私の居場所を求めて   作:足でされたい

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ジェシカ初登場回です。dmで感想下さったリーファさんありがとうございます!


ジェシカお姉ちゃん

家を出ると目の前には大きなシルバーの車が止まっていた。私は車の前まで恐る恐る近付いていった。よく見ると車の前に背が高い金髪のお姉さんが車に寄りかかるようにして立っていた。

 

「あ、あのぉ……楓お母さんのお知り合いの方ですか?」

 

私は、恐る恐る金髪のお姉さんに話しかけた。

 

「お!君が彩葉ちゃんだよね?沢山話したいことあるけど取り敢えず乗っちゃって乗っちゃって!」

 

「は、はい!分かりました!」

 

私は詩織さんに助手席に乗るように言われ急いで飛び乗った。

 

「さてと、それじゃ改めて。私は中村詩織って言うの。宜しくね彩葉ちゃん。楓ちゃんとエレナとは小さい頃からの知り合いだからそんな警戒しなくても大丈夫だよ」

 

「えっと、月村彩葉です。宜しくお願いします。お忙しい所わざわざすみません」

 

どうやら悪い人ではなさそうだ。外見はちょっと怖かったけど、話して見たら明るくていい人そうだ。

 

「エレナから聞いた通りホントにしっかりした子だね。別にタメ口でもいいんだよ?」

 

「流石に初対面の人にタメ口は良くないかなって思いまして……後1つ質問なんですけど、エレナお母さんの小さな頃に私が似てるってよく言われるんですけど詩織さんもそう思いますか?」

 

「確かに外見はそっくりってレベルで似てると思うよ。モデルみたいにすらっとしてるしその綺麗な黒髪なんて特にね。そのツインテール可愛いね。楓ちゃんにやって貰ったの?」

 

「ありがとうございます。はい!楓お母さんにやってもらいました」

 

やっぱり私とエレナお母さんって似てるんだ。私も将来あんな美人さんになれるならいいんだけどね。

 

「ふふ、なんだか笑っちゃうな。楓ちゃんとエレナがお母さんって呼ばれる日が来るなんて思わなかったわ。ちなみに私何歳だと思う?」

 

難しい質問が来てしまった。多分30手前ぐらいだと思うんだけど、もしそれで20前半とかだったら相手に悪い印象与えかねないし、逆に若く言いすぎても失礼だよね。悩んで私が出した答えは……

 

「28ぐらいですか?」

 

「嬉しい事言ってくれるじゃん。こう見えても今年で34だよ!」

 

私の髪を優しく撫でてくれる詩織さんは、とても優しそうな目をしていた。

 

「ええ!?34ですか?20代だと思ってました」

 

「エレナと違っていい子だわこの子。あ、着いたよ彩葉ちゃん。ここがエレナがやってる

結婚相談所だよ」

 

「お城ですか……」

 

私は詩織さんが指をさした方を見ると、そこには大きなお屋敷があった。楓お母さんから聞いてはいたが、月村エレナって人物はホントに偉い人みたいだ。普通の人はこんな所に住めないよ。それにこの大きなお屋敷を一人で管理していた楓お母さんも凄いや……

 

「やっぱりびっくりするよね。それじゃ行こっか」

 

駐車場に車を止めると、詩織さんが私の手を取ってお屋敷の入り口へと引っ張っていった。詩織さんはノックもせずに私の手を持ったまま片手で大きな扉を開けるとお屋敷の中へと入っていった。廊下には部屋が何個もあり、きっとそこで個別に相談を受けているのかななんて思っていた。

 

それにしても広すぎる……私1人だったら絶対お屋敷の中で迷子になってたよ。

 

「エレナ。連れてきたよ」

 

「ありがとう詩織。彩葉もいらっしゃい。詩織おばさんに何もされなかった?」

 

きっとここが一般的に言うリビングなんだろう。旅館で言う大広間ぐらいの大きさで私はびっくりしていた。

 

「うん。優しいお姉さんだったよ。それにしても広すぎじゃない?」

 

「え?エレナにはタメ口なんだ。楓ちゃんからは私達にも敬語って聞いてたんだけど。それと……次おばさんって言ったらはっ倒すからね」

 

「この子は色々訳アリなのよ。それでジェシカを呼んだんだから。それにしても遅いわねジェシカのやつ。3時には来てって言ったのに」

 

「なるほどね。私が連絡した時にはもう出たって言ってたんだけどなぁ……」

 

どうやらジェシカって言う人がまだ来ていないみたいだった。ってか気にしてなかったけど外国人の人だよね?外国の人となんて話すの初めてかも。

 

「ごめーん!遅れた!」

 

その時リビングの扉が勢いよくあると小さな女の子がこちらへと駆けてきた。髪色は水色で私と同じようなツインテールをしていた。詩織さんの子供さんかな?身長も140センチいくかいかないぐらいだし中学生かな?

