黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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スクスタフェス限定の性能が良すぎる.....よく20連で新規の真姫ちゃんと曜ちゃんが来てくれたものです.......スクユニの方の爆死はこの為にあったのか.......
今回は少し短めです。


#66 それぞれの本当の戦い

「な、なななな何でですか!?」

「何でって.....私たちは以前、といっても最近の事だけれど、伊月くんから色々教えてもらって、この人は私たちが頂点を目指す上では不可欠な存在だなって思って。けれど、伊月くんはあなた達μ'sのメンバーでしょ?だから、手に入れたいの。」

「あのぉ、俺に決定権は無いんですか?」

「勿論ないわよ、だってあなた、お願いしてもすぐ拒否するじゃない。」

「そりゃ、こいつらのことを見なきゃいけないし、俺は見回りとかトレーニングもかもある訳で.....とてもじゃねぇが2つのグループを並行して見れるほどの余裕がないんだ。」

「それに、聞くところだと伊月くんは学校じゃ大不評のようね。」

「それは今は関係ないでしょ!!」

「それに私たちは、その根も葉もない噂のせいであなた達の評価にバイアスがかかることが1番嫌なの。」

「それは建前じゃないのか?」

「いえ、本当の気持ちよ。最後に.....伊月くんを擁していながら予選突破ができなければ、あなた達は彼のことをちゃんと使えていない、ということよ。なら、私たちがより効率的に使うってわけ。」

「俺は道具か何かですか?」

「この話はまた後でね.....とりあえずステージに案内するわ。」

 

 

 

「あいつ.....もう少し別の方法があっただろ.......」

「ツバサはこういう面では少し不器用でな。」

「そうねぇ、あの子も全力のμ'sを見たいからってやりすぎね。」

「とりあえず、俺らはここで待っとくか。」

 

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あの後、あいつらは帰ってライブを最終確認をするらしい。何故か俺だけ残されてるけど.......

 

「ツバサ、もう少しいい方法あっただろ。」

「そうかしら?あなたを賭ける方があの子たちもより燃えるんじゃないかなって思ったんだけどね。」

「これじゃライブの意味が変わってくるだろ。」

「それはどういうことかしら?」

「お前らスクールアイドルがやるべき事は、こういう賭けをして勝負を熱くするんじゃなくて、ステージ外の聴衆により良い時間を届けるためだろ。これじゃ、お前らはアイドルじゃなくて、ただの賭け事好きと一緒だからな。」

「それはそうだ。ツバサが言い出した時は少し驚いたがな。」

「私は、どっちでもいいわよ♪あの子たちと戦えるわけだし。」

「そうね、私も見落としていたわ.....予選が終われば謝るわ。」

「そこら辺はお前らの裁量でいいんだけどさ.....なぁ、俺が残された理由って何だ?」

「あっ、忘れていたわ。実はこれはひとつの噂なのだけれど.....最近音ノ木坂やこのUTXで生徒が行方不明になる事件が起こってるって聞いてるの。」

「誘拐.....?で?それは不登校ではないのか?」

「ええ。うちの生徒が捜索願を警察に提出してあれこれ1週間経つのだけれど手がかりが何一つ見つかってないの。監視カメラにも写ってないみたいで。」

「もしかしたら.....那月......」

「私たちは辛うじて無事なのだけれど、頻度が上がっていて、かつ範囲も広くなっているの。」

「だが、そんな多人数誘拐をすれば場所が割れるんじゃないのか?大人数を収容するならそれなりの敷地を要する。さらに言えば人質として扱うなら、食糧も足りなくなる。一体何をしているんだ.....?」

「それで私たちの頼みはその捜索よ。今、UTXの生徒が10人誘拐されている。警察が言うには音ノ木坂の生徒は13人誘拐されているみたいよ。」

「計23人.....だがあまりにも多すぎる。何が起こっているんだ.....?」

 

考えうる中で最悪の結果は、KBの実験台にされていることだ。あいつらであってもなくても試し打ちの為にやる輩もいる。そうじゃないことを祈るしかないか.......

