黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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今更ですが、スクスタのUR曜ちゃんとても優秀ですよね。スタミナ回復があるので、安心してライブできます。



#41 動き出す闇

UTXにて

「.....盗聴器が壊された?どういうことですか?」

「私にも分かりません。あの女には人質が解放されたという事実は伏せていますので、本人が取った可能性は限りなく低いのですが.....」

「.....こうなったら本人の口封じをしなくちゃいけないわね.....」

「ええ。その為に数人派遣しています。しかも今回は『KB』を投入したやつも1人入っていますよ。」

「KBを?.......ふふふっ、それなら確実ね。」

 

 

 

 

「今の話録音させてもらった。どういうことかしっかりと説明してもらおうか。」

「!?.....一条、黒柳。」

「な、なんだ!?お前ら?門番はどうした?」

「門番?あんな弱いやつ門番にするなよ。普通に潜入される位のガバガバ体制だったぞ。」

「........」

「とりあえず仕事らしく名乗っておくか。警察だ。桝井、並びに暴力団、プライバシー侵害、殺人未遂、暴行罪により、逮捕する。逃げるなよ、ここにしっかりと証拠が残っているからな。」

「桝井.....ひとつ聞く。お前ん家は、一体どれだけのKBを所持している?そして、どのくらい取引している?.....答えろ!!」

「私が答えるとでも.....馬鹿ね!!そんなこと口が裂けても言わないわよ!!」

「ちっ......黒柳、あとは頼んだぞ。」

「ああ。.....こちら黒柳。主犯とその協力者を逮捕した。直ちにUTXに人員派遣を求む。」

 

その後、警察は桝井ら数名の犯人を逮捕。それに協力したもの達も、順次逮捕していく方針らしい。

 

 

 

 

「.....悪夢は、終わってなかったみたいだな、哲二。」

「ああ。まさか3年経った今でもKBが当たり前のように取引されているとは.....伊月がまた壊れないといいのだが.....」

「それも心配だが、1番の問題は、KBを投入したやつにこんな街中で暴れられりゃ.....」

「恐らくだが、伊月のような腕の利くやつ以外全員殺される。それにKBを投入した人間の倒し方は、3年前のあの日を知る者以外知らない。.....まずいな。」

 

「透谷にも連絡して、警戒するよう伝えておこう。伊月には.....今は伏せておこう。」

「だが、KBを投入したやつを含み、数名が音ノ木坂に襲撃すると言っていただろう。さすがに学校に伊月は拳銃を持って行っていない。.....どうすれば?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所は移り、音ノ木坂

 

「ねぇねぇ一条くん。」

「ん?どうした花陽?またスクールアイドルでなんか問題でもあったのか?」

「そうじゃなくて.....ここの問題を教えて欲しいんだけど.....」

「ん?.....あ、そこはな、ABを3:2に内分する点から補助線を引いて(2)で出てきたBCを2:1に外分する点との交点をとるんだ。そこから......」

「あ、そうかこの前習った定理を使えばいけるんだね。」

「ベクトルとかは図形の中で解決できることが多いが、ただの図形の問題だったら、補助線とかを1本引くだけでも答えが見えやすいからな。つけ足すこととかは思いつきか慣れだからな。思いつけないなら、色んな問題に触れてみたらいいぜ。」

「うん!!ありがとう、一条くん。」

「そういや、お前らあれからダンスとか上達したのか?」

「それがね.....海未先輩が生徒会長さんの幼い頃のバレエを見たんだって。それで、ダンスを生徒会長さんにお願いしようかなってことに昨日の夜なったんだ。.....一条くんはどう思う?」

「別にいいんじゃないのか。.....現にお前らはネットでも今知名度が上がってきてるしな。学校の人気に繋がるとなりゃ少しは協力してくれると思うぜ。」

 

ただ、まだ生徒会長さんは、共に前に進むということを分かっていないだろうから、少し戸惑うだろうな。.....昨日の夜、あそこまで言わなきゃ良かった。

 

 

花陽side

一条くんっていつ勉強してるのかな?すごく忙しそうに見えるから、あんまり勉強してないように見えるけど、国数英なら学年トップだし。......すごいね。

 

ブーブーブー

「ん?なんだ?警報か?」

「火事じゃないと思うけど.....」

 

警報が鳴るのは、人生初めての経験だから....少し怖いな。

 

『校内に不審者が数名侵入しました。生徒は、教室からは出ず、窓等を閉め、安全確保を、教員は生徒の保護を第一に動いてください。』

 

ザワザワ

「え!?不審者!?」

「ちょっと待って、めっちゃ怖いんだけど。」

 

