あ、書き方だいぶ変えました
こんな不良品は、いらないよ
-それはてめえの都合だろ?
ご主人様に逆らうようなホムンクルスは失敗作だ
-てめえが勝手に決めるな、俺の価値を
こんなものなら殺すべきだ
-ああそうかい、なら殺されても文句はねえだろ?
馬鹿な!?こんな強くした覚えは
-それは俺が力を求めたからだ。俺が強くなろうとてめえらが居ない隙に鍛えたんだ
貴様!絶対殺す!絶対にだ!『物』が持ち主に逆らってはいけないんだ!
-ハンッ。『俺』が『物』だって?『物』に意志は、自我は宿らねえよ。宿るとしたらそれは、『化け物』か『人』しかないんだ
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「夢、か」
フォルスは朝日によって目覚めた。寝起きには少々眩しすぎるが目は冴えた。
「久しぶりに、見たな。いまだに気がかりなんかねえ?もう3年経ったんだがあいつらは来てないからもう来ないだろうに」
階段を下りながら朝食を取りに行く。起きてからほとんど夢の内容しか考えてなかっただろう。フォルスの顔面に柔らかい感触と甘いが落ち着くにおいが広がった。
「ぬお」
「む?フォルスか。どうした?甘えたくなったか?いつでも胸でもしっぽでも貸してやるぞ」
フォルスの目の前には藍色の前掛けのついた導師服を着た金色の髪と尻尾を持った狐人のような絶世の美女といってもいい女性がいた。
彼女の名前は「
「いや、いい。すまん、考え事してた。変な夢というか気になる夢を見てな」
「むう、そうか」
少し、いや、かなり残念そうにフォルスを見つめる藍。
「今日は宴だろ?そっちの準備はどうだ?」
露骨に話題をそらしたフォルスであったが、確かに気になるところであった。
「それに関しては問題ない。様々なところから料理のために人を雇ったし、警備はお前がいるから大丈夫だろう。いざとなったら宴の参加者も出るだろうしな」
「そうか、それはよかった。3年前は悲惨だったからな」
わずかながら苦笑する二人。3年前の宴ではいろいろあったのだ。秩父、もとい一部の妖怪が幻想郷を支配しようと大挙して襲い掛かったりそれに反撃した結果死者が出たり。事後処理が大変だったのだ。
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「それでは皆様‼コップをもって!」
「「「カンパーイ!!!!!!!」」」
白玉楼にて宴が始まった。参加者はいろんなところからきているため毎年100名を超える。中には異変を起こして退治された者もいるし退治したものもいる。ここは幻想郷。どんな奴でもある程度の許容範囲を越えなければ受け入れる、とても懐が広い残酷な場所なのだ。
「いやあ、今年はそこまでゴミが出なくて助かるな」
「ああ、ゴミがな。どうせ出てくるだろうが対処は任せた」
「いや、怖えよお前ら」
藍とフォルスの会話に思わずといった感じで魔理沙が突っ込む。何が起きるのかはこの常連なため、知っているのだろう。まあ隣で半殺しにはするということを言ってる者が居たら怖くて思わず突っ込むのは仕方ないだろうが。
「さすがに命は奪わねえよ。最初は元日本人らしく警告はする。平和主義者というか平和ボケした国らしく、な」
「つまり警告無視したら攻撃するってことだよな…」
「そんな国って大丈夫なのか?暴力に訴えないのはいいことだが力でしか解決できないことだってあるだろう?」
日本人らしい対処をするとフォルスが伝えると日本そのものが心配される始末。そもそも幻想郷の奴らが血気盛んだから暴力で解決することが多いからそんな結論が出てくるのだが。
「意外とどうにかなってるんだよなあ、これが」
「お、熊公。呑んでるな。だいぶ酒臭いぞ」
「そらそうだ。呑める時に呑まなきゃな、しかもただ酒なんだぞ」
そこに久万が歩いてくる。もうすでにほろ酔いのようだ。わずかに顔が赤い。
近くにあった椅子に座り、話を続ける。
「あの国が生き残ってるのはアメリカっつー巨大な国がバックについてるからだ。確かに日本は国としての暴力は禁じてる。そんな状態では絶対他国に侵略されるが後ろにでかい国がついてるなら話は別だ。手出ししたら自分より強い国が攻めてくる、だから攻めない。つまり国単位で依存してるんだ」
「戦争で国力差が10倍近いところに挑んだ狂犬みたいな国だったからなあ。下手に武力持たせて自分たちに挑戦されるよりかは、牙を折って自分たちで管理したほうがよかったんだろ。なのにさあ、どうしてこう、国を守るために必要なのに兵器を買うのに反対する奴らが沸くんかねえ?平和のためには不必要だって言ってるやつらはそれがどこにとって利益があるか考えてないのかなあ?」
