黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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今回は主人公は出てきません。アニメとは少し異なった展開になるとは思いますが.....。


#78 幼なじみたちの決断

花陽side

 

「うう.......」

 

私は今とても悩んでいます。凛ちゃんにはセンターとしてあのドレスを着て欲しい.....けど、凛ちゃんは嫌がっている。強制は良くないけど、凛ちゃんにはあれを着て.....自分のコンプレックスを乗り越えて欲しい。一体どうすれば.....

 

ピリピリ

 

「あら、あなたから電話してくるなんて珍しいわね、どうかしたの?」

 

「真姫ちゃん.....私、どうたしらいいんだろ?」

 

「凛の件かしら?」

 

「うん.....凛ちゃんには着て欲しいけど.....でも、嫌がっているし.....」

 

「あなたは少し気が弱いのよ。幼なじみなら何も遠慮することないじゃない。」

 

「でも!!凛ちゃんがああなった原因を知ってるからこそ.....余計に言いにくくなるんだよ。」

 

「なるほどね.....今は伊月もいない訳だし、難しいわね.....なら、那月先輩に相談したら?」

 

「那月先輩に?」

 

「ええ、あの人、一応伊月のお姉さんでしょ?だからこういう時は強そうだなって思っただけ。自信はないけど.....勧めるわ。」

 

「うーん.....分かった、相談してくるよ。ありがとう真姫ちゃん。」

 

「ええ。でも今回の一件を解決するには.....花陽、あなたが一番頑張らないといけないわ。幼なじみとかいないから的確なアドバイスは出来ないけれど.....親しいからこそちゃんと言わないといけないわよ。」

 

「うん、分かったよ。じゃあね。」

 

那月先輩に相談.....か。私は今まで話したことが少なかったから少し緊張する.....どうかかたまりませんように。

 

ピリピリ

 

「はい?もしもし。花陽ちゃん?どうしたの?」

 

「あ、あの.....そ、相談がありまして.....」

 

「別に畏まる必要はないよ。それで、どうしたの?何か振り付けとか聞きたいの?」

 

「いえ.....その、那月先輩に聞きたいんですけど.....親しい間柄の人が、自分のコンプレックスで悩んでいたら.....どう声をかけますか?私の幼なじみも.....りんちゃんもそういう状況にいて.....でも、凛ちゃんには女の子としての自信を持って欲しいんです。でも、どうしたらいいか分からなくて.....」

 

 

「なるほどね.....今週末のイベントの件か。女の子としての自信ってどういうこと?」

 

「実は.....凛ちゃんは小学生の時に、男の子達からスカートを馬鹿にされて.....普段から男の子よりも運動が出来たから.....周りの子達も凛ちゃんが女の子らしい服を着てきたら.....皆同じ反応をして....そこで凛ちゃんが.....」

 

「大体事情は分かったよ。なるほどね.....ちょっかい出したくなるあれじゃんか.....そのことについてなんだけどさ、それは何もそこまで深刻に気にする事態じゃないよ、といっても凛ちゃんは納得しないよね.....だったら公に凛ちゃんが女の子として見られているっていう客観的証拠と後は花陽ちゃんたちの強い押しがないとだめだね。そこに関しては私がなんとかするわ。それはそれとして.....花陽ちゃん?」

 

「は、はい.....なんでしょう...」

 

「なんでそこまでビビってるの...?今の花陽ちゃんに必要なの、何か分かる?」

 

「今の私に.....強く言える勇気、ですか?」

 

「うーん...まぁだいたい正解かな。でも少し違うよ...花陽ちゃんに必要なのはまず、自分の意見に自信を持つことだよ。花陽ちゃんってさ、色々振り付けとかの話し合いとかする時って黙ってノートとってるじゃん?それはいいけど...皆で意見出した方がいいよ。それに、このグループには誰も花陽ちゃんを否定しようなんて思ってる人なんかいないし。それに伊月から聞いたけど、花陽ちゃんはμ'sに入るって自分で決断したんでしょ?」

 

「あれは、真姫ちゃんと凛ちゃんに勧められたから.....」

 

「それでも、だよ。こういうの説得力あるか分からないけど.....今まで花陽ちゃんは凛ちゃんに引っ張ってきてもらったって思ってる?そう思うならさ.....今度は自分で進んで、凛ちゃんを導いてあげなよ。私はそれがいいと思うよ。」

 

「でも、私には.....」

 

「私は伊月みたいに的確なこと言ったりとかは全く出来ないからさ.....今まで凛ちゃんが花陽ちゃんに影響与えてきたならさ.....なんというか花陽ちゃんが変われば凛ちゃんも変わるのかなって。それに幼なじみだからこそお互いのことを深く知ってるわけだし、核心をつく事とか言えるかなって。何言ってるんだろう .....私。ちょっと伊月っぽく言ってみると

『大切な幼なじみなんだろ?だったらそのトラウマなんか乗り越えればいい。トラウマを気にしてる俺が言っても説得力ないかもしれないけどな.....そういうことを乗り越える為に仲間がいるんだ。花陽、お前が凛に感謝してるなら、今度は花陽が凛を助ける番だ。ここで.....μ'sで成長したお前なら発言にも説得力が出るだろ....今回は1人で頑張れよ。大丈夫だ、何かあったら俺がなんとかしてやるから。』とか言いそうだけどね。」