「不審者だよ.......一条く.......え!?いない!?」

「皆さん!!一旦落ち着いてください!!皆さんの身は私が守ります!!」

「先生、一条くんがいないんですけど.....」

「え!?あの子こんな時に一体どこに行ったの!?」

「もしかしたら、黒獅子の手先じゃない?」

「ああ。有り得るかも。信頼を得たいからって、敢えて部下に侵入させて、収めようってところかな。」

 

また一条くんを疑い始めてます。.....この前の教頭先生の1件以来、このクラスには事ある毎に一条くんのせいにする風潮があります。.....私や凛ちゃん、真姫ちゃんを除いて。仕方ないと本人は言うのですが.....それにしても酷いです!!一条くんはどちらかといえば学校の不正を見つけてくれたのに.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

不審者が出る......恐らく狙いは絵里。もしくは俺の気を引かせる為の作戦。.....行くしかないか。

 

 

 

「てめぇらか。不審者ってのは。」

案外直ぐに見つけることが出来た。下足室の近くにいた。

「ちっ、見つかったか。さっさとやっちまうぞ。」

「かかってこいよ。てめぇらを血祭りに上げてやる。」

「そう上手くいくかな、これを見ろ!」

「........がぁぁぁぁ、うがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「!?あれは.....まさかKBを投入した人間かまだいたのか......ということはお前ら、あいつらの手先か!!」

「それは教えられないな。だが、クライアントはこの学校にいる黒獅子を殺すもしくは生け捕りできれば、高額の報酬を払ってくれるんだとよ。だからお前を殺す。」

 

よりによって、またKBを投入した人間にまた会うとは......3年前のあの日を思い出す。......くっそ気持ちわりぃ、今すぐにでもこいつらを消し去りたい。

 

「.....1度だけ警告する。ここから去れ。そしたら見逃してやる。だが、もし俺に喧嘩売ろうって言うんなら.....気絶で済むと思うなよ。殺してやる.....俺の前でKBを見せて、タダで済むと思うなよ。」

「ふん、ガキが何を言うんだ。さっさと殺っちまうぞ!!」

「畜生と会話をしようと考えた俺が間違いだったな。.....来いよ、骨の髄まで粉々にしてやる。」

 

そして、俺はポケットからメリケンサックを取り出し装着した。....カイザーナックルとかいう別名もあるらしいが、今はどうでもいい。

こいつらを.....殺す。

 

 

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「.......鬱陶しい。まずはてめぇだ!!」

そういって、俺はKBを投入した人間の頭を本気で殴った。そして、その後、首に強い衝撃を与えた。.......これでこいつはおわりだ。

 

 

 

 

 

「だ、だずげてぐだざい.....し、死ぬ。」

「何を今更ほざいているんだ?お前らのこんな苦しみ、3年前のあの人たちの苦しみに比べたらなんともないぞ。それに思い出した.....お前ら3年前にいたよな。.....息の根を止めれば楽になっちまうよなぁ.....頭に強い衝撃を与えて、お前に一生の苦痛を植え付けてやろうか?生きられるんだからいいよなぁ.....」

「あ、悪魔め.....!!」

「なんとでも言うがいい。俺は、死神でも悪魔でもいい。.....彼らの仇討ち.........まずはお前らの再起不能を以て彼らへの手向けとさせてもらう。」

「やめろ!!伊月!!」

「親父か.....何の用だ?」

「お前はまた3年前の繰り返しをするのか!!そいつらを殺したら、相手の思うツボだろ!!」

「........命拾いしたな。」

 

そう言ってやってきたやつは去った。.....生憎、そこまで血の出るような戦いじゃなかったから、後処理は楽だった。

 

「ところで伊月、KBは?」

「あそこで、蹲ってるやつだ。急所に当てたから、あの通りだ。」

「.....やはり凶暴化したか。やつの後処理は俺に任せろ。.....少し話し合え。」

 

 

 

「.......くそ!!今でも、どうしても......目の前が真っ暗になっちまう。」

「お前の気持ちが分からんでもない。俺だって同じ立場ならお前と同じ行動をとるだろうよ。だがな、伊月。怒りで自分を見失うな。たとえ相手がKBを投入していた相手や、3年前の加害者だとしても、だ。

それが分からないお前じゃないだろ。」

「.....ああ。だが親父、何故KBがまだいるんだ.....?」

「おそらく、奴らが回収したんだろう。.......となると、またお前を亡きものにしようとする奴らがまた来るだろうな。」

「いや、今回はおそらく絵里の口封じだ。.....だが、それにKBが使われているとなると.....相当厄介だな。」

「俺らも警戒しよう。おそらく哲二が、警備を強化してくれるだろうな。」

「親父.....さっきは助かった。俺はまた闇堕ちするところだった。」

 

 

 

 

「.....気にするな、子供を救ってやるのが親の仕事だからな。」

 

 




今日体育大会の前日準備とかで、投稿するのが遅れました、すみません。
あと、少し体調不良気味で、展開が微妙になっている可能性があります、ごめんなさい。

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