「海未ちゃん.....ことり、どうしたらいいのかな.....?」
「私にも分かりません.....ですが、今はまだ言わない方がいいですよ。」
「そうだよね.....オープンキャンパスで上手くいって、人気も出てきたんだから.....ことりもここで終わるのは嫌だよ。でもね、それ以上に.....穂乃果ちゃんと海未ちゃん、皆と別れるのが1番嫌だよ.....」
「それは私だって嫌です....ことりは、私や穂乃果にとって大切な人ですから....ですが、ことり。もし言いにくいからタイミングを伺って私から言いましょうか?」
「うん.....もし自分で言えなかったら.....お願い。」
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信じる心を取り戻しつつある.....か。俺は未だ他人を信じることは出来ない。だが.....俺はあいつらを疑っていない。綺麗な世界で生きているから、人を本気で疑うことを知らないからというのもあるが、あいつらは心に正直に動いているから。.....現に、真姫や凛、花陽は俺のことを一切疑っていない。他人を疑うのは自由だが、他人の信用を疑うのは少し無粋か.....でも、だからこそ、俺みたいな人間があいつらと関わっていいのか.....?俺はあいつらのことを大切に思っている。俺たちの世界の人間以外、那月以外に初めて自分の目を信じて俺と接してくれた人間。たからこそ、疑うということを知って欲しくない。こんな価値観を知るのは、俺だけで十分だ。
「最近、兄貴の雰囲気が暗くなりましたねー。」
「仕方ない、ここ最近本当に色々あったんだ。優しい兄貴が、心を痛めるのも無理はない。」
「それにしても、あのKBって本当に何なんですかね。あんな化け物を作り出すなんて。」
「しかも、投与されたら最後は死ぬしかないんだ。兄貴も気が重くなるわけだ。」
「透谷、話がある。ちょっと外に出てくれないか?」
「何ですか?与助様。」
「君は一体何がしたいんだい?」
「何がしたい.....どういうことですか?」
「とぼけてるの?ここ数週間この街の監視カメラに君が1度も映っていない。前までは数ヶ所で確認できたのに。」
「たまたまではありませんか?私は別段おかしなことはしていません。「そうかな.....1番最初にKBを確認した際に、君は伊月のそばにいなかった。2回目に見つかった際もそうだ。KBの発生も伊月の近くで起きる。.....偶然にしては出来すぎじゃないか。」
「そう言われましても.....いなかったのは別件に当たっていたからです。最近は詐欺も巧妙化していますし、その逆探知などをしていたのです。」
「そうか.....ならいいてす。ですが、透谷さん、貴方が伊月を裏切るようなことをした時、僕は容赦しませんからね。」
「.....心にとめておきます。では、私は失礼させてもらいます。」
.....敵は味方の振りをする.....伊月、こっち側の世界にいる以上、信じることは簡単じゃないよ。
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「これが決勝のステージ、すごいねぇ.....」
「もう勝った気分になってるんですか?」
「そうね、予選ももう少しだから、最近順位を伸ばしているグループもいるし、油断は出来ないわ。」
「はい!!!中にはプロの真似をしていたり、急成長のアイドルと全国的にレベルが高いんです!!!ですから、気を抜いたら本当に足をすくわれます!!!」
「そうね、でも今更何か特別なことをしても仕方ないわ、今はとにかく学園祭に備えて準備をすることね。」
「よし!!!練習がんばろー!!!」
「そう言えば、一条くん最近学校に来てませんね.....」
「何かあったのかにゃ?でも合宿の時は別になんともなかったよね。」
(一悶着あったとはいえ、伊月はいつも通りだった。.....なんか嫌な感じね。)
「真姫ちゃんは何か知らない?」
「私は何も知らないわ。」
「1年生が誰も知らないとなると.....本当にどうしたのかしら?」
「とりあえず、行くわよ。」
「なんで、講堂の使用をくじ引きで決めるのよ。」
「なんでって....それはそういう伝統だから.....」
「頼んだよ!!!にこちゃん!!」
「え!?わ、私!?」
「だってにこちゃんが部長だもん!!!頼んだよ!!」
「.......分かったわよ。」
ガラガラガラガラ
「..........!!!」
「ハズレ.....だね。」
「どうしよーー!!」
「だって仕方ないじゃない!?くじ引きだってこと知らなかったのよ!!!」
「あ!!開き直ったにゃーーー!!!」