 

「更に悪い知らせなのだけれど.......つい昨日、その内の1人が見つかったの。生きていたのだけれど、身体中に傷があったわ。」

「そうか.......だが狙いが全く分からない。俺を誘い出すなら1人で十分なはずだ。.......その生還した子は何か言っていたのか?」

「私は直接会っていなかったから分からないのだけれど、『血』が関係しているらしいわよ。今は検査を受けて入院しているの。」

「大体分かった......ツバサ、教えてくれてありがとう。」

「ええ、それじゃ次は二次予選の時に会いましょ。」

「あいつらが勝ち残る前提か.....まあいいか。」

 

そう言って俺はUTXを去った。......那月が気がかりだ。あいつは橘さんから教わったとはいえ実戦経験が乏しい。何もなければいいんだがな.....

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうだ、与助?」

「確かに行方不明の生徒が写った記録はないね。なんでだ?僕はかなり監視カメラを設置しているのに、それに引っかからないなんて。」

「奴ら、相当下調べをしてきているようですね。」

「...........」

「何ですか?伊月様?」

「いや、なんでも.....与助、とりあえずこれよりも外の範囲を見れるか?もしかしたらそっちにも手がかりがあるかもしれない。」

「分かった、見てみるよ。」

「俺は少し回ってくる。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

妙に静かだ.....なんでだ。

 

「あ、伊月!!こんな所にいたんだ!!」

「那月か.....お前今までどこ行ってたんだ?」

「ちょっと野暮用でね...少し出てたんだ....」

「そうか.......!?」

「え?どうしたの?うっ.....」

 

そう、那月の耳にはあの時と同じ物が取り付けられていた。しかも一瞬しか見えなかったが、針を通した痕があった...まさか.......

 

「ぐっ......逃げて.....」

「やっぱりKBを.....」

「あっ.......がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そう、今俺の目の前で.....姉が化け物になった。くそ.....やるしかないのか。

 

「くそ.....一旦おびき出すしかないか。」

「がぁぁぁぁぁぁ.....にげ....て.....」

「自我がまだ残っているのか.....」

考えろ、考えろ、今の俺に何が出来る。自我が残っているならまだ.....救えないときまった訳じゃない。だがどうすれば.......

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「ぐっ.....!!痛ぇ.....」

バァン!!

 

「少年!!大丈夫か!?私も加勢する!!」

「来るな!!こいつにはまだ自我があるんだ.....発砲するんじゃねぇ!!それよか、ここら辺の住民を避難させろ!!」

「なっ.......!?分かった。今は君の言う通りに動こう。」

 

と言ったのも後ろから、自我のないKBがもう1人出てきた。2対1、でも片方は自我が残っている。下手に出だしをすれば死ぬのはこっちだ....

 

「こうなったら.....あれをするしかないか。」

それは、KBと.....俺たちの血液の相性みたいなものなんだが.....上手くいくかは全く分からない。なにせKBを投与された人間は、人間を襲うだけで血を飲んだり、食べようとする傾向が全くないからだ。だが....もう3年前と同じ思いだけはしたくない。

 

「仮にもあの化け物みたいなやつの血を引いているんだ..........もってくれよ!!」

 

そうして.....俺は那月の口に、俺の右腕を噛ませた。痛え.....だがこれで俺の血を飲んだはずだ。頼む.....那月、戻ってきてくれ!!

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!があぁぁぁぁぁ.......」

 

その後、那月は意識を失い、暴走した時の体のまま止まっている。脈がある限りまだ生きている。

 

「さて.....もう1人。.........逃げたか。一体どこに?」

 

気づけばもう1人の方がいなくなっていた。.....やけにガソリンくせぇ。

というかあいつらのライブ行きそこねたな.......

 

「まさかさっきのもう一体は.....ロボット.....だったのか?」

「いつ.....き.....」

「!?....大丈夫だったか。」

「ううん.....怖かったんだよ.....」

「全く世話のかかる姉だ。.......生きててくれて良かった.......」

「ふふっ.......よく.....言えたね.......」

 

そして那月は気絶した。くそが.....那月を救えたが全く居心地が悪い。俺は負けたんだ。身内すら守りきれなかった.....情けない。

 

「もう二度と失いたくない....そして.....必ずあいつらを.....」

 

そうして、μ’s、伊月、それぞれの本当の戦いが始まった。

 




最近時間がなくて、投稿するのが夜とかになってしまいます.....
いろいろ書きたいんですけどね、
これは完全に僕の趣味でどうでもいいんですが、皆さんはファイアーエムブレム風花雪月って知ってますか?あれのBGMの野望の地平というのがあるんですが、あれが本当に好きです。特にこの小説書く時はいつもこの音楽聞きながらやってます。なんか.....雰囲気が似ているので。

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