黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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スクスタのラブカスターが全然集まりません。どうしたらいいんですかね....


#38 南家でお泊まり会 後編

一緒に寝る.....?きっと過労からの聞き間違いだろう。

 

「姐さん、俺は床で寝るんですか?」

「え?だから、ことりのベッドで一緒に寝るんだよ。」

 

うん、聞き間違いではなかった。.....なんで?

 

「え?何故一緒に寝るんですか?」

「伊月くんに風邪引いて欲しくないのと.....ことり、また昔みたいに伊月くんと一緒に寝たいなって。」

 

確かに、小学生の時は一緒に寝た記憶はある。だが、それは小学生の時の話。高校生になっても同じことをするのか.....

 

「だめ.....かな?」

 

そんな涙目でお願いされたら、断りづらい。というか多分断ったら姐さんのお義母さん直々に始末にきそうだ。まぁ、姐さんが寝たのを見計らってどこかに行けばいいか.....

 

「郷に入ればなんとかって言うしな.....分かりました、一緒に寝ますか。」

「うん♪ありがとう。」

 

 

 

 

その後、姐さんが一緒に風呂に入ろうとか言い出したので、さすがにまずいと思い諭した。.....姐さん、俺はあんたの妹でも息子でもないんだけどな.....

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は流れ、夜に

 

「伊月くん、起きてる?」

「.....ええ。起きてますよ。姐さん、どうしたんですか?」

「なんだか懐かしいなって。昔伊月くんと一緒にいた時はこんな感じだったなって。.....覚えてる?」

「覚えてますよ。なにせ姐さんは俺にとって初めての女友達ですから。」

「ふふ、そうだったんだ。ことりも伊月くんが初めての男友達なんだよ。ねぇ伊月くん、どうして最近ずっと黒色のカラコンしてるの?昔は目の色は緑色だったし、どうして?」

「......すみません、姐さん。その理由は教えられません。俺にも事情がありますし。」

 

姐さん相手に下手な嘘は通用しない。だからこうやってぼかす位しか方法がない。

 

「そうなんだ.....別に話したくなかったら話さなくていいよ。」

「.....感謝します。」

「でも驚いたよ。共学化テスト生が伊月くんで。お母さんね、何も教えてくれなかったんだよ。」

「まぁ...ネタバレを防ぐためじゃないですか?情報が流れて、黒獅子が入ってくるなんてことになったら少し騒ぎになるとかを防ぐためとかだと思いますがね。」

「そうだったのかな.....ことりは伊月くんが来るって知っていたらお菓子とか作ってあげようかなっておもってたんだけどな。伊月くん、挨拶にも来なかったし。」

「それはすみません。ここに戻ってきたのもつい最近でしたし、色々忙しかったので。」

「それに伊月くん、最近じゃ生徒会長さんとも仲良くなってたし.....ことり、少し寂しかったんだよ .....」

 

あれ?なんでだろう。急に寒気がしてきた。姐さんの目からハイライトが消えかかってるし。これがヤンデレってやつなのか....知らないけど。

 

「別に口説いてたとかそういう訳じゃないんですけど.....まぁ色々事情もありましたし。」

「それでも、だよ。もう少しことりを頼っても良かったんじゃないかな.....」

「.....すみません、俺こういう時どうしたらいいか分からないんですよ。」

「ことりを.....抱きしめて。ぎゅーって。」

「こ...こうですか?」

「うん♪伊月くんは温かいね。」

 

こう抱き寄せると、姐さんの匂いがする。落ち着く匂いだな.....

というか顔を埋めないでください。

 

「ちょ、姐さん、俺の腕は抱き枕でもなんでもないんですよ。.....それに当たってますよ。」

「当ててるんだよ♪ふふふ、伊月くんもやっぱり男の子だね♪」

「.....姐さん、こういうことしてると変な人に捕まりますよ。」

「大丈夫だよ。伊月くんにしかしないし、それにもし連れ去られても....伊月くんが助けてくれるからね。信じてるよ♪」

 

 

信じる、か。姐さんの信頼はおそらく本物だ。.....なのに、それを信じようとしない自分がいる。なんでだ.....

 

「.....ありがとうございます。姐さん。」

 

 

「.......うん。そろそろことりって呼んで欲しいなぁって。」

「え?ダメなんですか?」

「ダメじゃないんだけど、その姐さんって呼んでもらうよりことりって呼んでくれる方が嬉しいし.....その、将来困らないかなって。」

 

「将来.....どういうことだ?もしかして、大人になった時、姐さん呼びしてたら姐さんの社会的地位が損なわれる可能性があるからか.....」

「そういう事じゃないんだけどね.....伊月くんの鈍感」

 

「とりあえず.....今すぐは難しいので少しずつでいいですか....ことり姐さん。」

「.....うん、仕方ないね♪じゃあ最終的にはことりって呼んでね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

姐さんが眠り、俺はベッドから離れ、夜風に当たっている。姐さんが俺の腕に巻きついていたので離そうとしたら、「うぅん.....」とか少し色気のある声が出すので、静かに抜いた。.....この人ほんとに男を落とす才能があるんじゃないか。

 

それにしても、夜の風っていうのは、本当に涼しいな。

 

