黒獅子と9人の女神の物語   作:面心立方格子

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こちらも今日から再開します。100話で終われると思ったんですが意外とかかりそうです。


#80 次なる戦い

日が空いたので少しあらすじ

 

父親が重症を負い、肉体的にも精神的にもダメージが深刻な一条伊月。そんな中次は学生を管理する教育委員会と世間が彼に牙をむく。

 

 

 

 

 

 

μ's side

 

「なんですかこれ!?」

 

「穂乃果たちこんなこと1回も聞いたことないよ!!」

 

「伊月くんの退学.....これいつ決定したん?」

 

「それが分からないのよ。今日来たらこうなってて.....」

 

「でも生徒会にはこんな話1度も来なかったよ。」

 

「先生もこんなこと言ってなかったにゃー。」

 

「だとすると.....生徒がこれを推し進めたということ?」

 

「それはありえないわよ。たかが生徒にそこまで力はないわよ。」

 

「そうね、仮に生徒だけで推し進めたのならば、それを生徒会に報告して先生に通すというのが基本だもの。頭越しにやったとしてもその効力は薄いし説得力もないわ。」

 

「じゃあ誰が.....?」

 

「でもこの事態は異常ね。」

 

「真姫ちゃんそれどういうこと?」

 

「一番下に教育委員会と書いている.....これはつまり公にこの事実が漏れているということでしょ?それに伊月は別に学校で問題を起こしたわけじゃないけど、それでも教育委員会は納得した。つまり何かしらでっち上げられている可能性が高いわ。つまりこれは.....」

 

「仕組まれた退学ということ?」

 

「そう取って当然だと思うわ。」

 

「.....あなたは誰?」

 

「自己紹介が遅れました。私は城善寺冴子、1年生です。」

 

「どうしたの?何かあったのかにゃ?」

 

「いえ.....私も今の事態は把握しきれていないのだけれど、突然どうしてこうなったのか気になるのよ。」

 

「私たちは確かに伊月くんとの接触は多いけど、それで来たの?」

 

「ええ、私もこの事態の解決に協力させて欲しいの。」

 

「.....どういうつもり?」

 

「特に裏は無いわ。ただ事実無根の事でこれだけの騒ぎになってるのがおかしいと感じたからよ。この学校の生徒で彼の味方なのはあなた達くらい.....だから協力して欲しい。この学校の品格を下げたくないの。」

 

「品格を下げる?」

 

「もしこの決定を鵜呑みにして学校が退学の判断を下せばお終い。騒ぎが出来れば必ず深堀りをする人間は現れるし、それでこの騒動がデマによって始まり、それを調べずもせずに決定に従ったと後々バレるようなことになれば.....被害は想像以上よ。何も悪くない生徒を肩書きや他者の根拠が曖昧な判断に任せてその生徒の教育を受ける権利を侵害してしまうことになるのだから。数年は良くても10年後になればもう一度廃校の危機に立たされる可能性がある.....あなた達がせっかく築き上げたものが台無しになるのよ。まぁ、あなた達の1番の懸念事は別でしょうけど.....」

 

「.......」

 

「この事実を受けて彼がどう動くか.....そこでしょ?なら一刻も速く動かなければ本当に手遅れになるわ。」

 

「.......分かったわ。協力しましょう。」

 

「ありがとう。それに私がいた方が発言も信憑性が増すでしょ?脅されて言っている訳では無いって。」

 

「よし!!じゃあ伊月くんの退学を取り消そう!!」

 

『うん!!』

 

 

 

 

 

 

 

「城善寺さん.....少しいいかな?」

 

「あなたは.....一条さん?ここではあれね、屋上で話しましょ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「何を企んでるの?」

 

「何を.....別に何も。」

 

「....ふざけないで!!あなた、城善寺の人間でしょ!?」

 

「そうだけれど.....」

 

「『また』伊月をこうやって追い詰めるの!?そんなに存在が邪魔なの!?」

 

「.....あなたは何を言っているの?私は理解出来ないわ。」

 

「あくまでもとぼけるんだね.....3年前、あんなことをしておきながら。」

 

「3年前?ごめんなさい、何を言っているか分からないわ.....」

 

「あなた達が伊月の血が邪魔だからこうやって排除していって裏で殺すつもりなんでしょ?あの時生き残ったことを後悔させるためにじわじわと.....」

 

「.......だから何を言ってるか分からないわ。言いがかりは程々にして。」

 

「......じゃあ何でμ'sの皆に協力を頼んだの?」

 

「何故.....この学校に於いて彼の退学通知を知らなくて、かつ反対している生徒は彼女たちだけ.....少ないから味方を増やしておきたかった、少しでも生徒たちと戦う為に。私がいくらお金持ちの家に生まれたからって1人で勝てるわけじゃない。それにこの案件に家を持ち込むのは私のプライドが許さない。これは学校にいる人間だけで解決するからこそ意味があるの。金の力で抑制しても意味が無いのよ。」

 

「.....分かった。それは止めない。けど、少しでも伊月に手を出したら.....あなたを許さない。」

 

