出航してから58日・・
あの夢以来一切夢を見ていない
天気は快晴だけど風がかなり強い
「おーい 釣れてっか?」
「全然釣れないよ・・」
風が強いせいでここ数日あまり釣れない
平穏な日々は長く続いていた
「風の魔石必要ねぇな・・強いて言うなら
マストがこの強風に耐えれるかが心配だな
まぁそうそう折れはしないだろうけど」
「とりあえず・・札術・・強化・・これで
大丈夫なはず・・」
「本当か?」
そんなスフォルと木の葉の会話が聞えて来た
「そういえばこの時期この海域は荒れやすい
って同僚が言ってたな・・」
そうオルガヌムは呟いた
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59日目
天候が悪化して、昨日の天気と打って変わって
嵐になった。船体のあちこちからギシギシと
音がなっている。
「大丈夫かな・・この船・・」
「多分大丈夫だよ・・アニマート・・」
保証は出来ないし、現に船体に強い負荷がかか
ってるのも事実だ・・そういえば薫製は濡れても
大丈夫なのかな?
そんなことを考えてる時だった・・
ドゴーン
船内に大砲でも撃ったのかと思うほど大きな音がした。
「2番マストがやられたぞ!」
「おい!だれか負傷者は居ねえか!?」
「船体は大丈夫か!?」
「左舷中央部が大破・・浸水は認められず」
「2番マストを捨てろ、言わなくても勝手に落ちる
だろうが」
「こっちに一人骨折者が」
「おい・・こっちなんか潰れてるぞ・・」
船おあちこちから大声があげられる
「とりあえず負傷者を船内に連れ込め!急げ」
「もうやってるよ」
「おい、だれか代わりに出来る奴居ねえか」
「まだ飛んでくるぞ!?なんだこの風は・・」
ドゴーン
また大きな音がした
「今度は船内後部左舷に当たったぞ!?」
「大丈夫か?」
「とりあえず浸水は無し、人的被害もだれも居な
いため、無し」
「おい、こっちに飛んできた奴に当たった奴が!
まだ息はある」
「札術・・生成・・」
「おい、木の葉、それはなんだ?」
「もしこの船が沈んでも助かる可能性を1%でも
残すものよ」
「やけくそだな!?」
「とりあえずお前らは船体にでも隠れておけ・・
ここは危険だ」
そうオルガヌムは言った。
「わかった!」
「了解」
今は言われた通りにしよう・・
ドゴーン
また大きな音・・
「今度はどこだ!?」
「バウスプリットだ!」
「1番マストも倒壊・・推力を失いました・・」
「負傷者は!?いたら早く連れ込め」
「何人いるんだ!?一人絶望的だ・・」
「船首がえぐれてる・・浸水発生してるぞ」
「塞げ!急げ」
「なんとか浸水は最小限で済みました・・」
「リテヌート?大丈夫?」
「うん・・衝撃で転んだだけだから・・」
ドゴーン
さらに・・!?
「リテヌート!?」
「嘘だろ!?」
「右舷中央部が損傷・・浸水は認められず
尚・・」
一瞬過ぎて何が起きたかわからなかった・・
空いた穴から強風で吹き飛ばされたのかな?
アニマート・・先に・・
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アニマート目線
「リテヌートが・・オルガヌム・・リテヌートが」
「アニマート・・落ち着け・・」
「こんな強風の海の中に落ちたら・・」
「諦めろ・・こんなの生き延びれるはずが無い・・
ましてやあいつの体力じゃ・・」
それは私が最も恐れていた事態だった・・最愛の妹
をこんなところで・・失ったしまうなんて・・
でも私は諦められなかった・・
「でももしかしたら・・もしかしたら・・」
「お前はこの荒海に飛び込むつもりか!?絶対に
生きて帰れないぞ!?」
「でも・・でも」
パァン
突如頬に痛みが走った・・でもそんなことは
どうでもよかった。
「助けにいかせてよ・ねぇ!?」
「くそ・・ビンタを食らわせれば落ち着くって
嘘かよ・・アニマート・・絶対に行かせないぞ・・」
「でも・・」
「無駄死にするつもりか?」
「それでも・・」
「リテヌートがそんなこと望むか?今は辛くても
生きろ!生きて生き延びて抗えよ・・逆の立場に
なってリテヌートに無駄死にを望むか?生きる
ことを望むだろ!?いい加減落ち着け」
「でも・・」
そこで私の意識はなくなった・・