「やはり眠っていなかったのね。」

「南さん.....はい。」

「やっぱりことりの隣で寝るのは興奮するのかしら?」

「まぁ.....というか、この歳で一緒に寝るというのがおかしい気もしなくはないんですが.....ところで南さん。」

「どうしたの?」

「学生時代の親父や黒柳ってどんな感じだったんですか?」

「先輩?.....今とほとんど変わってないわよ。黒柳さんも。でも、昔は黒柳さんも一緒に悪ふざけしてたのよ。」

「へー。あの生真面目が。どんな感じだったんですか?」

「そうね.....例えば、生徒を小馬鹿にしてる国語の先生に、とても難しい漢字テストを作って提出したこととかあったわね。先生も一問も解けなくて。『俺ら生徒をバカにしたからですよ!!』とか言って職員室で騒ぎを起こしたり。生徒を叩いたり殴ったりしてる先生に対して、タイマンを挑んでぼろ勝ちしたり。先生が休んだ時に、他学年の教室に乗り込んで授業をしたり、本当にハチャメチャだったのよ。私は一つ下だから現場にはいなかったのだけれど、学年問わず本当に問題児扱いされてたからね。そのくせ、点数は学年1位2位で先生達も扱いに苦労していたわ。」

「へぇー。本当に荒れてたんですね。」

「でもね、汚いことは本当に嫌いで、弱い生徒を寄って集っていじめてた教員軍団を2人で成敗したり、カツアゲした生徒からお金を取り戻したり。.......懐かしいわね。」

「.....想像できませんね。親父ならともかく黒柳がそんな感じだったなんて。で、南さんと親父達ってどうやって会ったんですか?」

「あれはね、私が学校に入学したばかりの時なのだけれど.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今から20数年前

「ぐへへへ、君可愛いね。先生が直々に身体検査してあげるよ。」

「先生、離してください!!私これから身体測定しなきゃいけないんです!!」

「だから、僕がしてあげるって言ってるだろ!!大人しくしろ!!」

「いやっ、誰か助けてーー!!」

 

 

 

 

「おい、今この辺から叫び声しなかったか?哲二?」

「あれじゃないか?おい!!何してんだよ!!」

「!!一条!黒柳!お前らは今日係に当たっているだろ!!持ち場に戻れ!!」

「いやー、1年の1クラスがいつまで経っても来ないから事情聞いたら、まだ来てないんだとよ。」

「それで俺と敬一で探しに来たというわけだ。そしたらビンゴ。お前、本当に懲りないな。」

「うるさい!!先生が生徒の身体検査して何がいけないんだよ!!」

「いや、ふつーにダメだろ。しかもこんな人目のないところで。そりゃ怪しまれますぞ。皆の前ならいいけど。」

「皆の前でもこれはダメだろ!!とりあえず離してもらおうか。」

「うるさい!!」

「哲二、あの子を頼む。俺はこの豚野郎を叩きのめす!!」

「分かった。くれぐれもサンドバッグにして、再起不能にするなよ。」

「あいよ。こいよおらぁ!!」

 

 

 

 

 

「ふぅ、いっちょ解決だな。お嬢さん大丈夫?」

「は、はい。ありがとうございます。」

「敬一、一応変な物は付けられていなかった。これで解決だな。」

「お、そうだな。じゃ、1年のところに戻れ。」

「あ、あの.....あなたは?」

「俺?俺は、一条敬一、2年だ。」

「同じく2年、黒柳哲二だ。」

「お前は.....まぁいいや。もし不安なら送ってやるぜ。」

「.....お願いします。」

「敬一、こいつの後処理は俺に任せろ。」

「はぁーー、これで何回目の指導室だよ。もう行くの慣れたけどさ。」

「大半はお前の思いつきのせいだがな。今回は訳ありだから少しの小言で済むだろ。」

「何回も指導室に行ってるんですか?」

「ああ。もう30回以上は行ってるぜwwwwww」

「つまり俺たちは問題児だ。変なのと出会ったな、お嬢さん。」

「.....」

「まぁ、俺たちと話せるってことは少しは元気になったな。お嬢さん、もしまたこんな事が起きてたら俺らに言え。そしたら解決してやるよ。」

「.....ありがとうございます。」

「じゃ、行こうぜ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あの時は、本当に吃驚したのよ。」

「へー。なんか俺と絵里の時の出会いと結構似ているんですね。」

「え?伊月くんと綾瀬さんってそうやって出会ったの?」

「はい。たまたま通りかかったところで絵里がセクハラされてまして、そこを助けたんですよ。」

「なるほど.....」

「ま、でも黒柳にそんな感じのことがあったとはな、それはそれで面白いんですけどね。」

「黒柳さんには内緒ね。あの人、過去の荒れてた自分を知られたくないみたいだから。」

「はい。構いませんよ。貴重な話も聞けましたし。」

「ふふっ、さ、今日も遅いし寝なさい。明日も学校あるわよ。」

「そうですね.....今日くらいは早く寝ます。」

 

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翌朝

 

.....え?これはどうなってるんだ?目の前に少しはだけている姐さん。そして何故か知らないが姐さんの胸を揉んでいる俺の手。......見たらわかる、まずいやつやん。

「ことり、そろそろおきな.....ごゆっくりどうぞ。でもご飯出来てるから早めにしなさいよ。」

「いや、そういうのじゃないんですよ。」

「むにゃむにゃ.....ふぇ!?伊月くん、少し大胆だよぉ.....」

「だから違いますって!!」

「お邪魔しまーーす!!.......伊月?あれだけ言ったよね.....?」

「那月!?これは事故だ!!故意ではない!!」

 

やばいやばい。このままだとキボウノハナー状態になる。

 

「姐さんも何か言ってくださいよ!!」

「伊月くん、昨日の夜(おしゃべりできたの)は、楽しかったよ♪」

「ふーーん、楽しかった?伊月、あとでゆっくり話そうね。」

「いやだから誤解だって!!」

 

 

 




たまにはこんな感じの回も入れてもいいですよね.......
次回からちゃんとストーリー進めます。

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