 

「全く何してたのよ。こっちは集まってるわよ」

 

「仕方ないじゃない!私だって暇じゃないのよ。ママとパパが勝手に受けたお見合い全部丁寧に断ってる身にもなりなさいよ!」

 

「それでジェシカ、この子が彩葉よ」

 

エレナお母さんが私のほうを指さすと水色の髪の女の子が私の方へ体を向けた。え?ジェシカって言ったの今?それじゃ中学生じゃなくてエレナお母さんと同い年!?

 

「貴方が彩葉ちゃん?うっそー!すんごい可愛いんだけど!ねぇエレナ抱きしめてもいい!?」

 

「まぁいいんじゃない?」

 

え?いいんですか……私何も言ってないんだけどな。

 

エレナお母さんの返事を聞いて一目散にジェシカさんは私を抱きしめてきた。

 

なんだろう……すんごいいい匂いするしエレナお母さんと違ってなんだか柔らかくて気持ちいい……エレナお母さんに抱きしめられた事は無いけど絶対固いもんあの人。

 

「エレナにはもったいないぐらい可愛いじゃん。彩葉ちゃん今何歳なの?」

 

「5歳です」

 

「5歳にしてはしっかりしてて偉いじゃない。いいなー私も子供欲しいなぁ!」

 

「いくらでも相手はいるでしょ。お見合い受けて早く子供作ればいいじゃない?」

 

横からエレナお母さんがジェシカさんに嫌味ったらしく言っていた。

 

「あんたね……まぁエレナの小言にも慣れたわよ。それで何で私が呼ばれたの?彩葉ちゃんを紹介したいだけじゃないわよね?」

 

私を抱きしめていた腕を話すとエレナお母さんの方にジェシカさんは向き合っていた。

 

「そうね。自分の口から言いなさい彩葉。私が言っても仕方ないでしょ」

 

「うん。そうだね。ジェシカさんお話って言うのはですね……」

 

私が今楓お母さんの事を1人の女性として恋をしていること。それが原因で上手く楓お母さんと話せないことをジェシカさんに包み隠さず伝えた。

 

「なるほどね。じゃあ彩葉ちゃんは私のライバルだね。私もまだ楓の事が好きだもん。どうしようとか悩んでる場合じゃないよ。好きならアタックしなきゃ!歳の差も性別も恋愛には関係ないんだからゴーゴーだよ!」

 

ジェシカさんは私の目を見ながら真剣に話してくれた。5歳の私ですらライバルって言ってくれるなんて思ってもいなかった。子供だから適当にあしらわれると思っていたがそんな事は一切なかった。

 

「そうですよね……私にだってアタックする権利ぐらいありますよね。ありがとうございますジェシカさん。自分なりに頑張って見ます!」

 

「その意気だよ!エレナから奪い取ろうね!」

 

「はい!」

 

ジェシカさんと私は固い握手をしてエレナお母さんの方を見てニカッと笑った。エレナお母さんの方を見ると呆れたような表情をしていた。

 

「全く……私が居ないとこでそういう話はしなさいよね。まぁいいわ。頑張ってみなさい。結婚してる私が言うのもあれだけどやれるだけやってみなさいな。ジェシカは手だしたらただじゃおかないからね?」

 

「えぇ!?なんで私だけ!?」

 

「当たり前でしょ。あんたは大学の時に諦めるって約束したでしょ。それじゃバカは放っておいて帰るわよ。詩織、車出して貰ってもいいかしら?」

 

「は!?私この為だけに呼び出されたわけ!?」

 

どうやらジェシカさんはこれだけのために呼び出されたとは思っていなかったようだ。ん

 

「そーよ。私の大切な一人娘の悩み事だもの。放っておく訳にはいかないでしょ」

 

「そう言われると私も反論しずらいわね……この後って詩織も楓の家行くの?」

 

「うん。せっかくだから夜ご飯食べてから帰ろうかなって。久しぶりに楓ちゃんのご飯食べたかったし」

 

「なら私も行く!あ!もしもし楓?私も行っても大丈夫?ホント!?じゃあ詩織の車で今から皆で行くわね。うん!それじゃまた」

 

行動力のある人だなぁ……ジェシカさんはポケットから携帯を取り出すと、楓お母さんに電話を入れたみたいだった。

 

