正月も色々あって疲れた俺たちだけどラブライブ決勝戦に向けて練習をしている....それになんか知らないけど最後って言葉を使うのを禁止にしているらしい。おそらく3年生とのお別れを意識しない為だろうな.....
「キャッチフレーズ?」
「はい、決勝戦に出場したグループはそれぞれキャッチフレーズをつけることが出来るんです。」
「へぇ.....他のグループもちゃんとつけてるんだな。お前ら何にするんだ?」
「え、えっとね〜.....」
「決まってないのか。」
「私たちを表す一言というのは結構難しいですね。」
「そうかな.....皆のいいところ上げていったら上手くいくんじゃないかな....?」
「いや、それはかえって難しくないか?このグループ自体かなり個性の強いメンバーが集まってるから纏まらなくないか?」
「伊月君には言われたくないにゃ。」
「そうね、少なくとも1番個性が強いのは伊月ね。」
「とにかくうちらを表せる一言を探さんとね。」
「.....ここで悩むのもあれだ、神社に行って階段ダッシュでもするか。」
「ええ!?今から走るの!?」
「こういう時は動いたらなんとかなると思ってな。」
「そうね.....今日の練習もある程度調整はしていたからちょっとくらいは走らないとね。それに冬で寒いし、体をあっためるっていうのも兼ねて、行きましょ!!」
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神社前 階段
「よぉい、どん!!」
「はぁ.....はぁ.....」
「今日も俺の勝ち、か。誤差5秒は誰もいないのか。」
「伊月くんに勝てる人なんてそうそういないよ!!」
「それに私たち女の子よ。あなた15歳とはいえ体は大人だから私たちに勝てないと逆にまずいわよ。」
「ま、それはそうだよ。だけど、皆自己新更新出来たんじゃないか?」
「え、.....ほんとだ!!」
「私も最高記録です。よく気づきましたね。」
「俺はずっとお前らの練習見てきてるからな、それくらいの感覚はある。あとここにしたのは理由があってな.....コレ見てみろ。」
「これは.....音ノ木坂の生徒の。」
絵馬にはμ's優勝と少し大きめな字で書いてあった。これはおそらく那月だな.....あいつ絵馬書いてたのか。
「見てください、こっちにも!!」
「皆、私たちのこと応援してくれてるんだ。」
「これで少しはキャッチフレーズの印象が出来たんじゃないか?」
「.....うん!!伊月くん、ちょっと急展開だけど思いついたよ!!.....穂乃果達、学校の皆や伊月くん達に応援されて、背中を押してもらって、最終予選の時も皆がいてくれたから.....穂乃果達は皆でラブライブ優勝を叶えたい!!」
「決まりだな。」
「穂乃果.....」
「.....ふふっ、じゃあ日も暮れかけだからここで解散しましょ。希、にこ、伊月はここに残って。」
「.....分かった。」
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「で、結論は出たか?」
「いいえ.....まだなの。」
3年生が抜けた後のμ'sをどうするか.....3年生からしたら大事だからな。
「俺はどっちでもいい。お前らの決断を信じる。μ'sを存続させるのか、解散するよう提案するか.....」
「にこは存続で変わらないわ。アイドルならメンバーが変わっても皆に笑顔を届けるのが仕事よ。それにあの子達ならそれが十分に出来る.....にこ達がいなくても。」
「うちは穂乃果ちゃん達に任せたいな。続けるにしろ終わるにしろ。うちらは去る側やからあんまり押し付けたくないし.......」
「私は.....正直解散派なのよ。μ'sっていうのは私たち12人でなきゃμ'sっていう感じがしないのよ。」
「正確に言うと9人だけどな。音ノ木坂学院アイドル研究部が12人だからな。」
「え?まだアイドル研究部で残ってるの?」
「にこっち知らんの?にこっちが仲間に入った時にアイドル研究部として登録されてるからスクールアイドル部っていうのは正確にいうと存在しないんよ。」
「.....話を戻すぞ。俺としては3年生として1つの結論にまとめなくてもいい。あいつらだってどうするか心のどこかでは考えてるだろうし。」
「.......」
「ただ、この1年.....μ'sというグループが出来てから楽しかったことも苦しかったことも入れ違ったことも.....全部含めてその9人で乗り越えてきた。その思い出はやっぱり、価値あるものだ。だがそれは『9人』でなければ出来なかった。μ'sでなければ出来なかった.....言いたいことは分かるか?」
「.....ええ。」
「俺の意見はμ'sが終わるということだ。この9人の思い出を薄れさせたくない。μ'sというのはお前ら9人でなければいけない。そう思うんだ。」
「伊月はそう思うのね。」
「ああ.......」
「.....私たちからも伊月に聞きたいことがあるの。伊月の体は....あと何年持つの?」
「どうしたんだ.....急に。」
「この前那月に聞いた時に短命だって聞いたの。それをずっと聞きたかった.....伊月はあと何年生きられるの?」
「分からない.....だが今年になって俺は血の力を酷使した。だから.....おそらくあと20数年くらいじゃないか?」
「.......そうなの。」
「もしかしたらもっと短いかもしれない.....でも今は俺の事よりもお前らのことの方が大事だ。」
「.......なんで?」
「は」
「なんでそういう事を言うの.....伊月のことが大事なのに。いつも自分のことは後回しにして。」
「そうじゃないのか?側近の課題はラブライブの決勝戦だ。俺の寿命の話なんざどうだっていい。」
「勿論寿命の話もそうかもしれないけど.....伊月、あなた何をするつもりなの?」
「絵里ち.....」
「どうした?急に。映画の見すぎじゃないのか?」
「違うわ。伊月.....なんであなたはずっと9人と言い続けたの?」
「そりゃあステージに出るのが9人だから.....」
「そうかもしれないけど伊月や那月、冴子がいなければ私たちはステージに立てなかったこともあった。12人じゃダメなの?」
「そういうわけじゃ.....」
「それにずっと気になってた。最近の伊月は私たちに干渉してこなくなった.....この前の誘拐の件だってもう前の伊月じゃなかった。まるで私たちの記憶から自分の存在を薄めるかのように....」
「絵里ちどうしたん?どこか具合でも悪いん?」
「そういう訳じゃないのよ。希やにこも気にならなかった?」
「私は何となく分かるわよ。前までの伊月とは違う。避けてはいないものの存在が薄まるように.....正確に言うと9人でここまで成し遂げたかに見せるように消している.....そんな気がするわ。」
「私はその行動の理由が知りたい。何かそれをしないといけない理由があるの.....」
「.......そんなつもりで動いてた記憶はないんだがな。分かった、俺の心のつっかえを話すよ。俺が無意識にそうしていたのは.....お前たちの為なんだろうな。」
「私たちの.....」
「これから先、μ'sが全国的に有名になって行った時にその過去を調べようとするやつは沢山出てくるだろう.....その時に俺の存在がばれればお前たちの未来の光に影を差すようなもんだ.....」
「そんな、影だなんて.....」
光が強ければより強い影がある.....おそらくμ'sという強い光と俺という濃い影である俺が引き寄せられた。自分でも何を考えているのかよく分からない.....だがあいつらにはそんな影がいたなんて事実で足を引っ張られて欲しくない。
「.....その話はまた今度せぇへん?全員いないところで話すのもあれやし。」
「そうだな.....」
スクスタで、無料チケットでラブアローシュートの海未ちゃんが当たったのでURの海未ちゃんをコンプできました。