黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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今回は完全オリジナル回です。ここで一気にオリジナル展開を進めます。
Aqoursのmaster曲全般的にノーツ多くないですか?greatがよく出るんですよね.....


#51 信じる心

「何......?あの装置が壊された?」

「はい、先日西木野家に潜入し、こちらの装置を付けたのですが、昨日何者かによって破壊されました。」

「一体誰が...?」

「録音を聞いたのですが、どうやら黒獅子が関与していたそうです。我々の所から派遣したもの達も全員返り討ちにあったみたいです。」

「黒獅子...一条のところの子供か...忌々しい。」

「しかし、奴もあまり派手に動けますまい。警察は奴を警戒するように報告しましたし、デマの情報をネットに流していますから、やつはどんどん周りから捨てられていくことでしょう。」

「やつはKBが何から作られているかを知っている。一刻も早く殺さなければ、我々も足を掬われる。お前ならどうする、大森よ。」

「そうですねぇ、私ならまずやつの周りにいる味方を潰しておくのが良いかと、黒柳はともかく、特に一条敬一は絶対に取り除かなければならないでしょうね。」

「一条.....あの時私の要求を呑んでおけば、お前の息子も平和に暮らせたものを.....」

「全く愚かなものです。あと、私に対する報酬も忘れないで下さいよ。」

「分かっておる....国も我々には手を出せない。なにせ、我々が出している金額は望外だ。それを差し止められたらやつらはまともに議員を雇えない。.....さらに言えば、警察の装備を揃えているのも私たちだ。それを知る警察の上層部はどんなことをしてでももみ消す。だが忘れるな.....我々を裏切れば命はないぞ、大森。」

「分かっていますよ、あなた達のおかげで出世してますし、有力な者を左遷されていますからお互いwinwinです。」

「.....引き続き黒獅子の監視に務めよ、『透谷』。」

「はい.....分かっております。千世様。」

「安心せよ。お前が忠実に従っておれば、兄の敵討ちも、冴子がこちらの世界に来ることも無い。」

「分かっております.....あいつの首は私の手で.......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うわぁぁぁぁー!!!助けてくれーー!!!

 

ひぃ!!化け物!!!

 

もう辞めてくれ.....母さん.....助けてくれ.....

 

伊月.....あなたは何があっても.......

 

 

 

「.....ひどい夢だ。」

KBが出てきてからここ数週間、3年前のことをよく思い出す。あの日.....皆を.....母さんを奪われたあの日.....そして最近よくある不審な事件。.....たまたまでは済まされない。また.....奴らと戦わねばならない。

 

「伊月、俺の部屋に来い。少し話がある。」

「.......ああ。」

 

 

 

 

 

「お前、合宿で何があった?」

「別に何もねーよ。.....疲れてるんだ。」

「なら何で最近毎晩魘されているんだ?俺を誤魔化せると思ったら大間違いだ。」

「.......悪いが話したくない。」

「それは俺のことを信じられない、それが根拠だな?」

「ああ....お前は俺のことをしっかり見てくれている。だが、見てくれているから信頼してる訳では無い。いつ裏切られてもおかしくないんだ。たとえ俺にとって大切な人でも.....裏切らない確証はない。誰があいつらと結びついてるか分かったものじゃないからな。」

「お前.....やっぱりそうか。最近またあのことを思い出してるのか。」

「俺は変わらないんだよ。いつも3年前のことを引きずって、人を信頼しようとしない。さらに言えば、家族まで疑うレベルだ。そしてその禍根がまた姿を表した。.....滅ぼさなきゃならないんだ.....」

「じゃあお前はμ'sの皆や、透谷たちのことも信じてないのか?」

「俺だって信じたいさ.....頭で分かってても心がそれを許してくれないんだ。」

「伊月.....お前は3年前から少し変わった。それが何かわかるか?」

「さあな.....表面上上手くやる能力は身につけたが。」

「違う。そんなクソみたいなことはどうだっていいんだ。いいか伊月.....お前はなぜ悩む?それは心が葛藤しているからだ。」

「.......だからどうした.....」

「お前が葛藤しているのは、お前の心が人を信じたいと強く願っているからだ。3年前のお前は、そんなことはなかった。目に光が宿っていなかったし、誰も信用していなかった。まず信じたいとすら考えていなかった。那月がいたからこそここまで立ち直れたが....お前はそこから前に進もうとしているんだ。まずはそのお前を評価してやれ。」

