やはり俺が雷門中に入学したのはまちがっていなかった。   作:シェイド

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技名いつでも募集してます。
シュート、オフェンス、ディフェンス3部門で出して欲しい技があれば検討はします。
ある程度新しい技を出すタイミングは決めているので、全部出せるかわかりませんが…。


これが俺の必殺技!

『雷門中はMFの少林寺に代わって比企谷を投入します。そして今!後半開始のホイッスルが吹かれました!』

 

 ハーフタイム中には控え室周辺で両イレブン一悶着あったが、円堂のサッカーは楽しいものだって訴えに、杉森達は首を捻りながら、不思議そうな顔をしていた。

 勝利する為だけのサッカーしかやってこなかったんだろうな…。円堂の勝利の女神論もデータ上あり得ないって否定してたし。

 後半、いつもならDFとして出場する俺だが、今日は得点を奪うためにも前めのポジションで出してもらった。

 快く交代してくれた少林寺には感謝しかない。相変わらずサムズアップはしてきたが。

 

『あ~!後半開始早々、御影は全員下がってのパス回し!前半終了間際同様、ボールを繋いでいます!これでは雷門中、中々守りを崩せな~い!!』

 

 すぐにゴールエリア付近まで全員が下がり、ボールを回している為捉えきれない。

 

「くっそ!」

「比企谷!」

 

『あっと交代したばかりの比企谷、懸命にボールホルダーを追う!しかし1人ではボールを奪いきれない!』

 

 前半から走っていたチームメイト達より体力は有り余っている。この試合に勝って準決勝に進むためにも、前半相手の動きを観察できた俺が頑張らねえと…!

 ボールを懸命に追うが、奪えない。杉森は余裕なのか何か独り言を呟いている…いや、あの頭に付いてるケーブルみたいなのに喋りかけてるな。もしやあれ通信機器か…?

 よくよく見ればフィールドに向かってアンテナみたいなのが向いているし、向こうの監督も変な機械をつけていたな…汚え手を使いやがる。

 ただ…なんか作戦の中止やら変更やらを訴えている…?

 

「あああああ!!」

 

 少しずつ疲労感を感じ始めていた時、聞き覚えのある声が後方から聞こえてきた。

 振り返れば円堂がゴールから全力で走ってきている。

 

「!…ははっ!!」

 

 ボールを保持していた御影専農の3選手を吹き飛ばし、ボールを奪取する円堂。

 GKがゴールをがら空きにしてここまで上がってくるなんて、アイツらのデータにはないだろうからな。全員足が止まっている。

 

「いくぞぉ!!」

 

 ペナルティエリア付近まできた円堂は、思いっきり振りかぶりシュートを放つ。

 ゴール右隅に向かって飛んでいく。良いシュートだ。

 

「データにない…君のシュートは…データにない!」

 

 杉森はそう呟きながらも、ジャンピングキャッチしゴールを守る。

 …なんだ、命令を聞くばかりなわけじゃないってことか。

 

「くっそぉ!!」

「…なぜお前が攻撃に参加する!?」

「点をとるために決まってるだろ!それがサッカーだ!」

「おいこら円堂!早く戻れ!!」

「にっひひ、久々のシュート、楽しかったぜ!」

 

 困惑する杉森を置いて、染岡に怒られながら笑顔でゴールへと戻っていく円堂。

 ほんと見てて楽しそうにプレーする。俺だって…!

 

「…オフェンスフォーメーションSV1だ!」

 

『さあついに御影が動いた!杉森からのボールを大部がすぐにバックアップ!あ~しかし!壁山がボールを奪った!』

 

 ハーフライン付近で倒れながらヘッドで松野へとボールを繋ぐ壁山。

 

「あいつ…いつの間に!」

 

 個々に動きが良くなっているようで、松野が華麗なターンで相手を躱す。

 …ここだ!

 

「松野!こっちだ!」

「頼んだ比企谷!」

 

『ここで比企谷にボールが渡った!雷門、攻めあがる!』

 

 よし、ここだ。ここで前半みた相手の動きの逆を突く!

 

『あっと比企谷、御影DF2人をフェイントで躱そうと試みる!』

 

「こっちだ比企谷!」

「…豪炎寺!」

 

 左サイドを駆け上がる豪炎寺へ俺はパスを出す…と思うじゃん?

