「先輩後輩禁止?」
「そうよ。この合宿の際に先輩後輩の壁を壊したいの。踊る時とかに先輩とか意識するのは良くないし、手始めとしてそうしようと思うの。」
「確かに、私も3年生に気を使って動くこともありましたし....」
「そんな気遣い一切感じたことないんですけど。」
「それはにこ先輩が先輩と感じられないからにゃ。」
「なんですって!?」
「うーんと、後輩?」
「うちはマスコットやと思ってたけど.....」
「あんた達ーー!!!」
なんでこいつら朝からこんな騒がしいんだ.....こちとら、強盗犯片付けてから来たから結構疲れてんのに.....しかもこれから電車だろ?ウソダドンドコドォン!!!
「じゃあ.....穂乃果」
「う、うん.....絵里ちゃん。」
「うん、よく出来ました。」
「花陽ちゃん♪」
「は....はい、じゃなかった、うん....ことりちゃん。」
「真姫、あなたもよ。」
「うぇ.....別に無理して呼ぶ必要ないでしょ!?」
「まぁそりゃそうか。慣れねぇもんはきついわな。」
「伊月はどうしようかしら?アイドル部じゃないし、かと言って手伝いでもないし.....」
「別にそれは個人の希望次第でいいじゃないか?親しくもないのに下の名前で呼ばれるのは、なんか嫌だし。」
「そうね....じゃあ伊月は自由にしていいわ。」
「ねぇ!!!じゃあ穂乃果って呼んでよ!!!」
「え?.....うーん、先輩だしなぁ。」
「前から言ってるじゃん!?いい加減呼んでよ!!」
「分かりましたよ、穂乃果さん。」
「うん.....今はそれでいいかな、いつか穂乃果って呼んでよ!!」
「分かりましたよ。」
「それでは、合宿に出発します。」
「よし、俺は帰ろう。⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン.....」
「逃がさないわよ!!!」
「あの、真姫、靴紐踏まないで貰えますか?それ地味に痛いんですよ。」
「いいから来なさい!!あんたにはこの学校にいるかの問題があるでしょ!!......あなたがいなくなるのは嫌だから(小声)......」
「あ、そっか。そうだったな。.....酔い止め飲まないと。」
「それじゃあ仕切り直して.....合宿に出発!!」
『おーー!!!』
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「おおーー!!!」
「はぁ.....死ぬかと思った.......」
「真姫ちゃんの別荘すごいね!!!」
「そう?普通でしょ?」
「ぐぬぬぬー。」
うん、矢澤先輩の気持ちが分かるぞ。これが普通って大丈夫なのか?
「これが!!!この合宿のメニューです!!!」
「遠泳10km.....ランニング15km.....」
「最近、基礎体力を上げるトレーニングがありませんでした.....ですから、この合宿でしっかりとしましょう!!!」
「スイッチがイタイ方向に入っるわね.......」
「園田さん、このメニューどこで寝るんだ?」
「これはあくまで活動時間内のメニューです。睡眠はちゃんと6時間は取りますから!!!」
「まじか.....ランニングはともかく高校生が遠泳10kmできるのか.....」
というか.....みんな引いてない?あの絵里ですら、えぇ.....(困惑)みたいな感じだし
「あんた達!!どうしかしなさい!!!」
「ラジャーにゃ!!あ、海未ちゃんあそこ!!!」
「え!?どれですか?」
「今だーー!!!!」
「ああ!!ちょっとあなた達。」
「ふふっ.....」
「絵里先輩からも何か.....あっ.....」
「先輩後輩禁止よ。合宿を通して皆の仲も深めたいし、ああやって遊ぶのもいいんじゃないかしら?練習はまたどこかでやればいいし。」
「.......はぁ、分かりました。ですが!!練習はちゃんとしてくださいよ!!」
「分かってるわよ。ふふっ。」
(絵里ち、嬉しそうやね.....)
「あんた達!!早く来なさいよーー!!!
うわー、なんか遊び始めましたよ。しかも全員水着で。うん、皆スタイルいいんだな。あれくらいだったら、体術の1つや2つ、習得できるかもな。
「さて....俺は何をしようかな.....折角だし、園田先輩が作った練習、やってみるか.....ダンス、発声練習以外を。」
そうして、俺は超ハードな練習メニューをやってみた。久々にこんだけ運動すると、少し疲れるだろうけどな。というか、那月も遊んでる。あいつ、本当に人の輪に入るの上手いよな.......
