「撮影?スクールアイドルなのにそんなのがあるのか。」
「ううん。正確に言うとサマーキャンペーンの撮影に選ばれたんよ。うちらのPV見た人が希ちゃんにぜひっ!って。」
「それは良かったな。で、用はなんだ?わざわざ休日に俺の家に来るなんて。」
「ふふん、伊月くんにはうちのアシスタントをしてもらいます!!」
「.....はい?」
「実はその撮影の時にサポートの人を1人連れてきてって言われてるんよ。」
「だったら絵里とかでいいんじゃないのか?」
「うちも絵里ちに頼んだんやけど、用事があるって断られたし、にこっちもその日は別のスクールアイドルのライブがあるから見に行きたいんだって。(まぁ本音を言えば伊月くんと2人の時間が欲しいんやけどね.....絵里ちや真姫ちゃんみたいにうちは積極性ないし.....)」
「....週末だったか?分かった。行こう。」
「うん!そうこなくっちゃ!」
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週末 ビーチサイド
いざ撮影するとなると緊張するね....他の子達もいるけどやっぱりサポートは女の子やった.....伊月くん、大丈夫かな?
「それで、俺は何をすればいい?」
「うーんと.....後でうちと何枚か撮るねんて。」
「.....本当に俺とで大丈夫なのか?色々問題のような気がするんだが.....」
「大丈夫大丈夫!伊月くんはもう有名人になっちゃったし、うちらと関係があるんやから、別にええやん!」
内心緊張しながらも余裕を装う。まぁ本音はこの写真で真姫ちゃんや絵里ちがどんな反応するかっていうのもあるけど.....でも、伊月くんと話してみたいっていうのもあるからね。
カメラマン「じゃあ、希ちゃんとサポートの子、準備お願い!」
「はぁい!伊月くんも行こ!」
「ああ....分かったから手を離してくれ。」
「あっ、ごめん。」
撮影は順調に進んだ。最初はうちだけで何枚か撮影をしている。ところどころちょっとポーズが気になるところもあったけど.....まぁ気にしない。
ザワザワ.....
やっぱり貸切ではない所で撮影してるから周りの人達が物珍しそうにこっちを見ている。そんなに見つめられると....恥ずかしいやん。そして伊月くんが何をしているかというと.....
「とりあえず出番まで砂浜で走るか....まぁこんだけ人がいれば大丈夫だろう。」
ある意味いつも通りだった。でもうちの近くからはあんまり離れていない所を見るとちゃんとこっちにも気を使ってるのが分かる。
(それにしてもスクールアイドルの人気ってやっぱ凄いんだな.....普段あいつらと一緒にいるから全く分からなかったけど改めて見るとすごいな。)
一般人「やっぱのんたんすげぇ!!これ絶対買おう!」
「これいつ発売なんだろ.....」
「カメラマンは足りないな。もっと攻めてもいいだろ!」
.......まぁめっちゃ賑やか。俺はこういう系の賑やかさはあまり好き好んではいない。でも、希が皆から愛されてるのは嬉しいな。
「しばらくは邪魔しちゃ悪いな.....」
俺は人混みを利用して少し遠くへ行った。何枚かで済むとか言ってたけどカメラマンも熱入って多分俺の事忘れてるだろうしな.....
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青い空、輝く太陽、爽やかな風、そしてそれを反射して輝いている海.....6月なのにもうこうなのか。
「曇りない.....綺麗だな。」
こんなところには滅多に来たことが無いからか海がとても綺麗に見える。.....それこそ、自分という存在が汚れそのもののように感じるのも理由のひとつだけど。.....誰かいる
パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)
「....希か。撮影は終わったのか?」
「うちはまだ休憩。伊月くんが雰囲気に似合ってたから1枚撮ったよ。見る?」
「別にいい。あとで消しといてくれ。俺にこんな綺麗な景色は似合わない。」
「そう?うちからしたらすごく合ってると思うけどな〜。」
「.....そうか。」
「伊月くんも真姫ちゃんと似て少しめんどくさいところあるよね〜。」
「まぁそうだろうな。」
「自覚はあるんやね。」
「いやまぁな.....普通の男子高校生に比べたらよっぽど面倒だろうな。それに、今日は希の撮影なんだから、俺のことは放って集中してくれ。大丈夫だ。チンピラが来た時は俺がなんとかしてやるから。」
パシャッ! Σp[【◎】]ω・´)
「.....なんだよ。」
「いや〜、伊月くんがカッコイイ顔してたから撮っとこうかなって。真夏の太陽の下に光る決意?みたいな。」
「変わった題名だな....」
「じゃあ、うちも戻らせてもらうからぼちぼち戻って来てな〜。」
「ああ....参ったな。」
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戻ったら戻ったでいきなり騒がしいな.....なんだこれ
「おい、そこの兄ちゃん!」
「あ?なんだ?」
「今すぐ財布を置いてここから去りな!」
「.....場所考えろよ。なんでこんな砂浜でやるんだ。」
「舐めた口聞いてんじゃねぇよ!」
周りの人が皆揃ってビビってるのはそれが原因か.....希はどこに行った。いや、カメラマンもいない。
「おい無視か!」
「ここにさっき居た子達はどうした?」
「ここに.....あぁ、あの豊かな胸の女の子か!それならさっき拉致ったよ!あとでいっぱい可愛がってやるからなぁ....それにしても他にも美味そうな女が沢山いて、ここら辺はいいぜ.....」
こいつ....
