「兄貴、復学はいつからするんですか?」
「ん?まぁ事態もある程度落ち着いたしこの状況じゃ大森も城善寺家も下手には動けないからな.....束の間の平和な学生生活でもするか。」
「じゃあその間、見回りは俺らに任せてください。もし何かあったら兄貴に頼りやすが....それ以外は俺らでやります。兄貴も未成年ですし、少しは普通の高校生らしい生活をしてください。兄貴も休暇取らないと労基に引っかかりますよ!!」
「おいおい、俺は雇われてねぇぞ。でも、そうだな.....じゃあお前らのご好意に甘えるか。黒柳とは会いたくないんだけどな.....俺の為に動いてくれたあいつらにも礼を言わなきゃいけないからな.....」
「聞くところだと黒柳はこの一件の後処理をしているから暫くは伊月とは会わないと思うよ。」
「そうか.....じゃあ行ってくるよ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「でもハロウィーンイベントってどうしよう.....?」
「学校のこともあるしかなり緊張するにゃあ....」
「そうね、こんな事があったんだからとてもインパクトが無いとダメね。」
「インパクト.....それだよ、これからはインパクトが大事だよ!!」
「といっても何をするのですか....?」
「うーん.....そういえばμ'sってこれっていう特徴って無いですね.....」
「特徴がない?にこっちを筆頭に変わってる子ばっかやと思うんやけど.....」
「ちょっと、なんでにこが変人筆頭なのよ!?」
「まあまあ落ち着いて.....」
「部活系、とかはどうかな!?」
「うーん.....学校のことであれだから学校系からは離れた方がいいかもしれません.....」
「それに衣装も限られちゃうし、ハロウィーンにしては少し地味かな....」
「地味.....だったらこれはどうかな!?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「久々の学校か.....本当に濃い数ヶ月だな....」
あいつらの行動は正直驚いた.....俺を庇う為に世間やマスコミを敵に回した....普通なら学校が止めると思っていたが、あいつらはやった。個人的にはそんなことして欲しくはなかったが結果的に俺のイメージは少し拭われた.....俺が守る側だったのにいつの間にか守られた.....なんか複雑だな。あれだけ人を信じていない俺がここまで人を無意識に信じている.....いや、まだ完全に信じれるわけじゃないんだが、少なくともあいつらの言動は嘘じゃない.....初めてだよ。
「さて、人も少ないし静か...,え?」
「あ、伊月くん!!久しぶり!!」
「.....お前ら、その服装、何でデスメタル.....かは知らないがロックバンドでたまにいそうな衣装着てるんだ........」
「ハロウィーンのテーマを考えてたらインパクトが大事ってなって.....」
「いや、お前らはアイドルだよな?それはさすがにない.....と思うぞ。というかなんでお前らまでやってるんだよ!!那月、城善寺!!」
「いやー、本当に楽しそうだったからさー.、やっちゃった♪」
「私は半ば強制的よ.....なんでこんな格好を.....」
「取り敢えず普段のに戻ってくれ。話は聞くから。」
「インパクト、かぁ。」
「そうなんです。私たちってよくよく考えればこれといった特徴が無いなってなって.....」
「何も無い?個性的過ぎると思うぞ。少なくともマスコミと警察と教育委員会を敵に回すスクールアイドルなんていないからな.....」
「あれは伊月の潔白を示すのに必死でしたから....」
「でも、なんかちょっと楽しかったよね♪」
「ことりちゃんすごいねー。穂乃果は緊張して死ぬかと思ったよ.....」
「私も壇上に立つのは慣れていたけれど聴衆のレベルが違うかったから緊張したわ.....」
「まぁそれはともかく、インパクト、か。普通の仮装じゃダメなのか。」
「それだと他のグループに飲み込まれるのよ。」
「難しいこと言うなぁ.....じゃあ俺らを使うか?インパクトが異常なまでに大きいぞ。」
「それだとステージどころじゃないわよ!!」
「そうやね.....面白そうやけど人数多いしお客さん怖がるかも......」
「ジョークだよ。さすがにそんなことにあいつらに動いてもらわないよ。」
「じゃあ1日考えて明日改めて案を出し合いましょ?」
「それもそうだね....」
「じゃあ解散!!伊月、私お父さんの様子見ていくから先に帰ってて!!」
「ああ.....よろしく頼む。俺は理事長室に行ってくる。」
「うん、じゃあ門で待ってるから終わったら来てね!!」
「待たせて悪いな.....別に先に帰ってもらっていいからな。」
「え!?久々に会ったんだから何か話そうよー!!」
「.......分かった、じゃあ行ってくる。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
理事長室
「失礼します.....今回は何かとご迷惑をかけました、すみませんでした。」
「いつにもなく丁寧ね.....気にする必要ないわよ。伊月くんは無罪を主張しただけなんだし、私たちの問題を解決しただけよ。ところで....先輩の調子はどうなの?」
「那月の連絡によれば容態は回復していてなんとか助かることが確定したみたいです......でも、仮に目覚めても義父には顔向けられませんよ。」
「それは後ろめたさがあるから?」
「まぁ、俺を庇ったから撃たれた訳で....俺が相手の安い挑発に乗ったからそのせいで,.....それに俺のことで皆を巻き込んじまった.....」
「今はどう言っても仕方ないわ。先輩も生存することが決まったんだからピシッとしないとショックを受けるわよ。」
「それもそうっすね.......」
「それに今くらいは学生らしく生活しなさい。少しの間はあちらも大人しいだろうし.....」
「断定は無理ですけどまぁそのつもりです。ありがとうごさいます。居場所を残してくれて.....」
「何を改まって.....別にいいのよ。じゃあ気をつけて帰るのよ。」
「はい、失礼しました。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「悪いな、話が長引いた。」
「あなたも大変ね。」
「でもこうやって12人で帰るのは初めてかな.....?」
「そりゃ部外者が3人いるし、その内1人はかなりの嫌われようだからな。」
「でもかなりの大御所帯だよね!!」
「私もこんな風に帰れるとは思ってなかったわ。」
「それじゃあ、ヒント探しもしつつ寄り道しない!?」
「ヒント?さっきのハロウィーンイベントのことか?」
「そうね、外に出れば意外と案が見つかるかもしれないわね。」
「.....言っておくけど私は奢ったりはしないわよ。割り勘なら出すけれど.....」
「誰もお前を財布代わりにはしないだろ。金持ちからしたらこういうのは珍しいんじゃないか?」
「そうね、お金持ちだと人付き合いも環境も全部用意されるから、こうやって世間でいう普通の女子高校生のようなことをすることも無かったし新鮮ね。」
「そうかよ.....なぁ那月、無言で肩を掴まないでくれるか?以前に増して力が増してるの分かるが、弟の肩で発揮しないでくれ。」
「発揮してほしくないなら理由を考えてね、伊月。」
「まじかよ.....これは家帰ってもしんどいな.....」
音ノ木坂の生徒を無能化しすぎたような.....まずいですね。スノハレ回知ってる人はこれの意味がわかると思います.....