「私のやりたい.....こと?」
「聞き方が少し悪かったかな。じゃあ方向性を変えて、本当のお前はどれなんだ?」
「....どういうこと?」
「生徒会長であるお前、理事長と話す時のお前、スクールアイドルと接する時のお前、俺はそれがどうもお前の本音があるとは思っていないんだ。まぁ.....つまりは自分を押し殺しているって言えばいいのか.....それに前も言ったと思うが、1人で抱え込んでるせいか、自分を出せてないと思うんだよ。もっと肩の力抜いて生活してもいいんじゃないのか?」
「.......ふざけないで。」
「ん?」
「...,あなたに何が分かるのよ。この前はまだ許せたけど今回は我慢できない。私は、あなたみたいに好きなことをやって生きていける人じゃないのよ!!立場だって違う.....あなたはそれでなんとかなってるんだろうけど、私はそうじゃない。今だって.....あの人たちの言いなりとして動いて、でも生徒会長である以上学校を廃校に防がなければいけない.....それでどうしろというのよ!!」
「どうして1人で背負おうとするんだよ。」
「それは.....それが私の義務だから.....」
「さっきの言葉をそのまま返そう。ふざけてんのはそっちの方だろ!!」
「!!」
「義務だかなんだか知らねぇが、どうして他人を頼ろうとしないんだ!!1人にだって限度が存在する。なんとかできることとなんとも出来ないことがある。たがそれは『1人で』の場合だ。他人の力を借りれば、なんでもできるとは言わない.....少しは道が開ける。俺だってそうだ.....俺一人じゃ何も出来ない。部下がいて、与助や透谷がいるからこそ俺は初めて黒獅子として動ける。今回の件だって、お前が手紙とかそういう感じで察知されない方法で俺たちに教えてくれれば、普通に解決したしな。」
「.........」
「まぁ、その......なんだ、頼るってことを知らないなら、俺たちが教えてやる。頼る勇気がないなら、俺たちがお前に手を差し伸べてやる。それでいいじゃねぇか。今すぐに出来なくったっていい。少しずつ、それを理解していけばいいさ、.....俺は口だけの人間じゃない。それをちゃんと行動で示してきた。だから、俺の言葉を信じろ。」
あとは、前に進む力を手に入れれば、絵里はより一層成長する。たが、これはスクールアイドルの方々が気づかせてくれるはずだ。それまではこれでいいだろ。
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絵里side
一条くん.....本当にすごいわね。私は、気づかないうちに自分だけでなんとかしようと思っていたのね.....それに彼に怒鳴り散らしてしまった。......あとで謝っておかないと.....
風呂に入った後、私は一条くんのところに行った。.....何か独り言が聞こえるわね。.....なんて言ってるのかしら?
「あぁ〜恥ずかしい。なんだよ、俺の言葉を信じろって。終わった。絵里から完全にナルシスト扱いされる。\(^o^)/」
ふふっ、さっきはあんなに強気だったのに事が終わるとあぁなるのね、ひとつの新しい発見ね。
「そんなに恥ずかしがる必要ないわよ、一条くん。」
「!?絵里!?お前いつの間にそこに、さてはお前ニュータイプやな!!」
「何を言ってるか分からないわ。.....隣、座ってもいい?」
「アッハイ。どうぞ。」
「ふふ、ありがとう。.....一条くん、さっきはありがとう。そしてごめんなさい。あなたに怒鳴り散らすのは間違いだったわ。」
「それは気にしないでください。....あれは俺が完全に自分の価値観を押し付けてしまったので、絵里は何も悪くないですよ。ああ反論するのは当然ですよ。」
「そう.......でも、少しは気持ちが軽くなったわ。あなたの言葉、信じてみるわ。」
「さらっと俺の黒歴史を出さないでくださいよ.....あれ結構恥ずかしいんですよ。」
「そうかしら?あの時のあなたは.....かっこよく見えたわよ。やっぱり経験している人の言葉は違うわね。」
「.......とにかく、絵里の気持ちが少し軽くなったならそれでいい。」
那月が一条くんを可愛がる理由がよく分かるわ。亜里沙とは全く違うけれど.....少し子供っぽさがある。年下って感じはすごくするわね。でも彼に救われたというのは事実。何か恩返ししないとね。
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「ところで気になったのだけれど.....亜里沙は今どこにいるの?」
「え?俺らが普段拠点として使っているスペースにいますよ。電話します?」
「ええ。お願い。」
ブルプル
「はい、伊月さん!!どうかしましたか?」
「亜里沙、私よ。」
「お姉ちゃん!?どうして伊月さんの電話使ってるんですか?」
「今私の家にいるの。亜里沙 .....あなた今無事なのね?」
「勿論だよ!!伊月さんが助けてくれました.....それよりお姉ちゃん...」
「....どうしたの?」
「.....家に帰らなかったのはね、ここにいた方が安全だっていうのと、今のお姉ちゃんを見てて苦しかったの。.....お姉ちゃんは自分を押し殺しているんだって。」
「.....亜里沙、その事に関してはごめんなさい、でももう大丈夫よ。一条くんが教えてくれて、私も目が覚めたのよ。」
「伊月さんが.....さすがです!!でも今の一連の出来事が終わるまでは.....私はここにいます。」
「ええ。そうしてちょうだい。また誘拐されるか分からないし。」
「はい!!伊月さんに変わって貰っていいですか?」
「亜里沙。そっちの生活はどうだ?案外悪くないだろ?」
「はい!!拠点にしては、色んなものが揃ってて楽しいですよ。昨日も大人の人が、薄い本?とかを見せてくれたんですよ!!」
「あいつら後でしばいとかないとな....」
ん?なんか後ろから騒ぎ声が聞こえてくる。
与助さん!!どうして電子レンジに水を流し込もうとするんですか!! え?だって熱くなったから冷やそうと.......
