「はっ.......はっ.....」
「はっ.....はっ.....」
「ちゃんと走ってはいるみたいですね.....」
「海未?何か怪しいの?」
「いえ、そうではないというか.....花陽はともかく穂乃果が急にやる気を出すというのが不自然で.....」
「そうかな?ダイエット頑張ろう!!って思ってるんとちゃう?」
「それならいいのですが.....あの穂乃果が何もなしに急にやる気を出すはずもありませんし.....何をしているのか気になりまして。」
「というわけで尾行しているのね....でも速いわね。」
「城善寺さんは知らないかもしれないけど、凛達、伊月くんに基礎体力をつけるトレーニングとして結構走ったりしてるんだよ。」
「そうなの.....なら尚更太るのもおかしいような.....というか尾行がうまいわね...」
「伊月くんは結構自主的にやるのが多いから最低限のランニングとストレッチくらいしか義務的にやってないんだよ。」
「花陽と真姫は最初の方は死にかけてたもんね。」
「あれは序盤からあんなに疲れるとは思ってなかったのよ。」
「尾行に関しては.....一条くんといると自然と身につけなきゃってことで.....」
「それで身につくものなの?」
「私たちも命は守らなきゃいけないから.....多少の訓練はしたわ。」
「それにしても.....何もないじゃない。海未の思い過ごしじゃないの?」
「そうであればいいのですが.....」
「.....ちょっと待って!!あれって.....」
「あれは.....誘惑、でしょうか?」
「ご飯屋に入ろうとしてるね....」
「でも花陽は断ろうとしてるわね.....」
「やはり穂乃果でしたか.....今度はちゃんと現行犯逮捕という形で言わなければ.....」
「でも、花陽も入ったわよ。」
「だから譲歩した方が良かったわね.....」
「そうですね.....このままでは痩せるどころかかえって太りますね.....」
「でもどうしてここまで目標をきつく設定したの?」
「那月は、伊月の食生活などはどう思いますか?」
「伊月?伊月は.....まず1日2食しか食べてない上に夜も色々忙しいからまず太る要素が無いんだ。それにちゃんと筋トレもしてるし.....でもだからかな?ちょっとカロリーの高いもの食べてるし、野菜もそれなりに摂ってるよ。」
「伊月のように事情があるのならいいのですが、穂乃果はスクールアイドルを始める前からお菓子やパンをたくさん食べていましたので.....スクールアイドルを初めて運動するから痩せるだろうし穂乃果も気をつけると思ったのですが.....かえって食べる量が増えたんですね。」
「かよちんは元から食べてるし、新米の季節は沢山食べてるからこの時期はどうしても体重が増えちゃうんだにゃ。」
「なら管理はしっかりして欲しいわね.....」
「これは明日一緒に行って注意しなければ.....」
「.....海未ちゃん、ちょっといいかな?」
「どうしたのですか、ことり.....これは.....」
「穂乃果ちゃんが戻ったらすぐ行こう。」
「そうですね.....すみません、生徒会の仕事で少しトラブルというか.....瑕疵が見つかったので一旦抜けさせてもらいます、すみません。」
「穂乃果ちゃんまだ戻っていないけど大丈夫なん?」
「事態が事態なので穂乃果には戻り次第生徒会室に来るよう伝えてもらっていいですか?」
「分かったわ。」
「私も同行するわ。この時期に何かあるなら予算関連の話でしょうし.....私も行かせてもらうわ。」
「生徒会も大変だにゃ。」
「来年は凛達が継ぐ可能性もあるわよ。」
「え!?ぜ、絶対嫌だにゃー!!」
「そこは生徒の判断ね.....でもにこ達は廃校を阻止した実績があるし、穂乃果が今は会長をしているから一年生の誰かがやる可能性は高いわよ。」
「その時は伊月くんが何とかしてくれるよ!!多分.....」
「一条くんが来年までいるかは分からないけどね.....」
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「どういうことですか!?」
