投稿遅れてすみませんでした…
翌朝
ピロン♪
「ん?メール?」
音ノ木坂学院1年生へ
もうすぐ学校の伝統行事(この作品に限る)の音楽祭があります。1年生は謹慎中ではありますがそれぞれ課題曲と自由曲の練習をしておいて下さい。
「音楽祭.....?何だそれ?」
「絵里ちゃん達から何も聞いてないの?」
「ああ、色々あってそういうことを知る暇が無かったからな。那月、この音楽祭って何だ?」
「私も知らないよ.....なんだろうね。」
「とりあえず聞いてみるか.....」
「どうしたの、一条くん....?」
「なぁ花陽、この音楽祭って何だ?」
「音楽祭.....あっ、一条くんはいなかったね。音楽祭というのは音ノ木坂学院で伝統行事として続いていて名前に音が付いているという単調的な理由から始まったのですが、これが音楽に触れる少ない機会ということでずっと続いていて、毎年、1年生がやるんです。ただ少し問題があって.....」
「問題?」
「はい、まずピアノを弾ける人が真姫ちゃん以外いないんです。課題曲と自由曲で指揮者と伴奏を変えるのがルールらしくて、結構困っているんですよ。真姫ちゃんは『伊月に任せたら?』って言ったんですけど皆乗り気じゃなくて.....」
「まぁそりゃそうだろうな。」
「一条くんってピアノ弾けるんですか?」
「弾けるよ。1番最後に弾いたのがかなり前(学校入ってすぐ)になるから多少は練習が必要だけど.....それで、その曲って何なんだ?」
「えっとですね.....『大河のように』と『心の瞳』とあと一つは.....まだ揉めているんです。」
「大河のように?結構古くないか?それに揉めてるってどういうことだ?」
「揉めてるというのは.....残りの1枠なんです。先生方は『群青』をやって欲しくて、私たち生徒側は『地球星歌』を歌いたいということで.....揉めてるんです。」
「どっちでもいいじゃねぇか.....でも3曲って伴奏者が今2人しかいないのに大丈夫なのか?それに今あげた曲って基本的に三部合唱じゃねえか。」
「そこら辺は少し変えるみたいなんですが.....あくまで課題曲と自由曲は分けろということで、自由曲は変えなくてもいいとはなっているんです.....」
「じゃあ.....真姫と話して決めるか。ありがとう、花陽。」
「いえいえ....そういえば一条くん、イベントの仮装、何か思いついた?」
「ん?別に普通に西洋のモンスターとかかぼちゃとかの仮装でいいんじゃないか?というかμ'sは濃いキャラの集まりだから特に背伸びしてやる必要はないだろ.....」
「あはは.....でもそうかな。私も特に思いつかなかったんだ。今のままでいいなって。それと一条くん.....3年生の事なんだけどさ。」
「卒業のことか?」
「いえ、その後のμ'sなんですが.....一条くんはどうなると思う?」
「さあな.....それで揉めると思うし多分意見もバラバラになるだろうけど.....俺は終わるべきだと思う。」
「.....やっぱりそうなんだね。」
「ただ3年生が続けて欲しいという結論を出したら.....その時は続くかもしれないけどな。」
「うん.....ごめんね、こんな話して。」
「いや、気にするな。またその事は集まって話そうぜ。」
「うん、じゃあ切るね。」
「ああ、朝早く電話して悪かったな。」
「音楽祭か.....他の奴らが俺のことを認めるかどうかだな.....伝統なら女子だけでやるのが暗黙の了解とかになってそうだし。」
「そこは先生と話さないとね。ねぇ伊月....私と組手してくれない?これでも修行して強くなったんだ!!」
「.......分かったよ。少しだけな。」
10分後
「痛い痛い!!伊月、ギブ!!」
「はぁ....動きはだいぶ無駄が無くなって良くなってるけど、動きと動きの猶予が長い。隙を見せたら突かれるぞ。」
「でも、私も強くなったでしょ!?」
「ああ、前に比べて格段にな。.....ん?私も?」
「あれ?伊月は絵里ちゃん達と組手とかしてないの?」
「.....は?あいつらまさか.....」
「うん、少し前にね、伊月にいつまでも守られるのは嫌だからって皆護身術なり体術なり教えて貰ってるんだよ。」
「まじかよ.....あいつらには俺ら側には入ってきて欲しくないんだけどな.....」
「でも最低限自分の身を守れるくらいはいいでしょ?」
