戦姫絶唱シンフォギア MP   作:ROGOSS

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筆者はアニメ知識しかありません。
より作品の精度を上げるために評価や感想をお待ちしております。


敵の足音は軽やかに (1)

「シンフォギア装者達は現場に急行せよッ!」

『了解ッ!』

 

 ヘリから降下する装者達を見る。

 

「来た来た。獲物がやって来やがった」

「飛んで火に入る夏の虫とはまさにこのことですね」

「で、でも……負けたら死んじゃうよ」

「問題ない。私達は絶対に負けることはない。この体に宿る力に敗北など存在しないッ!」

 

 仲間の声を聞き力がわき上がる。

 負けるわけがないのだ。この戦場において間違いなく最強の存在は私だ。だから私が負けるはずがない。私が負けてしまえば全員に迷惑がかかる。そんなことあってはならない。

 

Killter Ichaival tron(キリター イチイヴァル トロン)~♪」

 

 曇天の空に響き渡る歌声が聞こえる。

 光る体躯のまましなやかに着地する少女の姿が見える。

 雪音クリス(ゆきね)は両手に抱えるガトリングを私に向けた。

 

「思ったより早いじゃねえか、シンフォギアッ!」

「あったりまえだろ! そんだけじゃんじゃか聖遺物の反応を垂れ流しておいて見つからないとでも思ったのか」

「悪いことをさせないために私達は来たの!」

 

 クリスの後ろから現れたガングニールを纏った装者。立花 響(たちばな ひびき)もここにいるとなればさらに警戒をしなければいけない。彼女は錬金術師であり奇跡を恨んでいたキャロル・マールス・ディーンハイムとの戦いを経て、さらなる覚醒をしたという情報を掴んでいる。余計な戦闘経験を与えれば、より大きな力と変換して立ち向かってくるだろう。ならば一刻も早くこの場から退場させるしかない。

 響も拳を構える。装者達はいつでも戦闘に入れるような状態だ。

 対して私は未だに何も纏っていない。

 これではあまりにも失礼だ。

 全力には全力でお礼をするのが人の心を持つ者の礼儀だと心得ている。

 

「謳いなどしない。ただオレは目の前のクソを取り除くだけだッ!」

「全部撃墜しやがった!」

「この程度かシンフォギアッ!」

「なめやがってぇ!」

 

 クリスが巨大なミサイルの発射準備をする。

 ただ発射するだけではなく搦め手でくることは容易に想像できる。

 

「その程度かと言っているッ!」

 

 私は高く飛んだ。

 

「貫け」

 

 私のひとことに続くように背後の空間が歪み無数の刃が姿を現した。

 

「力比べだ、クソ共ッ!」

「上等じゃねぇか!」

 

 飛び立つ刃とミサイルがぶつかり合う。

 爆炎と轟音があがり、辺り一帯に巨大な衝撃波の雨を降らせる。

 土煙が晴れ始める。そこには以前として3人の姿がある。しかし、クリスは肩で息をしている。彼女の立っている場所には数十本の刃が突き刺さっている。クリスにも命中しているらしく、彼女の頬から鮮血がしたたり落ちていた。

 私は笑みを浮かべる。

 しょせんはこの程度でしかない。

 

「どうした? もう終わりか? お前達の慟哭は塗るいんだよッ!」

 

 私は剣を握りクリスへと斬りかかった。それを邪魔するように響の拳が剣を押し返す。

 

「クリスちゃんのところへは行かせないッ!」

「言葉だけは立派だ。だが行動は未熟未熟ッ!」

 

 音速に匹敵する斬撃の連続。最初こそ必死に食らいついていた響であるが、徐々に彼女は後ずさっていく。力負けしているのは一目瞭然だった。

 

「前に進むだけの猪には勝機はないんだよ!」

「くっ……眩しい……」

 

 一瞬の閃光が響に襲いかかる。繰り出す拳の軌道が僅かにズレる。

 その隙を見逃すほど私は甘くはない。鋭い一撃が彼女の腹部へとヒットする。悲鳴を上げながら響は後方にま吹き飛ばされた。

 私は零れる笑顔を抑えきれないまま、剣を空で一振りしてクリスと響へ向ける。

 満身創痍とはまさにこのことだった。彼女たちに戦う気力が残っているとしても体が付いてくることはない。

 

「マスクが……!」

 

 私はそこでようやく気がついた。私がどれだけ楽しそうにしていても、顔に張り付くマスクが邪魔をして彼女たちに表情を見せることが出来ない。

 耳の端から端まで大きく口が描かれ、黒と白で半分ずつ塗り分けられているマスク。危険極まりない私の性格を表現している実に見事なまでの一品だ。

 

「さて……とどめはどうやってさすかな」

 

 剣に炎をまとわせながら私は一歩ずつ彼女たちへと近づいて行く。

 

「ざけんな!」

 

 クリスが儚くも銃撃を繰り出すが、今更その程度の攻撃で止まるほど私の歩みは軽くない。

 いよいよ間合いに入り彼女の首を切り落とそうとした時だった。

 

『もう充分にデータは取れました。それ以上の戦闘は私達にとって有益になりません。撤退してください』

「おいおい、なんでだ! ここでこいつらを殺せばこれから先はだいぶ楽できるんだぞ」

『忘れないでください。私達の目的を』

「チッ。いつも不完全燃焼なのはオレだ。わかったよ、わかったさ。言うとおりにするよドライ」

 

 私は舌打ちをしながら歩みを止めた。

 

「命拾いしたなクソども。まぁ、後々にまた殺し合おうじゃないか。それまでにもっと強くなるんだな」

 

 私はテレポートジェムを地面に落とす。真っ赤な陣が展開する。

 

「次こそはその首をもらい受ける」

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