「と、言うことがあったんだがどう思う?」
「とりあえず俺は一発きみを殴りたいんですが?」
学校の昼休みの時、自分は友人の越前恭太郎に今朝の話を聞かせていた。しかし当の本人は何故か眉間に皺を寄せていた。
「どうした、さっきから不機嫌そうな顔をして。何か嫌なことでもあったのか?」
「その何かが今ここで起きてるんですけどね…。大体なんでわざわざきみと牛込さんとのノロケ話を聞かなきゃいけないんですか…?」
「ノロケ?誰がいつノロケ話をしたって言うんだ?」
「はあ…。この鈍感者め…。」
と、言った感じで何故かあきれられてしまう始末。一体自分が何をしたというのか…。
「それはそうと本当にきみは彼女の行動の理由がわからないんですか?」
「ん?自分が何か気に触るようなことを言ったからじゃないのか?」
「……なんで普段は博識なのにこういう時だけ脳筋なんですかね…。」
理由はわからないが恭太郎は深く溜め息をついていた。
「まあ…なんなら帰り道にやまぶきベーカリー?というところで彼女の好きなチョココロネでも買ってくればいいだろう。」
「いいんじゃないんですか?その方が牛込さんも喜ぶでしょうし。でもあそこのチョココロネって人気ですぐに売り切れるみたいですよ?」
「そうなのか?」
「ええ。中にはチョココロネを大量に買い占めるお客さんもいるくらいなので。」
「そうだったのか…。因み6時半くらいに行っても間に合うだろうか?」
「多分それだと遅いですね。終わってすぐなら間に合うでしょうけど…。」
彼の言葉に自分は頭を抱えた。
「どうしました?」
「いや、今日はスポーツジムに行く予定だったから間に合いそうに無くてな…。」
「本当にトレーニング好きですね…。何かと戦うつもりですか?」
「何を言うか!健全な肉体は規則正しく、地道なトレーニングあってこそ成り立つものだ!なんなら君も一緒にどうだ?今日はランニングマシン15分、重量上げ10回、スクワット50回、腹筋100回の予定だ!」
「……遠慮しときます。それよりチョココロネの方はいいんですか?」
「そういえばその事を忘れていたな。」
相変わらずの状況に彼は「この博学バカめ…。」と脳内で愚痴っていた。一方の自分は今日の放課後をどうすべきか考えていたのだった。
◆ ◆ ◆ ◆
牛込りみです。今はポピパの皆とお昼御飯を食べているところです。
そして突然ですけど誰か助けてください…。
「ねーりみりん!あの人誰だったの!?」
「香澄…?気になるのはわかるけど少し落ち着こ?」
今、香澄ちゃんに今朝のことを問い詰められています。
「私も気になる。りみは彼氏ってどんな人なの?」
「だから彼氏じゃないよぉ…。」
それに香澄ちゃんだけじゃなくておたえちゃんまでもが彼氏って連呼しちゃうから弁解が追い付きません。
「まーまー。とにかく2人とも落ち着こ?まだそうと決まったわけじゃないんだし。ね?」
「そーだな。一緒にいただけでそう決めつけるべきじゃないしな。」
紗綾ちゃんと有咲ちゃんが2人を止めてくれたお陰でなんとか話題が収まりました。
「でもりみりんに男友達がいたのは意外だよね。」
「まーなー。私も最初はびびったなー。……まあ半分はこいつのせいでもあるんだけどな。」
有咲ちゃんがチラッと横をみると「ほえ?」と香澄ちゃんが首を傾げていました。
「それで?その男の子ってどんな子だったの?」
と、紗綾ちゃんが有咲ちゃんたちに聞いていました。あの時は私が恥ずかしくなっちゃってその場を飛び出してしまったから香澄ちゃんたちもわからないんじゃないかな?と思い、一言フォローしようとしたのですが…
「うーん…なんか凄く強そうな人だった気がする。」
「確かに。よくわからなかったけどなんかガタイ良さげだったのは覚えてるな…。」
思っていたよりも2人の観察眼が凄くて私も言葉を失いました。
「強そうってどのくらい?」
「うーん…凄く力持ちとか?」
「電話ボックス持ち上げられる?」
「出来るかもしれない!」
「いや電話ボックスは無理だろ!?」
「ターザンは?」
「いや待て!おたえは何を基準に言ってるんだ!?」
