黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会三大問題
①ぽむの重すぎるあなたへの愛
②せつ菜さんの親
③彼方ちゃんがいつも眠そう(というかポジション的に希ちゃんやまりちゃんのところにいるからなんとなく)


#106 雪降る最終予選、血に染まる戦い③

「はぁっ...!!」

 

「ちっ.....」

 

俺たちは厳しい雪が振る中、お互いに攻撃をいなし、牽制し、時には実弾を撃ち、かすり.....お互い血を流していた。吐血はしないものの、そ傷口が多く、出血量は多い。と同時に地面が血の色で染まっているように一瞬錯覚した。

 

「くそ.....まだ完全に回復していないのか.....」

 

「貴様、何故その体で来た?」

 

「何故?俺は約束を果たすために戦うと言っただろう。なら俺の体がどうかなんてどうでもいい。お前を救わなきゃあいつが救われないからだ。」

 

「意味が分からない。兄はお前が復讐として殺した。なら私がその仇討ちとしてお前を殺すことの何がおかしい。」

 

「復讐?お前はあの日の真実を知らないのか?」

 

「当主様はこう言ったんだ。それが正しい。」

 

「本気で言ってるのか!?あの日.....」

 

「回想に入るな!!」バァン!!

 

「ぐっ.....ちくしょう、肩を撃ち抜きやがって。あの日、あいつは涙を流していた!!自分のした事を、そしてこれからもこの連鎖が止まらないことを!!何よりも悔いていた!!あの日あいつは、俺を庇って.....いや自らKBを止めに入ってKBに吹っ飛ばされ、全身の骨がボロボロの状態で死んだんだ!!」

 

「でも何がどうあれお前のせいで死んだ!!その事実に変わりはない!!」

 

「くっ.....くそが!!」

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一方ラブライブ側

 

「これで.....」

 

「ちょっと待った、そのスイッチを押せば、お前の頭も飛ぶことになるぜ。城善寺さんよ。」

 

「一条敬一.....貴様生きていたのか!!」

 

「おう、お前らに毒入れられたりした時はガチで焦ったけどなんとか再生した。で、何をするつもりだった?」

 

「簡単よ。このライブ会場を爆破して、ラブライブを無くす。そうすれば、一条伊月は自分が透谷の方に行ったからこうなったと自分を追い込むだろう。それが目的だ。」

 

「だが残念だったな。その爆弾すらとっくに解除されている。」

 

「何....?」

 

「お前は知らないと思うが、黒柳の観察能力は異常だぞ。今回警察を沢山つけたのが裏目に出たな。お前が来る前にお前に連絡を入れていたやつを全員捕縛して、爆弾を全員で解除した。どうだ?お前が操れていると思ってた警察が善意によってお前がしかけた爆弾を解除したんだ。皮肉だよなぁ。」

 

「.....貴様は何故邪魔をする?」

 

「邪魔?人聞きの悪いことを言うじゃねぇか。事の発端は全てお前の仕業だろうが。」

 

「何の話だ....?」

 

「とぼけてもらっちゃ困るよ。白鴉から神山の情報を手に入れ、透谷家に血の採取を命じた。それを拒んでいた当時の透谷は、お前に弟を人質として取られ、弟の為に自らが嫌がった人殺しをしたんだ。そして当の本人はそこである少年を助けるためにKBの攻撃を受けてあの世へ旅立った。そして今はその事実をねじ曲げ、透谷を操り、うちの義理の息子を殺そうとしている。もうたくさんだ。お前の自己満の為に何人の血が流れたと思ってんだよ。それでも自分は潔白だと言いきれるか?」

 

「勿論だ。私は生まれてこの方人を殺したことは無い。あいつらが勝手に殺したまで。私は刑事告訴されようが無罪だ、無駄だ。私が金を回せば警察だって裁判長だって意見を私寄りにしてくれる。もしこの事実がばれようが私はきっと任意の事情聴取になり、証拠不十分で不起訴、一方お前たちは私の護衛を殺した、つまりは殺人罪だ。分かるな?お前が私を追い詰めようと結局損をするのはお前たち金の無いものだ。この国は住みやすい.....なにせ金と肩書きさえあれば対処が緩くなるのだからな!!」

 

「お前.....」

 

「それにたとえ娘が当主になろうと知ったことか。あの子が仮にお前たちから真実を伝えられ、私を捕まえようとしたところで透谷に始末を言いつけるだけだ。」

 

「.......死ね。」パァン!!

 

「.........」

 

「急所は外した。お前はしばらくの間、動くことさえ不可能だろう。」

 

「.......ははは」

 

「何笑っているんだ?」

 

「お前が私を殺そうが無駄だ。今あの娘は監禁している。そして私の命令なしに解放することを厳禁している。お前が私を銃殺したところで無駄なんだよ!!!」

 

「.......そうか。」

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「くっ.....追い込まれる」

 

俺はなんとか透谷を追い詰めた。こいつ.....前より強くなっているが何か心にひっかかってるのか.....

 

「おらぁ!!」

 

「ぐ....ぐはっ!!」

 

「やっと追い詰めた.....」

 

俺は透谷が持っていたハンドガンを奪い、そしてナイフも取った。そして.....透谷は抵抗を止めた。いくら強いとはいえ出血の影響でかなり体が動かなかったのか.....

