「悩み、ですか?それって何ですか?」
「凜や希には聞かれたくないんですが.....私は今メンバーとして役割を果たせているのでしょうか?」
「え?何か悩むことあるか。」
」はい.....今日の登山は、私の自己満足を出してしまい本来の目的である作詞のことを忘れていたんです。」
「うん、だろうなと思いましたよ。」
「そうですか.....最近自分が本当にメンバーに相応しいか分からなくなってくるんです。」
「それは何故?」
「穂乃果は皆を引っ張っていますしことりは雰囲気を和ませていたり.....絵里や希のように先輩らしい雰囲気もなければ、にこのように理想が高いわけじゃない。.....私はなんなんでしょうか?」
「難しい悩みだな....この前の姐さんみたいな感じですね。」
「あの時は励ます側でしたけど、悩む側はこんな感じなんですね.....ことりの気持ちが分かったような気がします。」
「自分の存在意義っていうのは本当に分からないものですよね....俺も気持ちは分からなくはないんです。」
「一条さんは.....すごいです。まだμ'sが結成する前から絵里を説得していたり、落ち込んだ穂乃果が再び動けるようにしたのもすごいですよ.....」
「でも、あれは園田先輩も関わったじゃないですか。俺は道を作っただけで穂乃果の背中を押したのは園田先輩じゃないですか。その事実は揺るぎませんよ。」
「穂乃果が歩いていっただけですよ.....それに、穂乃果もことりも前に進んでいってるのに私はいつまでも変わらないままで.....」
「でも、今の会話を聞く限り、園田先輩は周りのことがちゃんと見えているじゃないですか。あなたはとおそらくメンバーの誰よりも個性や特徴を捉えられている。それに変人が多めなこのグループでは数少ない常識人枠ですよ。」
「ですが.....」
「それに作詞だってやってる。それでもまだ自分はメンバーにいる資格はないとでも言うんですか?」!
「違います!!そういうことにじゃないんですよ!!皆が前に進んでいってるのに私だけは変わっていない.....今日だって凜や希に迷惑をかけてしまいました。」
「.....今思ったんですが、別に目に見えた成長が見えなくてもいいんじゃないですか?」
「....え?」
「俺だって組織の中じゃ人を纏めるという役割こそあるが、本当にリーダーとして認められているか分かりませんよ.....悩むことや立ち止まることは悪いことじゃないし、成長が必ずしもなければいけないと言う訳でもない.....そうやって悩んでも立ち止まっても『自分がなりたいもの、支えたい誰かの為に』って考えながら過ごしていれば、自然と前に少しずつ進んでいくものだと俺は思いますよ。」
「.....そうなのでしょうか?」
「それに今のメンバーはあなたのことを受け入れられない人間は1人もいませんよ。他のメンバーはあなたが持っているものを分かっているでしょうし、認めてくれていると思いますよ。だから、そこまで悩むことじゃないですよ。....空見上げてください。」
「えっ.....わぁ、綺麗な星ですね。」
「本当に綺麗ですよね.....ああいう風に輝きたい、そんな目標立ててみたらどうですか?」
「え?」
「園田先輩は、俺から見たら縁の下の力持ちというか.....皆を支えるとても大切な役割を担ってると思うんですよ....だから今度は、一度前に出て輝きたいみたいなことを目標に立てれば、自分の成長を感じられるんじゃないですか?」
「星のように.....一条さん、私は少し頑張ってみようと思います。元来恥ずかしがり屋ですが.....穂乃果のように輝ける人になります!!」
「うんうん、その意気だな。頑張って下さいね、俺はあんたを支えますから。」
「それで....あの.....その第一歩としてなのですが.....」
「ん?」
「私の異性で家族以外で初めて親しくなったのはあなたなんです.....だから、あなたのことを伊月と呼んでもいいでしょうか?」
「ご自由にどうぞ。じゃあ俺もそれに倣って.....海未、と呼べばいいんですかね。」
「はい。これかもよろしくお願いしますね、伊月♪」
「こちらこそ.....って俺ら何か忘れてませんか?」
「.......あっ!?燃やすもの集めてる途中でした。うっかり話し込んでしまいましたね.....それじゃ行きましょうか。」
「帰り道分かるんですか?」
「はい。ちゃんと印を付けてきたので。」
