私の居場所を求めて   作:足でされたい

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2話です。宜しくお願いします。


瑠衣の洞察力

空き教室へと行くと、お姉さん達2人と紅葉さんが教壇に上がり、生徒達はその前にバラバラに座っていた。私はお姉さん達から1番遠くの左の後ろの方に座る事にした。

 

「それじゃ楓、自己紹介してあげて」

 

紅葉さんが茶髪のお姉さんに声をかけていた。やっぱりあの人が娘さんだった。私の目は、意識などしていなかったが茶髪のお姉さんから目が離せなかった。先程の優しそうな笑顔が脳裏から離れていないのだ。

 

「わかった。えっと、皆初めまして。私は楓って言います。宜しくね。気軽に楓って呼んでね!それでこっちのお姉さんが」

 

楓さんが黒髪のお姉さんの肩をとんとんと叩き、自己紹介が楓さんから黒髪のお姉さんに変わるみたいだ。

 

「私はエレナ。月村エレナよ。宜しくね。仕事であまり顔は出せないかもだけどこれから少しずつ来るつもりだから宜しくね。こっちの楓は、これから2日に1回ぐらいのペースでお邪魔すると思うから皆仲良くしてあげてね」

 

ただ遊びに来たって訳ではなさそうだ。じゃなかったらわざわざまた来るなんて話はしないだろう。それにしてもなんでこんな何もない孤児院なんかにお姉さん2人が来たのだろうか。紅葉さんに何か頼まれたのかな。正直それぐらいしか思い浮かばなかった。じゃなかったらあんな綺麗な人達がこんな何も無いところに通うなんて有り得ないと思ったからだ。

 

「それじゃお姉さん達に質問ある人!」

 

そう紅葉さんが言うと一斉に皆の手が挙がった。

 

「それじゃ皆で一つずつ質問していこっか。1人1つまでね。被っちゃったら〇〇君と同じでしたって言ってね。それじゃ佐藤君からどうぞ」

 

え?それって私にも回ってこない?まぁいいか。適当に同じ質問だったって言って流そ。

 

「やった!えっと、その」

 

「佐藤君落ち着いて、ゆっくりでいいのよ」

 

どんだけ興奮してるんだか。確か佐藤君は8歳。もう8歳なら普通に話ぐらい出来るでしょうに。

 

「好きな食べ物はなんですか?」

 

「んー。私はお刺身かな」

 

楓さんはお刺身っと。私は、頭の中でメモをした。

 

「私は特に無いわね。まぁ強いて言えば甘いものかしら」

 

その後も質問大会が続き、どうでもいいような質問が続いた。好きな飲み物は?紅葉さんは、家でも優しいんですか?とか特に私が気になるような質問は無かった。まぁ小学生の質問なんてこんなとこだろう。

 

「じゃあ次沙也加さん」

 

この孤児院で1番歳上の人だ。どんな質問をするのだろうか。

 

「えっと……お二人はお付き合いしてる人とかいるんですか?2人とも綺麗だからどうなのかなって」

 

「私は残念ながらそういう人はいないかな」

 

「楓に同じくよ」

 

ん?気のせいかな。エレナさんの表情が一瞬崩れた気がする。孤児院に来てから先程までは、クールって言うか全く表情を崩していなかったのに、今は視線も前ではなく上の方を見ているし何か隠しているような気がする。別に恋人がいるぐらいエレナさんぐらいの歳なら普通だと思うしいいと思うけどな。

 

「そうなんですね。いい人が見つかるといいですね!」

 

「うん。ありがとう」

 

「そーね」

 

次は楓さんの表情が曇った。まさか楓さんも?嘘をついている罪悪感か。それともただいい人が見つからない事への不安かは分からないが先程までの明るい表情がそこにはなかった。まぁ嘘をついていようがどうでもいいか。

 

「それじゃ後は2人ね。じゃあ結衣ちゃん」

 

「エレナさんに質問です。お仕事って何をしてるんですか?」

 

「仕事は、同性ゴホン。失礼しました。結婚相談所をやってるのよ。結婚に悩んでいる人や、結婚式の費用の相談とかかな」

 