 

 

「いいだろう.....殺せ。」

 

「.....お前は殺さない。」

 

「それは何故だ.....いつ裏切られるか分からないんだぞ。」

 

「だから回想させてくれ。.....過去に何があったか。」

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3年前

 

「うぅ.....母さん.....」

 

その当時、俺は母親が目の前で無残な殺され方をするのを見た。骨が折れる音....目の前の怪物が母さんをまるで紙を握りつぶすかのようにした。そのおかげで.....母さんの目は飛び出し、身体中の骨は折れ、臓器も潰れていた.....たった数分前まで元気な1人の人間だったのに。

 

そして.....その考えていることこそが甘かった。俺はKBに周りを囲まれていた。その瞬間.....もう死んだと自分でも思った。だがそれを止めたのは.....この村への襲撃を指示し、以前からこの村の偵察に来ていた男だった。俺は心の闇を抑えきれなかった.....こいつのせいで皆が死んだと。だがその男は不可解な行動を取り出した。

 

「いいから戻れ!!これ以上人を殺すな!!」

 

「頼むから辞めてくれ!!これ以上.....血は流させたくないんだ.....」

 

その男は、KBを殴って止めたりKBにすがりつき、泣きながら止めていた。そしてKBは最後の排除対象.....つまり俺に目をつけた。

 

「はっ!!君、危ない!!」

 

「....え、ふわぁ!!」

 

「僕はその男に押され、KBの拳を喰らわずにすんだ。だが.....その男は死にかけになっていた。そしてその死にかけの状態でKBを全員倒した。

 

「おじさん、なんで庇ったんだよ!?あんたあいつらの味方なんだろ!?」

 

「俺は.....もう俺は生きるのが嫌だ。俺は生まれてから人を殺すことしか習ってこなかった。ひたすら城善寺家の手駒として働き、意志を持つなとひたすらたたきこまれた。もうたくさんだ.....」

 

「.......」

 

「俺は.....君に謝らなければならない。こんな事態を引き起こしたのは全て俺だ。だから.....俺を殺せ。」

 

「....なんでだよ。あんたがそう思うなら生きて償えよ!!俺はあんたを信用できない.....けど、どんな人であれ生きて償わないと意味が無いんだ!!!死んだらなんだ、殺した、手をかけた人が帰ってくるっていうのか!!ああ!!」

 

俺も怒りで混乱していた.....目の前で母さんが殺され、みんなが手をかけられ、そして血を抜き取られ.....でもその人たちは帰ってこない。

 

「その通りだ....戻っては来ない。だが、これがわたしにとって1番相応しい最期だ。殺してきた私は殺されてこそ意味がある。」

 

「何言ってるか分かんねぇよ.....」

 

「君は.....1人の意志を持った人間だ。」

 

「.......どういうことだ。」

 

「俺は.....常々偉い、強い人間の舎弟のような存在で生きてきた。透谷家も元々、城善寺家の手を汚させないために作られた家。そんな血塗られた家の当主になってしまった.....俺の人生は何だったんだ。」

 

「.........」

 

「そして俺は.....この事態を防げなかった。KBは暴走した....こんな俺には死がお似合いだ。もう俺にはどうすることも出来ない。この現状を変えることすら。」

 

「.......だからなんだ。」

 

「俺を殺してくれ....そうすればこの事態は収まるはずだ。指揮する俺が死ねば統率が取れないことから撤退を図る。.....そしてこれは君にしか頼めない事だ.....俺が死ねばきっと人質になった弟が俺の役を継ぐことになる。そうなった時は....頼む、弟を救ってくれ。そして.....みんなを救ってくれ。こんな愚かなことで命を奪われていいはずがないんだ.......」

 

「.....分かった。本当にいいんだな?」

 

「ああ.....このハンドガンで頭を撃ち抜いてくれ。何発でもいい。殺せさえすれば。」

 

「.........」

 

バンバンバァン.......

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「.....それがあの日の真実だ。俺はお前の言う通り人殺しだ。そして俺は.....あの日約束したことを果たす為に今生きている。だから透谷.....俺の元に戻ってこい。お前の兄が果たせなかった償いを.....俺と共にするんだ。」

 

「.....無理だ。私はもう何人殺したことか.....」

 

「勿論それだけで償いになるとは思わない。けどな、奪った人間は奪った分だけ重いもの持って生きなきゃいけないんだ。奪った命はもう二度と戻りはしない....だからこそ俺たちは、変えていかなきゃいけないんだ。」

 

「.......私は、やり直せるというのか。」

 

「.....それはお前次第だ。だが.....俺はお前と一緒に背負って生きていく覚悟がある。もう誰にもこんな思いをさせたくないんだ.....」

 

「.......私は愚か者だ。貴様が差し出した手を払い除けたのだからな。だがもう一度叶うのなら.....私は自分、いや家が持った罪を償い生きたい。それが.....兄を供養することにもなるなら。」

 

「そうか.....よく帰ってきてくれた、透谷。」

 

「はい.....伊月様。」

 

「よしっ、今から行くぞ。」

 

「行くってどこに?」

 

「ラブライブの最終予選会場だ。」

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ラブライブ最終予選会場

 

「間に合ったみたい.....だな。」

 

「ですね.....む?あの方々は?」

 

「兄貴.....って透谷じゃねぇか!?お前!!」

 

「待て、その件は解決した。こいつはまた俺たちと共に戦う。もう裏切りはしないだろう。」

 

「.....兄貴に感謝しろよ。」

 

「で、お前達は大丈夫だったか?」

 

「あの後大変だったんすよ。あの子たちが間に合いそうにないから警察と生徒含め、俺たち全員で雪かきしたんすから。」

 

「ということは.....あいつら走ってきたのか!?」

 

「そうっすよ。途中兄貴のことをしつこく聞かれましたね。」

 

「.....なんて答えた?」

 

「大事な用事と言っておきやした。これでいいっすよね?」

 

「ああ.....お前ら本当に大活躍じゃないか。」

 

「へへっ、俺たちだって出来るんすよ。」




更新が遅れて本当に申し訳ないです。結構ラブライブの設定壊したせいでここら辺の生徒とかどうすべきか悩んでました。

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