涼宮ハルヒの螺旋 ―壊れなかった世界―   作:最上 イズモ

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※本作は
『涼宮ハルヒの憂鬱』の世界観を基盤にした
シリアス寄りの二次創作です。

原作の軽快な日常やギャグ展開とは
方向性が異なります。


涼宮ハルヒの憂鬱(イズモ追加)

朝のキョンの家。

カーテン越しに差し込む柔らかな光が、畳の上に淡く広がっていた。

布団の中で、キョン(イズモ)はゆっくりと意識を浮上させる。

 

妹「キョン起きてー、朝だよー!」

 

耳慣れた声に、現実が一気に輪郭を持つ。

キョン(イズモ)は小さく唸り、寝返りを打った。

 

キョン(イズモ)「……ううん」

 

妹が布団をめくろうとした瞬間、反射的に腕が伸び、それを押し返す。

 

キョン(イズモ)「着替えるから外出て」

 

妹「はーい!」

 

軽快な足音が遠ざかり、ドアが閉まる音がしてから、ようやく息を吐いた。

天井を見上げる。

見覚えのある木目、見慣れた部屋。

だが、その「見慣れた」は、作品として知っているという意味でしかない。

 

キョン(イズモ)「……これは間違いないな。涼宮ハルヒの憂鬱だ」

 

視界の端に、淡い光のインターフェースが浮かぶ。

 

カエデウェアラブルモード「はい。時代背景、地理情報、人物配置、すべて一致しています」

 

キョン(イズモ)「三回目の異世界にして、いちばん説明不要な世界かもしれん」

 

知っている物語。

知っている破綻点。

知っている危険性。

だからこそ、油断はできない。

 

キョン(イズモ)「今回は派手に動けないな。虚数空間干渉が限界か」

 

カエデウェアラブルモード「義体モードは強く制限されています。この世界の因果律が非常に不安定なためです」

 

キョン(イズモ)「最近ずっとそれだな」

 

カエデウェアラブルモード「過剰な介入は、世界崩壊リスクを高めます」

 

キョン(イズモ)「……分かってる」

 

これは観測と最低限の修正で済ませるべき世界だ。

 

高校、入学式後の教室。

自己紹介が続き、教室には微妙な緊張と期待が入り混じった空気が漂っていた。

順番が回ってきたキョン(イズモ)は、カエデが表示する簡易ガイドを一瞥し、立ち上がる。

 

キョン(イズモ)「……キョンです。よろしく」

 

無難。

目立たず、記憶に残らない。

それでいい。

 

だが、直後にすべてをぶち壊す声が響いた。

 

ハルヒ「涼宮ハルヒ。普通の人間には興味ありません。宇宙人、未来人、超能力者、異世界人がいたら私のところに来なさい。以上」

 

教室の空気が一瞬で凍りつく。

失笑と困惑が混じったざわめきが遅れて広がる。

 

キョン(イズモ)「……どこまで本気なんだ」

 

席に戻る前、ハルヒがぐいっと顔を近づけてくる。

 

ハルヒ「あんた、宇宙人なの?」

 

キョン(イズモ)「うんと言いたいところだが、ただの高校生だ」

 

事実をどこまで伏せるか、その判断だけで神経が削られる。

 

ハルヒ「じゃああまり話しかけないで」

 

キョン(イズモ)「……了解」

 

昼休み、屋上へ続く階段。

 

谷口「キョン。あいつに気があるならやめとけ」

 

キョン(イズモ)「いや、席が近かっただけだ」

 

谷口「中学の頃、校庭に変な地上絵描いたりしてたらしいぞ」

 

国木田「新聞載ってたね」

 

谷口「男関係も派手だったってさ」

 

キョン(イズモ)「……自己紹介聞いたら納得だ」

 

数日後。

キョン(イズモ)は、意識的にハルヒを観察していた。

曜日ごとに変わる髪型。

規則性のある行動。

全ての部活に仮入部し、全て断る徹底ぶり。

 

キョン(イズモ)「無意識に世界を揺らしてる自覚は……ないか」

 

ゴールデンウィークが過ぎた放課後。

廊下で声をかける。

 

キョン(イズモ)「髪型変えるの、宇宙人対策か?」

 

ハルヒが鋭く振り向く。

 

ハルヒ「いつ気づいたの?」

 

キョン(イズモ)「だいぶ前」

 

ハルヒ「曜日ごとにイメージが違うのよ」

 

キョン(イズモ)「色も数字もそのまんまだな」

 

ハルヒ「文句ある?」

 

キョン(イズモ)「ない」

 

一瞬、ハルヒが訝しげな視線を向ける。

 

ハルヒ「あんた、どこかで会ってない?」

 

キョン(イズモ)「気のせいだ」

 

翌日、ハルヒは髪を切って現れた。

教室の空気がわずかに変わる。

 

授業後の廊下。

 

谷口「お前何したんだよ」

 

キョン(イズモ)「話題を振っただけだ」

 

国木田「昔から変わってるよね」

 

朝倉が微笑みながら近づいてくる。

 

朝倉「涼宮さんが馴染めるよう、協力してあげてね」

 

キョン(イズモ)「……考えとく」

 

席替え後、また前後の席。

 

キョン(イズモ)「面白い部活は?」

 

ハルヒ「全部つまんない」

 

キョン(イズモ)「なら作れば」

 

ハルヒの目が輝く。

 

ハルヒ「それよ!」

 

放課後、文芸部室前。

 

ハルヒ「今日からここが部室!」

 

キョン(イズモ)「強引すぎるだろ」

 

長門ユキが静かに名乗る。

 

ユキ「いい」

 

次の日、ハルヒは朝比奈ミクルを連れてきた。

 

ミクル「な、なんで……」

 

キョン(イズモ)「完全に誘拐だな」

 

ハルヒ「萌えは正義よ!」

 

強引に部に引き込まれ、SOS団が結成される。

 

夕暮れの部室。

差し込む光の中で、キョン(イズモ)は確信していた。

この日常は、必ず歪む。

そしてその歪みを、誰にも気づかれず制御する役目が、自分に回ってきたのだと。

 




というわけでスタートしました涼宮ハルヒの螺旋んまあ涼宮ハルヒの憂鬱をもとに作りますのでよろしくお願いします
そんなことで次回もお楽しみに
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