お気に入りが50件突破してて驚きましたね。
ライブが終わり、俺達は夕日が差し込む道を歩いていた。
「スクールアイドルっていうのはすごいんだな。アマチュアとは言え、歌とかダンスとかのレベルが高い。」
「まぁ熟練した人からしたらまだまだだけど、プロがいない中であそこまで自力で完成させるのは、中々だよ。」
那月が認めるっていうことは相当なんだな。
「そういえば伊月、さっき女の子抱えてさ、おまけに胸まで触っててさ.....ナニシテタノ?」
出たよ、那月のヤンデレモード。昔も姐さんと手を繋いで帰ってきたらボコボコにされたんだよな。理不尽なり。
「いや、花陽に寝てるところを起こしてもらって、花陽が走るのが遅かったからお姫様だっこして運んだんだよ。恩返しってかたちで。胸を触ったっていうのは.......ドアを開けるために腕をあけようとして、片手で抱えたら手がたまたまそこにいったんだよ。意図的ではないさ。」
「だったら入り口で下ろせば良かったじゃん.......」
「返す言葉がありません。すみませんでした。」
あれちょっと震えが止まらない。あと花陽に明日会った時にどんな顔すればいいんだ.......
「私だって.......お姫様だっことかしてもらいたいもん。」
「なにぶつぶつ言ってるんだ?とりあえず帰ろうぜ。」
「バカ.....分かったよ。それじゃ帰ろうか。」
「ああ。.....と言いたかったが、そうもいかないみたいだな。おい、出てこいよ、ストーカーさん。」
無反応か、まぁそりゃのこのこ出てくる馬鹿はいないよな。
「おい、隠れてるのは分かってんだよ。今更ダンマリは通じないぞ。」
そう言って俺は近くの木を蹴った。そっと近づいたからバレてないだろう。
「ひ!?」
「てめぇ.......この前綾瀬先輩を襲った.......」
「な、なんなんだお前は!?僕の邪魔をするな!!」
何故だ.....?こいつは確か警察に捕まったはずなのに.....
「てめぇどうやってシャバに出やがった?」
「そんなことどうだっていいだろ!?お前そこの可愛い子と仲良く喋りやがって.....一体何なんだよ!?僕は彼女の色んな姿をこのカメラに収めたいんだよ!!だから、お前が邪魔なんだよ!!」
「俺の姉だ。彼女でも何でもねえんだよ。それに気持ち悪い。」
「どこまで侮辱するつもりだ!?もう許さない。お前なんか殺してやる!!」
「拳銃かよ.....ちっ、物騒なもん使いやがって。」
そして、そいつはいきなり発砲してきた。少し顔を掠めたが、そこまで痛くなかった。しかも相手は銃の反動で転びやがった。
「使ったことないくせに、偉そうに使ってんじゃねーよ!!」
相手が怯んでる間に間合いに入り、銃を奪った。
「チェックメイトだ。今から俺の質問に答えろ。さもなくば、銃弾がお前の頭に飛ぶからな。」
「1つ目、どうやってシャバに出てきた?お前は有罪判決を受けたかは知らないが現行犯逮捕されたはずだ。」
「2つ目、その拳銃は、闇サイトから手に入れたのか?それとも.....誰かから借りたのか?」
1番怪しいのは、このハンドガンが警察が一般的に使っている種類ということである。
「そして3つ目、お前は那月の存在をどこで知った?」
「た、たまたま見かけて.....」
「嘘を吐くなよ。那月は昨日の夕暮れ時に帰ってきた。それに、空港からタクシーで帰ってきたし、本人はタクシーの中で横になっていたと聞いた。ということは那月の存在をたまたま見かけるなんてことはありえない。誰かから情報をもらった。違うか?」
.......くそ、ダンマリか。
「.....へへ。質問に答えてやるよ。1つ目のことは、俺はあの方が助けてもらって無事逃げられたんだ。」
「そして、2つ目、拳銃はあの方が俺に渡したものだ。外に出て、命を守るために身につけろとな。」
やはり裏で誰かが手をひいていたのか。
「あの方ってのは誰だ?」
「そんなこと教えるわけないだろ。このクソガk『パァン!!』ひ!?」
顔のすぐ近くで威嚇射撃した。こいつ、この期に及んで言い逃れをしたいのか。それにしても.....『あの方』か。一体誰だ?
「言っておくが、俺は銃を扱えるんだ。下手に煽るなよ。今度は外さないからな。」
「.....俺を殺してみろ。あの方が黙ってない。お前はおしまいなんだよ。黒獅子だなんていきって俺達に楯突いた罰が下るんだよ!!」
そう言って男は気絶した。
「伊月.......」
「.....厄介なことになった.......と言うべきか。」
だがそんなことよりも俺は.......
「俺はこの街を守るつもりでずっと戦い続けた。時々説得とかもしたが、それは結局無駄だった。受け入れて改心した人もいたが、こいつのようなやつもいる。裏で組まれているから、どれだけ頑張ってもいたちごっこのようになる。.....守るどころか危険を広げてるだけじゃねーか。俺は.....自己満のために戦って、守るっていうのを建前にしていたのか....」
「だが.....俺は戻れない。あの日誓ったことを違えたくない。.....どうすれば.....」
「伊月」
気づけば那月が俺の手を握っていた。
「確かに伊月はそうしてきたよ。でも、伊月のおかげで盗まれたものが戻ってきたり、命を救われた人だっていたんだよ。.....忘れないで、伊月は自分を汚してまでたくさんの人を救ってきたんだよ。相手が裏で組んでいたりどうしようもない奴だっている。それは仕方のないことだよ。あの日のことは私も忘れないし、伊月にだって部下がいるじゃん。その部下は、前科があったり伊月の信念を信じてついてきてるんだよ。だからね.....上手くは言えないんだけど.....信じて進みなよ。自分の道を。今はそうするべきだよ。」
なんだか最近重い雰囲気になりやすいな。
「.....ああ。ありがとう那月。」
自分の道を信じて進む、か。今の俺にその資格があるのか.......
オリジナル多めなので、どうしてもこういう展開になりやすいんですよね。僕ももう少し経ったらハーレム展開書くので、それを待ってる方はもう少しお待ちください。