FA:G達との日常   作:天性悪徳令嬢

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試し斬りの時間は武器を扱う上で楽しい時間でもある

「テイクオフ!」

 

アルフレートがそう叫ぶと、光が迸りセッションベースを包んだ。

 

セッションベースの上にホログラムの映像が浮かぶ。

それを見るとアルフレートにさっき作った装甲パーツが装着されているようだった。

 

「テストでも手加減はしないわよ!」

 

しっかりと決めゼリフを言ってからステージが構築される。

市街地フィールドは、その名の通り家やビルが並び遮蔽物の多い現代的なフィールドだ。

 

『今回は動作確認だからまずは軽く歩いたりしてみてくれる?』

 

アプリを通じてフィールド内のFA:Gと通信できるそうなのでスマホに向かって話しかけてみた。

 

「わかったわ。」

 

アルフレートは軽く手や足を振るのを何度か繰り返した後軽く歩いたりして見せた。

 

「特に問題はないわ。」

 

『オッケー、じゃあ次は飛行テストだ。』

 

アルフレートは軽く地を蹴ると、ブースターを点火して加速し空へと離陸した。

そしてそのまま飛行。加速に減速、ロール旋回やピッチ回転を一通り行う。

 

『調子はどう?』

 

「まあまあね。はじめて組んだにしては良い方なんじゃない?」

 

ツンデレなら外せない「まあまあ」という返答。

やはり心得ていらっしゃる。

 

『次は武器のテストだね。今までと同じように空中で軽く確認した後地上でもやってみて』

 

そう言ってスマホを操作し、ターゲット()をフィールド内に出現させる。

 

「わかったわ。」

 

右手に装備したガトリング砲を構え、的に向かって発射。

銃身が回転し弾が発射され、的を見事に破壊した。

 

『ガトリング砲は大丈夫そうだね。』

 

次にアルフレートは左腕に装着した二連ミサイルを構える。

的をロックオンすると即座に発射。ミサイルは少し離れた場所にある的を追尾し、命中して的を爆散させた。

 

『ミサイルも問題無し。次は近接武器だね。』

 

腰につけた日本刀(小)を鞘から抜き、左手で構える。

その後ブースターで加速し、的に急接近してすれ違いざまに切り付ける。

 

的は綺麗に真っ二つになった。

 

『うわあ、やっぱり日本刀の切れ味は凄いね。使ってみてどう?』

 

「刀身のゲート処理が甘いんじゃない?鞘に少し引っかかってたわ」

 

『うぐ、後でキチンと処理しておきます。』

 

「後はもう一本が折れたりしなければね...。」

 

『スミマセン。』

 

「まあいいわ。続きをするわよ?」

 

アルフレートはそう言うと日本刀を鞘にしまい、右腕に装着したナイフを外して左手に構える。

本当は腰とか(もも)につけたかったんだけど、できそうになかったんで断念して腕に取り付けたのだ。

 

アルフレートは再度加速して別の的に接近、今度も問題無く的を破壊した。

 

「こっちの方は処理がちゃんとできているわね。これだけできるのなら刀の方もちゃんとしなさいよ」

 

『スイマセン。けど、やっぱり武器はちゃんと処理しておいた方が精度は良くなるわけ?』

 

「そうね。性能の差も段違いよ。きちんと処理をして、後は塗装したりすればもっと強くなるわよ?」

 

『それに関してはまた今度頑張ろうと思います。』

 

「まったく...。じゃあ地上の方も行くわよ?」

 

呆れるようにそう言うとアルフレートは地上へと降り、また同様にターゲットを破壊した。

 

『うん。地上でも問題は無さそうだね。調子はどう?』

 

「うーん。私は地上より飛行しながらの方が動き易いわね。」

 

『そうなの?やっぱり戦闘機モチーフだからそういう所があるのかな?』

 

「いや、戦闘挙動については私達は一通りデータをインプットされているのよ。」

 

アルフレートは刀を鞘に納めて考える。

 

「けどやっぱり戦闘にはガールのセンスが出てくるわね。私には空中戦が向いているみたい。」

 

『そういうものかねぇ...。じゃあ次は仮想敵を出してみるからそれと戦ってみてね。』

 

「わかったわ。マスター。」




2020/5/14 細部修正

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