黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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スクフェスでも、誕生日の時にミニストーリーを配信していましたね。.......あれ作る時って、声優さん行かなきゃいけないから大変ですね.....
一応今回の誕生日のやつは、本編より少し時系列が後になります。



絢瀬絵里生誕記念編 隣に立つこと

「お姉ちゃん!!お誕生日おめでとう!!」

「ありがとう、亜里沙.....これは?」

「髪をくくるやつだよ!!お姉ちゃんいつもポニーテールにしてるでしょ?だから、その可愛いやつを買ってきたんだよ!!.....雪穂にも協力してもらったけどね.....」

「でも可愛いわね、嬉しいわ。ありがとう、亜里沙。」

 

私は今日が自分の誕生日ということを忘れていた.....亜里沙に言われるまではね。結構忙しいから自分の誕生日のことまで頭が回らないのかしら.....

 

ピリリリ

 

「もしもし絵里ちゃん!!」

「穂乃果?どうかしたの?」

「今日絵里ちゃんの誕生日でしよ?だから、今日の夜穂乃果の家で誕生日パーティーするんだ!!だから、今日の夜7時に穂乃果の家まで来てね!!」

「今日が休みだからあれだったけれど.....前の平日に教えてくれなかったの?」

「絵里ちゃん忙しそうだったし.....当日に教えた方が驚くかなーって。」

「.....私が用事でも作ったらどうするつもりだったの.....?もしかして他の皆も知らないんじゃ?」

「ぎく.....昨日海未ちゃんに言ったら『そういうことは、他の人も予定があるかもしれないのですから、早めに連絡しなさい!!』って怒られちゃんたんだよね.....でも、皆OKくれたよ!!絵里ちゃんは.....あいてる?」

「そうね.....今日は特に用事はないわ。だから、そのパーティーに行かせてもらうわ。」

「ほんと!?良かったぁ.....じゃあ、美味しい食べ物用意して待ってるからね!!」

「ええ、楽しみにしているわ。」

 

こういう時でも、穂乃果らしいわね.....でも、ちゃんとしてほしいわね。って、自分の為のパーティーに誘われたのに、そういうことを言うのは、少し野暮ね.....伊月と那月は、来るのかしら?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

休日だったから仕事もなく、私はウィンドウショッピングをしている。いい感じのアクセサリーが多くて、結構見入っちゃうのよね.....

 

「このアクセサリー、ことりに似合いそうね.....このオレンジのペンダントも凛に似合いそうね。この青いブレスレットも外せないわね。海未が身につけたら絶対似合うわ。」

 

気づけばμ'sのことを考えていたりと、私は少し笑ってしまった。最初はあれだけ冷たい態度を取ってしまったけど、今となっては、皆は大切な仲間。私も随分と変わったわね.....

 

.....ん?あれは、伊月と那月かしら?

 

 

「ねえねえ、伊月!!この指輪可愛いよね!!絶対いいよ!!」

「なんでお前の買い物になってんだよ。今日の目的を忘れたのか?」

「そんなはずないじゃん!!でも、やっぱり絵里ちゃんには喜んで貰いたいし!!ちゃんと考えなきゃね!!」

「数秒前のはしゃいでた自分はどこいったよ.....まぁいいか、俺はこういうセンスは皆無だからお前に任せる。」

「もっちろん!!任せて!!あと伊月も何か探して渡しなよ。さすがに任せっきりはダメだからね。」

 

あの二人も、今日プレゼントを買いに来たのね。.....というかあんな大きい声で騒いでたら怒られそうな気がしそうだけれど.....伊月の雰囲気があれだから大丈夫なのかしら。.......内心どきどきしている。伊月がどんなプレゼントをくれるのか。勿論那月のプレゼントだって気になるけれど.....やっぱり、初めてできた男友達のプレゼントってどんなものか気になる。.....さすがに、メリケンサックとかは渡してこないと信じたいけど.........