「予算案が先に通ったっていうこと....?」
「でも、これを通したのって穂乃果たちじゃないの?」
「確認はしたけど通してはいませ.....まさか....」
「決済案のところに間違えて入れちゃったってこと....?」
「.....ことりのせいだ。私のせいで.....」
「今はそんな誰の責任だとか言ってる場合じゃないわよ。面倒なことになったわね.....」
「今はこの事態を何とかしないと!!」
「これの影響はどうなんですか?」
「他のクラブの会計の人達も早い者勝ちって考えてどんどん出してきてるよ。あとはスクールアイドル部が自分たちの都合のいいように予算調整してるんじゃって噂も出てるし.....」
「そ、そんな!!」
「それに一条くんも関わっていたこともあって批判は凄いことになってるよ。」
「世間の次は校内で騒ぎが.....でもこれは私たちの過失です。私たちで解決しましょう。」
「でも、どうやって....」
「まずは各部活の部長を集めて話そうよ!!」
「分かりました、ことり、その間に私と資料整理をしてこのような事態がどこまで及んでるか確認しておきましょう。」
「う、うん!!」
「もし、予算で足りないとなるならば.....今回限りは私が出すわ。それで今回は事態を収めましょ。」
「でもそれでは予算が生徒会に通されなくなる可能性があります!!」
「どういうことかしら.....?」
「もしそうなれば今後予算などお金に関すること全てを城善寺さん頼りにする可能性があります!!」
「でも今回だけよ.....でもそれもそうかしら。なら私はその整理、手伝うわ。」
「ありがとうございます。ではこちらをお願いしてもよろしいですか?」
「任せて.....これでもこういうのは得意だから。今は一条くんの役割を私が果たすわ。」
「伊月の、ですか。そういえば伊月は無事なのでしょうか.....」
「少なくとも捕まったということは聞いてないからまだ逃げ残ってるわ。ただ.....時間の問題ね。」
「そうですね.....城善寺家が本気を出せばすぐ特定しますからね。」
「さすがに表立った動きは出来ないわ.....こっちの資料、確認終わったわ。次はこれね。」
「は、速いですね.....」
「言ったでしょ?得意分野やって。それにあなた達には私の家が本当に迷惑をかけたから.....償わなきゃいけないのよ。」
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伊月side
「それにしても.....これが地下にあったのは正解だったな。商が食糧と水を渡してくれるし。何よりテレビも風呂も生活できるように配備されてるのは救いだな。」
「でも兄貴、大丈夫ですかね.....」
「商曰く、傷自体は治ってるけどダメージがまだ残ってるらしい。兄貴も相当無茶したな.....」
「まぁでもおかげで客もアイドルも無傷で済んだんだから結果オーライじゃねぇか。」
「でも、君たち表歩きにくくなったよ。」
「与助の兄貴、それは仕方ないですよ。それを覚悟の上でやったんですから。」
「伊月ね.....目は覚めたみたいだよ。だけどあと2日は安静なんだって。」
「兄貴が目覚めたんすね!!良かったぁ....」
「だけどここも危ない.....まだ嗅がれてないとはいえここの存在はバレている。あいつらも少しは考えて動くだろうし、ここに長居は出来ないよ。一応隠し通路あるから商からの補給は確保出来てるけど。」
「でもどうします?このままじゃ兄貴の面子を汚されたままじゃねぇか。」
「でも俺らじゃ絶対に勝てない。今の人数と疲労からしてしんどい.....」
「この前みたいにメディアと掛け合うのも難しい.....週刊誌を利用してもいいけど爆破犯としてのレッテルは消えない。さてどうしたものか.....」
「
思い返すと、2期3話や9話の音ノ木坂の生徒たちで手伝いに来た人達はどうしてファーストライブ行かなかったんでしょうか.....セリフ的にも穂乃果ちゃんを手伝いにきたみたいな雰囲気でしたけど.....。今でもよく疑問に思います。サンシャインみたいに驚異的に人が足りないならともかく。