「そうなんですね。ありがとうございます。お仕事大変だと思いますけど頑張ってください!」

 

「ありがとう」

 

なるほど……そういう事ね。今ので読めちゃった。普通の子なら何も気付いてないと思うし、考えつかないと思う。でもこれまで数百冊の本を読んだ私にはお付き合いしてる人の質問で表情に変化があった2人、更にはエレナさんの同性発言。同性って言った瞬間楓さんの手がエレナさんを軽く叩いていたのも右後ろの1番遠くから人を見れる場所にいた私にはしっかり見えていた。それでも隠す必要はないと思うけど。別に最近はそういう恋愛だって認められてきているって本に書いてあった。海外では普通に結婚出来ているって言ってたしね。

 

「じゃあ最後に瑠衣ちゃん。何かあるかな?」

 

私にだけ何かあるかな?と聞いてきたってことは、いつも通り関心を示さないと思ったんだろう。私もさっきの質問が無ければ何も言うつもりはなかった。ハッキリさせようよお姉さん。私は紅葉さんにこう返答を返した。

 

「はい。私からも質問宜しいですか?」

 

「もちろんだよ!さっき廊下で手振ってくれた子だよね?瑠衣ちゃんって言うんだね。宜しく!」

 

人のいい笑顔で楓さんが私に話しかけてくる。やっぱり言うのやめようかな……なんか隠してるみたいだし。

 

「宜しくお願いします。えっと、その……」

 

「ゆっくりでいいからね。自分のタイミングで」

 

楓さんは優しく語りかけてくれている。こんなに優しく接してくれた人なんて今まで紅葉さんだけだったな。

 

「あ、あの!楓さんとエレナさんに後で聞きたいことあるんです。ここではちょっと言いづらいと言いますか……その、エレナさんの表情と発言で確認したい事があって」

 

そう言うと楓さんとエレナさんは、何かを察したのか、孤児院の皆に声をかけた。

 

「ちょっと皆遊んでてね!瑠衣ちゃん何処か体調悪いみたいだから!お母さんちょっと後宜しく」

 

「全く……あれだけバレないようにねって言ったのに……皆ちょっと待っててね。楓さんとエレナさんすぐ戻ってくるから」

 

一同「はーい」

 

そう言うと楓さんは、私に外に来るようにと手招きしていた。外に出たはいいものの、エレナさんに楓さんが何処に行けばいいのかな?なんて話していた為、私はこう提案した。

 

「あの、他の人に聞かれたくないと思いますし私の部屋に来ませんか?」

 

「ならお願いしようかな。エレナ、いいよね?」

 

「私の落ち度だし仕方ないわね……」

 

私は、2人のお姉さんを自分の部屋に案内した。この時だけは、皆のお姉さんを独占していると思ったら何故か気分が良かった。

 

「こちらになります」

 

私は部屋の扉を開けて、お姉さん2人を中に入れた。私の部屋の中は、150センチぐらいの本棚が2つとベッドと机が置いてあるぐらいだった。それでも他の子に比べたら本のせいで物はとても多い方だった。

 

「綺麗な部屋だね。これ全部読んだの?」

 

「はい」

 

「楓、あんまり話してる時間はないわよ。それで瑠衣ちゃんだっけ?聞きたいことって言うのは?まぁだいたい想像はついてるけど」

 

「単刀直入にお伺いします。お二人は恋人同士、いえ、結婚されてますよね?間違ってたらごめんなさい」

 

「間違ってないわよ。でもよく分かったわね。こっちからも質問いいかしら?」

 

「はい」

 

「今何歳なの?外見は5.6歳にしか見えないんだけど。でも、その洞察力といい頭の良さといい中学生とかじゃないわよね?」

 

エレナさんが真剣な目をしながら聞いてきた。

 

「5歳ですよ。人よりちょっとズレてるのは自覚しています。そのお陰でこんな部屋で1人で読書してるんですよ」

 

