「で?伊月どうするの?」
「俺にあてがある。そいつに相談して少し助けてもらう。」
「あて、ねぇ。まぁいいや。じゃあ私は自分が成すべきことをしますかね。」
「成すべきこと?お前何するつもりなんだ?」
「それがね.....ことりちゃんが留学するんだって。これまずくない?」
「ああ.......今のμ'sにそれが判明したら完全に崩壊するだろうな。間違いなく。立て直せるかどうかはあいつら次第だが、かなり難しいだろうな。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて...どうしたものか。」
俺が直接関わるのは今はナンセンスだ。こんな状態の自分じゃ言葉に説得力が生まれない。信じ合えることのできるあいつらとは違うからな.....なら、俺がやるべきことは.....
「へぇー、伊月くんから私を誘うなんて珍しいね、何か用事?」
「ツバサ、今日は呼び出して悪かったな。」
「別にいいよ、それにこの前約束したじゃん。一緒に食事しようって。今日は英玲奈とあんじゅもいるし。」
「そうか。.......ここで話すのもあれだ、場所を変えるぞ。」
「はいはーい。じゃあ私は2人を呼んでくるから待っててね♪」
「ああ、頼む。」
こいつらの力を借りる時が来るなんてな.....予想すらしてなかった。
「で、頼みというのはなんだ?」
「なぁ、お前らはグループが崩壊直前の状態になった時、お前らならどう動く?それを聞かせて欲しい。」
「そうねぇ.....私ならちゃんと話し合う機会を作るかな。私はそこまで行動力はないし。」
「私なら、ずっと練習を続ける。いつメンバーが戻ってきても遅れを取るようなことがないようにな。」
「私は.....崩壊するならその原因に立ち向かう。私たちAーRISEは3人いて初めて成り立つの。誰か1人が欠けたりしてはいけないわ。」
「.......お前らはやることがバラバラなんだな。」
「そうね.....でもだからこそグループやチームというのは良くなるのよ。一律に同じ役割しか果たせない人間が揃ってもあまり良くはならないの。グループやチームにいる以上、その人にはその人の役割があって、それを成し遂げなきゃいけない。だから欠けちゃいけないの。.....で、こんなこと話に来たわけじゃないでしょ?用事は?」
「.......その言葉をμ'sに言ってやって欲しい。あいつらは今崩壊しかけている。少しだけ助け舟を出してやってくれないか?」
「私たちに?だがどうやって干渉するのだ?私たちには接点が全くをもってない。」
「そうねぇ.....私たちか街中て探しても周りの人に見つかって、さわがれるのがオチだもの。」
こいつ今さらっとすごいこと言ったな.....有名人の風格なのか.....
「なら私が動くわ。目立つのは仕方ないとして、私が1番動くには適任だわ。察するに、高坂穂乃果さんが大丈夫ではないのよね?」
「よく分かったな.......頼む。」
「え!?別に頭を下げなくても.....君は私の恩人なんだからこれくらいの頼みなら喜んで引き受けるわよ。」
「.....なんか恩着せがましくてすまないな。」
「そう思うなら.......今度基礎練習を君に見てもらってもいいかな?君の身体能力はすごいし、重心の調整とかは本当に上手いから。」
「分かった.....引き受けよう。取引成立だな。」
「ふふっ、悪代官みたいだね。でも感謝してね?私たちはライバルを助けるわけだから。」
「ライバル?」
「ええ。この地区で1番私たちと張り合えるのはおそらくμ's。今はまだだけどいずれ大きくなって私たちにとって最大のライバルになる。その人達を助けるわけ。.......さてこういう話は終わり!!ちょっと私たちの愚痴を聞いてくれない?この前先生がさぁ.......」
「お前たちも苦労しているんだな.......」
普段はトップアイドルとして君臨してるらしいが、こういう面を見るとやっぱり学生なんだなって思う。おっさんみたいな事言ってるけど.......
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
穂乃果side
あれから色々あった.....文化祭ライブが失敗した。学校の存続が決まって嬉しかったけど、今度はことりちゃんが海外留学するんだって。.....ずっと一緒にいようねって言ったのに。ずっと一緒にいると思ってたのに.....
