黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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他の作者さんの作品を読んでると、凄いなぁといつも思います。キャラの演出が巧みですね。
タイトルはふざけてますが、内容は真面目ですよ。


#34 ( ^ω^)おっ

「伊月君今日も来ないねー。」

「そうだね、..あれから3日連続で来てないね。どうしたんだろ?」

「先生も特に理由を教えてくれなかったし.....何かあったのかしら?」

「真姫ちゃんって、伊月君が関連すると少し目の色が変わるにゃ。」

「なっ.....ど、どういうことよ!?べ、別に私はあいつを意識したりしてないからね!!」

「そういう所だにゃ。真姫ちゃん照れ屋さんにやー。」

「凛ちゃん.....あんまり真姫ちゃんをいじったらだめだよ。」

「だから!そういうのじゃないってば!!聞きなさいよ!!凛!!」

「うーん、でも伊月君って不思議だよねー。凛も初めてというか話した時凄い落ち着くにゃ。」

「それは私も.....私人見知りだけど一条くんと話してる時はそんなに気にならないんだ。」

「.....私もそうよ。中学の時とか、男子は大抵下心を持って寄ってきてたけど...伊月はそんなのが全くないのよね。そういう所がいいのかしら。」

 

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「いてて.....傷は大抵治ったからいいが、やっぱりダメージは残るんだよなぁ.....不便な体だぜ。」

「伊月様、普通の人間は銃弾で撃ち抜かれた傷が3日で治る人は存在しません。.....気をつけてくださいよ。」

「ああ。分かってるよ。透谷、人質の場所はどこだ?」

「ここから約1kmの、雑居ビルの3階にいます。伊月様のお父様が見つけてくれました。」

 

.....やっぱあの親父は普通じゃないな。ここまで情報を仕入れるとは。

 

「あとお父様の伝言で、怪我が治ったら俺が好きなリゾットでも作ってくれとの事です。」

「分かった。じゃあ、行くか。」

 

 

 

「兄貴、俺達もお供いたします。」

「ああ。助かる。お前らで今からグッチョッパでもしてくれ。」

「え?何でですか?」

「3手に分かれる。1つは俺が、2つ目は透谷、3つ目は与助をリーダーとして動く。.....だから俺のところに7人。透谷と与助の所に6人で分かれてくれ。」

「あい、分かりやした!!」

 

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「あそこか.....門番のようなやつがいない.....奇妙だな。」

 

俺たちは、今人質が捕まっているとされている雑居ビルの前にいる。人通りがある程度ある場所だからここは確かにマークされにくい場所だな.....

 

「ここだな.....おい!!お前ら何してるんだ?」

「うん?なんだお前?俺たちの部屋に乗り込んで何の用だ?」

「ちょっとどいてもらおうか。俺たちの仲間がここに誘拐されたらしいんでね。」

「お前たちの仲間?.....まさかあの女吐いたのか?」

「あの女.....?どういうことか話してもらおうか。」

「んんーーーー!!んんー。」

「なんかの声?中に入らせてもらおうか?」

「ちっ、おい!!お前らやっちまうぞ!!」

「ふん.....こんな狭い通路でやったのが間違いだったな。」

 

 

 

 

 

 

 

「さてとぉ、一通り片付けたし.....お前らこいつの事頼むわ。」

「了解しやした...兄貴これを持っておいてください。」

「BB弾?......まぁとりあえず貰っとくよ。」

 

 

 

「おい!!動くな!!この女がどうなってもいいのか!?」

「亜里沙!!お前何してんだよ。.....て言っても口塞がれてりゃ答えられないか。」

「今すぐそこに座れ!!そして命乞いをしろ!!」

「.........」

「あと残念だっな!!お前が動いたせいで、あの女も終わりだ!!今俺たちの仲間が音ノ木坂に向かっている。お前のせいでこの女もその姉もお前もここで死ぬんだよ!!ざまぁみろ!!あと、貴様らの基地も場所が割れている!!警察にも突き出した!!お前は本当に終わりなんだよ!!」

 

 

「長々とご高説ご苦労さま。けど、君たちのその作戦にはひとつ穴がある。.....動きを読まれた時どうするか.....それを考えるべきだな。」

「負け惜しみが!!往生際が悪いぞ!!」

「負け惜しみ.....それがどっちか今に分かるさ。」

「な!?貴様ハンドガンを!?」

「俺は動いちゃいないさ。亜里沙を撃ってみろよ。俺がお前の脳みそをぶち抜いてやる。」

「血迷ったか!?ああお前のせい....痛!?なんだこれBB弾!?」

「こっちが本命だよ!!くたばれ!!」

 

