「ただいまー」
「おかえり。今日も彩葉ちゃんのどこ行ってたの?」
「そんな感じ。由紀おばさん今日のご飯なにー?」
「ごめんちょっと忙しくてまだ作ってないから少し待っててくれる?」
「あ、なら私作っちゃうよ。カレーでいい?」
「ごめんねー。ありがと」
私の家庭は少しだけ複雑だ。
小さい頃に私の本当のお母さんだった綾小路結衣さんがお父さんと一緒に突然いなくなってしまったらしい。私は、数日間放置されていた事もあって、餓死する寸前だった所、連絡を取れない事を不思議に思い心配になったお母さんの妹である由紀おばさんが私を発見して保護してくれたのだ。実の娘じゃない私を女手1つで育ててくれたのだ。本当に由紀おばさんには感謝しかない。私も中学生になった事だし、そろそろ由紀おばさんも結婚とかしないのかな?私のせいでずっと自分の時間なんて作れなかっただろうし。
「ねぇ?由紀おばさん」
「ん?どした?」
「彼氏とかいないの?」
「どうしたの急に?好きな人でも出来たの?」
私が突然変な事を言ったからだろう。由紀おばさんは、普段見せないびっくりした表情をしていた。恋愛沙汰の話なんて今までした事も無かったしね。
「違うよ。私も中学生になったし由紀おばさんもいい歳だし恋愛の1つや2つしないのかなって思ってさ」
「あんたそんな事考えてたの?別に私が好きで彩香の事を任されたんだから気にしなくていいんだよ」
「なんかめちゃくちゃいい人だね」
「なにそれ、別に普通よ普通。彩香こそ好きな人じゃなくてもいいなーって思った人とかいないの?」
由紀おばさんは笑いながら私に返事を返した。普通の事か。これを普通って言える由紀おばさんが本当に凄いと思った。
「好きな人も何も女子中学校って事覚えてるよね?女の子同士なんだから何も起きなくない?」
そう言うと、これだからと言った表情を由紀おばさんはしていた。由紀おばさんが学生時代の頃は女の子同士って言うのも結構あったのかな?
「甘いよ彩香。私が学生の頃なんて月村エレナに恋してた人が何人いたか分からないんだからね?私も同級生から告白されたりって言うのもあったし結構女の子同士って言うのも普通だよ?」
「そーなの?」
私はカレーにいれる食材を切りながら由紀おばさんに返答を返した。
「そーだよ。だから彩香があんまりモタモタしてると彩葉ちゃん誰かに取られちゃうかもよ?」
「いやいや……あの彩葉が女の子と付き合うって考えられないんだけど。確かに背は高くてモデルみたいに綺麗だけど彩葉自信が他の人に興味無さそう」
彩葉が他の女の子と付き合ったらどんな感じになるんだろう。例えばだけど、皐月さんとだったら……
『彩葉さん。私ずっと貴方を愛していますわ』
『皐月さん、私もだよ』
いやいやいや。絶対無いからそんなの。って言うかなんで彩葉が他の女の子とそういう事してたらって思ったらちょっとイラッとしたんだろうか。胸の奥が落ち着かないというか……
「ちょっと切なくなるような?」
「うん。って何で人の考えてること分かったの?」
「急に難しい顔になったと思ったらちょっと悲しそうな顔するんだもん。あんた自覚ないだろうけど結構彩葉ちゃんの事好きなんだと思うよ」
「彩葉の事は友達として好きだよ。絶対恋愛とかとは違うよ。小学生の時も仲良い女の子いたけどそんな気持ちになった事ないもん」
「でも他の女の子と彩葉ちゃんがイチャイチャしてたら嫌だ!って思ったんでしょ?」
「まぁそれはちょっとだけ……」
「まぁ私も同性愛者だから困ったことがあれば言いなさいな」
「えぇ!?初めて知ったんだけど!?」
「そりゃ言うわけないでしょ」
「まぁそれもそうか。ホントに彩葉の事そういう好きなのかな私って?」
「決めつける必要は無いけど、これからゆっくり彩葉ちゃんと友達として付き合ってみてホントに好きだって思ったら、その時は勇気を出して言ってみてもいいかもね。彩葉ちゃんの家庭の事情もちょっとは知ってるでしょ?気持ち悪がられて友達辞める!なんて事は300%言われないと思うから安心しなさい。それにしても彩葉ちゃんかぁ。まぁ頑張りなさいな」
「分かった。ちょっと自分でも考えて見るね。あ!由紀おばさん鍋!それ煮すぎだから!じゃがいも溶けちゃうよ!」
「え!?嘘ホントだ……」
「全く……話に夢中になってるからだよ。娘の事からかい過ぎ。ほら早くルー入れて混ぜちゃって。私サラダ作るから」
「ごめんね彩香。ホントに料理だけは上達しなくってダメね」
「そのお陰で逆に私が料理覚えてるからいいよ。ちょっと火強すぎ!弱火でいいって何回も言ってるじゃん」
「ホントにどっちがおばさんか分からないわね」
「おばさんって言うかお母さんでしょ。しっかりしてよね由紀お母さん」
「急にお母さんなんて言わないでよ、ちょっと泣きそうになったじゃない」
「そのぐらいで泣くなんてやっぱり私のがお母さんっぽいかもね」
「もー!彩香のいじわる!」
「なにそれ、ふふ」
お互いおかしくて笑ってしまった。私は本当にこの人がお母さんになってくれて良かったと思った。
それにしても彩葉の事を恋愛的に好きなんじゃない?って言われてから彩葉の事を考えると顔が熱を出した時みたいに赤く熱くなっていくのが分かった。
ううん。ただ由紀おばさんに言われただけで絶対恋愛的な意味合いはないよ。小学生の時は、確かに男の子の事好きになる事は無かったけどもちろん女の子に恋したことなんてなかったしね。まぁこれからそれを証明していけばいいか。
由紀「エレナ的にはどう思う?ワンチャンありそう?」
エレナ「んー、私的にはそんな感じになってくれたらおもしろ、ううん。嬉しいわね」
由紀「今面白いって言ったわよね……彩葉ちゃんって小学生の時好きな男の子とかいなかったの?」
エレナ「好きな男の子所か彩葉をうちに招き入れた時からあの子は楓一筋なのよ……マザコンとかそういうレベルじゃないわね。多分楓がエッチしよ?なんて言った日には秒で彩葉ならやるわね。とにかく重症なのよ……」
由紀「楓ちゃん優しいし可愛いもんね」
エレナ「楓はあげないわよ」
由紀「あんたのその目怖いのよ……睨まないで。心配しなくても私は梨花一筋よ」
エレナ「ならよろしい」
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