「おっと近づくなよ!この子がどうなってもいいのか!?」
「なっ.....人質かよ。」
その男は多分近くで拉致ってきたであろう中学生を人質に取り、顔に銃口を突きつけている。なんで行く先で毎回こんな事件に会うんだ.....
「大事なこれを.....汚すわけにはいかないからな。」
「へっへっへ.....抵抗できないみたいだな。おいお前ら、こいつやっちまえ!」
気づけば周りにあの男の仲間らしき人間が俺を取り囲んでいた。近くにいる人は携帯を取られたのか持っていないのか通報する気配もない。というかこいつらの仲間ってこれで全部か.....だったら今逃げ出せると思うんだが....男たちはナイフなりカイザーナックルなりを付けている。
「大事なものを汚す訳にはいかないんだ.....どけ。」
「あ!?大人をからかったらどうなるか教えてやるよ!」
俺は横に付けていたハンドガンを取り出し、目の前の男のこめかみぎりぎりを撃った。銃弾がかすったことで傷がついたみたいだ。
「.....次は外さないからな。どいてくれ。」
後ろからこっそり殴ろうとしてきた男の攻撃をよけ頭を蹴る。どうやら砂浜のせいかあんまり動けていないみたいだ。
「お前!?銃持ってるとか犯罪だろ!」
「あぁそうさ。こちとら警察からウザがられてるんでね。今更そんな事を言われようが関係ないね。それにお前らは銃を持ってるんだ。正当防衛として、やらせてもらうからな。」
さすがに実弾発砲が怖かったのか、目の前のやつはガタガタ震えて上の空になっている。他のやつも自分が撃たれるのではと考えたのか自然と俺から距離を取った。
「あとはお前だ....覚悟しろよ。俺の前で汚いことしやがって。」
「お、お前は一体誰だ!?」
「俺は『黒獅子』、お前銃を持ってるあたり裏サイトと通じてるだろ?だったら俺の名前くらいは知ってるよな?」
「一条.....伊月....」
「俺の仲間を.....希を返してもらおうか。」
「ふ、ふざけるな!」
そいつは俺に向け発砲した....咄嗟の事だから直撃は避けたがちょっとかすった。
「危ねぇだろ....後ろの人に当たったらどうするんだ!?」
「ひっ....!」
そしてその男は人質を捨て逃げた.....あとで警察に少しお世話になるか。
「あんた、大丈夫か?」
「あ、は、はい....」
「よく頑張ったな。とりあえずさっさと友達か親の所に帰って顔を見せろ。」
バン
「おいのぞ.....何にやにやしてるんだ。」
「別にー、伊月くんはやっぱり伊月くんやなぁって。」
カメラマン「いやー、すみませんね。今回は協力してもらって!」
「は?何の話だ?」
「実は今回のうちの撮影っていうのは嘘なんよ.....嘘企画とかではないんやけどね。」
「.....って、あんたよく見たら佐山さんの部下じゃないか。」
「そうなんすよ!この撮影も兼ねて一条伊月の動きも見れるから楽しみだったよ!今回の事も是非記事にさせてもらうね!」
「ということはあいつらは....」
「はい!君がかつて壊滅させたギャングの残党です!」
「....やけに銃の扱いが慣れてるあたりそこら辺だろうとは思ったけど...
...とりあえず元に戻ろう。」
夕方
「なんだかんだ、1日終わりそうだな。」
「うんうん!伊月くんが助けにきてくれて嬉しかったし.....」
「俺が助けるのは当然だ。俺にとってお前は大切な人、だからな.....これ、」
「ん?これって.....イヤリング?」
「ああ。」
「ムーンストーンとパール....6月の誕生石で揃えてくれたん?」
「やっぱ希は分かるんだな。あんまり上手く作れた自信が無いんだけどな.....」
「ううん.....このイヤリングから、伊月くんの気持ちが伝わるよ。うちには分かるんよ、このスピリチュアルな感じが.....」
「.....なら良かった。」
「....ふふっ、どう?」
「.....似合ってるな。ちょうど夕日も相まって輝いてる.....」
「ふふっ、それを言ったら伊月くんも輝いてる。その綺麗な目.....宝石みたい。」
「そうか.....あんまり目にはいい思い出がないからな.....」
「神山のこともあるもんね....」
「.....もう大丈夫だ。俺はもうあの頃の俺じゃない。今はお前がいる。それが、何よりの支えだ。」
「.....その言葉が、1番の誕生日プレゼントかもね。」
希ちゃん、誕生日おめでとうございます!