黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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なぜμ'sを強くしてしまったんだろう.....まぁいいか。


#110 城善寺家の戦い②

μ's side

 

「.....誰もいません。」

 

「現在地どこか分かる?凛ちゃん。」

 

「んーっと、さっき入ってきたのがここで今曲がったから....おそらくこの階の部屋の上にゃ。」

 

「ここには.....絵里達はいないみたいですね。」

 

「でもこのまま上に上がるのは危険よ。何せ上に行く度に退路を塞がれたら終わりだし。」

 

真姫ちゃんの言う通り、この家の構造を見る限り上層階からの脱出は難しい。穂乃果達は空を飛ぶ道具を持っていなければ来るよう指示も出していない。だから上のフロアに行くほど失敗したときのリスクが大きい。

 

「.....妙ですね。」

 

「どうしたの?海未ちゃん。」

 

「いえ、今のところ誰1人見つけることが出来ないんです。私の視野に入っていない可能性もありますが、これだけ広い屋敷で見張りや侍女といったような仕えてる人がいない。おかしいと思いませんか?」

 

「うん.....確かに。」

 

「となると、私たちの侵入はとうにバレていて、敢えて誘き出してる可能性があります。」

 

「でもそんなことしてなんのメリットがあるのよ。見張りがいないということは集中してる、何処に人質がいるかって分かるってことでしょ。私たちにはメリットはあるけれどあっちにあるとは思えないわ。」

 

「それだといいのですが.....」

 

穂乃果も不安なところはある。海未ちゃんの言う通り、誰もいないのに部屋の電気はついている。さっき見せてもらったマップを見る限り上の方に隠してる可能性は高い.....けど。

 

「二手に分かれるのは.....」

 

「それはダメね。ただでさえ弱い私たちが分散したら力ずくで止められるのがオチよ。6人いればまだ抵抗出来るわ。」

 

「.....那月は伊月に連絡したとは聞いています。だから伊月と合流して情報共有を試みるか、私たちで他の部屋の捜査を終わらせておくか.....」

 

「前者は賛成出来ないかな.....ことり、これ以上伊月くんに負担かけたくないし。」

 

「それは私も一緒.....です。」

 

「では先に他の部屋に行きましょう。それから入口に戻りましょう。」

 

「うん!!」

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伊月side

 

「誰だお前!?.........」

 

「じっとしてろ。」

 

俺達は地下の入口近くにいた警備員を気絶させ、ドアを開いた。透谷がくれたマスターキーがあるから敷地内の移動は普通に動ける。

 

「さてと.....簡単には行かせてくれないみたいだな。」

 

「ひっひっひ、久しぶりですね.....一条伊月!!」

 

そこには大森が立っていた.....こいつ、警察から消えたと思ったらここにいたのか。

 

「てめぇが銃を構えようが怖くねぇんだよ!!今は自由に動けるからな。警察署のように上手くいくと思うなよ!!」

 

 

 

 

 

透谷side

 

お嬢様は地下には絶対にいない.....当主様も娘には悪事を一切話してはいない。つまりKBの元となる神山の民の血液を採取される現場を知らない場所.....お嬢様の部屋にいるはずだ。お嬢様の部屋は遮音性が高く、窓もない閉鎖空間のような場所である。

 

「無事でいてください.....お嬢様。」

 

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再びμ's side

 

「ここは暗いですね.....降りて確認するのでサインを出すまで待っててください。」

 

「穂乃果も一緒に行く。海未ちゃんの死角を守るよ!!」

 

「はい、お願いします。ことり、1年生をよろしくお願いしますね。」

 

「うん、分かった。」

 

 

スススゥ.....

 

「窓がありませんね.....ん?」

 

「ねぇ海未ちゃん、誰かが呼吸してる音、聞こえない?」

 

「はい、何かで塞がれているような.....ここですね。」

 

私たちはライトを付けて何があるか確かめた.....すると

 

「冴子ちゃん!?」

 

「どうして冴子がここにいるのですか?」

 

まさかの城善寺冴子ちゃんがいた。最近学校に来てなかったのは監禁されていたからなんだ.....ってそんな場合じゃない!!

 

「大丈夫!?今助けるからね!!」

 

「むぐぐぐ...」

 

 

 

 

 

 

 

「助かったわ、ありがとう。」

 

「仲間を助けるのは当然ですよ。」

 

「頼もしいわね.....貴方達。」

 

「冴子、話してる暇はありません。急ぎここを脱出しましょう。」

 

「ええ.....」

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地下

 

「.....ここか。」

 

俺はガチガチに警備を固めている真ん中に、城善寺千世を見つけた。あいつ.....来るって分かってやがったな。あの男の人.....大丈夫か。

 

バァン!!!

