「さぁ、やるぞ、始めるぞ。ここから私達が道を切り開く」
『そんなに意気込まなくてもわかってるってアイン』
『ドライ、貴方はもう少し態度からやる気を出しなさい』
『大丈夫だって。シンフォギアは直ぐに倒せるって』
「ツヴァイ、もういい。ドライだってよくわかっているはずだ。私達の絆、束ね、駆け抜けるぞ」
輸送ヘリが上空に現れる。しばらくすると誰かが降下してきた。着地の瞬間に閃光が走り、目の前にはギアを纏った少女達がいた。
アインは固唾を呑んだ。ここで負けるわけには絶対にいかない。同時に勝つわけにもいかない。ここでの役目はシンフォギア達を引き付けることのみ。それ以上のことは任されていない。
「待っていたぞ、シンフォギア」
「アインさん……ですよね?」
「名前くらいは調べがついているか。そうだ、私の名前はアイン。名に意味などない、ただの記号だ」
「アインさん……もうやめましょう。こんな事はやめましょうよ! 沙優ちゃんだって望んでいませんから」
何を言われているのか理解が追いつかない。
ガングニールを纏った少女……立花響は何を言っている? ここで何故、沙優の名前が出てくる。恨みや覚悟の言葉が私には投げかけられるはずだろう。
「お前達が何を考えているかは知らねぇが、沙優の奴はお前達とアタシ達が戦うことを望んじゃいねぇんだよ」
「……」
「だからアインさんやめましょうよ! 今ならまだ戻れますッ!」
「戻る場所などない。私達は退路を断ち、未来に生きることを誓った。沙優に理解されずとも私達は納得している未来のために……シンフォギア、お前達をここで倒すッ!」
「アインさん!」
「お終いだバカ。話してもわからないなら、力でねじ伏せるしかない」
「クリスちゃん……!」
「雪音クリス、お前と沙優の交流見させてもらったぞ。お前には世話になったな。だがしかし、今からの戦いに過去は必要ないッ!」
アインがトライデントを構える。同時にクリスは両手にガトリングを出した。
さぁ始めよう。私が一番恩返しをしたい彼女を守るための戦いを今、ここで……!
トライデントが突かれる。空間を裂きながら衝撃波がシンフォギア達を襲った。二人が散開すると同時にクリスが腰部の小型追従ミサイルを放つ。
『CUT IN CUT OUT』
アインは上空へと高く飛ぶと突然きりもみ回転のように上下反転するとトライデントを自身の前で回転させながら、ミサイル群に突っ込んでいった。小型ミサイルは全て叩き落とされる。しかし、アインの着地と同時に彼女の背に響が回り込んでいた。
「言葉でわかりあえないことなんか絶対にない! でも言葉で納得できないなら……私と沙優ちゃんの思いを届けるために私は拳を振るう!」
「……ッ!」
響の拳がアインへと振るわれる。アインは着地と同時攻撃の響の拳を躱すことはできない。モロの一撃を受け、アインは吹っ飛ばされる……そう思われた。
「え……?」
突然の出来事だった。
アインの体が液体へと変化すると響の右手にまとわりついた。徐々にまとわりついた液体が急激に冷やされ、氷へと形状を変えていく。振りほどこうと右手を乱暴に振るが、まったく落ちる気配はない。
『
アインの言葉に呼応するように響の右手の氷が爆発を起こす。氷の礫が槍のように辺り一面に降り注ぎ、響を助けようと走っていたクリスにも直撃した。
水蒸気が立ち上る。風に流され、彼女達の姿を捉える。たった一撃でボロボロになっている二人がそこにはいた。対してアインは拳が直撃する瞬間に使った錬金術のおかげでダメージを受けることはなかった。
空気中の水素を分解し、再構築した錬金術。アインにとっては朝飯まえのことだ。
「拳であろうが銃弾であろうが私の胸には届かない、響かない! その音色はどこまでいっても雑音でしかない! ならすならば私達の勝利の凱歌とせよッ! この戦いに本気になれッ!」
「アインさん……」
「立花響、貴様はなぜ戦う? 沙優のためか? それとも己のエゴのためか?」
「違うッ! 私が戦うのは……私が背負っている60億の絆のためだッ! そしてその中にはアインさん達もいるんだ!」
「無意味無価値。はなから人間などではない。私は……私達は人間を自らを定義づけたことなどない。絶望が生み出した