黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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物語自体が終わっているので、ちょっと時系列や内容の質がおかしいかもしれませんが許して。なのでちょっとしたifストーリー的な感じにしました。


西木野真姫生誕記念編 あなたという人

「料理を教えて欲しい?」

 

「ええ、私もさすがに出来ないとまずいし。」

 

この前絵里や海未と料理をした事があったけれど明らかにレベルが違った.....特に絵里に関しては伊月を意識しているのか新妻感が凄かった。私もああいう風になりたいわね。

 

「別にいいが....今日か?」

 

「ええ、今日よ。」

 

「今日って.....お前の誕生日じゃなかったか?誕生日をいつでもできる料理に使うのか?」

 

「ええ、私が過ごしたいように過ごすのよ。伊月もリフレッシュがてら何かするのもいいわよ。色々あったんだから.....」

 

「まぁ.....その一節はご迷惑をかけたな。まぁいいや。じゃあ料理するか。」

 

 

 

 

 

 

 

「で、何か作るのか?」

 

「そうね.....やっぱり定番の肉じゃがでも作れればいいわね。」

 

肉じゃがは作れた方がいいってにこちゃんも言ってたし、それになんかイメージ的に肉じゃが作れたら少しはいい感じの雰囲気出せるかな。

 

「肉じゃがか.....オッケ、じゃあ普通の作るか。とりあえず人参を乱切りしてくれ。」

 

「乱切り....どうやるの?」

 

「家庭科でやらなかったか?えっと.....手をこうやってだな。」

 

「ちょ、伊月!?」

 

私は手を伊月に触られてびっくりした。嫌ってわけじゃない。温もりを感じれるからいい.....じゃなくて。

 

「えっ.....まずかったか。」

 

伊月が凄く申し訳のなさそうな顔をしている.....うぅ、そんなつもりは無かったのに.....

 

「あ、別に不味いってわけじゃなくて....そ、その。恥ずかしかったのよ!!」

 

「そうか、悪かったな。」

 

「で、でもやり方が分からないから....さっきみたいに教えてくれるかしら?」

 

「それはリードしながらってことか?」

 

「ええ、そうしてって言ってるの。」

 

そして、伊月は私が手を怪我しないように包んで、そして包丁を動かした。やっぱり慣れてるわね....

 

「ん?どうした?顔が赤いが。」

 

「い、いえなんでも無いわよ!?」

 

危ないわ.....伊月が鈍感で良かった。普通なら何かしらバレるけど.....

 

「.....一応換気はしてるから暑くはないんだがな.....暑いか?」

 

「い、いいえ。そこは大丈夫よ。」

 

「じゃあ続きやるか。人参は済んだから....次は玉ねぎか。ちょっと目に染みるかもしれないけど、大丈夫か?」

 

「そこは大丈夫よ。以前にもやったことあるから。」

 

玉ねぎって目に来る時と来ない時の差が凄い.....私も最初目に入った時全国の料理をしている人と家にいる料理作る人が凄いと感じたわ。

 

「伊月は大丈夫なの?そこら辺は。」

 

「まぁ、俺に関しては目にガスとか入ったこともあるし痛みとかには慣れてるからな。」

 

「嫌な慣れね。」

 

そう雑談をしながら私と伊月は料理を続けた。時々伊月がアドバイスをしてくれるけれど.....ホント伊月のスペックってどうなってるのかしら。

 

「真姫、緊張してるのか?ちょっと包丁強く握りすぎだぞ。」

 

「え、そ、そうかしら....」

 

「あんまり強く握らない方がいいぞ。固いもの切る時はちゃんと握らなきゃいけないけどな。後は持ち方か。別に今の持ち方で悪くないけど、刃のところを少しは掴んでもいいからな。指で挟むって言えばいいのか.....まぁこうやるんだ。」

 

「確かに.....しっくり来るわね。」

 

「まぁそこら辺は慣れだな。自分で合うやつを探せばいい。」

 

そして作業も進み、弱火で煮込む段階まで行った。少し落ち着いたかしら.....

 

 

 

「ねぇ、伊月。」

 

「ん?どうした?」

 

「その.....伊月は、将来の事とか考えたこと.....ある?」

 

「将来.....か。俺も血の力を酷使したからあんまり長くは生きれないし.....考えたこともないな。」

 

「そう....」

 

「真姫には.....いや、お前は医者になるんだったか。」

 

 

「ええ、私はパパを継いで医者になるのが将来の目標だけれど...それともう1つ家庭がどうなってるかなって。」

 

「家庭?」

 

「ええ.....その、μ'sの皆にも、私にも.....ちゃんと旦那さんを迎え入れて家族を作る未来があるのかなって.....」

 

「それはあるだろうな....ま、楽しみにしておくよ。」

 

「楽しみに?」

 

伊月が他人事のような事を言い出した。多分μ'sのメンバー.....というか私や絵里はおそらく伊月のことが好き.....そうなる未来を望んでいる。

 

「ん?お前らが作る未来ってやつを楽しみにしてるってことだよ。その頃まで俺が生きてるか分からねぇけどな.....」

 

「伊月はその.....私たちの誰かと、結婚したいとかそういう願望は無いの....?」

 

その返答次第では私多分立ち直れなくなる可能性はあるけれど....気にはなる。

 

「そうだな.....俺には無いな。さっきも言ったけど俺にはあんまり長い寿命は残されていないからな.....誰かと結婚したとして、その家族を置いて逝っちまうっていうのは.....残酷だろ?」

 