 

「おい、その人を返してもらおうか。」

 

「一条伊月.....やはり来ましたね。悪いけど貴方には死んでもらうわ。」

 

「そうか。まずその人を解放させてもらおうか。断れば.....お互い無事じゃいられないぞ。」

 

「そうですね、あなたと私の周りにいる人間は無事では済まないでしょうね。」

 

「てめぇ.....その人たちを何だと思っていやがる。」

 

「駒に過ぎないのよ。一条伊月、あなたには分からないでしょうけど下の者は上の者の傀儡となり駒となるのが普通なのよ。そしてそのピラミッドを形成するのはお金.....私はあらゆる事をしてお金を手に入れた。そしてこのもの達は私のような者に利用されて初めて生きる意義を手に入れる。上に立つ者は下の者に対して感情を抱く必要は無い。それが正しいトップのあり方よ。」

 

「 ふざけるなよ.....全てが金で手に入ると思ってるなら頭が花畑だな。残念だが透谷はこちらに寝返った。」

 

「そんなことはどうでもいい。また強い人間を雇えばいい。」

 

「そうだろうな、てめぇからしたら透谷家はただのトイレットペーパーみたいなもんだからな.....無駄話はもういいだろう。今日ここで!!てめぇをぶっ飛ばしてやる!!」

 

俺はそう言って近くにいるガードマンらしき人間を1人 2人と.....確実に倒していった。だがあいつは全然何とも思っていないのか動かない。

 

「私がお前に直接勝負を挑むとでも?」

 

「どういうことだ?」

 

「どうやらこの家には今、アイドルの鼠共が入ってるみたいだ。おそらく彼女達の目的は攫った他のメンバーの救助でしょう.....ですが無駄です。白鴉を向かわせた。」

 

「な!?.....てめぇ!!」

 

「もういいでしょう。お前たち、来なさい。」

 

そういって建物の隅々から人がやたらやって来やがった....くそ、不利過ぎるだろ。

 

「さぁどうする....神山の生き残り。」

 

「10人だろうと100人だろうと力ずくで押し通る!!」

 

透谷.....頼む。俺が向かうまであいつらを守ってくれ。

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μ's&透谷side

 

「どこへ行くつもりだ....」

 

「白鴉.....皆下がって。」

 

「冴子ちゃんどうしたの.....うわぁ!!」

 

「穂乃果!?怪我はありませんか?」

 

「うん、大丈夫、ギリギリ。」

 

「なんだこの歯ごたえの無さそうな虫けらみたいな奴らは。あの女はこいつらを掃除するためだけに俺を呼んだってのか。」

 

「皆、あいつは白鴉.....世界でも有数の殺し屋よ。」

 

「殺し屋.....」

 

「あなたが伊月を狂わせた原因ね。」

 

「真姫ちゃん!?」

 

「伊月....あぁあのガキか。あのガキは自滅した。あの日、母親と一緒に殺されておけば楽になれただろうに.....」

 

「あなたね.....」

 

「真姫ちゃん落ち着くにゃ!!」

 

「そうだよ、挑発に乗ったら相手が有利になるだけだよ。」

 

「ほう.....多少の頭はあるみたいだ。あのバカのように単細胞で突っ込んでくるかと思ったが.....予想外だ。まぁいい、ここで死んでもらう。世間ではあいつに殺されたと報道されるだろう。」

 

「そんなこと.....させない!!」

 

私たちは戦闘態勢に入った。さすがにここまで馬鹿にされて黙っていられない。

 

「数が多ければいいというのは同程度の実力があることが前提だ。」

 

バァンバァン!!!

 

穂乃果達はその男に向けて撃ち続けた。そしてうち終わって、海未ちゃんと穂乃果と真姫ちゃんが近接戦を仕掛けに行く。その内に凛ちゃんと花陽ちゃんで城善寺家の外に送り出してもらう。凛ちゃんがいるから襲われても抵抗できる....どこまで持つか。ことりちゃんが退路確保のために先に行ってくれてるけど1人だから危険....でもこれが1番最適な配置。

 

「ふん、甘い。」

 

「え、きゃぁ!!」

 

 

 

「そこまでだ!!白鴉.......」

 

「ほう、裏切り者が来たか。」

 

「君たち、先に撤退してくれ。伊月様からの伝言だ。」

 

「伊月くんから!?でもまだ絵里ちゃん達が.....」

 

「我々に任せてくれと言っているんだ。早く撤退しないと死ぬぞ。」

 

「.....うん、分かった!!一旦引こう!!」

 

「はい、分かりました。」

 

 

 

 

 

「なんの真似だ?」

 

「呪われたこの家の呪縛を断ち切る為だ。お前もいつまでも血に縋る女々しい野郎が.....」

 

「ふん、本来あの力は俺に備わっているべきだった。」

 

「それは傲慢だな。貴様こどきにあの血は不適切だ。」

 

「.....俺の前に来たこと、後悔するなよ。」

 

「それはこちらのセリフだ。依頼を達成出来なかったことを後々見苦しい弁明で誤魔化すなよ。」

 

こちらも戦闘が始まりました。伊月様.....残りの3人をお救い下さい。




7周年前のイベントみたいなのって、交換してもラブカくれないんですね.....

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