今日は災難続きである。現在綾瀬先輩に怒られており、先程メールで姉が家に帰ってきたというメールも来た。俺の安寧の時間よ.......さらば。
「さて、前回は見逃してあげたけど今回は、ね。」
「待ってください。一応同意の上ですよ。相手が嫌がるならやりませんよ。」
「へー。あなたは口説くのが上手いのね。」
綾瀬先輩のジト目がささる。何故だ?真姫といいどうして口説くという結論にたどり着くのか。
「じゃあ今回もペナルティをかそうかしら?」
「というか僕悪いことしてませんよね?」
「ん?何か言ったかしら?」
「だから俺は何も悪いことはって痛いですよ。」
この人笑顔でつま先踏んでるよ。悪魔だ。
「そうね.....まぁ今は無いから今度学校対抗の討論会の代表にでもなってもらおうかしら」
「討論会?」
「ええ。他校との交流や討論をすることで将来社会に出て必要な力を養うことが目的ですって。3年前からやってるらしいのだけれど、うちは毎年UTXに負けていてね。今年は勝ちたいのよ。」
「その、UTXっていうのはそんなに凄いんですか?僕は学校とはあまり関係の無い環境にいたのでそこら辺はよく分からないんですよ。」
「今音ノ木坂の生徒が少ないのもUTXの志望者が多いからなの、だから私達も色々とアピールしてるの。」
「.....なるほどね。」
スクールアイドルが生まれたのもそういう所があるのか。
「分かりました。討論の件はしましょう。では俺はここで失礼します。」
綾瀬先輩も何気に優しいな。
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海未side
いつも通り、穂乃果たちと練習を終え、家に帰っている途中でした。
「ねえねえ」
「はい、何ですか?」
「お嬢ちゃん、可愛いね。今から俺とお茶しない?」
これは.....ナンパですか?私はそういうのには疎いのでよく分かりません。
「すみません、用事があるので失礼します。」
「そう言わずにさ、一緒に行こうよ!」
しつこいですね。このままでは家までついてきてしまうのでは?
「ですから、忙しいので失礼します。ついてこないでください。」
「もう、緊張しないでいいのに。じゃあさ、電話番号交換しようよ!それならいいでしょ。」
「知らない人に個人情報は教えられません!いいから帰ってください!」
「はぁ.....素直にのればいいのに。俺の誘いを断ればどうなるかその体で教えてやるよ。」
そう言い、男は私の腕を掴み、無理やり路地裏に連れていこうとした。振り払おうとしたが、力が強く離れられなかった。
「そこの人!待ちなさい!何をしているんですか!」
「ん?誰あんた?」
「私服ですが、こう見えても警察です!あなた、それはいけませんよ。」
「うるせぇよ。今は俺とこの子の話だろ。首突っ込むなよ!」
「そうはいきません!私は警察として市民の平穏を守る義務があるのです!」
そう言って女の人とナンパの喧嘩が始まった。ただ、一方的で女の人が一瞬でナンパを拘束した。
「ふん!女を甘く見てるからです!」
その割にはその人は手錠を持っていないのは何故でしょう?
「あの.....手錠とかはないんですか?」
「.....は!?手錠を忘れました!仕方ありません。あなた、通報してください。」
本当に警察なのですか?この人、抜けてるような気がします。
そう言いながら10分くらいが経った。
「こちら黒柳。現場に到着しました。.....って橘か!?お前何をしてたんだ!」
「す、すみませぇぇん!!手錠を忘れてしまって。」
「お前、それで現行犯逮捕出来ると思ってるのか。やはりお前は抜けてるな。その体術が勿体ないな。」
コメディのような会話をしていますね。この人たち、同僚なのでしょうか。
「あ、あの....」
「あ、すみません!自己紹介がまだでした。私は橘 優花です。こう見えても警察なんですよ!」
「そうなんですか、先程は助けて頂きありがとうございました。」
「いえいえ気にしないでください。それにしても凄い可愛いね!清楚という言葉がとても似合います!」
「そ、そうですか。あ、ありがとうございます。」
褒められると、やはり照れますね.....
「橘。行くぞ。今日はまだ仕事があるだろ。」
「でも.....今日は那月ちゃんが帰ってくるから伊月くんの家で食事するという仕事が.....」
「お前は警察だろーが!少しは仕事をしろ!あと、那月が帰ってくるって言うのは初耳だ。俺も行く。」
「黒柳さんも行くんですね!じゃあ伊月くんに連絡しておきます!」
私が置いていかれてる気が.......
「それはともかくだ。橘、お前はこの子を家まで送り届けろ。被害者の安全は保護しろよ。」
「分かりました!!行きましょう。」
そう言って私は橘さんと一緒に家に帰った。道中いろんな話をしてくれました。とても面白い方ですね。あと少し穂乃果に似ていますね。ほっとけない雰囲気がありますね。
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ああ、憂鬱だ。あいつが帰ってきてるなんて。
「ただい「お帰り!!伊月ーーーーーーーー!!!!」ってうるせーよ!那月!」
そう言って俺に飛びかかって来たのは、一条那月、俺の2つ上の姉である。俺とは対照的で明るくていい人だ。.....本当に俺とは違う。
「伊月、久しぶりだね!元気だった?」
「ああ、元気だよ。一応な。」
「.....まだ『あれ』は克服出来てないんだね.....。お姉ちゃん、辛いよ。」
「なんで那月が気にするんだよ。.....俺が女々しいだけだよ。」
「でも聞いたよ!学校に行き始めたんだね!お姉ちゃん感激だよぉ!!」
「半ば強制だけどな。」
「で、学校ではどうなの?」
「勿論つまらなくはないよ。でも人間関係とかは築いていないよ。まだ信頼できる人もいない。」
「.....そっか。伊月のペースでいけばいいよ。何も今すぐ信頼できる人とは言えないしね。でもお姉ちゃんね、伊月が学校に行くって決めたことが1番嬉しいよ。」
こういう優しい姉を持って本当に良かったよ。じゃなきゃ、ここまで立ち直れてないかもな。
「それはそうと、お姉ちゃんね、伊月と同じ音ノ木坂学院に行くことになったよ。」
予想はしてたけど、まじかよ。本当に平和な学生生活が終わったよ。
展開考えるのってやっぱり楽しいですね。あと、お気に入りが増えていて嬉しいです。これからも頑張ります。
欲を出しても良いというのなら、感想が欲しいです。おかしな所とか指摘して欲しいです。