やはり俺が雷門中に入学したのはまちがっていなかった。   作:シェイド

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ちょっと短め。
前回の試合の振り返りとドラゴンクラッシュまでの道のり①です。
次回ドラゴンクラッシュ完成まで行って、その次で尾刈斗中戦に行けたらいいなぁと思っております。


雷門サッカー部、本格始動

 帝国学園との練習試合が終わり、部活が廃部を回避した為、普段の日常が戻ってきた。

 昨日の試合後、豪炎寺は今回限りということでユニフォームを返却し、正式には入部することはなかった。まあ円堂は入部してもらう気満々でいるが。

 昨日はみんなボロボロだったため即帰宅したが、今日からは部活として再始動するため一度部室でこれからどのように練習していくのか、と帝国学園との練習試合からの反省点を話し合っている。

 

「帝国戦で、俺たちの問題点がわかった」

「問題点もなにも、まず体力なさすぎ」

 

 円堂の言葉を遮りあのあと正式に入部した松野が言う。

 その通り過ぎて反論する気にもならない。前半で息が上がっていた俺らに対し、相手側はまったく乱れていなかった。水分補給すらしているところを見なかったため相当な差であると思われる。

 俺としてはここ1年で結構体力上がったとばかり思っていたが、試合慣れしてないのもあってか、まったくといっていいほど相手にならなかったのでなんとかしたいポイントでもある。

 が、みんなかなりそのことで思いつめていたのか、ほとんどの奴らが気分を暗くしていた。

 

「あ、ごめん、今の凹んだ?」

 

 凹むだろ。事実すぎるのが1番つらい。

 

「……円堂、話を続けてくれ」

 

 同じく帝国戦後に正式入部した風丸が円堂に先を促す。

 副キャプテン的な立場に立っている彼、普通なら染岡や半田(俺?ノーカンノーカン)が副キャプテンでもいいのだろうが、円堂と特に仲がいいし、円堂の暴走気味な思考を止めることができるから、いいコンビだと個人的には思う。

 

「体力作りはもちろんだけど……こんなフォーメーションを考えたんだ」

 

 そう言って円堂がグリップボードに書き出したのは4ー3ー3の形の陣形だった。

 今の面子で言えば染岡のワントップに松野と目金が続く形である。

 

「えー!?僕フォワードじゃないの!?」

「いや、お前フォワードはないからな」

 

 目金が何様だお前という感じでわがまま言い始めたため、つい突っ込んでしまった。

 

「なんで!?」

「お前昨日の試合ほとんどボール触れてないし、取りにも行ってなかっただろ?それに敵前逃亡したし」

「戦略的撤退と言ってもらおうか!」

 

 どこに「こんなの嫌だ~!!」とか泣きながら言いつつ逃げ出すことを戦略的撤退と呼ぶ世界があるのか教えてもらいたかったが、これ以上こじらせてもめんどくさいだけなのでスルーする。

 

「あのー、キャプテン」

「なんだ?」

「この間の、豪炎寺さん。呼べないんですかね」

「そうだよね、結局のところあの1点は彼のシュートだったんだからねえ」

「今の俺たちじゃ、あんなシュートは打てないっすよ……」

「……俺が本当のサッカーを見せてやる!」

「そ、染岡?」

「染岡さん……」

「豪炎寺はもうやらないんだろ」

「それは……わからないけど」

 

 そう、豪炎寺は昨日の試合が終わり帝国学園が帰ったあと、今回ばかりだけと言ってユニフォームを返却していったのだ。そのユニフォームを目金が現在きているが。何故に。

 

「……円堂まで、あいつを頼りすぎだ」

「そんなことは!」

「俺たちだって出来るさ、もっと自分たちを信じろよ!」

 

 やべえ、今の染岡さんめっちゃジャンプの主人公っぽい。

 染岡の気迫にみんなが押されている時、部室のドアが開いた。

 

「みんな、お客さんよー……何かあったの?」

 

 ドアを開けたのはマネージャーの木野だった。

 ま、確かにこの状況は何かあったとしか思わざるを得ないな。

 

「あ、いやー、ちょっとな」

 

 ここを円堂は誤魔化すことにしたらしい。たしかに説明する意味ないししたくもないな。少し険悪な雰囲気ではあったし。

 

「あ、どうぞ」

 

 木野がどけ、ドアから中に入ってきたのは髪の長いうちの生徒だった。

 

「………臭いわ」

「こんなやつ、なんで連れてきたんだよ!」

 

 染岡くんの意見に賛成ですっ!

 自分から訪ねてきて1度部室を見渡した後、「臭いわ」なんて酷くないですか?