「仕方ないわね……皆で行きましょうか」

 

「彩葉ちゃん行こ!」

 

「あ、はい!」

 

私はジェシカさんに手を引かれて詩織さんの車へと向かった。

 

「なんだかジェシカと彩葉ちゃんが並んでると姉妹みたいね。ジェシカってはたから見たら中学生だもん。試しにジェシカお姉ちゃんって言ってみてよ彩葉ちゃん」

 

詩織さんがジェシカさんをからかうように言葉をかけていた。

 

「あ!いいわねそれ!私妹欲しかったんだ!言ってみてよ彩葉ちゃん」

 

いいんですか……どうやらジェシカさんはからかわれてることに気付いてないみたいだった。

 

「えっと、ジェシカお姉ちゃん?」

 

私がそう言うとジェシカさんは凄く嬉しそうな顔をしていた

 

「ねぇエレナおばさんこの子私に下さいな」

 

「ぶっ飛ばすわよ」

 

「あんたのぶっ飛ばすわよは冗談に聞こえないからやめて……」

 

エレナお母さんとジェシカさんのやり取りがおかしくて私と詩織さんは笑ってしまった。きっとこの4人はずっと仲が良かったんだろうな……私もエレナお母さんと同じぐらいの時に生まれたかったな。

 

「彩葉ちゃん一緒に後ろ乗ろ!」

 

「はい!」

 

詩織さんの車に乗っても、ジェシカさんは私の手をずっと離さずに楓お母さんとエレナお母さんの大学時代の話を聞かせてくれた。なんだかホントのお姉ちゃんが出来たみたいで私も嬉しかった。

 

数分車を走らせると、詩織さんが近くの駐車場に車を止めるから先に行っててと言うので私とジェシカさんとエレナお母さんは先に自宅へと向かった。

 

「久しぶりだなぁ楓と会うの。3ヶ月ぐらいあってなかったかな。なんだかんだ私も家が忙しかったからなぁ」

 

「そう言えばお母さんは元気?結婚式以来見てないんだけど、今度また会わせてよ」

 

「ママはずっと元気だよ。オッケー!帰ったら言っとくね」

 

そう言えばジェシカさんって何のお仕事をしてる人なんだろ。差し支えなければ聞いてみたいな。

 

「彩葉、ジェシカに聞きたいことあるなら遠慮なんてする必要ないのよ」

 

「毎度毎度人の心読むのやめてよ……」

 

「ん?私に質問?」

 

「えっと、差し支えなければでいいんですけど、お仕事って何してるのかなって」

 

「え?エレナ言ってなかったの?私これでもロシアのお姫様よ」

 

聞き間違いだろうか。今ジェシカさんはロシアのお姫様って言ったの?

 

「えっと……お姫様?」

 

「そうよ。ママが私が18歳になった時に継承したの」

 

「えええええええ!!!!」

 

私は、この日1番大きな声をあげて驚いた。

 

「なんだ知らなかったのね。てっきり彩葉なら知ってると思ってたわ」

 

「知ってたら気軽にお姉ちゃんなんて呼んでるわけないでしょ。なんでエレナお母さんもそんなに軽く女王様相手に話せるのか不思議だよ」

 

「私だって月村家元当主よ?そんな変わらないでしょ?」

 

「実はエレナお母さんって頭悪いでしょ?」

 

「そんな舐めた口聞くのはどの口かしら?」

 

「ごへぇんなしゃい」

 

エレナお母さんに口の両端を掴まれて引っ張られた。そのやり取りを見たジェシカさんは横で笑っていた。

 

「別にタメ口でいいんだよ?それに私も妹が出来たみたいで嬉しいし。エレナにタメ口で話せるなら私も大丈夫だよね?それに外見は中学生って言われるぐらいだから遠慮しなくていいんだよ?」

 

ジェシカさんはわざわざ私と目線があうようにその場に屈んで私の目を見ながら言った。ホントにエレナお母さんと楓お母さんの周りには優しい人だらけなんだなと改めて思った。

 

「ジェシカお姉ちゃんがいいって言うならそうしようかな」

 

「そっか!じゃあ改めて宜しくね彩葉ちゃん」

 

「うん!」

 

私はジェシカさんが差し出した手を握り返して楓お母さんが待っている自宅へと後から合流した詩織さんも交えて4人で向かった。

 




感想、評価など宜しくお願いします!
前作から読んで下さってる方から天音とさゆりは出るかと聞かれたのでここで回答させていただきますね。

近いうちに出ると思います。全作の主要キャラは全員出します。
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