きっと俺という存在はこの地に災厄を呼ぶ。それでもいいのか?
少年は金髪の女性に尋ねた。
それでもいいのですわ。
女は笑う。そんなことが起きても彼女がどうにかするからと。
…信頼されているんだな…博麗の巫女というのは
少年もつられて笑う。
これはまだ『綺堂フォルス』がまだ『綺堂■■』であった頃の、妖怪の賢者との会話だ。
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「…………きて…………きて~…起きて~」
まどろみの中、フォルスの意識に響く声。
「んン…まだ少し…」
「そういって30分前にも寝ましたよね…」
フォルスとて、お布団には勝てない。
「む~。なら強制的に起こします!」
「え、ちょ」
フシャー!と少女が声を出しながらフォルスの顔をひっかく。
「いっっっっっっっったあああああああああああああ!?」
「だから起きればいいんですよ?」
「お前なぁ。さすがにイテェよ、
少女-橙はジト目でフォルスを見る。
「だったらその二度寝の癖を直してください!」
「ぐうの音も出ねぇ…まぁいいや、おはよう」
「はい!おはようございます!」
元気に挨拶をする橙。
「朝食食べたら…そうだな、暇だし遊ぶか?」
「本当ですか!」
橙の目がキラキラとする。なんだかその様子がほほえましく感じて思わずフォルスは頭を撫でた。
「にゃ~」
「猫みたいでかわいいなぁ」
あごの下辺りも撫でる。橙のしっぽが地味にフォルスの足に巻き付いているのも仕方ない、橙にとってフォルスに撫でられるのは心地よいのだ。
朝食後、フォルスと橙は用事がてら、寺小屋に来ていた。
「友達誘って来いよ?俺は紫さんから頼まれた招待状を慧音先生に渡してくるから」
招待状の入った便箋をひらひらさせながら橙に言う。
「わかりました!」
敬礼しながら走って去る橙を見送り、フォルスは寺小屋の教員室に向かう。
「おっ、説じゃん。今日はここでバイトか」
「あ、フォルスさん。今日は備品を届けに来ただけで別のところです」
「問屋のバイトか。つかいつも言ってるけど別にタメ口でいいぞ?年齢的にはそんなに変わらないだろうし」
説の年齢は18歳。フォルスの年齢は19歳。そこまで変わらないためタメ口でも問題はない。しかし、そういうしゃべり方をしていたせいか大抵の人や妖怪に対しては敬語で接してしまうようだ。
「そういえば、フォルスさんは何の用で?」
「俺は、ほら明後日に春の宴があるだろ?それの招待状を慧音先生に渡しにな。お前も参加するんだろ?熊公も料理するらしいぞ」
「デジマ!?久万さんの料理ってうまいんすよねぇ」
みんな一回は久万の料理を食べたことがあるが本人は特別な時くらいにしか作らないのでみんな楽しみなのだ。
「ま、楽しみにしとけ」
慧音に招待状を渡してから橙の友人(チルノやルーミアなど)と遊び、帰った後
「で、今回は妨害はありそうなのか?」
紫とフォルスは深夜に遊戯王をしながら話し込んでいた。
「残念ながら、ね。スリーバーストショット・ドラゴンで攻撃。その伏せカードにするわ」
「はぁ、面倒な…。あ、リバース。エルガウストの効果、攻撃力0な。」
重要な話だが毎回のことなので仕方ない。それに、フォルスの能力はすさまじいためそんな楽観視をしても問題ない。
「どうせいつもどうり『待遇改善を!』って言うんでしょうね…。トラップ、ゼロデイでスリバ破壊。エルガウストとサブテラーマリスの妖魔、シャンバラ破壊ね」
「どこの世界にもいるよな、そういうやつ。星遺物の傀儡でアルラボーンリバース。シャンバラ以外破壊無効。つかスリバの効果で無効化すれば…」
「あっ」
「あるあるだよな…。あ、星鎧を効果で特殊召喚」
「くぅっ…。まぁ生物である以上誰かより上になりたいと思うのは普通でしょうけど。ターンエンド」
「何だっけ。幸福とは目の先のニンジンのようなものである、だっけ?そんな奴らの言うこと全部聞いてたらシステムが破綻するから聞く必要があるか判断しなきゃいけないんだろ?お疲れ様。ドロー。星遺物に差す影発動。サブテラーの妖魔召喚。効果でエルガウストを裏側に。墓地からリグリアード、裏で。傀儡でリグリアードリバース」
「えげつないんだけど…」
そういうデッキだから仕方ない
「ゲートウェイ除外」
「サレンダーで…」
ゆかりんはヴァレットデッキだったがさすがに今回は回ったフォルスの勝ちであった。
「明後日、いやもう明日の準備するために寝るわ…おやすみ」
「ええ、おやすみ」
かなりの文字数を遊戯王に使った…
ごめんなさい