「楓ちゃーん!エレナー!わたしー!」
扉の前から大きな声が聞こえた。お嬢様だよね?それにしてはなんていうか……普通の人のような気がするんだけどこう思うのって失礼かな?
「今開けますね」
そう言って楓お母さんが扉を開けた。一体どんな人なんだろう……私は少し緊張しながら対面を待った。
「ひっさしぶりー!かーえでちゃーん!」
「天音様苦しいです!さゆりも見てないで止めてよ!」
「久しぶりに会えたから嬉しいんでしょ。学生時代ずっとやってたんだからちょっとは私も見て見ぬふりしてあげる」
「えぇ……」
「何してんのよこのバカ!」
「あいたぁ!何すんのよエレナ!」
楓お母さんに抱きついてきた天音様をエレナお母さんがひっぺがして頭を叩いていた。結構強く叩いてたけど大丈夫なのかな……っというかちょっとだけ天音様が羨ましいな……
私もあんな風に楓お母さんに抱きつきたい。
「前から楓にセクハラするなって言ってるわよね?はぁ……あんたとこの会話も飽きたわ。早く中に入って頂戴。彩葉なんてポカーンとしてるじゃないの」
天音様と呼ばれた人は、肩まで伸ばした綺麗な茶色の髪に目はパッチリしていて、体つきはエレナお母さんとは違って、出ているところは出ていて、しまっているところは締まっていそうな体つきをしていた。さゆりさんは茶髪のショートカット。なんだか大人しそうな感じがする人だ。お胸の方はエレナお母さんと同じぐらいだった。ただお二人ともとても綺麗な人だった。身近に綺麗な人しかいないんじゃ、学生時代この4人で固まってたら目立って仕方なかったんじゃないかな。
「あ!貴方が彩葉ちゃんね!キャー!小さい頃のエレナにそっくりじゃない!めっちゃ可愛い!」
「苦しいです……」
私は天音様に抱き着かれていた。胸が口に当たって苦しい……でも綺麗な人に抱きつかれて悪い気はしなかった。それにすんごいいい匂いするし。
「あーごめんごめん!大丈夫?」
あんがいすぐに天音様は、私を解放してくれた。流石に初対面な私と楓お母さんとではちょっと遠慮してくれたらしい。
「大丈夫ですよ。月村彩葉って言います。宜しくお願いします」
「緒方天音です。ちゃんと挨拶出来て偉いね。別にタメ語で大丈夫だよ?それでこっちが、ほらさゆり、彩葉ちゃん挨拶してくれたんだからさゆりも」
天音様は、楓お母さんと話していたさゆりさんをこっちへと呼んで私の前にちょこんと座らせた。
「えっと、緒方さゆりです。宜しくね彩葉ちゃん」
「宜しく御願いします」
私は、さゆりさんが差し出した右手に自分の右手を合わせた。
「それじゃこんな所で自己紹介してないで中行きましょ。彩葉おいで」
「え?ちょっとエレナお姉さん?」
私はエレナお母さんに手を掴まれると、引きずられるようにして部屋の中へと連れていかれた。
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side楓
「しっかりした子だね。5歳とは思えないよ」
「私もびっくりしちゃった。でもホントエレナの小さい頃にそっくり。性格までとは言わないけど外見なんて瓜二つじゃん。楓ちゃんもそう思わなかった?」
エレナと彩葉が先に部屋へ向かって行った後で玄関先で私と天音様とさゆりとで少し話していた。やっぱり皆彩葉が5歳だとは思えないよね。あの並外れた頭の回転の早さや、人との接した方や目上の人に対しての話し方など社会人と変わらないぐらいだもん。
「まぁ確かに似てるとは思いますけど、中身は180°違いますね。5歳の頃のエレナって頭は良かったですけど彩葉みたいに大人しくなかったですもん」
「まぁそーだよね。それにしても相変わらず独占欲強いのねエレナって。私に彩葉ちゃん取られたのが面白くなくて部屋連れてくだなんて相変わらずなんだから」
「私もそう思います。でもあの二人って結構仲良いみたいですよ。なんなら私よりエレナの方によく懐いてるみたいです」
「えぇそーなの!?以外すぎる……若奈ちゃんも楓ちゃんよりエレナに懐いてたし何か子供に惹かれるのがエレナにはあるのかもね」
「分かんないですけどもしかしたらあるのかもですね。そろそろ私達もこんな所で話してないでリビングの方に行きますか。紅茶入れておきますね」
「そーだね。ありがとう楓ちゃん」
「いえいえ。さゆりも紅茶でいい?」
「大丈夫だよー。私も後で彩葉ちゃんと話しても大丈夫かな?」
「あの子は人見知りとかするように見えないし全然大丈夫だと思うよ」
「おっけー」
私達はエレナと彩葉が待っているリビングへと向かった。
side楓終
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その頃彩葉とエレナは……
「そんな慌てて来なくてもいいじゃないですか……普段のエレナお姉さんらしくないですよ」
「まぁそうなんだけどなんか面白くなくてね。天音の事だからダラダラ話してることでしょうし仕方ないからお茶でもいれましょうかね」
なんか面白くなくて……か。エレナお母さんそれ言ってることまあまあ恥ずかしいこと言ってるの分かってるのかな。それって私が天音様と話していて取られてるのが嫌だって事でしょ?私も結構気に入られたのかな。
「エレナお姉さんって私の事結構好きですよね」
「はぁ?そんな事当たり前でしょ。娘の事好きじゃない親なんていないわよ」
「えっと……ありがとうございます」
何言ってんのよ彩葉馬鹿なの?ぐらいの返事が返ってくると思っていた私は意表を突かれ自分の顔が赤くなっていくのが分かった。こんなにストレートな好意をあっさり言われたこともなくびっくりした。エレナお母さんにはバレないようにそっぽを向いて返事をした。
「何よ。あんた自分で聞いといて照れてるの?可愛いとこあるじゃない」
「こっち見ないで下さい」
「嫌よ。なんならその赤い顔写真に収めてあげるわ。おいで彩葉」
「ちょ!?エレナお姉さん何してるんですか!」
私はエレナお母さんにガッチリ抱きかかえられるとエレナお母さんの膝の上に載せられ何故かそこで写真を撮られた。
「美人親子って感じのいい写真が撮れたわよ。ほら見てみなさいな」
見せられたiPhoneの画面には、優しい笑顔をしたエレナお母さんと恥ずかしがって顔を赤くした私がしっかりとそこに写っていた。
「楓お姉さんには内緒ですからね」
「分かってるわよ。ほら、いつまで私の膝の上に乗ってるのよ。皆そろそろ来るわよ。こんなとこ見られたくないでしょ?」
誰が乗せたと思ってるんですか……と言う言葉を飲み込んで私は、エレナお母さんの膝の上から降りると皆がいつ来てもいいようにソファーの上にちょこんと座った。
彩葉とエレナの絡みがなんだかんだで1番書きやすかったりしますw
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