えふえふヘブン 作:クライムハザード
「なんだよ、これは……」
ザックスは混乱していた。
タンクのような物に入っている怪物。
それがずらりと何十基と並んでいる。
まるでモンスターの製造所だ。
「くくく……はははは!」
「セフィロス?」
両手を広げて高笑いを上げる英雄。
彼は正宗という銘の長刀を振るい、タンクから化け物の首を掴み上げた。
「どうしちまったんだ、セフィロス」
「どけ」
「ぐあ!?」
気がついたら斬られていた。
ドン、という音と、背中に激痛。
薄れていく意識の中、ザックスは案内をしてくれた少女に迫るセフィロスを見た。
「あ……あ……」
少女、ティファは恐怖で震えていた。
(あ)
刺されて、持ち上げられた。
どこか他人事のような気分で、床に叩きつけられた。
(私、ここで死んじゃうの? ……誰か、たす、け……て……)
ティファの脳裏に村を出て行った幼馴染の顔が思い浮かぶ。
刀を振り上げるセフィロス。
「だらっしゃー!」
パァン!
振り下ろされた刀の前に、割って入った者がいた。
「ふんが!」
バキン!
「なに?!」
セフィロスは驚いた。
自分の斬撃を白羽取りしたあげく、刀を折る。
常人、否、たとえソルジャーでもあり得ない。
「私のおっぱ……女に何手ぇ出してんのよ、このクソロンゲ!」
(あれ、クラウドじゃない……)
その後姿は、やたら自分の胸に熱い視線を送ってきたソルジャーのものだった。
一方、セフィロスは冷静に相手の分析をしていた。
ただの女ソルジャーと思っていたら、とんでもない身体能力を発揮した。
そして酷い言動。
おっぱ、はおっぱいを言いよどんだのだろう。
胸に固執する指折りの実力者。
セフィロスはそんな者に1人だけ心当たりがあった。
「まさか、貴様ゴリラ女か?」
英雄に脳内とはいえおっぱいおっぱいと連呼させ、ゴリラと口走らせられるのは世界広しといえどそういないだろう。
リックはキレた。
彼女の沸点は低い。
「むきー!」
「ぐはぁっ」
天を突くようなアッパーを食らって、セフィロスが吹っ飛ぶ。
落ちてきたところを、リックは刀(中折れ)を上段に構え、全力を込めて振り下ろす。
バァン! とけたたましい音を立ててセフィロスが魔晄の光へ叩き落された。
「……え、なにこれ。えんがちょー」
転がっていた生首も蹴られ、セフィロスの後を追う。
「ふふ。大したことなかったね」
リックはむふーと鼻息を出す。
傍で血みどろになっている野郎(ザックス)を素通りし、ティファの前でしゃがんだ。
「怪我はお腹だけ? おっぱいは大丈「動くな!」……え?」
振り返ると、ザックスのバスターソードを握り締めたクラウドが立っていた。
「よくもティファを! 覚悟しろ!」
「いや、誤解」
「嘘を付くな変態め! ティファを舐めるように執拗に視姦していたくせに! いつかやると思っていた! ブレイバー!」
「ぎゃー!」
Lv1のリミット技がリックの脳天に炸裂した。
ここまでありがとうございます。
一応「ピンチの時は駆けつけて」という約束は果たされました(貞操的な意味で)。