「何かお前ら酒のせいか話がおかしくなってない話が逸れまくってるぞ」
こんな話をしていると、四人のもとに赤い一本の立派な角を持った女性が向かってきた。
「よう!呑んでるかい?聞くまでもないけどな!アッハッハッハ」
「呑んでるぞ~勇儀。警備に支障がない程度だけどな」
「フォルスだけ飲む量が少ないと思ってたらそういえばお前は会場警備だったな」
「今のところは全然来てないけどな…嵐の前の静けさだったりするんだけどな、たいていの場合」
星熊勇儀。それが彼女の名前だ。山の四天王とまで呼ばれる鬼の中でもトップクラスの力を誇る実力者だ。ちなみに、久万とほぼ力は同じだがこれは久万が異常なだけであって非力なわけではない。
「ちょっと紫さんのところに行ってくる。まだ結界には反応はないが一応見てくるために外に出させてもらう」
「おう、行ってこい」
しっかりとした足取りで紫のところへ向かうフォルス。
しかし
「うん?この反応は…餓鬼か…。ほかにも獣タイプの妖怪か…獣系は本能に忠実すぎるんだよなあ。とりあえず報告っと…。フラグ立ててたか…」
空間を捻じ曲げて一気に加速する。その際、周りのものを吹き飛ばさないように自身の周りの空間も捻じ曲げておく。幻想郷で加速に関していえばフォルスが一番早い。つまり短距離であれば最速ということになる。
「紫、来たみたいだ」
「こっちでも確認したわ。総数230程度」
「そんくらいなら余裕だな。殺しても?」
「いいわ。もともとの数が多いから1000体程度なら殺しても問題ないもの」
元日本人らしくない考え方だがここでは正しい。さすがに無傷で200を超す敵は捕らえられないし、そもそも捕らえるのには向いてない能力だ。殺傷能力と汎用性には富んでいるが、捕縛一方面に関しては非常に向いてない。
「行ってくる」
「はーい」
コンビニに行くような気やすさで敵の前に送ってもらう。これは実力を知っていなければできないだろう。
「さあて。殺りますか」
まずは正面の6体の餓鬼の体をねじ切る。そのあとは地面ごと捻じ曲げて後続の13体の餓鬼を埋めて殺す。狼型の妖怪が一瞬で距離を詰めてきたが
「フレア」
パチュリーに教えてもらった炎魔法で焼き殺す。
「おい、てめえら。今ここで立ち去るならこいつらだけで勘弁してやる。もし向かってくるならこいつらと同じ運命をたどることになる」
圧倒的な力を見せてからの警告。こっちのほうがこの世界では通用する。
一匹の餓鬼が襲うが、首をねじ切られて殺される。そんな光景を見せた瞬間に三匹の山猫型の妖怪が逃げ出し、それを皮切りにどんどん逃げていきついにフォルス以外居なくなった。
「妥当な判断だな。帰るか」
「ただいま」
「おかえりなさい。早かったわね」
「お疲れ様です」
フォルスを迎えたのはカレンと説だった。
「いつも通りちょっと脅したら帰ってったよ」
「そりゃそうでしょ…あんな殺すことに関しては化け物みたいに強い能力を目の当りにしたら戦意なんて消えるわよ…」
「アハハ…。死体なんてトラウマものですもんね…。初めて見たときは吐きましたし」
と、そこで気になった。
「なあ、熊公は何しようとしてんだ?西行妖の前で力を溜めてるような感じなんだけど…」
「ああ、あれっすか?レミリアさんにツッパリを見せてほしいってせがまれたらしくて」
「え、ちょ。それはやばい」
「え?なんでよ」
(紫に聞いたことがある。幽々子様の体によってあの桜は力が封印されてるって。封印が解けたら魂が吸われてみんな死ぬ…‼)
「スゥーーッ………」
「おおお!?待て待て待て!って聞こえてねえ!だめだこいつ集中しすぎ!」
「ど、どうにかするわ。能力使えばどうにでもできる…はずよ。」
地味に命の危機なために焦る二人。
そしてついに
「オッッッラア!」
ズドンッ
西行妖に渾身の一撃が当たり、周囲のものは砕け、振動がかなりの広範囲にまで広がり、そして
西行妖が傾き始め、そのままある程度まで斜めになった後、引っこ抜けずに元の位置に戻った。
「「ふうーーーっ」」
2人して冷や汗をかいた。事実を知ってるとかなり怖かったが知らない者たちにとっては久万の強さを体感するイベントでしかなかった。
「何か…疲れた」
「私もよ…」
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その後、久万は紫とフォルスに説明されながら説教され事前に相談すればよかったと思うのであった。
意外と長くなりました。
感想と評価は…なくてもいいです