花陽side
自習も終わり、教頭先生が教室から去った。.....何となく雰囲気が刺々しい。
「小泉さん、大丈夫だった?黒獅子の隣で、ずっと脅されてたの?」
「いえ.....彼は気さくに話しかけてくれましたよ。決して悪い人には.....」
「小泉さんは騙されてるんだよ!!あいつはきっと金とかむしり取るつもりで近寄ってたんだよ。もしくは、小泉さんの身体目的で!!
でもあいつ退学するみたいだし、もう安心だね!!」
「.......」
この人達は関わったことのない人をどうしてここまで批判できるの?
私には分からない。一条くんは決して悪い人じゃないし、私も何かと助けてもらった。金なんて要求されたことは1度もないし.....胸は触られたことはあったけどあれは偶然だし、決して意図的ではない.....はず。ちょっと口説くような口調だったけど、あれは無意識でよく西木野さんに怒られてたしね。
.....でもここで私は声を出して言う事ができない。臆病で、勇気が出せない。.....こんな時に一条くんがいれば.....背中をおしてくれたのかな。
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教頭side
何故.....あの男が入学しているんだ!!信じられない。.....私の献金を知って入ったわけではなさそうだが、あいつは生徒会の手伝いをしていると聞いた.....まずい、このままでは探られる.....その前にあいつを退学させなければ。私の地位が.....
「理事長、失礼します。」
「あら?どうかしたのかしら?」
「理事長、今すぐ一条伊月を退学処分にして下さい!このままでは我が校に泥が塗られますよ!!」
「それは認められません。彼がなにかしたのならともかく問題をおこしていない生徒をこちらの都合だけで退学にさせることは許されません。」
「ですが理事長.....PTAが黙っていません。そうなればこの学校はピンチですよ!!」
「それに、テスト生なら他の生徒を入れれば良いではありませんか、何故彼なのです!!」
「あなた...生徒に話したのね。なんてことを.....それに教頭先生、何故そこまで焦っていらっしゃるの?彼ではまずいの?」
「まずいも何も彼は黒獅子です。あんな不良をどうして入れようと思うのですか!!あなたのあの判断はどう見ても間違いです!!」
「私は彼が幼い頃から彼を知っています。彼は下心がある人間ではないし、正義感も強い。それに、彼の思考は枠に囚われない自由なもの。彼こそ今の音ノ木坂を変えるキーマンになるの。」
「3年前の惨劇の生き残りがそんなたいそうな役目を持てるわけないでしょう!!いい加減あいつを退学させましょう!!」
「あなた.....どこでそれを.....、」
「!?いえ、警察から彼について聞いたので.....生徒の安全を守るため、危険人物の情報を知っておくのは重要かと思いまして....」
「まぁいいわ。それに担任の神崎先生が彼をよしと判断しているのだから何も問題はないわ。とにかく、私は彼の退学を認めません。」
「.....失礼しました。」
くそ、理事長は味方に付けられん.....このままでは、あいつらに金を渡してやれん。
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真姫side
星空さんから屋上にいると連絡があり、珍しく私は全力疾走している。
「いた!!伊月!!」
「真姫.....お前もか。俺は辞める。それは変わんない。」
「その事は星空さんから色々言われたでしょう!!私も一緒よ。あなたに助けられて、悩みを聞いてくれて、楽しくテスト勉強したり.....私はあなたと一緒にいたい。....たとえ周りがどう思おうとも。」
「それに、あなた.....生徒会室で何をしていたの?予算のファイルなんか見て。」
「....そうか、見られたのか。なら教えよう。」
「.....待ちなさい、あなた。一体何をする気なの?」
「俺は決済されたものと元の予算案を見て少しおかしいことに気づいた。.....生徒会運営費とクラブ予算案。全く関係のない項目のお金がいじられていたんだ。.....普通の生徒じゃ分からないように巧みにいじられていてな。おかしいと思って編集履歴を見たら、.....教員で編集してたのはあの教頭だ。どういうことがわかるか。」