 

 

 

 

 

「亜里沙、大丈夫だったか?」

「黒獅子さん.....いえ一条さん、助けてくれてありがとうございました!!でもお姉ちゃんが.....」

「大丈夫だ。俺はそこまで間抜けじゃねーよ。絵里の所にはもう他のやつが行ってくれてるからさ。」

 

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「なんだ!?こいつ、化け物だぁぁ!!!」

「ふん、この程度でいけるとは、我が主も随分と甘く見られたようですね.....伊月様を侮辱するような行為をしたこと、その身を持って後悔させてあげます!!」

 

 

 

 

「警察だ!!ここを不正利用してることは立派な犯罪だ!!責任者を逮捕する!!」

「ああ、責任者は僕の事ですか?でもここはちゃんと契約して手に入れた場所ですし...不正利用ではありませんよ。ほら、これが証明証です。」

「(この子可愛いな。).....では何に使っているのだ?反社会勢力や暴力団関係が使用しているなら許されないぞ。」

「僕のラボですよ。何せ爆発等の音は地上では迷惑ですし、こうやって安全な地下でやっているんですよ。ほら、これとか声で動く電子レンジとか.....」

「そうか。失礼致しました。そのようでありますから、怪しいものではなさそうですね。では本官はここで。」

「はい、お仕事ご苦労さまです。」

 

 

 

 

「与助さん、演技が上手いですね。」

「まあね、ここに土足で入り込まれたら伊月に怒られちゃうからね.....」

「(仕草がいちいち女の子っぽいな。)」

「所で与助さん、昨日の夜から洗濯機が使えなくなっているんですが.....」

「.....僕だね。ごめんね、また新しいのを買うよ。」

『(いやその前に機械の扱い方を学べよ!!)』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、亜里沙、家に帰るのか?」

「しばらくは.....帰りたくありません。一条さんと一緒に過ごしたいです!!」

「親御さんが心配すると思うんだが.....それはいいのか?」

「まだ誘拐されているという設定にしておけば大丈夫ですよ。」

「まじか.....まぁ別にいいか。じゃあ中学もまだ休むってことか?」

「はい!!そういうことになります!!」

 

なんで生き生きしているんだ?.....とは言っても今は夕方。暗くなればまた変なのが湧き上がりそうだからとりあえず連れて帰るか.....

 

「あれ?伊月さん、カラコンでもしたんですか?目が緑色になってますが.....?」

「!?.......そうなんだ、こうした方が少し威圧感が出るかなってさ。」

「伊月さんもおかしなことを言うんですね。」

 

 

 

 

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「皆に紹介しよう。この子は絢瀬亜里沙。しばらくここにいることになった。仲良くしろよ。」

「絢瀬亜里沙です!!よろしくお願いします!!」

(か、可愛い.....)

「全く伊月様もお人好しですね.....絢瀬様、ここでの生活は他言無用で。ここにいるためにはそれを守っていただきます。よろしいですね?」

「はい!!分かりました!!」

「じゃ、新しい仲間が出来たということで、乾杯!!」

『乾杯!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、亜里沙、ここに来た本当の目的はなんだ?」

「.....お姉ちゃんを救って欲しいんです。お姉ちゃん、学校の事が好きなのに、学校のことを紹介する時すごく辛そうな顔をしているの。.....だから助けて欲しいなって。」

「.....絵里か。今はお前の1件で頭がいっぱいだろうな。その上学校は廃校の危機ときた。.....相当疲れているだろうな。」

「私、お姉ちゃんに何も出来なかった.....ねぇ、一条さん、ううん、伊月さん!!そういう時ってどうしたらいいんですか?」

「俺にも分からないさ....何が最適なのかって。でもな、助けることは出来なくても共に背負うことは出来る。」

「共に.....背負う?」

 

「ああ。責務とかに苛まれるのは大体1人で抱え込んで、自分を押し殺してしまうんだ。.....だからさ、それを一緒に背負ってやるんだ。そしたら、相手は1人じゃないし、自分も相手の事が分かる。.....上手くいくかは分からないが、それもひとつの救うって形のひとつだ。俺はそう思う。まぁお前は絵里と歳が離れてるから今はそれが出来ないけどな.....いつか誰かがそうなった時、手を差し伸べてやれたらいいんじゃねーの?」

「.....うん!!ありがとう、伊月さん!!」

「どういたしまして。」

 

 

 

 

 

 

あ、でも俺が亜里沙と一緒に過ごしましたって、絵里にバレたら俺マジでおわるかも。

 




少し長くなってしまいましたね.....次回からアニメ準拠で進めます。

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