「うう.....なんで外れちゃったのー.....」
「どうしよーー!!!!」
「まあ予想してたオチね。」
「にこっち.....うち信じてたんよ.....」
「うるさい、うるさい、うるさーーーい!!!悪かったわね.....」
「気持ちを切り替えましょう。講堂が使えない以上、他のところでやるしかないわ。体育館もグラウンドも運動部が使うから.....」
「ではどこで.....?」
「.....部室とか?」
「せまいよ!!!」
「んー、じゃあ廊下は?」
「バカ丸出しね。」
「にこちゃんがくじ外したから必死に考えてるのにー!!!」
「あとは.....」
「じゃあ、ここ!!」
『え?』
「ここに簡易ステージを作ればいいんじゃない?ここなら沢山お客さん入れるし。」
「屋外ステージ?」
「確かに人は沢山入るけど.......」
「何よりここは私たちにとってすっごく大事な場所!!ライブをやるのに相応しい場所だと思うんだ!!!」
「野外ライブ!?かっこいいにゃー!!」
「でも、それならどうやって屋上にお客さんを呼ぶの?」
「確かに.....ここはたまたま通りかかることもありませんし.....」
「下手すると、1人も来なかったりして.....」
「え!?それはちょっと....」
「じゃあ!!大きな声で歌おうよ!!」
「はぁ....そんなことで簡単に解決できるわけ.....」
「校舎の中の人や、外にいるお客さんに聞こえるような声で、歌おう!!!そしたらきっと皆興味を持って来てくれるよ!!!」
「ふふっ.....穂乃果らしいわ。」
「うぇ....ダメ?」
「いつもそうやってここまで来たんだもんね。μ'sってグループは。」
「絵里ちゃん....」
「決まりよ、ライブはこの屋上にステージを作って行いましょ。」
「確かに、それが一番μ'sっぽいね。」
「よーし、凛も大声で歌うにゃー!!!」
「じゃあ各自歌いたい曲の候補を出してくること。」
「ふっふっふっ....その話聞かせてもらったよ!!!集客とライブ会場作りは私に任せて!!」
「那月っちやん。ほんまにええの?」
「うん!!何か力になりたいからね!!!」
「あの、那月先輩、ひとついいですか?」
「ん?どうしたの?」
「伊月は....何かあったんですか?」
「伊月か.....ここ数日家にすら帰ってきてないよ。事情も事情だし、仕方ない所もあるんだけどね。」
「その、仕方ないことってなんですか?」
「それは今は言えないかな.....伊月の口から聞いて。私に伊月のことを語るのは今は無理だから。」
「本当にどうしたんだろうね.....」
「凛もよく分からないにゃ。那月先輩も、伊月くんのことをはぐらかすしね。」
「.....本当にね、なんなのかしら?」
「伊月くんに会って聞くしかないかな?」
「でも一条くんにどうやって会うの.....?私たちが襲われたとしても、タイミングとかあるし必ず一条くんに会える確証はないし.....」
「.....今は辞めておきなさい。」
「え?真姫ちゃんなんで?」
「今私たちがやることは学園祭のライブを成功させること。それを放っておいてあいつに会いに行ったら、怒られるわよ。」
「そうだね....」
「真姫ちゃん、ほんとに何も知らないの?」
「凛、それどういうこと?」
「真姫ちゃん、合宿の夜、あの後帰って来なかったよね.....凛が目が覚めた時に、いなかったし.....」
「.......別に話してもいいんだけど....私のパパが来たの。でも誰かに操られていた感じで。伊月と一悶着あったみたいなの。その時はそこまで変わった様子はなかったんだけど.....その後疲労で何かあったのかしら?」
「 ならいいにゃ。伊月くん、凛たちの相談には本当に乗ってくれるけど、伊月くんは全然相談しないよね。」
「うん.....やっぱり皆気になってるんだね。」
「ライブが終わったら探しましょ。」
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「おい黒柳.....この組織腐りすぎだろ。橘さんと数人以外まじで出世狙いの野郎ばっかじゃないか。」
「おい、口を慎め。彼らは正義を求める心は強いが、それと同じく強欲なんだ。だが、実際にその分成果を上げているから国民の為にはなっているんだ。」
「それはどうだっていいんだ。今回は.....大森とその直属の部下を入れたらその時点で終わりだ。」
「あいつが何故あそこまで怪しいのか.....理由が分からないのがもどかしい。」
「まあいいさ。とにかく、目星はついた。早速プロジェクト開始だな。」
なんか最近展開を考えるのが結構しんどくて、ストーリーの質が悪かったり周りくどかったりするんですよね...