 

「…なに!?」

 

『比企谷から豪炎寺のパスをカットしようとした下鶴!しかし、グラウンダー性のボールにはスピンがかかっていたのか!DFを抜き去った比企谷の元に戻っていく!』

 

「比企谷、お前…」

 

 エースである豪炎寺だからこそ、相手は必ずパスカットを狙う。そのデータを逆手にとった動きだ。実質"ぼっちワンツー"だな。

 データに基づいているってことは、つまり今まで見せたことのない動きをすれば、相手の意表をつけるということ。ぼっちの専売特許だぜ!

 

『比企谷、ついに杉森と1対1だ!』

 

「こっちだ!今度こそ俺が決める!」

 

『染岡も上がってきている!2対1!完全に雷門が有利な場面だ~!』

 

 右サイドから上がってきた染岡がラストパスを要求しているが、オフサイドになるから出せない。

 元々パスする気なかったけど。

 そう思いながら、俺はボールを一度完全に止め、身体を捻りながらボールに100%…いや、120%の力を込めて蹴り放つ!

 

「"ノワールショット"!」

 

『これは…比企谷の新必殺技だ!!』

 

「なんだと…!?」

 

 闇の力を纏ったボールは、杉森に向かって飛んでいく。

 

「データにない…!こんなシュートはデータにない!!"シュートポケット"!!」

 

 当然データになんてあるわけない。だって完成したの昨日だし。

 "シュートポケット"で威力を殺されるが、"ノワールショット"の威力の方が高かったようで、止めきれずに杉森ごとゴールへと突き刺さった。

 これが俺の、公式戦初ゴールだ。

 

『ゴール!!なんとなんと、杉森の無失点記録を破ったのは後半から入った比企谷!貴重な同点ゴール!!』

 

 決まった…決まったんだ!!

 

「おいおいおい!やったな比企谷!」

「美味しいところ持っていきやがって!」

「先輩隠してたんですか!こんなシュート撃てるなら言ってくださいよ!」

「そうでやんすよ!!」

 

 半田、染岡、宍戸、栗松らが駆け寄り、俺の頭や体に叩いたり、抱き着いてきたりする。

 なんか色々痛いけど今は徐々に実感が湧いてきて…最高の気分だ。

 

「昨日完成したんだよ!帝国との試合でイメージは浮かんでいたからな…イナビカリ修練場での特訓が効いたんだろうよ」

「豪炎寺さんのように練習している時は、ただのかっこつけだと思ってたっすよ~」

「俺も無茶しているなぁとか思ってたぜ!」

 

 壁山と土門がいじってくる。酷くない君たち?そんなこと思ってたの?

 

「円堂に感化されて、比企谷もおかしくなったのかと思ってたけど…ただの努力だったんだな!」

「マジでお前ら俺のことなんだと思ってたんだ」

「「「え?シスコンのかっこつけ野郎」」」

「ふざけんな全員"ノワールショット"撃ち込んでやる!」

「逃げろ!」

「あれ絶対に当たったら吐くっすよ!」

 

 いじりが過ぎる連中をいつも通り追いかけっこし追い回す。試合まだ終わってないのに何やってんだろうな俺たちは…それもらしいっちゃらしいか。

 

「馬鹿な…データではドリブル技しかなかったはず…」

「キャプテン…」

 

 意気消沈している御影専農イレブンを尻目に、自陣へと戻っていく俺たち。

 

「すごいじゃないか比企谷!やったな!」

「ああ!頑張って良かったよほんとに」

「まさか俺まで囮に使われるとはな…流石といったところか」

 

 円堂と豪炎寺にも祝福されるが、豪炎寺は褒めすぎだと思います。練習頑張っただけだから…。

 同点となり、御影専農ボールで再度試合が再開される。

 相変わらずのボール回しに俺たちは翻弄され、下鶴がペナルティエリア付近でフリーに。

 

『ここでシュート態勢だぁ!!』

 

「"パトリオットシュート"!」

「くっ…とどけぇ!!」

 

 新たな必殺技が円堂を襲うが、距離があったこともありパンチングで弾き出す。よくジャンプ届いたな…センスの塊というか努力の結晶だよ本当に。

 

『ここは円堂防いだ!しかし、まだ御影専農の攻撃が続きます!』

 

