ピリピリ
「もしもし凛ちゃん?今大丈夫?」
「かよちん?今は大丈夫だけど....どうしたの?」
「今から.....私の家に来てくれないかな.....?話したいことが.....あるんだよ。」
「.....分かったにゃ。じゃあ今からかよちんの家まで行くにゃ。」
「うん、ありがとう.....」
これで準備は整った。今日は.....凛ちゃんと腹を割って....堂々と話したい。
「かよちん♪お邪魔するにゃー!!」
「いらっしゃい凛ちゃん。お菓子あるから食べてね。」
.........気まづい。やっぱり今までずっとそうだったから.....いざ凛ちゃんに物言いするのは.....緊張する。でも.....
「.....ねぇ凛ちゃん、今週末のイベントのことなんだけどさ.....やっぱり凛ちゃんが着るべきだよ。」
「.......」
「凛ちゃんはさ、幼い時にスカート履いてきて馬鹿にされたことがあった、よね....でも、そんなの気にする必要ないよ!!凛ちゃんは可愛い女の子だよ。何も自信なんか失う必要なんかないんだよ.....コレ見て。」
「これは....何の円グラフだにゃ?」
「これは那月先輩が送ってくれたμ'sのファンに対する聞き込みなんだ。それでこの円グラフは.....凛ちゃんのことをどう思うかっていう項目なんだ.....それで多く、いや殆どの人が凛ちゃんのことを『とても可愛い』って答えたんだよ。残りの人達は、『元気が貰える女の子』とか『ポテンシャルが隠されている子』って言われてて.....どこにも凛ちゃんのことを馬鹿にする人なんかいないんだよ.....」
「凛は.......少し悩んでるんだにゃ。昔馬鹿にされたこともあるけど.....今だって女の子らしいところがあるとは思えないんだ。真姫ちゃんみたいにスタイルがいいわけじゃないし、希ちゃんみたいに胸があるわけでもない.....だから皆が羨ましいんだ。」
「何で他人が出てくるの?」
「.......え?」
「なんで凛ちゃんのことを決めるのに他人のステータスが基準になるの.....?それがおかしいよ!!凛ちゃんは凛ちゃんだよ!!真姫ちゃんでも、絵里ちゃんでもない!!1人の女の子だよ!!」
「かよちん....」
「凛ちゃんが気にするのは分かるよ.....でも、他人がとうとかは関係ないよ。凛ちゃんにも可愛いところはたくさんあるし.....私たちにはない可愛さだって持っている。それはわかって欲しいな.....」
「凛の.....可愛いところ....?」
「皆に元気をくれる。可能性を秘めている.....それはさ、凛ちゃんが持っていて他の人にはない個性であって、可愛さになるんだよ。だから.....気にする必要ないんだよ。」
「かよちんは....皆は、凛の味方、だよね....?」
「当たり前だよ!!皆凛ちゃんのことを1人の可愛い女の子として見てるし.....誰も敵なんていないよ。一条くんだってきっとそう言うと思うよ.....」
「かよちん.....ありがとう!!!」
「わわ!!凛ちゃん!?いきなり抱きついたら危ないよ!?」
「凛、頑張るよ!!もう怖がらない!!凛だって.....可愛くなれる!!もう迷わない!!ありがとう!!かよちん!!」
「.......うん!!凛ちゃん、頑張ろうね!!」
「真姫ちゃん、やったよ!!!」
「良かったわね、花陽.....あなた少し明るくなったんじゃない?」
「え!?そうかなぁ....」
「凛と話したことで前に出る勇気でもついたんじゃないかしら?でも良かった.....結構心配してたのよ。あなたが意見を言えるかどうか心配だったし.....」
「あはは.....でも、大丈夫だよ。凛ちゃんは前の凛ちゃんから変わったしね。」
「ええ、期待してるわね。」
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「お嬢様.....手は打っておきました。」
「何かは知らないけれど、ご苦労さま。けど.....本当にこんなやり方でいいのかしら?」
「敵を倒すのに手段などは選んでる場合ではございません。」
