司令室。
巨大スクリーンに戦域情報が映し出され、空気は張りつめていた。
マヤ「回収した機体から解析結果が出ました。特定の地域にしか生息しない植物成分と生体パーツの輸入元を特定しています」
マヤは操作卓を叩き、地図を展開する。
一点が赤く強調表示された。
マヤ「こちらです」
イズモ「……ここか。距離はあるが、十分射程内だな」
地図を見つめるイズモの目に、迷いはない。
既に頭の中では作戦が組み上がっている。
イズモ「これで連中を根こそぎ叩ける」
ミサト「まずはどこから?」
イズモ「最優先は、キイが収容されていた捕虜収容施設だ」
イズモは即座に指示を飛ばす。
イズモ「施設を完全包囲。全員、装備は麻酔銃、ゴム弾仕様のアサルトライフルとショットガン、テーザーガン、拳銃だ」
ミサト「……殺さない前提なのね」
イズモ「人道的にやるためです。それと、非戦闘員を絶対に殺さないため」
一拍置き、イズモは続ける。
イズモ「ただし、エヴァが出てくる可能性もある。こちらもエヴァを出す」
その言葉に、司令室の空気がさらに引き締まった。
――作戦開始。
クデュック戦闘員1無線「アルファクリア。抵抗なし」
クデュック戦闘員2無線「ブラボー、ゼーレ部隊と鉢合わせ。制圧完了」
イズモ「捕虜を確認次第、即回収しろ」
イズモ自身も現場に降り立つ。
背後を向いて立つ敵兵の首を素早く取り、無音のまま制圧する。
躊躇はないが、無駄な力も使わない。
捕虜たちは次々とフルトン回収され、空へと消えていく。
イズモ「他にも施設があるはずだ。吐け」
拘束されたゼーレ職員は、観念したように息を吐いた。
ゼーレ職員「……ここは旧ネルフで言う、マルデュック機関に相当する」
ゼーレ職員「本部はロシア内陸部、山岳地帯の奥だ」
イズモ「詳しい話はクデュック職員にしてもらう」
そう告げると、職員もまたフルトンで回収された。
――クデュック・エヴァ部隊。
戦場では無人エヴァが複数展開していた。
シンジ「最近は慣れてきたけど……人が乗ってる可能性のあるエヴァを倒すのは、やっぱり抵抗がある」
アスカ「それでもやるしかないでしょ。イズモ二佐がいなかったら、あたし、ここにいないわ」
レイ「……私も。イズモ二佐がいなければ、こんなに感情を理解できなかった」
無人エヴァ五機、随伴ドローン、輸送機を捕捉。
アスカ「ためらわないわよ。行くわ!」
一斉攻撃。
ゼーレ側のエヴァとドローン、輸送機は次々に撃破されていく。
全機、無事帰還。
司令室に戻ったイズモは、次の作戦を告げた。
イズモ「一週間後、ロシア内陸部のゼーレ本部を壊滅させる」
ミサト「……大規模ね」
イズモ「俺はエヴァ班に回る。衛星砲、戦闘機A10とF15、戦闘VTOL、メタルギアタイプエヴァも投入する」
ミサト「そこまで必要?」
イズモ「追い詰められたゼーレが何をするかわからない」
ミサトは短く息を吐き、頷いた。
ミサト「わかった。その構成で行きましょう」
イズモ「装備はP90、グレネード、フルオートショットガン等の殺傷装備」
ミサト「……人道的は?」
イズモ「下の構成員だけです。幹部クラスは、普通に排除します」
ミサト「……そうね」
――一週間後。
ロシア内陸部、雪深い山岳地帯。
ゼーレ本部上空を、クデュック部隊が制圧する。
戦闘機隊「上空、異常なし」
衛星制御班「衛星砲、問題なし」
イズモ「エヴァ班クリア。突入してください」
クデュック戦闘員1「施設内、抵抗多数。制圧完了」
クデュック戦闘員2「幹部を確認。全員排除しました」
イズモ「残るはエヴァ格納庫のみ」
イズモ「エヴァ起動に備えろ」
シンジ「了解」
アスカ「了解」
レイ「了解」
起動しかけたエヴァは、出撃前にすべて破壊された。
イズモ「さらに方位二八〇、距離五〇〇〇。敵戦闘機十機を捕捉」
イズモ「戦闘機隊、援護する」
戦闘機隊「イズモ二佐、感謝します」
空中戦が始まり、数分後には敵影は消えた。
イズモ「……全敵勢力、壊滅確認」
イズモ「ミッションクリア。全隊、帰還する」
静まり返った雪山に、風だけが吹き抜けていた。