで、警備を簡略化する狙いがあった、場所
つり橋は、どこにも見当たらなかった。
場所は間違っていない。廃屋に行くには、対岸へ渡るしかない。それを繋ぐつり橋は、もう崩れてなくなっていたのだ。
破壊されたのか、朽ちたのかはどうでもいい。このルートを使えないとなると、迂回するしかないが、時間が掛かり過ぎる。廃屋で待つ彼女も、危険に晒されていく。スネークは谷底を見下ろす。
変わったことが、もう一つあった。
崖の下は、元々小さな沢が流れていた。だが、その量が激増していた。濁流と言うべき河となっていたのだ。その分水の勢いは激しく、水しぶきが飛び散っている。
もう一度対岸を覗き見る。数こそ少ないが、見張りの深海凄艦が数隻いる。これしかない。タイミングを見計らい、崖へと飛び込んだ。増水した水のおかげで、水底に体をぶつけることはない。だが、猛烈な濁流が意識を押し流そうとする。
衝撃で、息を吐きそうになる。それはできない。水から顔を出せば、たちまち見張りが銃撃を始める。嘔吐のような不快感に苛まれながら、必死で体を前に進める。なるべく水底にも潜り、流れの影響を限界まで減らす。
耐え過ぎて、肺に激痛が走る。苦悶に顔を歪めても、スネークには耐えることしかできない。耐えられなければ死ぬ。舞い上がった石が体に何度もぶつかる中で、ようやく対岸の崖に、手をつけれた。
顔を上げ、ありったけの息を吸う。ここは対岸の真下だ。完全に覗き込まなければ、死角になっている。まさか、この濁流を泳ぐ侵入者がいるとは思っていない。スネークも、自分が潜水艦でなければ、やろうと思わなかった。
気まぐれに覗きこむ可能性もある。急いで登らなくてはならないが、焦って音を立てたら意味がない。ところどころに亀裂が入り、不安定な崖をよじ登る。石ころ一つとして剥がしてはいけない。首元は、もう汗だらけだ。
バクバクとうるさい心臓を抑え、手を伸ばす。少しずつ慎重に崖を昇っていく。急げと捲し立てる本能を、訓練された理性が抑え込む。崖上の地面に、指先がかかった。焦りを抑え、覗き込む。敵兵の目線は対岸を見ている。スネークは見ていない。
指先と足元に渾身の力を込め、体を押し上げる。突如現れた侵入者に、深海凄艦は対応が遅れた。一気に間合いを詰め、顎にひじ打ちを叩き込む。脳震盪を起こした深海凄艦の足を払い、もう一隻へと投げ飛ばした。
巻き込まれ、転倒した敵兵の首元を締め上げる。首がだらりと下がり、白目を剥いて意識を失う。無力化した二隻を、繁みの中へ隠す。最初の一隻は、何が起きたのかも分かっていない。意識を回復するまでに、廃屋へ行かなくてはならなかった。
崖を濁流から昇ってくることは、想定されていないのだろう。そこから廃屋まで、敵の気配はしなかった。時間もない。スネークはジャングルを一気に走り抜けていく。度々罠が設置されていたが、ヴァイパーが仕掛けたものほど、精密ではない。
廃屋は、一発で分かった。
人の手が入っていないジャングルの中で、場違いな人工物が立っている。大量のドラム缶に、半ば朽ち果てた段ボール。周囲を覆う鉄の柵は、廃屋をぐるりと囲んでいた。
多くが崩落しているが、建物自体はかなり大きい。人が棲むための建物ではない。ドラム缶には燃料らしき液体が入っている。恐らく、元々は何かの工場だったのだろう。こんなジャングルの中だ。後ろめたい、闇工場に違いない。
しかしそれも、今は赤錆で覆い尽されている。鉄の柵も、少し手をかけるだけでボロボロと崩れていく。あと数年もすれば、建物は完全に崩れ去るだろう。存在が、やがて忘れ去れていくのだ。
眺めていた時、背後から足音がした。
反射的にハンドガンを構え、ポインターを合せる。ソ連の夜戦服に身を包み、目だし帽を雑に被った女性がいた。だが、長すぎる銀髪は、全く帽子に収まっていなかった。
「愛国者達は?」