「.........それならいいか。だけどお前たちから俺ら側に入ってくるなよ。本当に命を危険を晒す羽目になるからな。」
「うん!!伊月も優しくなったよね.....」
「優しくなったんじゃねぇよ。お前らが強くなっただけだ.....じゃあ学校行ってこい。俺はまだ謹慎だから。」
「それもそうだね、じゃあ、行ってくるね!!」
「いってらっしゃい。」
ピロピロ
「もしもし、何かあったのか?」
「伊月、わいの店に来てくれるか、色々話さなきゃあかんことがあるわ。」
「ああ.....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
取引店
「それで、話って何だ?」
「さっき入ってきた情報でな、まだ確証が無いから分からんけど.....『あれ』に適応した人間が白鴉以外にもおるらしいんや。まだ1人だけらしいけど。」
「嘘だろ.....?一体どうやって?」
「わいも、そこまでは分からん。けど、気をつけろよ伊月。適応しているということは考える頭があるっちゅうことや。白鴉以外にもいるとなると.....本格的に危なくなるで。1人ならともかく2人となればこっちは敵わん。」
「それくらい分かってる.....くそ、透谷がいれば。」
「あいつは敵やろ。その考えは無理や。」
「そうだな.....それで、話はそれだけか?」
「これは相当面倒なことや.....大森の野郎が何かしら動いているらしい。」
「あいつか.....だがあいつが動くのは大して問題は無いだろ?なんで焦ってるんだ?」
「それがな.....何かしら予知したか知らんけど別働隊のようなものを組織してるんや。別にテロや爆破事件があるわけでもないのに何故か準備しているんや。なんか思うところあるか?」
「さあな.....不可解だ。俺たちを取り押さえるつもりか.....それとも裏で指示されてその証拠隠滅をする為か。そのどっちかだと思う。」
「後者の可能性は高いやろうな.....だがもし全面戦争することになるなら今度は無傷では済まされへんで、伊月。」
「1番被害を食らうのは俺じゃない。俺の部下だ。あいつらはちゃんと社会復帰を願って俺と一緒にいてくれるんだ。そんなことになってみろ、経歴に傷ついて誰も雇ってくれなくなるぞ。」
「前々から気になっててんけど、伊月と一緒にいてどうして社会復帰できるんや?」
「それか、あいつらは検挙される前の奴らなんだ。だから世間じゃまだ潔白だ。だけど麻薬に染まった奴やお金絡みで自分だけじゃどうしようもない.....色々手を汚しちまった奴らでさ、あいつらは基本的に家族とか恋人とか.....そういうところに手を出した奴らが殆ど。でもやり直す覚悟はある、そして何より過去の罪を背負って生きることを決めた奴らなんだ。そういう時は俺も含めて謝罪しに行くんだ。そして俺の元で更生することを条件に裁判を取り消して貰ってるんだ。ある意味俺は警察より恐れられてるし実際に未成年で煙草とか酒飲んでるやつとか、周りに害悪行為をするやつを抑えたりとしてるからな.....それに刑罰を受けるから自分が悪いとは考えて欲しくないんだ。どうしても人間というのはそう考えるんだよ。あれだ、子供の善し悪しの基準っていうのが親の説教とか教育に似るのと同じだ。」
「伊月、お前まだ15やろ?」
「ああ。人生経験豊富な15歳だよ。」
「それでよくここまでやるなぁ.....そりゃあ週刊誌が好むわけや。」
「ああ.....その分色々失ってるけどな。」
「.....でも気をつけろよ。それは簡単に言えば犯罪者を庇うと見られてもおかしくない。そこを突かれた時の事は大丈夫なんか?」
「普段は黒柳に処理してもらってる。」
「あいつも中々のワルやなぁ.....」
「話が以上なら帰るぞ。」
「ああ、伊月、くれぐれも気を抜くなよ.....μ'sの皆も巻き込まれる可能性はある。」
「ああ、守るさ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後ろから気配.....誰だ?もう少し引きつけるか....
「.....誰だよ!?」
「きゃっ!!」
「.....え?」
今回出した合唱曲ですが、僕は『大河のように』を除いて全て歌ったことがあります。(『大河のように』は小学生の時に見させられたやつを覚えていました。)