「あなたは教えてくれないのね....お母様は一体何がしたいの?この前も家の壁が爆破されたこともあった。けれどそこよりも気になったのは.....地下部屋らしきものがあったということとその階段にはいくつかの血痕があったのよ。.....どういうことかしら?この家は一体何をしているのよ.....」
「お嬢様、そこはお答えできません。その事は言うなと主からの伝言なので.....すみませんがお話できません。」
「そう.....私は....私は潔白なのかしら。何か大きなことに気づいていない.....それに自然と加担しているような.....そんな気がしなくもないの。」
「きっと気のせいでしょう。お嬢様は疑いすぎなのです。」
「疑いすぎ.....でもあなたは私に何か隠している。理由は知らないけれど何故隠すの?主人の私の言うことは聞けないのかしら?」
「はっ、申し訳ありません。ですが、お嬢様には内密にと主に言われておりますので.....」
「ちっ....もういいわ。.....ねぇ透谷。」
「何でしょうか、お嬢様。」
「これ.....どういうこと?」
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「.....え?それはどういうことですか?」
「私にも分からないわ.....でも、この音ノ木坂学院に黒獅子がいるという事実が公に晒されたの。」
「いずれはバレるとは思ったんですが.....何故教育委員会から退学させろという指示が来るんですか?一条さんは別に学校で何も問題を起こしていないのに.....どうしてですか?」
「それが分からないの.....しかも教育委員会は『直接調査をした上』で問題だという結論を出したと言うのよ。そんな調査なんか一度も来なかったのに.....」
「もしかして.....この学校の裏サイトで何かあったんじゃないですか?」
「裏サイト.....?」
「SNSをあまり使わない子達以外の生徒が沢山入ってる掲示板みたいなものなんです。もしかしたらそこで.....一条さんのことを.....」
「何かしら出来事をでっちあげて伊月くんを追い込む.....そうすれば退学処分きできる。世間は基本的に肩書きに左右されやすいから.....かなり考え込まれているわね。でもどうすれば.....」
「とりあえず様子を見ましょう。それ以外今は何もできません。それにここで下手に動いたら、相手にいいように扱われるだけですよ。」
「そうね.....一体何が起こってるの?」
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週末
『一番可愛い私たちを見ていってください!!』
「ふっ.....凛のやつちゃんと乗り越えられたじゃねぇか.....心配して損したな。」
「あの.....兄貴、少しいいですか?」
「あ?何の用だ?」
「実はさっきネットを漁っていたらこんなことが書かれていまして.....」
「.......!?何だこれは!?俺じゃねぇか。」
「はい.....しかも今回は人じゃない。兄貴たち学生を管理する立場にある組織、教育委員会です。とうとうあいつらも兄貴を標的にしてきましたね。」
「確かに、兄貴を手土産にすればある意味自分たちも立場を示せるし、何より音ノ木坂学院の評価を下げられる.....汚いやり方してるな。」
「調査をした、だと?俺は学校になんか行ってないのに.....ふざげるな!!!!」」
「これデマですよ!!誰だこんな記事を出したバカは!!!」
「いや、これはどうやら教育委員会が出してるみたいだ.....弱ったね、組織という看板がある以上、証拠が無くても事実に仕立て上げることが出来る。でもこんな汚いやり方をするとは.....堕ちたものだね。」
「いや、これは誰かしら関与している。そもそも俺が学校に来ているという情報は学生と教師しか知らない。それに、外で拡散なんてすれば俺に狙われる可能性があるとしてそんな大胆なことはしない。かといって教師がこんなことする可能性も低い ...,」
「なんにせよ調査が必要だね。」
ここから一気にいきます。この小説が面白いかは分かりませんが、とりあえず全力疾走で頑張ります。