「もう既に敵意むき出しなのは何故かは分からないけれど....ありがとう。失礼させてもらうわ。」

 

 

 

 

 

「あの子.....本当に3年前のことを知らないのかな......」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊月side

 

「俺は教育委員会に行ってくる。何故かくらいは知っておきたい。」

 

「分かりました、お供いたしましょうか、兄貴?」

 

「別に殴り込みに行くわけじゃねぇんだよ、俺1人で行く。」

 

「うっす、じゃあこっちはこっちで情報収集しておきます。」

 

「ああ、頼んだぞ。」

 

 

 

 

 

 

「おい、何か掴めたか?」

 

「まだっすね。街中の人に聞き込みしてきたんだけど、かなりまずいっす。基本的に賛成派が殆どで、どちらとも言えない奴が少し居ました。つまり、反対派がいないに等しい。あの『調査をした上で』という一言でみんな納得してるみたいっす。」

 

「その調査の内容が曖昧なのによく信用したな......」

 

「なぁ.....これ、裏サイトか?」

 

「音ノ木坂学院掲示板....何だこれ?」

 

「分かんね、ただかなりちゃんとしたセキュリティがあるサイトだ。作ったやつもかなりすげぇな。」

 

「関心してる場合じゃねえだろ。ここに何かあるかもしれないだろ。」

 

「それは僕が開けようか、パスワードとかだろ?」

 

「与助の兄貴、.....お願いしやす。」

 

「うん、任せて.....15分頂戴。」

 

 

 

 

15分後

 

「よし、アクセス完了したよ。すごいなこれ....大量に情報がある。」

 

「どれどれ.....兄貴に体を触られた?トイレを覗かれた.....校舎裏で脅された?写真もねぇのによく書けたな、こいつら。」

 

「一部は画像もあるけど.....これは合成だね、よくこんなので納得させられたね.....」

 

「そうっすね.....与助の兄貴、これなんですか?」

 

「これは.....」

 

 

 

 

黒獅子、スクールアイドルに粘着。彼女たちがお情けで同行を許可していることをいい事にストレッチの際に胸や尻を触り、時にはアイドルにポーズを強要。出来なければ怒鳴りつけ体罰.....これを許しておけるのだろうか。アイドル達は皆迷惑がっていて一刻でも速く離れて欲しいと思っている。

 

 

「これは.....音声ファイル?」

 

「これは.....あぁ、分かったよ。」

 

「どういうことですか?」

 

「これはおそらく.....伊月が学校に入って間もない頃のμ'sの皆の反応を録音しているんだよ。あの頃は皆まだ伊月への警戒があったらきついこととか言ったし、伊月が説得の為にちょっと強引に連れて行ったりしてたしね.....内容はともかくそう取られてもおかしくないものを揃えることで、さも今でもその状態が継続しているかのように見せてリアリティを増したんだ。それにこの音声ファイルはいつ録音したかが表示されない。投稿された日が記録されるからこれを利用していい感じに作ったんだ。へぇ.....中々しょうもないことしてくれるじゃん。」

 

「そういうことか.....じゃあこの動画は合成した物ってことですよね?」

 

「うん、それに警察の中には大森のように伊月のことを邪魔だと思っている連中もいる。これが合成かどうかなんて検査せずに本物だと言ったんだろうね。だから教育委員会の連中も信頼して判決を出した。こんなふざけたことあるんだね.....まぁ逆に今みたいな社会だからありえるのか。」

 

「でもどうしてここまで手の込んだことをするんでしょうか。理解出来ねぇ。.....いや、あっちには城善寺の野郎の娘がいるのか。ここまで作ってプラスで城善寺が認めたとなれば世間は絶対に騙される。」

 

「それに伊月と関わってないくせに勝手に悪人扱いしてるから存在することすら許されないんだろうね。」

 

「じゃあ今すぐこれが合成であることを言いに行きましょうよ!!」

 

「それはダメだ。」

 

「え!?どうしてですか!?」

 

「警察と僕達、どっちの方がまともに扱われる?僕達の場合、最悪なのは元の動画を無理やり分解して合成らしくした、なんて勝手に断定されること。それが一番の問題。」

 

「じゃ、じゃあどうすれば.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「μ'sの人達と連携しよう。内部告発の方が良いし、黒柳を頼れば警察相手でもやってける。」

 

「黒柳!?あの野郎を頼るんですか!?正気じゃないですよ。兄貴のことをボロくそに言ったあの野郎なんざ頼れません!!」

 

「僕だって嫌だ。だけど.....そうしないといけないし、そうするしかないんだ。μ'sなら多分力を貸すはずだ。我慢するしかない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

(僕達は可能な限り動く。後はあの子たちがどうするか.....頼むから飲み込まれないでくれよ。)




この学校編では基本的に伊月くんの登場回数は少なくなります。

それはさておき、イベント新しくなりましたね。多分イベントpt報酬にするとURを回収しきれる人が少なくて苦情とか出たんですかね。こうすることでビンズ集めるだけで交換出来ますし.....ベストボルテージが未だよく分かりませんが。

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