「1人で第三次大戦おっ始める人。」
「なんでそれをチョイスしたんだよ!?」
「だって筋肉モリモリマッチョマンの「わかったからそれ以上は止めろ!色んな方向から怒られるから!!」怒られる?誰に?」
…となんか凄く話題が膨らんでました。この会話を葛三くんが聞いたら「自分は一体どんなイメージ持たれてるんだ。」と苦笑いするだろうな…と横目で見ながら思いました。
「それで?りみりんはその子のことどう思ってるの?」
「えっ!?どうって…それは…その…。」
思いがけない紗綾ちゃんからの質問に私は戸惑ってしまいました。
「もしかしてりみりん……そういうことなの?」
「ふぇ!?そういうことって…どういうこと!?」
「あ~なるほどね~。」
「1人で納得しないでよぉ…。」
「因みになんだけどさ、もし良かったら色々と聞かせてくれない?りみりんとその子のこと。」
「私も気になるな。」
「おたえちゃん!?」
「あー!おたえとさーやだけズルいよ!私も聞きたい!」
「おい香澄…お前な…。」
そう言われて私はその場でタジタジしている以外道はありませんでした。結局少しだけ話すことになりましたが…気付けはお昼休みが終わる数分前になってました。
一方…
「ぶふぇっくしょん!」
「どうしたんですか?」
「いや、何やら噂を…ふんっ、されてる気が…ふんっ、したのだが…ふんっ、気のせいか?」
「とりあえずきみは筋トレをしながら会話するのを止めてください。それが理由ということもあるのでは?」
「いや…結局…ふんっ、今日…ジムに行くのを…止めたから…今のうちに…ふんっ、やっておくべきかと…。ちょうど次は…ふんっ、見ての通り体育だから…ふんっ、準備運動にもなりそうだしな。」
「家でやってください!」
葛三くんはこんな様子だったらしいです。
◆ ◆ ◆ ◆
その後、スポーツジムに行くのを諦めてやまぶきベーカリーなるパン屋でチョココロネを2つ程買った自分は家に帰り、服を着替えるとりみの家にお邪魔していた。
「はい、ココアで良かったかな?」
「すみません、突然押し掛けた上に飲み物まで頂いてしまって。」
「いいのいいの。りみはまだ帰らないからゆっくりしていってね。」
目の前のお姉さんは牛込ゆりさん。りみの姉に値する方だ。
「それにしてもどうしたの?わざわざりみを訪ねてうちに来るなんて。」
「実は今朝、途中でりみが黙り混んでしまって…。気づかない内に自分が気に触ることを言ったのだったら申し訳無いなと思い…」
「えっ?その為にわざわざ…?」
「そうですが?」
それを聞くとゆりさんは暫くポカンとしていたが、数秒すると突然クスクスと笑い始めた。
「そっかそっか~。あのりみがね~。」
「すみません、色々と。」
「別に葛三くんが謝る必要は全くないと思うけど?それに私、その話聞いてちょっと嬉しくなっちゃった。」
「嬉しく…?何故ですか?」
「うーん…それはねー…秘密!」
そう言うと自分用のコーヒーを飲んだゆりさんは自分を見ながら話を続けた。
「それにしても今日はわざわざ謝りに来たんだね~。」
「はい。ご機嫌取りといっては少しあれですが…お詫びの品も買ってきました。」
「フフッ…。本当に葛三くんは律儀だよね。葛三くんになら任せてもいいかもね。」
「……最後何か言いましたか?」
「ううん?何も。」
そんな会話をしているとこの家の扉が開き「ただいま~。」と言う声が聞こえた。りみがバンドの練習を終えて帰宅したのだろう。
「噂をすればなんとやら…だね。ほら、迎えに行くよ?」
「自分もですか?」
「勿論。ほら早く、サービスサービス♪」
ゆりさんに急かされて自分も玄関に向かう。どういうわけか彼女がこの状況を楽しんでいるのだが自分にはその理由がわからないままだった。
今回大丈夫かなこれ。途中散々好き勝手あのネタ使いまくったけど…。
そして葛三くんについても大体わかってきたのでは無いのでしょうか?言われて思ったけどこんな高校生実際にいるのかな?←多分いない
良ければコメントや評価よろしくお願いします!
@kanata_kizuna