 

「そう.....ですか?」

 

「うん、だから長くなったけど.....花陽ちゃんが強い意志を持って凛ちゃんに伝えれば.....きっと凛ちゃんも変わってくれるよ。ごめんね、あんまり力になれなくて....」

 

「あ、いえ.....ありがとうございます。少し勇気が貰えました.....。」

 

「それなら良かった。それじゃあね。」

 

「はい、ありがとうございました.....」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛side

 

「凛には.....女の子っぽいものなんて似合わないよ.....」

 

やっぱり凛には女の子らしい服を着る勇気なんてない。またあの時みたいに馬鹿にされたら.....

 

ピコン

 

「.....メール?unknown.....?」

 

 

あなたの幼なじみは少しずつ変わりつつあります。あなたが悩んでいるなら.....不安やトラウマがあるなら幼なじみと乗り越える、という道もあるのですよ。それに今と過去は違います。あなただっていつまでも弱いあなたではないはず.....その内きっとあなたを変える機会が来るはずですよ.....

 

 

 

「I.....?怖いにゃー!!!誰にゃ!!しかも凛の事情がめちゃくちゃ分かられてるにゃーー!!すぐに迷惑設定しなきゃ!!」

 

凛は即座に迷惑設定をした。こんな誰かも分からない人にメアドとかバレてるの!?でも.....書いてあることは間違いがない。

 

 

 

かよちんは変わっている.....凛は、やっぱり1人で解決出来ないよ.....凛だって女の子らしい服とか着たい!!でも.....怖い。過去がいつまでも凛の足を掴んでいる。動けないよ.....こんな時に伊月くんがいたらどうなるのかな....?伊月くんは凛のこと、ちゃんと女の子として見てたよね.....?凛は、女の子らしくしてていいの.....分からないよ。

 

でも、凛の考え関係なしに大事にしなきゃいけないもの.....かよちんの思い、真姫ちゃんや皆の思いを大切にしたい。でも.....

 

 

 

「なんや、こないなところ歩いとるとは、拉致されたいんか?」

 

「.....え!?あの時の.....!!!」

 

「なんや、違うんかいな。まぁええわ。何か悩みあるんか?相談ならのったるで。何せ伊月のことはよく面倒見とったからな、」

 

「え!?伊月くんの幼い時を知ってるんですか!?」

 

「そりゃわいは敬一や黒柳の同期やからの。それくらい知っとるわ。で、どないしたんや。」

 

「話していいのかな.....」

 

「迷うのは自由やけど、誰かを頼れるなら頼る方が得策やで。」

 

「実は.....凛は女の子らしい服とかアクセとか着たり付けたりしたいんです。でも凛は.....全然女の子らしくなくて.....皆は良いって言うんですけど.....」

 

「なんや、そんなことかいな。別に悩む必要あらへんやろ。今は立派な女の子やって当時の奴らの発言を後悔させたったらええんや。その1歩は.....どうやってええ。仲間頼るのも、自分で踏み出すのも。でも踏み出すのが難しいなら....勇気を誰かから貰うんや。誰かに導いてもらうでもええ。そうやって人ってのは成長するんや。悩んで止まってもな.....絶対に前に進む方法はあるんや。過去に囚われてるなら、今の自分がその過去を打ち砕くんや。そんなことない!!自分は女の子や!!って、そしたら当時の奴らも頭揃えて謝ることになるやろな。」

 

「大胆だにゃ.....」

 

「そうか、でも那月が小さい時、周りから女の子扱いされない時もあったからな。」

 

「え!?それどういうことですか!?」

 

「実はな.....那月の母親はピアニストでな....でも那月はずっと外で走ったりしてたから周りから色々言われてな.....大人も含めてな。そん時那月を守ったんは伊月なんや。」

 

「伊月くんが.....」

 

「そん時言ったことが傑作でな

『お前ら将来後悔するぞ!!那月はきっと.....将来きっととても美しい人になるんだ!!母さんみたいに.....だからお前らの価値観で那月の枠を.....道を作るな!!!』って言ったんや。いやー、あんな子供がああ言うのは珍しかったから敬一も『え!?お前らこんな子供に諭されてんの!?ばかにしておいて.....ざまぁねぇなwwwwww!!!』ってな。わいも笑ったわ。だからな、お嬢ちゃんも悩む必要ないで。今はいないけど.....コンプレックス抱えてても伊月や仲間がおるんや。そんな過去打ち壊したれ。」

 

 

「伊月くん.....ありがとうございます!!少し勇気が出ました!!」

 

「そっか。なら後はちゃんと仲間と腹割って話すんやで。ほな。」

 

「はい!!ありがとうございました.....そういえばあの人誰!?」

 

凛は知らない人と色々話してたんだ.....でも!!かよちん、伊月くん、凛は頑張るよ!!もう負けない!!




こんな感じですかね。カウンセラー枠は大体オリキャラにしています。キャラ同士の掛け合いって意外と書くのが難しくて.....

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