 

 

「お客様、他のお客様の迷惑になりますので、もう少し私語のボリュームを下げてください。」

「す.....すみません。」

「お前うるさすぎなんだよ。」

「伊月だって同罪だよ!!」

「だから静かにしろって.....すみません、店員さん、このアホはちゃんと俺の方で見ておきますんで.....」

「誰がアホだーーー!!!」

 

やっぱりあの姉弟が絡むとコントのようになるわね.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

やることも無く、私は他のスクールアイドルのPVを見ていた。やはり、どこのグループもパフォーマンスがすごいわね。負けてられないわ。

 

「あ、このグループの振り付け、結構凝ってるわね。今度1回練習でやってみようかしら.....この足の動かし方もすごいわね。基礎練習に入れてみようかしら.....」

私たちも有名になった方だけれど、やはりまだまだ足りないところはある。そこを考えてやらないと、いつまでも成長できないしね。

 

 

「あら.....?メール?これって....お祖母様から!?」

昼過ぎに、お祖母様から連絡がきた。おそらく、ロシアに住んでるから少し時差があるのね.....ということは、あっちは朝なのかしら?

 

『絵里へ

お誕生日おめでとう。元気にしてるかい?もう秋だけど、こっちはもう日本の初冬くらいの寒さだよ。.....あなたももうそろそろ社会の一員になるのだから、頼れる伴侶を探しなさい....あなたならできるわ。プレゼントは何もあけられないけど、あなたがこれからも健康で楽しい1年を送れることを祈るわ。』

 

「お祖母様.....結婚の話は早いわよ.......」

 

でもあながち遠い話ではない.....私ももうすぐ社会人になる。どこかの企業とかで雇われて、働く.....全く想像がつかないわ。

結婚か.....もし私が結婚して.....伊月とどんな家庭を築くのかしら..........子供は作るのかしら.....ご飯作って、休日は旦那さんと蜜月の時を過ごす.....悪くないわね.....何故か伊月が旦那さんになる設定が進んでいるけれど.....誕生日くらい欲張りな妄想してもいいわよね。

そして、気付かぬ間に私は眠ってしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「眠ってしまったわ.....は!?もうこんな時間!?少し準備しなきゃ!!」

私は、寝落ちしていた。起きたら、もう5時くらい。少し髪もボサボサだし、化粧も、軽くだけどしておかなくちゃ......まるでいつもの穂乃果みたいな焦り方ね.....

1時間後、そして準備できた私は、少し早いけど家を出た。.....この時間で、もうこんなに暗くなるのね.....季節を感じるわ。夜も少し肌寒いし、少し羽織っていって正解だわ。

 

 

 

「ん?絵里じゃねぇか。よ、どっか行くのか?」

「絵里ちゃん、こんばんは!!どうしたの?化粧して。」

「あら、伊月に那月じゃない。これから穂乃果の家で誕生日パーティーをやるらしいの。だからそこに向かってるの。」

「へぇ、そんなんあるんだ、知らんかった。」

「え?伊月は来ないの?」

「ああ。俺も那月も、今日は少し野暮用があってな。そのパーティーとやらがあるのは今知ったが、どのみち行けねぇよ。」

「伊月、私の携帯には穂乃果ちゃんから昨日メール来たよ。伊月に届いていないの?」

「携帯?.......あ、本当だ。メール来てるわ。」

「伊月のおっちょこちょいさん!!まぁそういう所も可愛いよ!!」

「いや可愛いって言われても嬉しくないんだが.....」

 

 

「あ、そうだ、絵里。こんな所で渡すのもあれだが.....俺たちから誕生日プレゼントを渡すよ。」

「あ!?そうだった.....誕生日プレゼント買ったこと忘れてたよー。」

「お前のその頭は本当にどうにかしろよ。それが学年一位のやつの言うことかよ.....」

「それとこれは関係ないじゃん!!」

 

相変わらずこの姉弟は仲がいいわね.....

 

「じゃあ、私から渡すよ!!じゃじゃーーん!!私からはこれ!!」

「これは.......万年筆?」

「そうだよ!!絵里ちゃん何かとペン持ってること多いから、これ使ってくれたらなーって。書きやすいフォルム&長持ちのやつを買ったからぜひ使ってね。」

「ええ。大切に使わせてもらうわ。ありがとう。」

 

こういう実用的なものを貰うと、勿体なくて使いにくいのよね.....でも、那月が使ってということでくれたのだから、使わないと失礼よね。

 

「じゃじゃ!!次は本命!!伊月のプレゼントだよ!!」

「おい、ハードルを上げるなよ。」

「大丈夫だよ!!前のことりちゃんの時も成功したんだから、今回も大丈夫だよ!!」

 

 

そういえば、この前ことりが言ってたわね.....『伊月くんの誕生日祝いは本当に格が違うよ!!この前なんか、ことりにペンダント直接かけてくれたし。もうすごく満足した!!』って。私にもなにか付けてくれるのかしら.....とても気になるわね。

 

「じゃあ俺からか.....絵里、左手出して。パーで。」

「え?こ、こうかしら?」

「うん、で、目を閉じて。」

 

目を閉じる.....一体何をするのかしら.....?

