「楓お姉さん、エレナお姉さんお待たせしました。ごめんなさいこんな時間に起きてしまって」
リビングに降りるとテーブルには、お昼ご飯のオムライスが三人分きっちり並んでいた。
「休みの日なんだからいつ起きたっていいんだよ。お昼ご飯オムライスで良かった?」
楓お母さんは、優しそうな笑顔で私に返事を返した。ホントにその笑顔だけでお腹がいっぱいになるのでは?と思ったぐらいだ。
「はい!とっても美味しそうです。もう食べてもいいですか?」
「ふふ、そんな慌てないの。それじゃ食べよっか!いただきます」
「「いただきます」」
楓お母さんの声に合わせて、私とエレナお母さんも食事に手をつけた。ひと口食べると卵の甘みが口の中に溢れた。
「美味しい……私こんなに美味しいオムライス食べたの初めてです!」
「ホント?それなら良かった。あ、そう言えば彩葉に言わなきゃいけないことあるんだった。今日だったよね天音様とさゆりが遊びに来るのって?」
「そうね。相変わらずいきなりなんだもの。突然昨日の夜、明日遊びに行くからよろしく!なんて来たんだもん驚いたわ」
エレナお母さんが呆れたような顔をしながら話していた。
「天音様?さゆりさん?お二人のお知り合いですか?」
「うん。天音様は数少ないエレナの小さい時からのお友達だよ。さゆりは天音様のメイドね。彩葉の事が見たいんだってさ」
「エレナお姉さんにもお友達っていたんですね」
「何か言ったかしら?」
「なんでもないです」
エレナお母さんは私の方を睨みながら一喝すると話を戻した。
「まぁとにかく天音達15時までには来るらしいから、ご飯食べ終わったらその眠たそうな顔洗ってきちゃいなさいな」
「わかりました」
私は、エレナお母さんに言われた通りご飯を食べ終わった後に顔を洗い、少し寝癖がついていた髪をクシで梳かして天音様という人の到着を待つことにした。
「ねぇ彩葉、最近エレナと仲良くなったみたいだけど何か2人で共通の趣味とか見つけた?さっき彩葉がエレナに冗談言ってるの見てびっくりしちゃったよ」
リビングのテーブルに楓お母さんと二人っきりになった時突然エレナお母さんとの事で言われ、少しびっくりしてしまった。しまった……最近楓お母さんが居ないところで話していた事が多かったらちょっと気が抜けてしまっていた。
「えっと……昨日エレナお姉さんの仕事先に言った時に結構いじられてたのでもしかしたらエレナお姉さんっていじられキャラなのかな?って思ってちょっと弄ってみました」
「ふふ、そうなんだ。エレナって優しいから結構周りから弄られてるんだよね。本人はいじられキャラって自覚はないみたいだよ。でもよかった。ちゃんと打ち解けてきてるみたいだね。私とも普通に話せてるし安心した」
楓お母さんは、優しい笑顔を見せていた。打ち解けられるか心配してくれてたのかな。少しでも私の事を思っていてくれたのかと思うとそれだけで嬉しかった。
「心配してくれてたんですね。ありがとうございます。でも大丈夫です。私は本当にここに来て良かったって思ってますから」
「そっか。私もエレナもお母さんとしては、半人前だから何か気になったこととか気付いたことあれば教えてね」
「わかりました」
「なんか真面目な顔して話してると思ったら急に笑顔になったり忙しそうね楓。何か彩葉と話してたの?」
「別になんでもないよね彩葉?」
「はい!」
私は、楓お母さんと一緒に笑顔でエレナお母さんに向かって言葉を返した。
「まぁ後で彩葉から聞くからいいわ」
ピンポーン……ピンポーン……
「あら、来たみたいよ。彩葉、楓と一緒にお客さん迎えに行ってあげて」
「分かりました」
「行こっか!」
「!?はい!」
楓お母さんは、私の前に右手を差し出し、その手を私は握り返した。好きな人の手を握るってこんなに嬉しい事なんだなって言うのが初めて分かった。それに楓お母さんの手は、とても温かくてずっと握っていたくなるようだった。
次回!久々の天音とさゆりの登場になります!