私の居場所を求めて   作:足でされたい

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羽田発沖縄便!

天音お姉さんのメイドさん?でいいのかな。その人の車に乗ること30分ほどが経った。

 

「彩葉ちゃん向こう着いたら1番に海行こうね!せっかくの沖縄だもん。海行かなきゃ損だよ!」

 

「そうですね。私も楽しみです」

 

前に座っている天音お姉さんが私に話しかけてきた。相変わらず笑顔が素敵な人で、ニコニコ笑っていた。一方こちらの2人のお母さんはと言うと……

 

「すぅ……すぅ……」

 

「んー……楓様ぁ……」

 

楓お母さんは規則正しい寝息をたてながら私の左で寝ていて、エレナお母さんは訳の分からない寝言を話しながら寝ていた。もしかしたら二人とも昨日あまり眠れなかったのかな?かく言う私も全然眠れなかったんだけどね。

 

「ん?天音お姉さん何してるんですか?」

 

天音お姉さんは携帯をこちらに向けながらニヤニヤと笑っていた。

 

「ん?旅先の1ページだからね。可愛い楓ちゃんの寝顔と普段は見れないようなエレナの寝顔でも記念に撮っておこうかなって。ほら彩葉ちゃんももっと楓の方よって。寄せが甘いよ!今寝てるんだから腕に抱きついちゃいなよ」

 

なんだかこの人には逆らえないんだよな……それに今は楓お母さん寝てるんだしそのぐらいならいっか。

 

私は楓お母さんの腕に自分の手を重ね、ちょこんと体を預けた。温かいし柔らかい。いつまでも体を預けていたくなるような感覚に私は駆られていた。

 

「ホントに好きなんだね。今すんごい幸せそうな顔してるよ彩葉ちゃん」

 

「当たり前ですよ。私に色んなことを教えてくれて、何より居場所をくれた人です。好きにならないわけないじゃないですか」

 

「ふふ、じゃあエレナお母さんは?」

 

「んーと……ドMでちょっとバカだけどなんだかんだ優しいお母さん……ですかね。って痛い!なんで叩くの!」

 

「目が覚めたと思ったらなんか彩葉が楓に抱き着きながら私の悪口言ってるんですもの。叩かない方がおかしくないかしら」

 

いつ目を覚ましたんだろうか。気が付けば先程まで寝言を垂れ流していたエレナお母さんが目を開けてこちらを見ていた。

 

「あ、そーだ天音。もう1枚撮って欲しい写真あるんだけどいい?」

 

「え?別にいいけど」

 

「ありがと。彩葉、おいで」

 

エレナお母さんがトントンと自分の膝を叩いていた。まさかそこに座れと……?私が少し嫌な顔をしたからだろうか。エレナお母さんが私の耳元で一言呟いた。

 

「パンツ」

 

「はい……」

 

ホントにあの時ちゃんと楓お母さんに返しに行っていればこんな事にならなかったのに……え?今は、あのパンツどこに置いてあるかって?それは内緒です。私は仕方なくエレナお母さんの膝の上に座った。

 

「偉い子ね」

 

私の髪を撫でながらエレナお母さんは呟いていた。

 

「全く……少しだけだからね」

 

前に膝に座った時に抱き心地が良かったのかは知らないが、どうやらエレナお母さんはこれをするのが好きなみたいだ。なんだか幸せそうな顔してるんだよね。

 

「ホントにエレナに懐いてるんだね。なんだかそうしてるとホントの親子みたいだよ。顔もそっくりだし大人になったら彩葉ちゃんもエレナぐらいの美人さんになるんじゃないかな」

 

1枚写真を撮ると天音お姉さんは笑いながら話していた。

 

「エレナお母さんぐらい美人になれたらホントに嬉しいですけどね。あ、でもお胸はもう少し欲しいかもです」

 

「ふふ、間違いないね」

 

「いーろーはー!」

 

「痛い痛い痛い!ごめんてば!」

 

私はエレナお母さんから頭をポンポンと叩かれていた。

 

「天音、エレナさんそろそろ着くみたいですよ。楓起こしてもらってもいいですか?」

 

「あら、早いわね。彩葉、楓起こしてもらえるかしら?」

 

エレナお母さんは、私を膝の上から降ろすと楓お母さんの横にぽつりと座らせた。

 

「楓お母さん、そろそろ着くみたいだよ」

 

「ん……ごめん寝ちゃってたみたい……ふぁーあ」

 

楓お母さんは眠たそうな目を擦りながら小さくあくびをしていた。ホントに可愛いなぁ……その一つ一つの仕草が愛おしくして仕方がなかった。

 

「昨日眠れなかったの?」

 

前の席のさゆりお姉さんが楓お母さんに声をかけた。

 