「ら・り・る・れ・ろ……これはどういう意味なんだ?」
意味なんて全くない。だが、仲間という証明はできる。目だし帽の下には、銀髪をポニーテールに纏めたガングートの顔があった。
*
廃工場の中で、どうにか原型を保っている部屋があった。二人はそこに座り、写真や地図を持ち合っている。スネークは顔を顰める。スネークイーター作戦当時と比べて、地形が殆ど変わってしまっていたのだ。
「原型を留めているのは、大きな渓谷と、近くにある山頂付近。あとは、離れた場所にある湖ぐらいだな」
「いくらなんでも変わりすぎだ」
当初予定されていた侵入ルートは、全滅したと言っていい。クレパス地下に通っていた洞窟に至っては、完全に水没している。泳いで行けないこともないが、潜水艦の巣窟と化しているらしい。
二度の核爆発、温暖化による環境変化、そして深海凄艦の流入。しかし、ここまで変わるとは思っていなかった。深海凄艦も、ある程度棲息し易いように、環境をいじっているのかもしれない。
「そもそもなんだが」
「どうした?」
「なぜ、深海凄艦がこんなにいるんだ? ここはソ連領内だろ」
当然の疑問だった。ソ連は人類の敵を国内に立ち入らせて、見て見ぬふりをしていると言っていい。そんなことが許されるのか分からなかった。
「確かにソ連領内だ。だが、『中立区』でもある」
「中立区……一切の戦闘を禁じる、非戦闘地帯のことか?」
「そうだ、ここでの戦闘行動は禁じられている。つまりツェリノヤルスクは、深海凄艦が良いとソ連が認めた土地だ」
おとなしくしている分にはだが。そうガングートは続けた。
そもそもの理由は、ソ連──しいてはロシアという北の環境に理由はある。
深海凄艦との戦争は領土や領海の奪い合いだ。艦娘に守られた土地は人の土地に。深海凄艦に支配された土地は赤く染まる。
しかしソ連については、事情がやや違っていた。
北方は当然寒い、故に不凍港が極端に少なくなってしまう。凍っていない海の方が珍しい。つまり海や港を奪っても、凍っていて使えないのだ。
よしんば、貴重な不凍港を奪おうとしても、凄まじい骨肉の争いになる。そこまでやって得られるのは、たかが港一つ。戦略的アドバンテージはとれるが、そこまで戦力を使うぐらいなら、他の海域に行った方が良い。
深海凄艦はそう考え、好戦的な姫の大半は南へ行ってしまった。結果残ったのは、あまり戦いに興味がない消極的な姫ばかりになってしまったのだ。
そんな個体と何年も関わっていれば、ソ連の方だって警戒心はどうしても薄れていく。そうしてソ連は、日本や合衆国と比べて深海凄艦との距離が近い国になったのだった。
「だが、一定の線引きは必要になってきた」
「線引き?」
「あまりに関係が近くなりすぎて、いつのまにか人間社会で生活し出す個体が出始めたんだ」
これに頭を抱えたのがKGBだった。いくら戦う気が皆無といっても深海凄艦は深海凄艦。世界的に見れば人類の敵である。それと一緒に生活している事実が漏れれば、ソ連が攻撃の対象になる危険が出てきた。
「KGBは、深海凄艦が生活して問題無いエリアを設けた。当然諸外国には内密にな。戦闘をしないなら、ここで暮らしていいと」
「それがツェリノヤルスクか」
深海凄艦が生活する中で、ツェリノヤルスクの環境は変化していった。その結果が水量の異常増加や、それに伴う地形の変化である。
「もっとも、それが原因で後ろめたいことの温床になりつつある。腹立たしいことだ」
中立区で暮らす大多数の個体は平和を望んでいる。人間の文化にいつか触れられると信じながら静かに暮らしているのだ。そのささやかな望みを踏みにじる連中がいる。ガングートの苛立ちは眼に見えて分かった。
しかし、そうなるのは仕方ないのではないだろうか。
ガングートは知らないかもしれないが、ツェリノヤルスクはかつて、米中ソ全てを巻き込んだ壮絶な諜報合戦が起きた場所でもある。