どうしたらいいのかな.....μ'sを辞めるとなったら今度は海未ちゃんとも仲が悪くなってしまった。でも.....ことりちゃんには行かないで欲しい。それに、μ'sだって続けたい。でも.....どうすれば.........
「あなたが高坂穂乃果さんで合ってるかしら?」
「あなたは.......?」
「あら?私を知らないの?まぁいいわ。私は綺羅ツバサ。スクールアイドルAーRISEのリーダーよ。高坂穂乃果さん、今日はあなたに話があるから来たの。」
「え.....?私に?」
「場所を変えましょ。そこで要件は話すわ。」
「あなた、窶れてるけど何かあったの?あなたの個性である明るさがないわよ。」
「あはは.....別にそういうわけじゃ.......」
「手厳しいことを言うようだけれど、あなたはリーダーとしての自覚が足りないわ。メンバーがいなくなるから動揺するのは分かるのだけれど、こういう時だからこそリーダーとしての役割を果たさなきゃいけないのよ。」
「..........」
「高坂さん、よく聞いておいて。これは一条くんの言葉だから。」
「え!?伊月くん!?どうしてあなたが.....」
「以前私のストーカーを追っ払ってくれたの。その時に知り合って。言うわよ。
『人には強みと弱みがある。組織を成り立たせるためにはそれそれがお互いを補完し合うことが大事になる。リーダーというのは前を向いて歩み続けることが何よりも大事である。他のメンバーを引っ張ったり、自分のやりたいことを成し遂げるために。穂乃果先輩、あなたは自分自身の考えで前に進んでください。それが.....もしあなたが罪悪感を覚えているなら、もう一度立ち上がって前を向いて進んでください。それが償いになると思います。後悔しないように、あなたが望む未来のために』だってさ。少し厨二病っぽいけど、今のあなたの背中を押すには本当に適切なアドバイスじゃない?」
「伊月君.......」
「私から言えることはあなたらしさを捨てたら終わりよ。あなたらしくいなくちゃμ'sが成り立たなくなるのだから。」
「.......分かった!!ありがとうこざいます!!綺羅さん!!」
「あっ、ちょっと!!.......仕事はしたわよ、伊月君。約束、守ってもらうからね♪」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「南さん、失礼します。」
「あら、伊月君。どう?少しは冷静になれた?」
「はい.....色々ありましたがなんとか。ところでこの学校の存続が確定したらしいですね。」
「ええ、そうなのよ。これもμ'sのおかげね。穂乃果ちゃん達もよく頑張ってくれたわ。」
「本当にそうですよね.....で、俺をどうするつもりです?」
「え?どういうことかしら?」
「分からないんですか.....?この学校が女子高として存続が決まった以上、共学化の事を考えなくてよくなった。俺は退学という処分が妥当でしょうね。」
「そうね.....でも存続が決まったからと言って生徒をすぐ切り捨てるのもどうかと思うけどね。それは子供のことを安易的に考えすぎだし、それこそ学校の評判を下げることになる。あなたならそれくらい分かるでしょ?」
「そうですね。だけど、それを生徒や教員が認めるかどうかですよね。理事長は俺を幼い頃から知ってるからあれですが、他の人は黒獅子のことしか知らない。勝手に悪者扱い。さてどうしたものか.....」
「だけれど、あなたがこの学校で上げた功績は誰も否定できないわ。あなたは学校の横領を見破り、更には不審者を捕まえた。あなたがいなければ、これらの出来事で被害を受けた人が多くいたのよ。だから伊月君、あなたの自主退学は認めないわ。」
「.........分かりました、ですが生徒や教員が署名したり、俺を追い出そうとするなら俺はすぐに身を引きます。」
「分かったわ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さてと.....ことりちゃんが留学する学校はこれかな.....」
私ができること...,ことりちゃんを引き止めるためにその留学先に交渉をすること。上手くいくなんて全く思ってないけど.....やらなきゃいけないんだ。
「伊月、あなたは自分のすべきことを成した、今度はお姉ちゃんの 番だよ。」
橘さん、メインオリキャラで1番出番少ないのにそれなりに人気あるんですね.....
本来なら絵里ちゃんと穂乃果ちゃんのシーンを、オリジナルに置き換えました。多分シリアス展開の時はアニメからかなりルートを変えるので、ご了承ください。