「.....あいつが怪しいのね。」
「ああ。俺が黒獅子であることを知っているのも怪しかったが、何より予算案をいじる理由が存在しない。.....あいつは黒だ。俺が学校を辞めるのはそれを暴いた後だ。」
「.....あなた、過去に何があったの?『もう』とか言ってたけど、そういう経験があるのね.....」
「悪いが、親しいやつでもこのことは話せない。.....俺の過去なんかどうでもいいしな。」
「分かったわ。それは聞かない。.....でも伊月、これだけは分かって。
確かにあの場で殆どの生徒があなたを非難していた。けど.....私や星空さん、小泉さんのようにあなたを信じている人もいる。.....それだけは忘れないで。私たちがいる、周りがあなたをどう思っても私たちはあなたを信じ続ける。だから.....人を信じるのを諦めないで。」
「.....おい、なんでそんなに泣きそうな顔してんだよ。これじゃ俺がお前を泣かしたみたいじゃないか。」
「じゃああなたの胸を貸しなさいよ。.....あなたがいなくなるって考えると.....言葉に出来ないのがもどかしいけどモヤモヤするのよ。」
そう言って私は彼に抱きついた。やっぱり温かい。.....包まれてる感じが安心させてくれる。
「.....女の涙は本当に愛した男性の前でしか見せないって那月が言ってたけど本当なんだな。」
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真姫、凛、花陽、この3人は俺のことを信じてくれている。.....辞めるとは言ったけどこいつらと別れるのも嫌だな。.....残るか。いつまでもうじうじして逃げるのもばつが悪い。それに.....ここまで俺のことを考えて動いてくれた人がいる。裏切るのは良くない。
「ふふっ、伊月もやっと信頼できる人を見つけられたんだね。」
あれから2時間たち、放送がなった。
「あー、1年生一条伊月くん、理事長室に来てください。」
.....俺が?まさか教頭が何か言ったのか。
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「失礼します.....綾瀬先輩もいた。生徒会関連ですか?」
「ええ。何かまでは伝えられてないけれど。」
「あれ?希は?」
「希は、今日やることがあるからってどこかに行ったの。.....なんで呼び捨てなのかは後できっちり聞くわよ。」
あ、しまった。あの時二人きりだったから綾瀬先輩は知らないのか。.....あ、俺死んだわ。\(^o^)/
「ごめんね、急に呼び出して。と言うのも、明後日、朝礼があるでしょ?その時に予算案の説明をお願いしようと思って。」
「分かりました。今日中に詰めておきます。原稿は提出しますか?」
「いえ、それは結構よ。もう予算案には目を通したし。」
「では、失礼します。」
「あ、一条くん、あなたは残って。話したいことがあるから。」
「分かりました、綾瀬先輩は先に戻っておいてください。」
「ええ。.....希のことはその後に聞くわ。」
「で?南さん、何用ですか?教頭になんか言われて俺を退学処分する気にでもなったんですか?」
「伊月くんも冗談が上手くなったわね。私が入れたのに退学させるわけないでしょ。でも、教頭先生関連なのは正解ね。.....伊月くん、よく聞いて、教頭先生はあなたが3年前の惨劇の生き残りであることを何故か知っていたわ。」
「!?.....それは本当ですか?何故.....?」
「教頭先生の話では、警察から聞いたと言っていたけれどあの事件に関わった刑事さん達は皆やめたり、亡くなっている。つまり、その事を知ってるのはほとんどいないわ。」
「.....『あの方』か。」
「え?」
「いえ、なんでもありません。それでは失礼します。」
「敬一さんには内緒よ。あの人が動くと何かと後処理が大変なのよ。」
「...わかりました。」
そう言って俺は理事長室を出た。
その後綾瀬先輩のことをわすれていて大量の通知にびびっていたのは内緒だよ。
長いし、ラブライブ要素どこいってんねん!!
教頭編を終わったらちゃんとストーリー進行させます。いつまでもオリジナル展開にする訳にはいかないので。