 

「目を開けていいよ。」

そして、私は左手を見た.......小指に指輪が付けられている。

 

「.......え!?これって.....指輪!?」

 

私はとても混乱した。お祖母様の手紙があったから余計に驚いてしまった。........指輪?よね、伊月がくれたのよね。こ、これは、その.....

 

 

「おーい。絵里ー。大丈夫かー?なぁ那月、なんで絵里は赤くなって動かないんだ?」

「伊月.....異性、しかも思春期に指輪をあげることの意味を分かっていないようね.....」

「え?だって左手の薬指はそうかもしれないが、それ以外の指だったら、別に良くないか?そこまで考えんの?」

「伊月は女心が分かってないなー。帰ったらお姉ちゃんがしっかり教育してあげるからね!!」

「勘弁してくれよ.....女の事とか分からないよ。それにこれは市販のだし。」

「だから、この前ことりちゃんにプロポーズ紛いなことを言って、みんなから怒られたんだよ。いい?今回はしくじっちゃだめだよ。」

「え、ええと.....これは一体どういう.....?」

「ん?何あげようかなって考えた時にさ、絵里ってあんまりこういう装飾品を付けてるイメージが全く無かったから、手軽な指輪を買ったんだよ。一応誕生石のオパールとトルマリンを半分ずつ付けたけど。」

「こんな凝った物が売ってたの.....?」

「いや、誕生石を付けたのは那月だ。.....俺は前回の姐さんの誕生日で細かい作業が向いてないって痛いほど分かったからな。今回は那月に頼んだんだ。」

「すごいでしょ!!私は伊月よりもはるかに細かい作業が得意なんだよ!!」

「お前、俺と比べて喜んでて大丈夫か?月とスッポンだぞ。」

「だってーー!!にこちゃんも希ちゃんも絵里ちゃんも皆女子力高いからーーー、少しは自慢したいの!!」

「あっそ。でも得意っていうのは事実だもんな。」

「これ.....本当に貰っていいの?」

「当たり前だろ、誕生日プレゼントなんだから。.......絵里、誕生日おめでとう。お前はいつも人の前に立って頑張ってるよな。その姿は本当に立派だよ。俺もいつか、お前の隣に立って支える、お前が俺を友として誇れる人間になってみせる。これはその誓いの意味も込めた指輪だ。......これからもよろしくな。」

 

.......まさか、ね。誕生日に、伊月と那月からこんなにも勿体ないくらいのプレゼントを貰って、しかも伊月から、こんな夢のようなことを言って貰えるなんて.......心がいっぱいだわ。これからμ'sの皆にも祝ってもらうのだから.....今年の誕生日は一番幸せね。

約束は小指から薬指へ.......そんな風になってくれたらな.....

.......涙が出てきそうだわ。

 

 

「!!!!.....ええ、これからもよろしくね!」

「え!?絵里!?お前なんで泣きそうになってるんだ!?」

「あーあ、伊月またやらかしたよ。これは明日が怖いなー。」

「普段仲間を誘う時と同じように言っただけなのにな、.......やらかしたのか?」

「明日の皆の反応で察しなよーー。」

 

 

この後、私は指輪をはめて、穂乃果の家に行った。皆それぞれプレゼントを用意していて、本当に嬉しかった。指輪のことは.....一応話したわ。明日、伊月は大変でしょうね。

 

 

その翌日、那月が皆に伊月の言葉を言いふらした為、伊月はずっと詰問されていた。......でも嬉しかったわよ♪




絵里ちゃん誕生日おめでとうございます!!
普段はしっかりしてるけど、暗いところが苦手なところとかあって、そういう可愛いところが好きです。

生誕記念編は、本編より長めに書くつもりで書いています。変になっていないといいんですが.....

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