挙句、史上三度目と四度目の核攻撃を受けた後ろめたい土地でもある。そんな場所だからこそ、深海凄艦の中立区という、暗い事情を抱えた場所として選ばれたように思えた。イクチオスの工場が存在するのも、そういった理由がある。
「深海凄艦たちは工場のことを知っているのか?」
「分からないが、全員が工場に協力していることはない。あくまで一部の過激派だけだ」
「そいつらが、中立派に紛れてコソコソしている訳か」
事情を知らない深海凄艦すれば、スネークは完全武装で乗り込んできた敵、または機密を握ろうと目論見るスパイだ。過激派にとっては、多くの作戦を破壊してきた不倶戴天の存在。つまり、どちらに見つかってもただでは済まない。
「今更言うまでもないが、お前は絶対に見つかってはいけない」
「分かっている、ステルスだろ? お前こそどうする気だ?」
モセスにスパイがいる危険を踏まえて、ガングートが現地でどう協力するのかスネークは聞いていない。知っているG.Wも話してくれなかった。スネークは徒歩で、工場に侵入する予定だが、こいつはどうするのか。
「私は、
「何だって?」
「勿論策はある。内部にいる協力者が手引きしてくれる予定だ。ただし、工場まではお前と別ルートで行く」
まさか、あの恰好で乗り込むのかと疑っていたが流石に違ったか。スネークは胸をなでおろす。しかし協力者とは誰なのか、そいつが信用できなければ意味がないからだ。
「フョードロフが内部協力者を用意してくれたんだ」
「あいつが? なぜ?」
「当然だろう。この工場の存在はソ連にとってもヤバイ案件だ。だがKGBが動けば荒が立つ。イクチオスの工場破壊という任務達成は、あいつらにとっても望ましい」
被害は、人間だけにもとどまらない。
中立区にイクチオスの工場があったとなれば、全ての深海凄艦が疑惑の対象になる。戦いを望まず逃げてきた深海凄艦も、皆殺しになる。新たな報復心が生まれ、戦争はより泥沼へと陥る。
ヴァイパーの言うことが確かなら、それこそ、愛国者達の意図だ。明確な敵を作り、人の意志を纏める。よくある手法だ。だが、それを世界規模でやれば収集がつかなくなる。仮に、私がそれを止めることまでもが計画の内だとしても、やらなくてはならない。
「工場に入った後は手助けできるが、あくまで本命はお前だ」
「分かっているさ、こちらこそ頼りにしているぞ」
「ああ、勿論だ」
ガングートはそう胸を叩いた。
彼女もまた、特殊な立ち位置にいる。もしかしたら、フョードロフとも違う立場で動いているのかもしれない。元々あちらが押し掛けてきた協力関係だ。完全に信用するのは間違っている。
だが、信用しないことも間違っている。
今、この時は、きっとガングートは裏切らない味方に違いない。スネークは地図を精査する彼女を見つめていた。できれば、裏切らないことを祈って。
〈そういえば、青葉はいったいどこにいるんだ?〉
〈モスクワだ、そこに色々な機材を持ち込み、情報を集めさせている〉
〈……正直、お前一人で良いと思うのだが〉
〈青葉を心配しているのか?〉
〈そういうことではない、効率の問題だ。大規模情報処理システムのお前では駄目なのか?〉
〈結論から言えば駄目だ。我々の世界で
〈愛国者達のエージェントか〉
〈下級工作員に、シギント達、そうとさえ自覚していない連中に、仕込まれたナノマシン。インターネットだけでは限界がある。なによりデジタル情報には、信憑性が欠けている。最後に確信を得るには、どうしても生の情報がいる〉
〈やはりそうか、21世紀の戦艦が、情けない話だ〉
〈碌にハイテク兵器を使えない身で、今更言うことか?〉
〈なら景気よくミサイルを撃たせてくれよ、たまには艦らしい戦いを――〉
〈その分の資材を稼げるなら、考えないこともない〉
〈……チッ〉