東方逢魔暦   作:Orb

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68歳の恋とか難しすぎて書けるか不安なんですけど()


魔王、二度目の恋…?

「巫女様だ!」

「ありがたや…ありがたや…」

「おかげさまで里も安泰じゃ…」

 

 

人里に入ってから聞こえてくる声は、大半がそんなものだった。

幻想郷を守る使命を持っている博麗の巫女、そしてそんな使命を全うしている霊夢は、里から大変人気があるようなのだが…。

 

「はぁぁぁぁ…」

 

当の本人は、誰からも見えないようにため息を吐いている。

 

「嬉しくないのか? 慕われているじゃないか」

「嬉しくないわけじゃないのよ…ただ、こういうのってやっぱ愛想振り撒かないといけないじゃない? それがめんどくさくて堪らないの…」

 

……霊夢もそんなことを気にする奴だったんだな。

 

「別に、ありのままの自分を見せればいいのではないか?」

「…………」

 

霊夢にジト目で睨まれてしまった。

お前のありのままは一体どうなっているんだ……。

 

 

 

「おや、霊夢じゃないか。 珍しいな」

 

里を歩いて10分ほど経った所で背後から声をかけられた。霊夢の知り合いだろうか?

 

「げっ…慧音…」

 

…どうやら、会いたくない人物だったようだ。

霊夢の後に続き俺も振り向き、その人物を確認する。

 

正直、言葉を失った。

彼女…慧音という名の女性は、美を体現したかのような女性だったからだ。

 

「相変わらず元気そうで何よりだ。 ……して、そちらの殿方は?」

 

霊夢の態度に苦笑しながらも当たり前のように接し、目線をこちらへ向けてくる。

 

「あ、あぁ…俺は昨日から神社で世話になっている逢魔という。 慧音…でいいのか?」

「あぁ、合っている。 私は上白沢 慧音。この人里で寺子屋の教師をしている者だ。よろしく頼む」

 

その美しさ故に同様してしまった俺を気にすることもなく、彼女は笑顔で手を差し伸べ、握手をしてくれた。

……この感覚、まさかとは思うが…。

 

「フン!」

「ぐぅっ!?」

 

握手を終え、手を戻した所で霊夢に思いきり足を踏まれた。

 

「デレデレしてんじゃないわよ…気持ち悪い」

 

小声で霊夢にそう言われるが、正直耳に入ってこなかった。

慧音その様子を見て笑みを浮かべる。

 

「ふふっ、二人は仲が良いんだな」

「はっ…はぁ!? どこが!?」

 

慧音の言葉に、今度は霊夢が動揺する。

客観的に見て、今の俺たちは仲が良いように見えたのだろうか。

 

「だって、同棲するくらい仲が良いということではないのか?」

 

その言葉で、霊夢の動きはピタリと止まった。

 

「………どう、せい…どうせ、い……」

 

同棲、という単語を不規則に口にしながら、霊夢の肩がピクピクと揺れる。

…確かに、同棲と言われると間違ってはいない。

問題はそれを霊夢がどう捉えるか、だが。

 

 

 

「べ、べべっ……別に同棲じゃないしーー!!!」

 

 

 

そんな言葉を叫びながら、霊夢は走り去ってしまった。

不味いな、流石に迷子にはなりたくないのだが…。

 

「…逢魔、と言ったな」

 

霊夢の後を追いかけようとした俺を慧音が呼び止める。

 

「あ、あぁ…」

「……そうか。 君は中々いい男だな。是非とも、霊夢の事をよろしく頼む」

 

そう言って、慧音は頭を下げた。

……何やら若干勘違いされてそうだが、どういうことだろうか。

 

「…霊夢はな、あの立場故、本当の意味で心を許せる相手が少ないんだ。 だから、君のような男性と仲良くしてる姿を見て私は嬉しくなったよ。なんたって彼女が赤ん坊の頃から知ってるからな」

 

なるほど、一人の親目線で彼女に接してるわけか。

………うん? それを言ったら、慧音は一体おいくつ──なんて考えていると、突然両肩を掴まれ、顔を近づけられた。

 

「だから、これからも霊夢の事をよろしく頼む!」

「………わ、分かった」

「…もし何かあったら、寺子屋に来てくれ。 なんでも相談に乗る」

「う、うむ…」

「……あと、それから──」

 

なんだか長くなりそうだなと思い始めた辺りで、耳に激痛が走る。

霊夢が思いっきり引っ張りながら俺を引きずる形で歩いているのだ。

霊夢は無言で、俺の声など聞こえていない様子でただただ歩いていく。

 

それを慧音は、微笑みながら見送っていたのだ。

 

 

 

「…やはり、仲が良いな。あの二人は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、仲が良いと言われた俺と霊夢は里を出るまで会話もなく、淡々と買い物を済ませた。

魔王である俺がここまで居心地が悪くなるとは……女とはやはり、不思議なものだ。




幻想郷は美女の集まりですが、純粋な美女と言ったらネタ抜きで「咲夜」とか「慧音」とか大人な女性って感じですよねぇ
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