「俺は成長なんかしていない。それに......確たる証拠がない以上、人を信じるのは馬鹿げている。だってそうだろ?表面では友達でもお互いを利用しあったりすることもあるし、何かあればすぐ悪者扱いをして、他人と繋がろうとする。そんなヤツらばっかりなんだ、世の中は。疑うことがこの世の中の本質なんだ。俺は3年前、それを痛いほど学んだ。どれだけ那月やあいつらが善人だとしても.....俺は信じられない。」

「まさかお前、自分は本来関わっちゃいけないとでも思ってるんじゃないだろうな?」

「そうかもしれないな.....あいつらを見た時、眩しかった。俺とは違う。信じられる世界にいるんだ.....俺みたいな汚れたやつが関わるのは烏滸がましいかもしれない.....資格なんかないんだ。」

「資格だと...うじうじするのもいい加減にしろ!!!」

「.....お前に何が分かるんだ!!!お前には分からないだろうな、裏切られることが!!!俺は3年前、この世の仕組みを知った。デマかもしれない情報や噂を信じて、自分が見てきたものを嘘だと決めて、相手を迫害する。あいつらだってそうかもしれない。俺の過去を知れば、すぐ俺を忌々しく思って、嫌うはずだ。」

「いつまで過去に囚われているんだ!!!μ'sの皆も、那月も『今』のお前を見ているんだ。お前は過去からあまり変わっていないかもしれない。だがな、信じようとする心は少しずつ戻っているんだ。」

「.....詭弁はいくらでも言えるな......」

「おい待て!!伊月!!!」

 

 

俺は家から出ていった。信じる.....だと。親父やμ'sは綺麗な世界で生きてきたからあそこまで人を簡単に信じられるんだ。.....信じられるかよ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はぁ.....どうしたものか。」

「敬一、どうかしたのか?」

「哲二か.....伊月の事なんだが.....」

「伊月.....あいつに何があったんだ?」

「ここ最近、KBが現れて、あいつに何があったかは分からないが、また3年前の思い出して、また人を疑うようになったんだ。途中までいい調子だったんだがな。」

「そうか.....だが私たちがどれだけ言っても詭弁として切り捨てられるだろうな。」

「ああ.....あいつは少しずつ人を信じようとしてきたんだ。那月やμ'sのおかげで心を取り戻している。....天の神様は、ほんと伊月に苦難を与えすぎだろ。....なあ哲二、独身のお前に言うのもあれだが、俺は父親としてどうしたらいいんだろうか?」

「父親、か。.....俺にも分からない。だが、俺たちは行動で示していくしかないだろ。どれだけ詭弁だと思われても、行動を見せればあいつも少しは信じてくれるだろ。」

「そんなもんなのか.....」

「現に那月も、あいつがずっと寄り添って、あいつを守ろうとした行動をずっとしていた。」

「.......俺は親としてあまり出来てないな.....恥ずかしいや。」

「変わればいいだろ。難しく考えるのもお前らしくない。.....終わりだ。ともかく、俺がここに来たのは報告の為だ。」

「どういえことだ.....?」

「先日、西木野家の別荘で数人の不審者を見つけたらしい。そいつらを捕まえて事情を聞いたが、面倒くさいことになった。城善寺財閥が動き出した。さすがにこんな都会じゃ3年前のように大きい動きは出来ないが、その分隠密に進められる。敬一、お前にもう一度動いてもらわないといけない。」

「またか.....だが、伊月のこともある。分かった、その要求を呑もう。ただし、特殊部隊を編成する前に俺に警察を観察させてくれ。やつらの息がかかった奴がどいつか見極めてからやる。それでいいか?」

「いいだろう。勿論チームリーダーは私だ。詳細は追って連絡する。」

 

嫌な予感しかしないな.....何事もなければいいんだが.....

 




物語を円滑に進めるために、こういうオリジナル回がかった奴がを何回か入れると思います。そこら辺は、ご理解を。
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