黒鉄の英雄簿   作:kouti

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8/28 修正という名の半改造


1章 東を目指して
マイナスから始まる物語


何も無い・・

いや、あるにはある・・

石造りの壁と鉄の檻

檻の外にある階段

薄暗く、ジメジメとしている

側に寄り添うのは金髪の女の子・・

私の双子の姉のアニマートだ・・

ここに来てもうどれ程の時間が経ったのだろう

ここに来てしまったのには理由がある

お姉ちゃんの狩猟に付いて行ったのが原因だろう

そもそも、体力の無い私が狩猟に付いて行くこと

自体まずかった・・

人間に見つかっても逃げ切るなんて不可能で、助け

ようとしたお姉ちゃんと一緒に捕まった・・

多分先は長く無い・・病弱で、やっと治ったと思っ

たらこれだよ・・

 

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今日もパンひとかけらだけの食事・・水は垂れてく

るからなんとかなるけど、ご飯は少ないのはどうし

ようもない。ネズミがいればまだなんとかなるかも

だけど、ありんこ一匹いやしない・・

そんなことを考えてると、いつもご飯をくれる

小太りの男と・・初めて見る痩せている男が階段を

下りて来た・・

「へへ!旦那、だったらこの獣人の姉妹は如何です

か?今なら2匹で金貨3枚ですよ」

「うーむ・・片方はきつねだとして銀髪の方は寝癖

じゃないか?耳の下を向いてるし・・値下げは

出来るか?」

「無理ですね」

「他のを見せてくれ」

「はい、ではこちらの方が」

そう言って、階段を上って行った

きんか?なんだろう

「ん・・おはよう・・リテヌート・・」

「おはよう・・アニマート」

リテヌート、それが私の名前だ・・でもなぜか

違う名前な気もする・・なんだろう・・

 

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最近は身体の調子はいいようだ・・

さっきこの檻をアニマートの魔法で壊そうとし

たがどうやら結界が貼ってあるらしい・・

流石に対策されてたようだ・・

また、小太りの男と・・今度は細っこい青年?

が階段を下りて来た。

青年の背中には見慣れないものを背負っていた

「ヘヘッ、旦那、これならどうです?2匹で

金貨 3枚ですよ?」

「綺麗な銀髪と金髪だな・・店主、きっかり

金貨3枚だ」

「お買い上げか・・」

ガチャ・・

鍵が開けられる・・

「リテヌート、下がって」

「うん・・」

どうしてかわからない・・けど、何か嫌な予感が

した・・逃げないと・・

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「ふにゃぁ?」

目が覚めると牢屋よりマシなベットの上にいた

「おはよう、リテヌート」

「おはよう、アニマート・・ここどこ?」

「わからないよ・・気づいたらそこのベットにいた

もん」

もしかして・・気絶させられた?

まずは状況を理解しないと・・

床は木製の・・ツルツルしてる

壁はレンガ造りで窓が二つと、ドアが一つ

ベッドは二つで・・ここどこ?

「そういえば、さっきから潮の匂いがするね・・」

「そうだね・・」

窓の外を見る・・そこには・・レンガ造りの港町が

あった

「やぁお二人さん、お目覚めかい?」

「!?」

「あのときの・・」

そこには・・見たことある青年が立っていた

「まぁまぁ、そう構えんな」

「誰よ・・」

「おっと自己紹介を忘れてたな、俺は

オルガヌムって言う傭兵さ。そんなことより

これ・・」

そう言って紙を見せてきた

「なによ、それ・・」

「奴隷の契約書・・あんたらが気絶してる間に

済ませた」

「奴隷?嘘だよね・・」

奴隷?嘘だよね・・なんで?なんで・・全部

私のせい?私が狩りを見たいなんていうから?

「ほんとだよ・・ということで今日から俺が

マスターだ・・まぁ、奴隷だけどほとんど

お手伝いしてもらうぐらいだからな・・」

「あなた・・一体何を考えてるの?」

「さぁね?」

「何が目的なの!」

アニマートが声を荒げる・・そりゃそうだ・・

自分がこの後どうなるかわからない不安の中に

いるのだから。正直私だって不安だ・・でも

なぜか冷静でいる・・

「俺は、これから極東にあると言われる島に行く。

その際の船内でのお手伝いさんとして買った」

「だったら、男を雇うのが妥当じゃない?ましてや

獣人なんて・・」

そりゃ、荷物運びやらなんやらで力がある方がいい

ましてや獣人なんて様々な弊害になるだろう

「なんでもその島には獣人が最も栄えているらしい

だからだ・・獣人のが心許しやすいだろ?

あと敷いて言うなら、格安だからだな・・」

「安い?」

「そりゃ王都での奴隷の最低値が金貨2枚・・一人

あたりだ。お前らは二人で3枚・・安いだろ?」

「金貨ってなに?」

そうアニマートが聞いた

「今の一言で先行き不安になったぞ?まぁ船上で

ヒマなときに話してやる・・おっとそろそろ時間

だ、少し付いて来い」

なんだろう・・

 

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緩やかな坂道・・私は今アニマートに背負われている

「おいおい・・なんで背負ってんだよ・・」

「私の妹はこの程度の距離で力尽きる可能性がある

からです」

「はぁ・・もっと先行き不安になった」

オルガヌムはそう言って頭を抱えた

「そういえば・・ここってなんて街なの?」

そう聞いてみる

「サウサプトン・・この国有数の港街だ・・」

「背負ってるのは?」

「おい待て・・さては質問攻めするつもりだな?」

「そうだけど?」

「はぁ・・これはAK-47っつう銃だ・・」

「銃って渡り人の装備の?」

渡り人・・・この世界以外から来た人の総称・・

様々な技術や力を持っている為、重宝されている

「いつの常識だよ・・今は一般装備だぞ?」

「!?」

「おっとそんなことより、見えて来たぞ・・あれだよ」

そう言って指が指す先には、船体が真っ黒でまるで

三段の階段のような形をした帆船だった

「輸送船 グローリーだ。これからしばらくの間

お世話になる船だよ」

「これで、東に行くのね・・大きいね・・」

そう言いながらアニマートは尻尾を振っている

千切れそうなほど・・

「まぁお古だけど・・大砲4基積んでるし大丈夫

だろう!」

「大砲?なんで・・」

「そりゃ海賊出たらどうするさ・・抵抗する

だろ?そのための大砲さ」

「へぇ・・」

どうやら 大変な事になりそうだ・・




こんにちは!koutiです!どうでしたか?
異世界転生なんて無双もん?いえいえそんな
事は全くありません!むしろこの話は・・
おっとそろそろ失礼します。では、またどこかで

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