透谷!!なんでオリーブオイルとりんごジュースを間違えるんだよ!! 同じような色だから仕方ないだろ!!
.......あいつら.....相変わらずアホみたいなことしてるな...いざって時はあんなに頼りになるのにな.....
「じゃあ切るぞ。」
「はい!!また遊んでくださいね!!」
「一条くん?亜里沙が伊月って呼んでいたけれど.....どういうこと?」
「ん?なんか知らんがお前の話をしていた時に、黒獅子さん→一条さん→伊月さんって感じになんか自然に呼び方が変わっていってな。」
「じゃあ、私も伊月って呼んでいいかしら?」
「お好きにどうぞ。」
「ふふっ、ありがとう、伊月♪」
「.....どうも。」
「じゃあ伊月、私の部屋で寝ましょう。」
「えっと、俺は床で寝ればいいということですか?」
「そんなわけないでしょう。私と一緒に寝るのよ。言ったでしょ?今日私の家に来た目的は、あなたが理事長の娘さんにセクハラしたのが果たして意図的なのか、それとも寝相なのか確かめるためよ。」
「そうでしたっけ?」
なんか絵里と話す方に意識がいってたから、元の目的を忘れていた。
「あの.....生徒会長が不良と一夜を共にしたとかが流れたらそれこそ色々まずいと思うんですが.....」
「あなたが何もしなければいいだけじゃない。それに大丈夫よ。もし流れても被害を食らうのはあなただけよ。」
「さらっと酷いこと言いますね.....」
「冗談よ。さぁ、いらっしゃい。」
今の目の前の構図を説明しよう。布団に入っている絵里が両手を差し伸べてベッドに誘っている。.......これ普通に問題だよな。まぁまた姐さんの時同様寝てからどこかにいけばいいか。
「絵里、そういうのどこかで学んだのか?」
「いえ、昔亜里沙を呼ぶ時こうやってしてたから同じようにやっているだけよ。」
「俺はお前の妹じゃないんだけどな。」
抵抗しても無駄だと思った俺は大人しくベッドに入った。
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絵里side
意外と大人しく伊月が入ってきた。もう少し反抗してるところを見たかったのだけれど.......
「それにしても伊月の髪の毛の触り心地、本当にいいわね。撫でたくなるわ。」
体は私よりもでかいけれど、寝顔が幼いし、髪の触り心地もいい。本当に弟がいるみたい。
「.....伊月、今日はありがとう。大切なことを教えてくれて。.....あなたは、私の大切な人よ。那月の気持ちも分かるわ。.......これからもよろしくね。」
そう言って、私は伊月を背中から抱きしめて眠りについた。.......大きな背中ね。
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翌朝
全く眠れませんでした。辛うじて寝相でラッキースケベ.....ゲフンゲフン、事故は起きなくて住んだみたいだ。けれど、絵里がずっと後ろから抱きしめてきたり、耳元で囁かれたりと、こいつ寝させる気ないだろとしか思えなかった。.......しかも、絵里に抱きつかれてるから背中に感覚が来るんだよなぁ....何かとは言えないけどな。
「伊月、学校に行きましょ!!」
「え?もうそんな時間なんすか?今行きます。」
「しっかりしなさいよ。」
「はいはい分かってますよ。」
「おっはよー!!絵里ちゃん、伊月が何かしてきた?」
「いや俺は何もしてねーよ。」
「そうね.....昨日はとても充実した夜を過ごすことが出来たわ♪」
「悪意あるだろ!!」
「ふーーーん.......伊月、帰ったらお父さんとドライブの刑だね。」
「は!?おかしいだろ!!なんでそうなんだよ!!」
「那月、あなたが伊月を可愛がる理由が分かったわ。子供っぽいところがあっていいわね。」
「ふふん!!いいでしょ!!でも伊月は渡さないからね!!」
「大丈夫よ、取る気はないわ。.......今はね。」
「絵里ちゃん!?なんと恐ろしい子.......」
ストーリー無視の日常回みたいな感じになりましたね。そろそろμ'sを結成させねば.....