「んー……ちょっと今日の事考えてたら中々眠れなかったんだよね。彩葉がどんな風にしたら楽しんでくれるかな?とか考えてたらもう朝だったんだよね」

 

白い歯を見せながらはははと楓お母さんは笑っていた。私の事を考えていてくれたんだと思ったら嬉しくて仕方がなかった。

 

「良かったじゃない」

 

小声でエレナお母さんが耳打ちしてきた。

 

「うん」

 

私は少し顔を赤らめながらエレナお母さんに返事を返した。

 

「着きましたよ天音お嬢様。ここからそこの階段を登って行けばすぐに電車で言うところの改札口がありますので」

 

「ここまでありがとね。それじゃ皆行こっか」

 

「ありがとうございました」

 

「あ、ありがとうございました」

 

私は楓お母さんの後に続いてメイドさんにお礼を言った。

 

車から出てすぐに耳をつんざくような轟音が頭上から響いた。

 

「うわぁ……これが飛行機……こんなに近くで見たのは初めてかも」

 

「私も飛行機に乗るのは初めてだよ。人多いと思うから私から離れちゃダメだからね」

 

「わかった」

 

楓お母さんは、私の右手を掴むと空港の中に入っていく天音お姉さん達に続いた。

 

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『7:49分羽田発、沖縄行きご搭乗のお客様は5番ゲートまでお願いします。プレミアムメンバーの方をお先にお通ししますのでプレミアムメンバーの方はお早めにお集まり下さい』

 

受付を済ませ、私達5人はロビーの椅子で座っていた。私はぼーっと空港内に止まっていた飛行機を眺めていた。こんな大きい機械が空を飛ぶんだなぁ……本当に外に出てきてたくさん発見があって飽きない。本の中だけじゃ分からないものがたくさんあるんだなとしみじみ痛感していた。

 

「あ!皆早く!今のアナウンス私達だよ!」

 

「え?貴方いつからプレミアムメンバーなんかになってたのよ」

 

「お母様の名前借りたのよ。せっかくだから席ぐらい貸切クラスで行こうかなって。私達以外の人は一般だからプレミアムメンバー席は貸切だよ」

 

「これだからお嬢様は……」

 

「エレナだって人の事言えないでしょ……ほら皆行った行った!」

 

天音お姉さんの声と共に私達は、飛行機の搭乗口へと歩いて行った。

 

「こんにちは。チケットはこちらに。良い旅を」

 

事務的な言葉を話すお姉さんに一礼して私は飛行機の中に入っていった。

 

「彩葉、段差あるから気を付けてね」

 

「うん」

 

そしてついに人生初となる飛行機内へと足を踏み入れた。

 

「良かったら飴どうぞ。お母さんと旅行かな?楽しんできてね」

 

キャビンアテンダントさんかな?エレナお母さんには劣るけれども綺麗な人だった。

 

「ありがとうございます」

 

私はペコりと一礼して飴を受け取った。

 

「さぁ好きなとこ座っていいからね!」

 

「うるっさいわね。好きなとこ座っていいからねって8席しかないじゃないのよ」

 

貸切と言われていた席は全部で8席。前から3.3.2と別れていた。

 

「私とさゆり1番前ね!」

 

真っ先に天音お姉さんが前の3席を陣取った。残りは3と2だけど……私は少しエレナお母さんに意地悪をしたくなった。

 

「じゃあ私と楓お母さん1番後ろの2席に座りますね。楓お母さん、1番外が見えるここじゃダメかな?エレナお母さんどうせ寝ると思うし」

 

そう言うと楓お母さんは少し驚いていたが、こう返事を返した。

 

「彩葉の初めての旅行だもんね。いいよ。エレナはどうせ無関心だしせっかくだから見やすい位置に座ろっか!」

 

「うん!」

 

「いい性格してるわねあんた……」

 

「エレナお母さんの娘ですから」

 

「まぁいいわ。そろそろ離陸よ。皆席に着いて」

 

エレナお母さんがそう言うと3分もしないうちに機内アナウンスが流れ始めた。

 

『これより羽田発沖縄行き離陸致します。シートベルトの着用を宜しくお願いします』

 

ついに離陸の時。この時楓お母さんには言えなかったがガチガチに緊張していた。それがまさかあんな事になるなんて……




エレナ「よくも私を寂しく1人席にしたわね」
彩葉「だってすぐ寝るし関係ないでしょ?それにアタックの仕方については何も言われてないもん」
エレナ「楓も楓よ。こんなに綺麗なお嫁さん置いて一人娘に夢中にならなくなったっていいじゃない。違う?」
彩葉「ふふ、エレナお母さん妬いちゃって可愛いんだから」
エレナ「私みたいな性格になってきてるわよ」
彩葉「親子ですから」
エレナ「まぁそれもそうね。って事は将来ドMだけどいいかしら?」
彩葉「それだけは絶対に嫌だ」
エレナ「………」
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