「なるほどね……まずったなぁ。まさかバレるなんて思わなかったんだけど。瑠衣ちゃんには言うけどここに来たのは、私達の子供にする子を探すため。だから変に勘づかれて争いが起こらないために隠したのよ。それとも貴方が私達の家に来る?ふふ、そんな変な顔をしないで頂戴。冗談よ」

 

よっぽど私が変な顔をしていたんだろう。真面目な顔で話していたエレナさんが突然笑っていた。

 

「それにしても5歳児にツインベットで凄いわね。紅葉さんが持ってきたの?」

 

「なんか、貰い物って言ってました。どうせなら友達多い子の部屋に置いてあげたらって言ったんですけどね」

 

「友達いないの?」

 

きょとんといった表情でエレナさんは訪ねてきた。この人はストレートに言ってくれるからこっちも答えやすいなと思った。

 

「ちょっとエレナ!言い方少し考えなよ」

 

楓さんは私が傷つくと思ったんだろう。ホントに優しすぎるってぐらいいい人。エレナさんも好きになるよね。

 

「大丈夫ですよ楓さん。はい。友達はいません。それでこんなに大量の本があるんです。早く立派な大人になって自立したいんです」

 

「なるほどね……まぁ今日の事は内緒でお願いね。私達は戻るけど貴方はどうするの?」

 

「もう聞きたいこともないですし、ここに残ります」

 

「分かったわ。それじゃまたね」

 

「瑠衣ちゃん、何か私に出来ることあったら言ってね。また明後日来るからさ。またね!」

 

「さようなら」

 

そう言うとエレナさんと楓さんは、私の部屋から出ていった。

 

「なんか疲れた……もういいや、寝よ」

 

私は、ベッドに潜り込むとすぐに意識は夢の中へと消えていった。

 

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side楓

 

「まさかバレるなんて思わなかったね」

 

孤児院から自宅へと戻ると、私はエレナにお茶を出しながら話を切り出した。

 

「普通なら気付かれないわよ。相手は大人じゃなくて子供なのよ?あの子の観察力は大した物ね。それに思わなかった?」

 

「何が?」

 

「外見よ。私の小さい時にそっくりだと思わない?黒髪を腰まで伸ばして、目も綺麗な二重だし将来美人になるわよ」

 

エレナの言っていることは確かに間違いないと思った。5歳という歳で可愛いというより綺麗って表現が合う子だと思っていた。人形のように整った顔立ちに、小さいながらもスラッと伸びていた綺麗な足。確かに小さい頃のエレナに似ているかもしれない。

 

「なら、性格こじらせなきゃいいけどね。中学生ぐらいで人にきつく当たるようになったりしなきゃいいけど」

 

私は冗談交じりにエレナに話しかけた。中学生の頃のエレナは酷かったからなぁ……

 

「その話は辞めて頂戴……ねぇ楓、あの子を養子にする気は無い?」

 

「いいんじゃない?」

 

「随分軽いわね……あの子の将来を私達が受け持つって事よ?」

 

「分かってるよ。でも決めるのは瑠衣ちゃん自身だもん。私達に決められることじゃないよ。2週間通って最後の日に聞いてみるよ。私達の家に来ないかって。私は瑠衣ちゃんの事可愛いと思ってるし、反対意見はないよ」

 

「そうね……それじゃ悪いけどお願いね。私は、次の相談者の書類まとめなきゃいけないから。おやすみ楓」

 

「おやすみ」

 

エレナと私は軽いキスをして別れた。新しい家では、エレナの仕事の都合もあり、寝室は別で寝ていた。少し寂しい所もあるが仕事が落ち着くまでは我慢しなきゃだよね。

 

「寝ようかな。明日は部屋の掃除してまた明後日孤児院の子達に会いに行くんだから体調管理はちゃんとしておかなくっちゃ」

 

布団に入ると、眠気はすぐにやってきて意識は夢の中へと消えていった。




瑠衣ちゃんの外見をやっと書くことが出来ました。黒髪ロングのロリっ子ですね。孤児院の中では、密かに瑠衣の事を好きな子もいるみたいですよ。

感想、評価宜しくお願いします!作者のモチベーションにも繋がりますので良かったら宜しくです!
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