 

「……帝国学園との試合、廃部だけは免れたようね」

「ああ。これからどんどん試合していくからな!」

「そういうと思って練習試合を組んであげたわ」

「「「練習試合!?」」」

「すごいでやんすね!もう次の試合が決まるなんて!」

「やったな!円堂!」

「ああ、夢みたいだ!」

「話を聞くの?聞かないの?」

「あ、ああ、すまない。で、どこの学校なんだ?」

「尾刈斗中、試合は1週間後よ」

「尾刈斗中……?」

「ただし、ただ試合をすればいいというわけではないわ。試合に負けたらサッカー部は直ちに廃部」

「またかよ……」

 

 円堂に聞くところによると、校長室にいたこの女が帝国との練習試合で人数足らなかったら廃部、負けても廃部とかいう鬼畜な条件を出した人物らしい。道理で怖そうなわけだぜ……。

 

「そのかわり試合に勝ったら……フットボールフロンティアへの参加を認めましょう」

「「「………え」」」

「……せいぜい頑張ることね」

 

 そう言い、雷門さん?は去っていった。

 

「フットボールフロンティア出られるのか……」

「すごいですね!中学サッカーの日本一を決める大会に出られるなんて!」

「俺、盛り上がってきたでやんす!」

「部員8人の時からは考えられないな」

「だがそれも、次の試合に勝たなきゃいけないんだぜ」

「わかってるよ、次の一戦は絶対に勝たないといけない。よーしみんな、練習しようぜー!」

「「「おおー!!」」」

 

 

***

 

 

 練習するために河川敷グラウンドへとやってきた俺達。

 え、なんで学校のグラウンド使わないのかって?俺達は廃部こそ免れたがまだまだ功績もないし、部員も多くはない。つまるところまだローテに入れてもらえてないだけです、うん。悲しいな俺ら……。

 こうして練習を始めた俺たちだが、今回の特訓、練習の目的は主に2つ。

 体力作りに必殺技の開発だ。

 

 俺は昨日無我夢中とはいえあの帝国を焦らせるほどのシュート技とドリブル技を使ったわけだが、シュート技の方はいつでも使えるとは限らないらしい。というか今使えないことからそうだろうと思う。

 あ、"ぼっちワンツー"はいつでも使えるし、なんなら雷門全員抜けるくらいいい必殺技である。

 いやーサッカー動画漁ってるとプロ選手の超絶テクニック集とかあるんだけど、その中に必ずこんな感じのひとりワンツーがあって、これ見た時「ひ、1人でワンツーができる!?」って盛り上がって練習したかいがあったもんだ。まさか必殺技の域にまで入るとは思ってもいなかったが。

 地味だが強い、まさにぼっちの俺にふさわしい技である……ごめんなさい調子に乗りました。

 

「おおらぁぁぁぁ!!」

「うわぁ!?」

 

 壁パス前のウォーミングアップとしてリフティングをしながら部員たちを見ていると染岡がやけに荒れていた。

 あ、帝国戦のあとに入部した影野仁が、明らかなファールプレイで染岡に突き飛ばされた。痛そう……。

 

「染岡!今のはファールだろ!!」

 

 半田が注意を促すも返事をしない染岡、反抗期なの?

 

「染岡、待てよ……のぁ!」

「てりゃあ!!」

 

 近寄ってきた風丸を押しのけてのシュートはゴールバーに当たり飛ばされた。あ、やべ、川に流されていく。

 

「はぁ、はぁ」

「どうしたんだよ!?染岡!」

「くそっ、こんなんじゃ駄目だ!」

「染岡さん、ちょっとラフプレーすぎますよ」

 

 これ誰も取りに行かないやつ?あ、俺に取りに行けと?誰も行かないからいくけど…飛ばしたやつが取りいけよな!

 

 

***

 

 

 あのあと木野の後輩であるという、新聞部の音無春奈から尾刈斗中学の情報がもたらされた。

 なんでも、尾刈斗中と対戦した相手校の選手全員が3日後に高熱を出して倒れただの、尾刈斗中が負けそうになったら風が吹き出して試合が中止になったりだの、尾刈斗中ゴールにシュートを撃とうとすると足が動かなくなったりだの、信じがたい話ばかりだった。

 あ、染岡くんの蹴ったボールはしっかりと回収しました。代償に俺の下半身が濡れています。

 

 今は円堂と居残り特訓中だ。

 

「今日の染岡、どう思った」

「……正直驚いたよ。染岡があんなこと言いだすなんて思わなかった」

「だろうな。俺だってビックリしたし」

 

 1年が豪炎寺豪炎寺と、頼ろうとばっかりしているのを聞いて染岡が毎回キレていたが、あれは当たり前だと思う。

 うちの、雷門のストライカーは染岡なんだ。頼る相手が違う。豪炎寺はたまたまの助っ人でしかないのだから、いつまでも頼り続けることなどできない。

 

「気持ちはわかるんだけどな、1年の」

「比企谷もか?」

「だって、あんなすごいプレーを目の前で見せつけられたら、そら憧れるだろ。それに、頼ろうとする気持ちにもなってしまうもんだ。俺のシュート技は何かしらの条件があるっぽいし、現状、うちでシュートの必殺技あるの豪炎寺のみだからな。でも、それに負けないように練習して、もっともっと強くなる。これしかないと思うがな」

「……みんな、お前みたいな考え方をしてくれたらいいんだけどな」

「いや、まて円堂。これ以上俺みたいな増えたら多分部活崩壊するぞ、ソースは俺自身」

「……みんな、今は豪炎寺に頼れば勝てるって思いすぎてるんだ」

 

 あ、無視ですね了解です。

 

「でも、どんなに個人がすごくても、サッカーは11人でやるもんだ。みんな、それを忘れてしまってる」

「それを導くのがキャプテンの……円堂の仕事だろ」

「うん、そうだな」

 

 さてと、風丸が来たか……俺は俺の仕事をしに行きますかね。




ちなみに八幡の背番号は20にしておきます(空きが全然ない……14番やりたかったが鬼道なら仕方ない、変更できないし、出来てもしないし)。
2番を作ったと思ったらなんか0が入ってたという裏話付きです。
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