「あんたサバイバル経験あるのか.....」
「ありがとうございます、伊月。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「遅いにゃー!!」
「2人で何かしとったん?」
「いえ、燃やすものを探すのに案外苦労したので。」
「テントは立ててくれてたのか.....悪いな、完全に忘れてた。」
「もう!!.早く食べたいにゃー!!」
「用意するので少し待っていて下さいね。伊月、火をつけてください。」
「バーナーみたいなの持ってきておいて正解だったな.....」
「あれ?伊月くん?いつから海未ちゃんと仲良くなったん?」
「え?まぁ色々ありましたんで.....本人の恥ずかしがり屋の克服の練習ですよ。」
「あ、そういうこと.....でも海未ちゃん、ステージで投げキッスしてたよね?恥ずかしがり屋は大丈夫やないん?」
「あれは後で見たら恥ずかしいんですよ!!」
「でも海未ちゃんのパフォーマンス良いよね!!凛も今度やってみるにゃー!!」
「じゃあ真姫に頼まないとな....お、出来たな。」
「はい、それでは食べましょうか。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
深夜
「もしもし伊月くん、そっちはどう?」
「こっちは山の中だ。電話があるだけありがたいよ。」
「山.....とりあえず作詞グループと衣装グループは家にいるよ。全員無事。だけど、警戒してね.....途中怪しい光を見たから。」
「怪しい光?なんだそれ?」
「よく分からないけれど....面倒な奴らに目を付けられてるかもね。」
「分かった、こっちは引き続き警戒しよう。そっちは頼んだぞ。」
「分かったよ!!そっちも気をつけてね!!」
「ああ。」
「こんな時間に起きてるの?」
「それはこっちのセリフだよ、希。」
「そうかもね.....今日はありがとうね。」
「ん?俺は何もした覚えはないが.....」
「海未ちゃんの目の色が変わっていた....雰囲気も少し良くなってたから.....また伊月くんに助けられたね。」
「別に俺は何も.....園田先輩が自分で進もうって決意しただけだよ。」
「でも機会は伊月くんがあげたよね.....」
「俺からしたら絵里やグループを支え続けた希の方がすごいと思うけどな。俺にはそんな長い間誰かを支えたことなんかないからさ......」
「これやとお互いキリがないね。」
「そうだな。もう寝ろ。俺にはまだやることあるからさ。」
「一緒にねぇへんの?」
「当たり前だろ。俺の仕事は護衛。俺が寝たらこっそり誘拐される可能性すらあるからな。」
「できるだけ早く寝るんよ。」
「さて、と。.....誰かいるんだろ、今日は橘さんの方を見張っていた。で、俺に何の用だ。出てこいよ!!」
「.......,」
「ちっ、だんまりか。すぐ捕まえてやるよ。」
だが相手も速い。俺も追いつくには道が凸凹で、かなり足を掬われる。
「ちっ、こうなったら.....」
俺は木の上に登り、忍者とかがよくやっているあれをやった。名前はしらないけど.......こんな山道を走るよりかはよっぽど速い。
「捕まえた.....そのバッジ、あいつらか。何の用だ。」
「今日は何もしようとはしていない。お前に警告しにきたのだ。」
「警告?じゃあなんで橘さんを監視したんだ。」
「それはあの人が美しかったからだ。」
「ストーカーかよ。で、警告は?」
「近々お嬢様が転校される。お前がお嬢様を少しでも不快にするようなことをすれば.....お前の首が飛ぶことになるんだ.....それを分かった上でお嬢様の駒になれ。」
「は?却下するに決まってるだろ。ふざけてんのか?」
「ならばお前はあの学校の生徒がどうなってもいいのか?お嬢様のご機嫌を損ねれば、学校ごと潰すぞ。私たちはマスコミを買収できる。いくらでも事実を曲げることができるんだ。」
「ちっ.....ふざけやがって!!」
「がはっ.....」
「クソが....あいつら、絶対に許さない.....よりによって関係ない人を人質に取るとは.....腐ってやがる。」
ストーリーの進行スピードは第一部に比べて速くしているつもりですが.....どうですかね。
後でオリキャラの紹介上げておきます。分からない人はそこを見ていただければ小説が読みやすいかなぁと思います。あと随時更新する形で書いていきます。