伊月はどこか暗い感じに言った。確かに.....伊月がすぐ亡くなったら....折角掴んだ未来が、消える.....ということなのかしら。

 

「それを大事なお前らなんかに味あわせたくはない.....そっちの気持ちの方が大きいな。」

 

「大きい?他にも何か理由があるの?」

 

「まぁ.....俺はお前らを幸せにする力が無いからな。もっといい人と出会って、幸せな家庭を築いてくれれば、俺は幸せだよ。真姫とかはさ、許嫁とかも探せばいそうだしさ。」

 

「ふん!!」

 

「いった!!つま先、つま先来るかよ.....」

 

ちょっとデリカシーが無いんじゃないかしら?確かに結婚した時に財産的なこととかを考えればそうかもしれないけど.....私の幸せは.....遠のく。

 

「私は.....その.....伊月と、築けたらなぁって.....」

 

つい口に出てしまったけどもうこの際構わないわ.....どういう反応をするか。

 

「そうか.....それは嬉しいな。だけど俺には医療の知識も無ければ釣り合う程の経歴も無い.....それが不安で仕方ねぇよ。」

 

伊月なりに私の心配をしてくれているのは分かるのだけれど.....

 

「なら.....私が治してあげる。」

 

「は?いきなり何言ってるんだ?」

 

「その.....伊月の短命の理由を研究して.....伊月が普通の人間として生きられる道を探すわ。」

 

「そうか.....そいつは嬉しいねぇ。」

 

伊月はどこか遠くを見ているような感じはしたけど....嬉しそうな感じは伝わってくる。こういうところは.....子供っぽいわね。

 

「ちょっとだけ鍋見ててくれるか?取りに行ってくるわ。」

 

「え?何を.....ちょっと!?」

 

伊月は私を台所に残し、部屋へ行った。何か隠し味でもあるのかしら。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「....柔らかくなったわね。そろそろ火を止めようかしら。」

 

私は菜箸で状態を確認して火を止めた。伊月との共同作業.....これが日常となる未来が来ればいいわね。

 

「お待たせ、待たせたな。」

 

「どこに行って.....ってそれ。」

 

「あぁ、誕生日プレゼント。ちょっと部屋で包みをちょっと結んでたら時間かかってな。」

 

「開けても.....いいかしら?」

 

伊月がくれたのは.....これは、白衣.....?

 

「なんかさ、医者ってイメージがあんまり湧かなくてさ。真姫はお金持ちだし大抵の物は貰ってそうだから俺なりに考えたんだけど....どうだ?」

 

伊月は、白衣と名札と.....多分医者を想像して用意できる範囲でやったんでしょうね。地味にメスが入っているのは怖いけど...

 

「ありがとう.....大切に使わせてもらうわね。」

 

私も医者になったらこれを着て仕事をしようかしら.....病院がくれる白衣よりも先に使わないと。

 

「後はこれ。」

 

「腕輪?しかもこれは.....」

 

「ダイアモンドや水晶でデコレーションしたやつだ。一応4月の誕生石だろ?まぁそのなんだ....真姫は医者になるわけだし色々イバラの道通るだろうからさ.....潜在的な能力解放とかそういう祈願も含めて作ったんだ。」

 

「そう.....」

 

「真姫?なんで泣いてるんだ?」

 

「いえ、貴方からこんな気持ちを込めてもらったプレゼントを貰ったんだもの.....嬉しくて。」

 

「.....随分素直だな。」

 

「私にも素直になる時くらいあるわよ。」

 

ちょっと失礼だなとは思ったけど...プレゼントに免じて許してあげるわ。特別よ?

 

「真姫、誕生日おめでとう。まぁその.....初期からずっと俺の事を信じてくれたり支えてくれてありがとうな。」

 

「ええ...それくらい当然よ。」

 

「なぁ.....真姫。」

 

「どうしたの?」

 

「さっきの話の続きなんだけど、真姫にはきっと釣り合うというか....俺を超えるいい人がきっと居るはずだ。だから.....その人を探してくれ。」

 

「伊月以外なんて.....いるわけないじゃない。」

 

「俺はまだ1年ちょっとだ。医学部にいけば何年も一緒にいる....その上でどうか考えてくれ。もし見つかったら俺の血の研究は諦めて幸せな家庭を築いてくれ。」

 

「.....どういうこと?」

 

発言の意味が分からなかった。どうして結婚することと諦めることが繋がるの?

 

「幸せな家庭を築いて欲しい。それを俺の血の研究なんかで潰して欲しくない。もしそれでも自分が認められる人と出会わなかったら.....その時は俺のことを考えてくれ。そして、血の研究をしてくれればいい。その時は俺も真剣に考える。」

 

「.....言ったわね?言質取るわよ?」

 

「でもそれを確定路線にはしないでくれ。頼む。」

 

「....まぁいいわ。誕生日だし、許してあげる。」

 

でもこれは.....実質伊月と結婚する未来を掴めたということでいいわよね.....でもその為には血の研究もしないといけない.....道が厳しいわね。

 

「ふふっ、実質伊月からプロポーズしてもらったってことでいいかしら?」

 

「誰もそんなこと言ってないんだが.....まぁいいか。でもちゃんと自分と見合う人は見つけてくれよ。」

 

「それは分かってるわよ。」

 

きっと伊月は未来でもあの手この手で頑張って私を他人とくっつけるでしょうけど.....絶対に手に入れてみせるわ。この腕輪もあるもの.....




真姫ちゃん誕生日おめでとうございます!!あのクールな感じや強がるところも可愛いですよね.....
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