私の居場所を求めて   作:足でされたい

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月村家にて

「着いたよ。ここが私の家」

 

「おー。普通だ。なんかもっと凄い豪邸に住んでるのかと思ってたよ」

 

結局エレナお母さんに言われるがままに彩香を連れてきてしまった。まぁ大丈夫だとは思うけどうちにはお母さんが2人いたりお父さんがいないこと、それに私は養子だって言うことが一瞬でバレると思うけど彩香はなんて思うかな。ちょっとそこがひっかかっていてあまり乗り気ではなかった。

 

「エレナお母さんと楓お母さんが学生の頃はちゃんとした御屋敷に住んでたみたいだけど今はこのぐらいがいいんだって。とにかく入って。彩香連れてきたよエレナお母さん、楓お母さん」

 

「お邪魔します」

 

そう言うと中からエプロン姿の楓お母さんがリビングからチラッと顔を覗かせ、パタパタとこちらに向かってやってきた。

 

「おかえりなさい。彩香ちゃん?でいいんだよね。いらっしゃい。今紅茶いれてるから彩葉の部屋使ってね」

 

「はい。ありがとうございます!彩葉の部屋ってどこ?」

 

「2階だよ。ついてきて」

 

良かった。リビングでお茶したら間違いなくエレナお母さんに茶々入れられるとこだったけど私の部屋なら大丈夫だろう。私は彩香を手招きすると自分の部屋へと案内した。

 

「なんかそんな気がしたけどシンプルな部屋だね。彩葉らしい気がする」

 

「まぁ余計な物とか装飾しないしね私。そこ座っていいから」

 

特に座るところもないなと思った私は自分のベットを指さすと2人並んでそこに座ることにした。

 

「いいなーベット。私の部屋和室だから敷布団だからちょっと憧れてたんだ」

 

「そうなんだ。でも和室も素敵だと思うよ」

 

そういうと彩香の顔がぱあっと明るくなったのが分かった。少し話してみて思った事はこの子も結構顔に出るんだなって私は思った。

 

コンコンコン

 

「彩葉、入るわよ」

 

「え?」

 

私が返事を返す前にエレナお母さんが私の部屋へと入ってきた。手にはお盆を持っていて私達にお茶やお菓子などを持ってきてくれたみたいだ。

 

「紅茶と楓が焼いてくれたクッキー置いておくわね。よいしょっと」

 

「ありがとうございます」

 

「ありがと。それでなんでエレナお母さんは私の前に座ってるのかな?もう用は済んだでしょ?」

 

お盆を置いて撤退するのかと思いきや、エレナお母さんはどうやら部屋に居座りたいらしかった。こうなる気がしたからやだったんだよ……

 

「せっかく娘が最初に連れてきてくれた友達ですもの。少しは居てもいいでしょ?ねぇ彩香ちゃん」

 

「私もあのエレナさんとお話出来るなら喜んでお話したいです」

 

彩香は、目を輝かせていた。やっぱり月村エレナという人物に憧れを抱くのはあの学校にいればそうなってしまうものなのかな。

 

「まぁ彩香がいいっていうならいいけど少しだけだからね」

 

「ありがと。それで由紀ちゃんは元気?」

 

早速エレナお母さんは彩香に質問しているみたいだった。そう言えば彩香の叔母さんとエレナお母さんは知り合いだって言ってたっけ。

 

「元気どころか毎日うるさすぎるぐらいですよ……色々あって今は叔母さんと2人で住んでるんですけどホントに細かいんですもん」

 

「ふふ、そうなのね。元気そうで安心したわ。あんまり長居するのも悪いし私はここら辺で失礼するわね。何か聞きたい事があったら彩葉に聞けば教えてくれると思うわ。それじゃぁね」

 

「はい!」

 

そう言うとエレナお母さんは、私の部屋を出ていった。って言うか彩香は今ご両親と一緒に住んでないのか。まぁ他の家庭の事情には首突っ込まない方がいいよね。私も突っ込まれたら色々説明しずらいし……

 

「やっぱり綺麗だなぁエレナさん。彩葉がエレナさんの娘って言うのも納得いくもん」

 

「どういう意味よ……まぁ私も綺麗な人だとは思うよ」

 

エレナお母さんが出て行って、彩香は緊張が解れたのか私のベットにゴロンと横になっていた。

 

「そのまんまだよ。彩葉だって学校内で1番綺麗だと思うからやっぱりエレナさんに似てるなって。最初見た時モデルさんかと思ったもん」

 

ホントにこの子は裏表が無さそうに話す子だなと思う。ここまで言って貰って悪い気はしなかった。

 

「まぁありがとう。別に私自身は可愛いだなんて思ってないけどね。ってかなんで私の布団に潜り込んでんの……」

 

「いやなんか眠くって……おやすみ……」

 

そう言うと彩香は本格的に寝ようとしてるみたいで顔まで布団の中に隠れてしまった。まだ私達会って数時間だと思うけどよくそんな事出来るね……まぁなんかその行為が可愛いく見えてしまって私は彩香を止めなかった。

 

「すぅ……すぅ……」

 

「ホントに寝ちゃったよ……今日はありがとね彩香。色々助けて貰ったお礼にしばらく寝かしといてあげる。ってか彩香の方が私なんかよりよっぽど可愛いと思うよ。ふふ、本人起きてたら絶対こんな事言えないけどね」

 

私は彩香が規則正しい寝息を立てているのを確認してからまだ読んでいなかった本を取るとベットの前で読む事にした。

 

 

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彩香side

 

ごめん彩葉。ガッツリ起きてる……どうしようまさかそんな事彩葉に言って貰えると思ってなくて、私は気が動転してしまっていた。

 

私が彩葉に近付いた理由は本当に単純だった。ただ綺麗な子がしょんぼり歩いていたからなんだな放っておけなかったのだ。下心が無かったと言ったら嘘になる。小さい時から可愛い物や綺麗な人が好きで、どうせ友達を作るなら綺麗な人が良いななんて思っていた所に彩葉が現れたのだ。最初は無愛想で自分勝手な人かと思ったけど、少し打ち解けてくれたのかは分からないけど、笑顔が増えていってお母さんの前では恥ずかしそうに怒ったりそういう所が可愛いくて仕方なかった。

 

でも

「彩香の方が私より可愛いと思うよ」

 

はずるいと思う。耳元で綺麗な子に囁かれたら誰でも真っ赤になるに決まってるじゃん。別に恋愛感情とかは無いけど普通の女の子なら彩葉に落とされてたかもね。そもそも女子校だからといって女の子同士でなんてほとんど聞いた事ないし、ましてやあの彩葉があるわけない。ってかどうしようこれ。適当に1時間ぐらいしたら起きた事にしようかな。なんかいい匂いするししばらくこのままでいいや。少しすると私は、居心地の良さと布団の温かさに負けて意識は夢の中へと落ちていった。




エレナ「案外早かったわね。よっぽど楓に甘えられなくなるのが嫌だったのかしら」
楓「多分だけど彩香ちゃんが彩葉と仲良くなりたかったんじゃないかな。彩葉がそんなガツガツ行くとは思えないし」
エレナ「まぁそれで彩葉が折れたって感じでしょうね。まぁ良かったじゃない友達が出来て。後は彩葉がどんな恋愛観を持ってるかなのよね。私達の子とは言え女の子が好きだとも限らないしそこらへんはちょっと楽しみにしてるのよ」
楓「私は彩葉が選んだ人ならそれを信じるよ」
エレナ「そうね。あの子の道ですもの。私達は見守りましょ」
楓「そうだね」
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