「.......あれが、一条伊月か。」
「はい。今のところお嬢様には何もしていません。」
「観察を続けてくれ。もし真姫に何かあるなら.....消すだけだ。」
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「ふぅ!!よく遊んだ!!!」
「ほんと、全部遊び時間に使ってしまいましたね.....」
「晩御飯どうする?」
「材料は、私が買ってくるわ。私以外、ここら辺に詳しい人いないでしょ?」
「じゃあうちもついていくよ。」
「......勝手にしなさい。」
「伊月、荷物持ちとしてついてきて。」
「雑用かよ.....そういうのは那月の役割って.....寝てる!?」
「そうよ、だから男のあなたがついてきなさい。」
「分かりましたよ.....けど皆、那月に料理はさせるなよ。死にたくなかったらな。」
「いやー、夕陽が綺麗やねー。」
「ああ。結構綺麗だな。」
「どういうつもり.....?」
「別にー、真姫ちゃんは面倒なタイプだなぁって。本当は皆と仲良くしたいのに、なかなか素直になれない。」
「私は普通にしているだけで.....」
「そうそう、そうやって素直になれないんよね。」
「ていうか、どうして私に絡むの!?」
「うーん.....ほっとけないのよ、よく知ってるから、あなたに似たタイプ。」
「何それ.....」
「まぁたまには、無茶してもいいと思うよ、合宿やし。」
希なりの励ましなんだろうな.....絵里の時は、ほとんど俺が関わったようなものだし。だからこそ、次は助けたい.....そう思ってるんだな。
「.......」
「まぁ.....その、なんだ。重く考えんなよ。お前がどうであれ、あいつらはお前を受け入れてくれる。頑張れよ。背中押してやるからさ。」
そう言って俺は真姫の頭を撫でた。ほんと、ここの人ら、頭撫でやすいな。
「分かってるわよ.....」
「そういや、さっき誰かに見られてたんだよなぁ。ちょっと面倒だな。」
「え!?ここうちの土地だからそういうのはいないと思うんだけど.....」
「まぁいいさ。いざとなったら俺がいるからな。...さ、さっさと買い物済まそうぜ。」
「.....うん。」
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「ふぅ、美味しかった!!」
「にこちゃん料理上手いんだ!!羨ましいなーー。」
「ふん!!にこを誰だと思ってるのよ!?」
「穂乃果、食べてすぐ寝ると牛になりますよ。」
「もうっ、海未ちゃんも雪穂みたいなこと言って。」
「あはは.....」
「よぉし。これから花火をるにゃあ。」
「花火?遊ぶのはいいんだが、お前ら練習どうするんだ?」
「練習ねぇ.....明日かな?」
「今日の夜しましょう。」
「え!?今から?」
「当たり前です。昼間あんなに遊んだのですから。」
「夜にするのもなぁ.....練習効率がいいとは言い難いな.....」
「それに、花火は楽しそうね。」
「そうにゃ、皆で花火やろう。」
「ですが、それだと.....」
「花陽はどうしたい?」
「私ですか?私は.....お風呂に入りたいです。」
「三者三様だな。」
「なら、今日の夜はお風呂に入って、明日の朝早くから練習はどうかな?」
「.....分かりました、ですが、皆さんちゃんと早起きしてくださいよ。」
「決まりね。伊月、覗きに来ちゃダメよ♡」
「誰が行くんだよ。俺は散歩してくるわ。」
「そう、なるべく早く帰ってきなさいよ。」
「ああ。少し夜風にあたりに行くだけだ。」
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μ's side
「ふぅ、いいお湯だねぇ。」
「ほんと、こんな別荘があるのは羨ましいわ。」
「本当にいいお湯ですよね!!」
「花陽、先輩後輩禁止なんだから、敬語もだめよ。」
「あっ......ごめんなさい、じゃなかった、ごめん。」
「ふふっ、次から気をつけてね♪」
「ところで那月先輩に聞きたいんですけど、伊月くんってどんな感じだったんですか?」
「伊月?うーん.....今とは違ってもう少しやんちゃだったかな。黒獅子を通して、少し大人しくなったし.....あんまり感情は表に出さないし。」
「でも、私たちの内、私と1年生とことりは伊月に救われた所があるし.....もう少し知りたいわね。」
「無闇に喋ると怒られるしなぁ.....あとは、あんまり人を信用してないってことかな。」
「え?どういうこと?」
「伊月ってね、あんまり人と関わろうとしないんだ。関わったとしても表面上上手く取り繕うだけ。今の皆を信用してるかどうかはまだ分からないけど.....時間をかけたらきっと信用してくれると思うよ。」
「そうかな.....ならよかった。」
「まぁそんな話はさておき、皆スタイル良いよねぇ、羨ましいよ!!」
「那月先輩が言うと.....少し嫌味に聞こえちゃうにゃ。」
「え!?何で!?」
「そうよ!!あんた、なんでそんないいスタイルしてるのよ!?」
「そうやね....これは羨ましいよね。」
「ちょ!?触らないでよ!!」
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伊月side
夜風ってのは気持ちいいなぁ、....この暗闇も居心地がいい。
ほんと.....変な虫さえいなければな。
「おい、そろそろ出てこい。一日中付きまとわれてほんと気分が悪いんだよ。」
「やはりばれていたか....一条伊月、あなたを排除します。」
「ふん、やれるもんならやってみな。」
「ふん、口ほどにもない。まとまってそれかよ。」
こいつら気絶してやがる。隠密なら一流かもしれないが、普段からそういう環境にいる俺からしたら察知するのは朝飯前だ。
「おい!!高みの見物か?出てこいよ。」
「.....初めまして、かな。私は西木野真姫の父だ。」
「あっそ。あんたと話をつけにきた。俺についてだ。」
「真姫に言われたのか.....悪いが君を置いている音ノ木坂には同意できない。」
.....これは長丁場になりそうだな。
スマホ更新してから、写真アプリが使いづらく感じます。前の方が良かったな.....