 コーナーキックからセンタリングを上げられる。

 しかし、ここにきて今まで正確無比だった御影専農の選手たちが、ポジションが被ったり、動きが鈍くなってきている。

 こぼれ球に先程と同じ位置から、下鶴がシュート態勢に入ろうとしている。また"パトリオットシュート"を放つ気だろうか。

 その前にボールをカットしたいが、さっきまでのプレーで警戒されているのか2人がかりでマークされる。

 ある意味マークを引きつけているってことで、俺の仕事は果たせているだろ、多分。

 

「くっそ!」

 

『ここで円堂が前に出た!しかしこれでは、ゴールががら空き!』

 

「豪炎寺!こっちだ!」

「円堂!何をするつもりだ!」

「行くぞ!"パトリオットシュート"!」

 

 下鶴の必殺技に対し、円堂と豪炎寺が前に向かって走っていく。

 

「止まるな!シュートだ!!」

「なにっ!?」

「俺を…信じろ!!」

 

 まさか…2人で同時に打ち返すつもりか!

 

「行くぜ!」

「おう!」

 

 円堂と豪炎寺が息のあったプレイでツインシュートを放ち、なんと杉森に向かって"パトリオットシュート"を撃ち返した。

 なんてめちゃくちゃな…翼くんと岬くんの息のあったツインシュートだ、まるで。

 違う点を挙げるなら、なんかイナズマが迸っていることくらいだろうか。"ノワールショット"を超える凄まじい威力のシュートが、杉森に向かって飛んでいく。

 そのまま動揺している杉森ごとゴールへと突き刺さった。

 …すげえ、自陣ゴール前からシュートを撃って決めちまった。

 

『ついに雷門中逆転!円堂と豪炎寺の新たな必殺技炸裂!』

 

「やったぜ!守備と攻撃を同時に行えば、奴等だって対応できないんだ!」

「ああ、あんな技が決められるなんて」

「ほんとだ。なんだか身体が軽いと思ったけど」

 

 イナビカリ修練場での特訓で、身体能力が大きく上昇したのが大きいんだろうな。実際、必殺技を完成できたのも、筋力がついたからだろうし…。

 その後は染岡と豪炎寺の"ドラゴントルネード"、もう一度俺の"ノワールショット"が決まり、下鶴の"ファイアトルネード"を決められ4ー2となった。

 相手の監督が何故か試合から逃げ出したようで、頭に取り付けていた装置を外した御影専農と、激しい攻防が続き…事件は起きた。

 

「決めろ!豪炎寺!」

「"ファイアトルネード"!」

「負けるかぁ!!」

 

 豪炎寺の必殺"ファイアトルネード"を放つ直前、下鶴が空中でシュートブロック。そのまま態勢を崩した2人は結構な高さから落下した。

 

「豪炎寺!おい、大丈夫か!?」

「あ、ああ…くっ」

 

 足を気にする素振りを見せる豪炎寺。これはもしや…

 

『さあ試合はロスタイムに!御影専農追いつけるか!?』

 

 落下後のルーズボールは下鶴が杉森に繋ぎ、仲間の雄姿を見た杉森は咆哮しながら雷門ゴールへと突進していく。誰も止められずにペナルティエリアまで運ばれてしまう。

 

「円堂!!!」

「こい!杉森!!」

「うらぁあああ!!」

 

 杉森の渾身の一撃は。

 

「"ゴットハンド"!」

 

 円堂の"ゴットハンド"により完全にセーブされ、そして…試合終了の笛が鳴り響いた。

 

『試合終了!勝ったのは雷門中!準決勝進出です!!!』

 

 

***

 

 

 円堂の熱い気持ちにより、御影専農の選手たちも楽しいサッカーを思い出せたようだ。

 そうして、いい試合だった!と終わるはずだったが…

 

「ええ~!?ドクターストップ!?」

「すまない、次の準決勝には出場できない…」

 

 最後の接触で足を痛めた豪炎寺が、次戦に出場できなくなってしまった。

 これはまた…大変な準決勝になりそうだぜ…。

 




現在のプロフィール置いておきます。

比企谷八幡 13歳 男 属性:林
キック:44
ボディ:30
コントロール:61
ガード:32
スピード:48
スタミナ:52
ガッツ:55

中学からサッカーを始めたが、磨かれた観察眼と練習量でカバーしている。ポジションはGK以外ならこなせるユーティリティープレイヤー。
林属性版の弱体化天馬みたいな感じですね…。
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