黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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今回は、伊月メインの話になります。そして、ことりが出ます。
お気に入り登録が増えてて嬉しいです!今のところアニメのストーリーから大まかに道を外していますが.....軌道修正はちゃんとします。



#7 再会

あの時のあの感覚は何だ?俺は高坂先輩に少し威圧された。全く関わりのない人にいきなりあそこまで憎悪というか、殺気のある目で睨まれるのは初めてだ。かと言って、彼女の両親が俺となにかあったかと言われてもそうでもない。今までで、高坂という名前の犯罪者もしくはチンピラと会ったこともない。一体何なんだ.......

 

「一条くん!?話聞いてた?」

 

「...小泉さんか。すまない。少し考え事をしていたんだ。」

 

「体調が優れないとかじゃないんだね?」

 

「ああ。それに関しては問題ない。心配かけてすまない。」

 

それから俺は、午後の授業を聞いてさっさといつもの場所ー俺たちが集まる地下スペースに行った。

 

「なぁお前ら」

 

「どうかしましたか、兄貴」

 

「今まで色んなことに首突っ込んできたんだけどさ、その中で『高坂』って人がいたか覚えてる人いるか?」

 

「いえ....正確には覚えてませんね。すいやせん。」

 

「いや、いいんだ。」

 

「そう言えば、兄貴。報告が遅れて申し訳ないんですが.....」

 

「何だ?なんかあったか?」

 

「いえ、今から三日前、つまり兄貴が高校に通い初めて間もない時に、誘拐事件が発生しまして.....」

 

「誘拐?警察は動いていないのか?」

 

「それなんですけど.....その犯人は、自分のことを黒獅子と名乗ったらしいんですよ。ちょうど兄貴が学校に行ってる時に、警察の黒柳さんがそう教えてくれたので.....」

 

「自分が何者かを偽ったのか。だから、最近周りから少し見られているような感覚を覚えていたのか。」

 

そう、ここ数日、俺の登下校の時何者かに見られている感じがした。少し相手を撒くように動いたら、上手く追いかけてきた。恐らく警察だとその時確信した。

 

「身元はわかってないって訳か。」

 

「それが.....警察の中には、本当に兄貴がしたと信じている人間が数多くいるらしいんですよ。捜査自体はしているらしいんですが、あくまで形だけで、これを機に兄貴のことを逮捕する方針を立ててる人がいるみたいなんですよ。」

 

「.....こんな時に私情を優先してどうする。犯人が誰かはともかくまずは誘拐された人の保護を最優先にすべきだろ。」

 

「そして、その人間が....」

 

「どうせ大森だろ。たかが知れてる。」

 

大森ー黒柳のことをライバル視しており、仕事より手柄や出世を大事にするやつ。だが、本当にそいつは事件の犯人を数多く逮捕しており、その手腕は警察の中でも評価されているみたいだ。だが、それは俺たちが現れたことで崩れた。恐らく今回の事件は完全にその腹いせと取ってもいいだろ。

 

「だが、場所は割れてるんじゃないか。黒柳が何も仕事をしてないとは到底思えない。」

 

「はい。犯人の居場所はこことされています。」

 

確かに、ここから近い。なら、徹底的に叩き潰すまで

 

「仕事開始だ。まず、俺はお前らの1部で犯人の居場所に行く。ただし、奇襲という形をとる。残りの者は、他の人に危害が加わらないように警戒。これは俺達のプライドに関わる問題だ。何としても俺たちでケリを付けるぞ!」

 

『はい!!』

 

「あと、これは提案なんだが.....」

 

そして、作戦は三日後に決行することを決めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

学校に行く途中に神社に続く階段を見つけた。そう言えば、この街には住んではいるけど、あんまりこの街のことは知らなかったな。

 

「アイツらの社会復帰とか俺の人生の安泰を願いに行こうかね」

そう言って俺は神社の階段を駆け足で登った。

 

 

階段をのぼりきり、神社に着くと見覚えのある巫女さんがいた。

 

「副会長さんじゃないですか。バイトですか。」

 

「うん、一条くんも早いね。ここに来るのは初めて?」

 

「はい。神社があることを知りませんでした。お恥ずかしい限りです。」

 

「気にする必要ないやん。あと、うちのことは東條って読んでくれても、希って呼んでくれても構わんで。勿論タメ口で。」

 

「そうかい。ならそうさせてもらいますよ。希」

 

「お、いきなり下の名前とは...一条くんもプレイボーイやね。」

 

「なんで、そうなるんですか.....」

 

この人には、口喧嘩で勝てない気がした。

 

「あ、そうそうそろそろここにスクールアイドル部の子が走りに来るで。帰りがてら見てきたら?」

 

「こんな朝早くからすげーな。まぁ運が良ければ見させてもらいますよ。」

 

そう言って俺は神社を去った。にしても、希って、結構掴みにくいな。ふわふわしてる割には隙がないから捉えにくい。溢れる母性は凄かったけど。

 

「はっ、はっ、はぁ、疲れたよぉ〜」

 

階段の下から脳がとろけそうな声が聞こえた。この声は…

 

「姐さん!久しぶりです!」

 

「伊月くん!?久しぶりー、3年ぶりだね。」

 

そう言って姐さんは俺に抱きついてきた。昔は俺の方が小さかったのにな。だから俺もゆっくり抱きしめ返した。

 

「姐さん…なんも変わってないんですね。」

 

「ずっと.....ずっと会いたかったよー!」

 

姐さんが泣いていた。これ誰かに見られたらやばいな。

「あれ、二人ともアツアツやね〜」

 

ウッソだろ。1番見られたくない人に見られた。この人に見られたらネタにされる!

 

「いや、別にそ、そういう訳じゃ…」

 

「伊月くんは、ことりに会って何とも思わなかったの...?

 

その言い方はずるいよ。返事に困る。

 

「そんな訳ないじゃないですか。会えてとても嬉しいよ。姐さん。」

 

そう言って俺は姐さんの頭を撫でた。

「えへへ…」

 

小泉さんと似てるな。守りたくなる。

 

「うん。熱々やね。これは意外やわー」

 

「お願いだから、黙っていてください。」

 

「うーん、ただって訳には行かへんね。せやなー、ほな生徒会手伝ってくれへん?」

 

「へ?」

 

「そんな難しいことは頼まへんで。ただ、忙しい時の手伝いってことで。」

 

「それくらいなら、やりますよ。」

 

とりあえず拡散しないことが確定して安心した。でも、それくらいなら条件なしでもやるのに。

 

「契約成立、やね。ほなよろしくね。」

 

そう言って希は上の方に戻って行った。

 

「伊月くん、副会長さんと知り合いなの?」

 

「はい、資料もらいに行った時少し話しただけですが」

やっぱり掴みどころのない人だな。あの人。

 

 




終わり方がよく分からない。次の話に繋がるように書きたいのですが.....難しいですね。
他の人の作品を見るとほんとによく出来てるなーって書く側になって改めておもいます。
余談ですが、masterでどんなときもずっとが僕らは今のなかでより難しく感じます、同じ人いませんかね?

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